晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

『沈まぬ太陽』の恩地氏の姿に、<民主党政権>がダブって見える。。。

2010-01-25 00:10:52 | 日本人の意識と精神構造
日本航空が実質上の倒産を迎え、臨時的に<国有>会社になった。


後半年早く、後3ヶ月早く<整理>していれば、ここまでの<世界規模>での醜聞にはならずに何とかなったかもしれなかったのに、というグチは、既に書いた事でもあるし止めておこう。

それより、まさしく<運命的>な物すら感じられるタイミングで上映されている『沈まぬ太陽』と、<地検特捜部による執拗な小沢追い落とし行動>とに、重なって見える物が有るのは私だけだろうか?



▶稲盛氏の大変さは国見以上だろう…【四国新聞のコラム】

>経営破綻(はたん)した日本航空の再生への取り組みを、日航をモデルにしたベストセラー小説「沈まぬ太陽」(山崎豊子、新潮社)と重ねる人は少なくあるまい。その展開に現実が何だか似ているからだ。

>小説では国民航空の立て直しのため、政府が関西出身の大物財界人・国見に白羽の矢を立てていた。それは今回、関西財界を代表する稲盛和夫・京セラ名誉会長に、政府が日航の舵(かじ)取りを委ねたこととそっくり重なる。

>だが、このまま小説をなぞっていくのは困り物だ。国見は意気込んで乗り込んだものの、企業風土や利権構造の壁に阻まれ、政治家の圧力も受けて任期途中で辞任に追い込まれている。小説は決してハッピーエンドではなかったのである。

>今度の場合、上場廃止や会社更生法の適用など、小説よりも厳しい状況にあるかもしれない。そうした中でハッピーエンドに導かなければならないのだから、稲盛氏の大変さは国見以上だろう。…(2010年1月21日)
以上【四国新聞】


以上のような論評が、一般的な反応のであろうか。


しかし、もう少し冷静に眺めてみると、もっと<違った角度>の解釈が出てくるのだ。

奥底に有る物は、国見=稲森とは違う対比が有るのだ。


その前に、もう少し<一般的な>論調を分析しておきたい。

▶JALにとって間の悪い時期に映画が公開された…【西日本新聞のコラム】

>小説「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)が原作の映画を見た知人が言っていた。モデルにされた日本航空にとっては「何とも間の悪い時期に公開されたものだね」と

>公開されたころの日航は経営再建問題がヤマ場を迎えていた。描かれた社内の報復人事や旧運輸省官僚らへの利益供与などは「作り話」として、「法的手段」を辞さない構えも見せた。やがて、それどころではなくなった

>日航自体が「法的整理」に追い込まれた、といってしまえば身もふたもないが、経緯をはしょっていえばそうなる。日航再建問題で現政権は一時「私的整理」も考えた。政府も迷走した

>顧みれば四半世紀前のジャンボ機墜落事故直後、社内の立て直しのため会長に迎えられた関西財界人は改革できずに去った。今回の法的整理に当たって政府は関西財界から京セラの稲盛和夫氏を会長に迎えて再生を託すことにした

>再び外部から人を充てて再生を目指す。こんどもダメだった、では済まない。おおかたの期待は稲盛氏のカリスマ性に向く。将来像を描いて組織を束ねる力に秀でている。社員には「親方日の丸」意識との決別が待つ…(2010年1月15日付「春秋」
以上【西日本新聞】


散々言われる<親方日の丸>の意識は、社内でも<旧世代>の社員達(従って経営陣に近いレベルと退職者)に顕著である。

しかし、実際に日々の運行に携わっている<現場>のスタッフ達は、ここ数年<それどころでは>無かったのが現実であった。

地上スタッフも乗務員も、自分たちの会社が「もしかしたら存続出来ないのでは。。。」という危機感に苛まれて、必死だったのだ。



▶「日航社員は安住してはならない」 鳩山首相が意識改革を強調(産経見出し)

>21日午前の衆院予算委員会で鳩山由紀夫首相は、経営破綻(はたん)した日本航空の再建について、「社員のみなさんには生まれ変わってもらわないといけない。今までの体質に安住してしまうことが決してあってはならない」と述べ、経営体質の転換と意識改革の重要性を強調した

