久しぶりに<心にしみる光景>です。
西スペイン、ポルトガル国境に接する「サラマンカ県」の、『ラ・アルベルカ』村をご紹介します。
ラ・アルベルカ村の「プラサ・マヨール」(中央広場)
スペインとポルトガルとが接する辺り、西スペインに『ペーニャ・デ・フランシア山地』と言う山岳地帯が有る。
1000メートル前後の山々がうねる。
最高峰は1492メートル。
アラゴン河とタホ河とが、所々でダム湖を抱き、風光明媚な山国である。
そのただ中に、『ラ・アルベルカ』の村は有る。
人口900余の、小さな村で、所々に往時の城壁が残っている。
城壁外の僅かな「新しい」家並を過ぎて、城門をくぐると旧市街へと至る。
アルベルカ村の城門
木の柱と梁との間にレンガを詰め込んだ、「昔ながらの」家並がかたち作る細い路地は、何れも村の中央である「プラサ・マヨール」広場に通じる。
馬車等通れない狭い路地
通りに面して残る、馬の為の水飲み場
一階部は石造で、その上が「木造」となっている、往々にして上階に「バルコニー」か「出窓」を持つ、この地方の伝統的家屋が、肩を寄せ合う様に並び、その間の<隙間>が街路を形づくっている。
広場よりやや離れて、教会がポツンと建っている。
村の教会
さすがに、教会は総石造り。
こ奇麗で清潔な内部に入ると、床が総て大振りな石盤で葺かれた、独特の雰囲気が漂っている。
その、床の石盤には、なぜか「番号」が彫り込んであった。
このように広い石盤で葺かれた床の教会は珍しい
ところで、スペインと言う国は、ことの外、深い「マリア信仰」で知られている。
夫々の町や村には、中心となる教会に、その町で一番尊ばれているマリア像が飾られている。
復活祭の日曜日にかけての一週間は『聖週間』とよばれ、お祭りが繰り広げられる。
その際、一番美しい豪華な衣装を身に纏い、宝石類を飾り立てて、神輿の様に「街中」を練り歩く。
往々にして、「神の御子」を失って嘆く、「涙のマリア」が多い。
夫々に、呼び名がついている事が有るが、セゴヴィアの『マカレナ』が、特に名高い。
ラ・アルベルカのマリア様
ここ、ラ・アルベルカ村のマリア様は、多数の剣を捧げ持っていらっしゃった。
そして教会の入り口の脇に、なぜか「イベリコブタ」の『像』が建っていた。
ブタまでお行儀良さそうな
そして、村の中には「イベリコハム」の製造販売店も。
この地、「サラマンカ県」の南部は、イベリコハムの珠玉の名品『ベロッタ・ベロッタ』の産地なのです。
イベリコハムとドライソーセージがふんだんにぶら下がる店内
再び、小径を引き返して、中心の広場『プラサ・マヨール』に行ってみよう。
スペインには、ほとんど総ての町や村に、『プラサ・マヨール』と呼ばれる広場が有る。
通常は、四方をアーケードで囲まれた、四角い広場である。
町人、村人の集う所で、各種催しや祭りの中心ともなる。
大きな町では、騎士達の「馬上槍試合」の行われる事も有った。
勿論「闘牛」も。
この程度の村では、闘牛は無理であが、村人達は数件のカフェのテラスに座り込んで、日がな一日を過ごすのだ。
周囲の建物の一階はアーケード
そして、広場の片隅に「十字架」がしっかりと建ててある。
村人の全員を、見守っているかの様に。
文字通り村の<中心>
この、眠った様な静かな村の路地を歩いていたら、ほんの少し開けた所に三人のおばあちゃんが座って、鳩首会談の真っ最中だった。
二人は編み物をしながら。
もう一人は杖を持って、頷きながら。
恥ずかしそうに、カメラを逃げようとするおばあちゃん
あまりに「可愛らしい光景」だったので、そのままの姿をし写真に収めたくて、挨拶抜きでカメラを構えたら、一人が気付いて、とたんに三人の形づくっていた「空間」が崩れてしまった。