>鳩山首相は「お客さんに不便を与えないよう全力を尽くすこと」と指摘。


そんな事は、言われるまでもなく<現役社員>達は身につまされて理解しており、各自それぞれが<必死>にがんばって来ていたのだ。

「日航がつぶれるはずが無い、なぜなら散々政府に都合のいいように操られて来た会社だから、潰せる訳が無いではないか。。。」
と、危機を現実と捉えられず、<年金減額>に応じようとしなかった世代こそが、足かせだったのだ。


これ以上<現場>を挫けさせない様にしてあげる事こそが、寛容であります。

そうでないと、復活出来る事も、出来なくなってしまう。


>また、前原誠司国土交通相は、経営破綻の原因として高コスト体質などをあげるとともに、「天下り体質は関連企業を含めて払拭していかなくてはいけない」と、官との癒着を指摘した。
以上【産経新聞】


そうなのです。

事は<日本航空>だけの問題に有らず。
日本の全てのシステムが、多かれ少なかれはらんでいる問題が、まさにそれなのだ。


時事のコラムから引用する。

>『沈まぬ太陽』のストーリーの発端は昭和30年代にさかのぼる。
渡辺謙が演じる恩地元(おんち・はじめ)は、巨大航空会社・国民航空で労組委員長に就任。劣悪だった現場の労働条件の改善を求めて会社側と真っ向から対立した。その結果、会社側からにらまれ、海外の僻地への転勤を言い渡される。パキスタン、イラン、ケニアと10年という長期間の海外赴任生活を強いられたのだった。

>恩地は日本へ帰国後、御巣鷹山で起きた航空機墜落事故との関わりを持つようになる。遺族の世話係として苦悩の日々を過ごす。

>その後、国民航空の刷新のため、外部から招かれた新会長・国見正之から見込まれ、恩地は会長室の幹部に就任し、会社の改革を試みる。しかし、社内の“抵抗勢力”は、既得権益を死守しようとする。改革の行方に暗雲が見えたころ、恩地はまたしても転勤を言い渡される…。
(引用終わり)



このくだりは、目下かまびすしくマスコミが喧伝している状況と、そっくりではないだろうか。


>「主人公・恩地元は、不条理を糺したゆえに周囲から徹底的に疎まれるという状況の中、不屈の精神で立ち向かう清冽(せいれつ)な企業人です。
 索漠とした希望の見えない現代において、映画『沈まぬ太陽』が荘厳な光として輝き、明日を約束してくれることを、切に切に祈ります。」
 (映画『沈まぬ太陽』公式サイトより)



これまで連綿と続いて来た日本の政経システムに、<反旗>を翻した民主党。

国民の生活を実質支配して来た<官僚制度>を打破するべく、新政権を樹立した。

60有余年の<不条理>を糾さんがため、次々とシステムの改革に乗り出すはずであった。


<事務次官会議>を廃止し、<官僚の答弁>を禁止し、官僚の支配力をすぐために<陳情>の窓口を政権政党の幹事長室に一本化し、ほんの一部ながら<事業仕分け>を開始して、予算成立過程の公開化を行った。

官僚は、国政を動かすべからず。
官僚は実務の執行役に徹すべし!!


マスコミの官僚との癒着による<思想操作>を打破する為に、<記者会見>を『記者クラブ』から解放しようと努め、マスコミの世論操作を防ぐ為に<クロス・オーナーシップ>規正を打ち出し(新聞社とテレビ局との同一系列になる事の禁止)、世論のミスリードを防ぐ為の「関係者によると。。。」の形の不明確なくせに断定的な配信を、少なくとも<どちら側>の関係者なのかを明らかにさせる方針、を打ち出そうとしている。

検察のシナリオそのままに<結論>を導きだす、違法な<取り調べ>による冤罪を防ぐ為に、<取り調べの可視化>を打ち出そうとしている。


霞ヶ関の<抵抗勢力>は、全力をあげての、凄まじいまでのやり口で、民主党政権の転覆をはかっている。

政府の一機関『法務省』の一部局に過ぎない『検事局』が、政府を形成する国会議員を、<見込み逮捕>が簡単に可能なような<強大な権力>を行使している。


やはり、冷静に判断して、抵抗勢力に<たった一人で>立ち向かう事は、恩地氏の例を見るまでもなく、不可能に近い困難な事に違いない。


ただ幸いなことには、恩地氏はただ一人であったが、<民主党政権>には、<有権者>が後ろに控えている。


この事実を、東京地検特捜部を前面にして<抵抗>を続ける『検事総長』『検事長』』『特捜部長』に率いられた<霞ヶ関>軍団と、それを焚き付ける<自民党>残存勢力、さらにはその後ろに控えし<アメリカ勢力>の一部は、理解しているのだろうか。


勝てば権力の座に返り咲ける(つもりらしい)。
負ければクーデター失敗として、長く歴史に語り継がれるに違いない。



最後に、フランスでの論調の一部をご紹介しておこうと思います。

以下AP通信からの引用。

>一部のジャーナリストは、重要課題が山積みの<来年度予算案>を通さなくてはならない<国会開会>直前に、しかも参院選の半年前、というタイミングに多いなる疑問を感じている。

>在東京の『テンプル大学』教授、ロバート・デュジャリック氏は次の様に語っている。
「小沢氏は、清廉潔白ではないかもしれない。しかし、これまでの<自民党政権>下で長きに渡って行われて来た事、以上の<あくどい事>をやって来たとは思えない。
これまでの自民党政権の権力構造は、司法体制と報道機関との結託に於いて<担保>されて来た。
その点で<彼ら>は小沢を潰したいのであろう。」
(引用終わり)


海外メディアは、見る所はちゃんと見ている。


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4 コメント

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Unknown (篠田と申します)
2010-01-27 13:30:59
ネットを見ていましたら、ひょんなことから貴殿ブログに辿りつきました。そして「恩地氏」の人物像についての記述がありましたので、思わずコメントさせていただく次第です。私は当然ながら恩地氏との面識はございませんので、あくまでもネットでの情報でしかないのですが、山崎豊子氏はフィクションとノンフィクションを織り交ぜて小説を書き上げていくので、読者はフィクションをノンフィクションとして受け止めてしまう傾向があるようです。参考までに恩地氏の人物像について別の見方があることを御紹介いたします。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301611.html
物事にはいろんな見方があり、いろんな方のご意見があります。何を信じるかは、それぞれの情報量の多寡であったり、学識の深さであったり、信条であったりします。ただひとつ言えるのは、まず自分を疑うことから始めなければ、真実にたどりつけない、ということだと思います。私自身、政治に無頓着でありましたが、民主党政権の誕生で政治に敏感になり、自民党政権の負の遺産の多さに憤り、民主党にただならぬ期待をしておりました。が、昨日、菅財務大臣がマクロ経済学の基礎である「消費性向」と「乗数効果」を知らないという事実に驚愕いたしました。政治家ならば、それぐらい知っていると思い込んでいた・・・。しかも財務大臣という要職を受ける人物であるなら。。。これでは、財務官僚にいいように扱われています。官僚主導から政治主導へというスローガンが、むなしく聞こえるようになりました。いったい何を信じれば良いのか・・・。ここ日本の冬の空の下は、混迷を色を増すばかりです。私もパリに行ってみとうございます。
篠田様。 (時々パリ)
2010-01-27 18:00:45
コメントありがとうございました。
私は、『沈まぬ太陽』を昔原作で読みました(もちろん映画は見る機会はありません)が、日本社会の<出る杭を打つ>習性が腹立たしく、まさにその<事なかれ主義>が私を日本から追い出した主因でもあって、共感を覚えた物でした。
下敷きとなった<写真家>小倉さんという方の事は、全く知識が有りません。
今回のブログは、あくまで<表層的>に限りない大きな抵抗の壁に挑む困難を、期待になかなか答えられない<民主党>を重ねただけで、厳密な比較などでは有りません。
さらに、私は日航関係者では有りませんが、<御巣鷹山>事件が、演習中の米軍(もしかしたら合同演習中の自衛隊?)機による撃墜であったらしい事を知り、全国民に発表出来ない悔しさに耐えている社員の事を思って、シンパシーを抱く様になりました。
今後も時折お立寄くださると、幸いです。
たわけ (あほんだら)
2010-08-26 06:49:20
ここはバカの集まりだな
あほんだら様。 (時々パリ)
2010-08-26 07:59:34
コメントありがとう御座いました。
HNが、ご自身の中身を良く表していらっしゃいますね。
素晴らしいネーミングです。

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