その、左側のおばあちゃんの、カメラを避けようとする恥ずかしそうなポーズが、又また可愛らしかった。
勿論、写してからお詫びとお礼を言いました。
世の中には、このような「心の洗われる」様な光景が、残っているのですね。
国の中央の政治や陰謀とは、全くかかわり合いを持たずに、十年一日どころか、数世紀一日、変わらぬ「自分達の生活」を、かたくなに守っている社会がある。
そこには、政治家のエゴも、高級官僚の「シャイロック」並みのどん欲さも関係なく、原発も放射能も無い。
明るくなったら起きる。
暗くなったら寝る。
村の住人全員が、お互いに全員を知っている。
孤独死も無い。
自殺も、恐らく無いだろう。
でも、自分達が歩んで来た、揺るぎない歴史の確かさが有る。
それが、村人一人一人の、確たる自信を形造っているのだろう。
GDPも関係ない。
今日も食事が出来て、明日も生きていられる事を信じていて、それを神様に感謝している幸せな人生。
一生、この村を出た事もない村人だって、未だに居るかもしれない。
それでも。
人間の『尊厳』を、しっかり失わずに暮らしている、村人達の一生は、きっと幸せである筈だ。
羨ましい限りである。
西スペイン、ポルトガル国境に接する「サラマンカ県」の、『ラ・アルベルカ』村をご紹介します。
ラ・アルベルカ村の「プラサ・マヨール」(中央広場)
スペインとポルトガルとが接する辺り、西スペインに『ペーニャ・デ・フランシア山地』と言う山岳地帯が有る。
1000メートル前後の山々がうねる。
最高峰は1492メートル。
アラゴン河とタホ河とが、所々でダム湖を抱き、風光明媚な山国である。
そのただ中に、『ラ・アルベルカ』の村は有る。
人口900余の、小さな村で、所々に往時の城壁が残っている。
城壁外の僅かな「新しい」家並を過ぎて、城門をくぐると旧市街へと至る。
アルベルカ村の城門
木の柱と梁との間にレンガを詰め込んだ、「昔ながらの」家並がかたち作る細い路地は、何れも村の中央である「プラサ・マヨール」広場に通じる。
馬車等通れない狭い路地
通りに面して残る、馬の為の水飲み場
一階部は石造で、その上が「木造」となっている、往々にして上階に「バルコニー」か「出窓」を持つ、この地方の伝統的家屋が、肩を寄せ合う様に並び、その間の<隙間>が街路を形づくっている。
広場よりやや離れて、教会がポツンと建っている。
村の教会
さすがに、教会は総石造り。
こ奇麗で清潔な内部に入ると、床が総て大振りな石盤で葺かれた、独特の雰囲気が漂っている。
その、床の石盤には、なぜか「番号」が彫り込んであった。
このように広い石盤で葺かれた床の教会は珍しい
ところで、スペインと言う国は、ことの外、深い「マリア信仰」で知られている。
夫々の町や村には、中心となる教会に、その町で一番尊ばれているマリア像が飾られている。
復活祭の日曜日にかけての一週間は『聖週間』とよばれ、お祭りが繰り広げられる。
その際、一番美しい豪華な衣装を身に纏い、宝石類を飾り立てて、神輿の様に「街中」を練り歩く。
往々にして、「神の御子」を失って嘆く、「涙のマリア」が多い。
夫々に、呼び名がついている事が有るが、セゴヴィアの『マカレナ』が、特に名高い。
ラ・アルベルカのマリア様
ここ、ラ・アルベルカ村のマリア様は、多数の剣を捧げ持っていらっしゃった。
そして教会の入り口の脇に、なぜか「イベリコブタ」の『像』が建っていた。
ブタまでお行儀良さそうな
そして、村の中には「イベリコハム」の製造販売店も。
この地、「サラマンカ県」の南部は、イベリコハムの珠玉の名品『ベロッタ・ベロッタ』の産地なのです。
イベリコハムとドライソーセージがふんだんにぶら下がる店内
再び、小径を引き返して、中心の広場『プラサ・マヨール』に行ってみよう。
スペインには、ほとんど総ての町や村に、『プラサ・マヨール』と呼ばれる広場が有る。
通常は、四方をアーケードで囲まれた、四角い広場である。
町人、村人の集う所で、各種催しや祭りの中心ともなる。
大きな町では、騎士達の「馬上槍試合」の行われる事も有った。
勿論「闘牛」も。
この程度の村では、闘牛は無理であが、村人達は数件のカフェのテラスに座り込んで、日がな一日を過ごすのだ。
周囲の建物の一階はアーケード
そして、広場の片隅に「十字架」がしっかりと建ててある。
村人の全員を、見守っているかの様に。
文字通り村の<中心>
この、眠った様な静かな村の路地を歩いていたら、ほんの少し開けた所に三人のおばあちゃんが座って、鳩首会談の真っ最中だった。
二人は編み物をしながら。
もう一人は杖を持って、頷きながら。
恥ずかしそうに、カメラを逃げようとするおばあちゃん
あまりに「可愛らしい光景」だったので、そのままの姿をし写真に収めたくて、挨拶抜きでカメラを構えたら、一人が気付いて、とたんに三人の形づくっていた「空間」が崩れてしまった。
その、左側のおばあちゃんの、カメラを避けようとする恥ずかしそうなポーズが、又また可愛らしかった。
勿論、写してからお詫びとお礼を言いました。
世の中には、このような「心の洗われる」様な光景が、残っているのですね。
国の中央の政治や陰謀とは、全くかかわり合いを持たずに、十年一日どころか、数世紀一日、変わらぬ「自分達の生活」を、かたくなに守っている社会がある。
そこには、政治家のエゴも、高級官僚の「シャイロック」並みのどん欲さも関係なく、原発も放射能も無い。
明るくなったら起きる。
暗くなったら寝る。
村の住人全員が、お互いに全員を知っている。
孤独死も無い。
自殺も、恐らく無いだろう。
でも、自分達が歩んで来た、揺るぎない歴史の確かさが有る。
それが、村人一人一人の、確たる自信を形造っているのだろう。
GDPも関係ない。
今日も食事が出来て、明日も生きていられる事を信じていて、それを神様に感謝している幸せな人生。
一生、この村を出た事もない村人だって、未だに居るかもしれない。
それでも。
人間の『尊厳』を、しっかり失わずに暮らしている、村人達の一生は、きっと幸せである筈だ。
羨ましい限りである。
私たち一家は、去年の12月からアルベルカに住んでいます。
ここは、本当に素敵なところです。
山の方に入ったら、栗の木があって、まるでトトロの森のようですし・・・。
日本の風景に似ています。
ところで、城壁なんて、ありましたっけ・・・?
気づきませんでした。。。
見えてないだけかも・・・。
コメントありがとうございました。
ええっ!?
住んでいらっしゃるのですか??
良い所ですが、ずっと住むとタイムカプセルに閉じ込められた様になりそうな…(*^_^*)
きっと、何か理由があってお住まいなのでしょうね。
その辺りに、何か特殊な目的に適う物が有るのでしょうか。
あの三人のおばあちゃん(二人は姉妹だと思いました)は、相変わらずあそこで編み物をしながら、おしゃべりしていらっしゃる事でしょうね。
また行きたいです。
<城壁>は、具体的では無く、「ここは城壁の後だな」と知覚したのです。
また訪問させていただきます。
コメント有り難うございました。
スペインに向かうのにブルガリア??
何だかわかりませんが、楽しそうですね。
ラ・アルベルカまで足を伸ばすのは、交通の便などから考えて、あまり簡単では無いでしょうね。
私もスペイン大好きなので、またいつか「スペイン特集」をしたいと思っています。
これからも、宜しくお願いします。