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晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

<表現の自由>を言えるのは、先ず大人の社会で有る事が前提/ワイセツ漫画規制の動きへの反発

2010-04-04 23:07:37 | 日本人の意識と精神構造
日本では、何でも<極端に>マイナスの部分を庇いたがる風潮が有る様だ。

例えば、未成年の犯罪の場合も、その犯罪の<重大さ>や、社会に対する<衝撃度>さらには、被害者への<苦痛>の大きさ、等への配慮よりも、<未成年>である事だけをもって、犯人の<社会復帰>だの<人権>だのが優先されてしまっているケースが頻繁に見られる。


どうも<順序>が逆では無いか、と思う事が多いのだ。


昨今話題の、コミックやアニメでの<過剰な>わいせつ表現に対する<規制>の動きに対しての、漫画家諸氏の反対表明も、同じ線上に感じるのは、私だけなのだろうか。



▶都条例改正案めぐり大論争 SNSで拡大、都議会にも影響(産經見出し)

>18歳未満にみえるキャラクターを「非実在青少年」と定義し、その性描写がある漫画などの販売や貸し出しを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案が、ネット上で論争を巻き起こしている。漫画家や有識者らがブログなどで「表現の萎縮(いしゅく)を招く」と反対意見を表明し、都議会を揺るがす事態に発展。都は「青少年の感性がゆがむような表現が規制対象」と説明している。



先ずもって理解不能な事は、明らかに10代前半と思われる少女を主人公に、極端に卑猥な表現を赤裸々に描き出す必要が、社会の何処に有るのか、と言う事だ。

しかも殆どが(ほんの少しだけ参照してみた限りなのでサンプリングは十分とは言えないが)、いたいけな少女に対する、凄惨なレイプであったり、意味不明な<性的調教>で有ったりする様だ。

この類いの<表現>が、社会に対して存在する意味が、理解出来ない。


「法的規制による表現の萎縮を心配する」

萎縮しないままだと、一体何処まで描いたら気が済むのか。
それらが、社会に必要な要素とでも思っているのか。


>物語の状況設定などから18歳未満と受け止められるキャラクター(非実在青少年)の性描写がある漫画やアニメ、ゲームなどは、現行条例でも「著しく(青少年の)性的感情を刺激」するものなどを「不健全図書」に指定する規制がなされている。


至極真っ当な事だ。



>今回の改正案では、非実在青少年が「みだりに性的対象として描写」され、「(青少年の)性に関する健全な判断能力の形成を阻害」するおそれがあるものについて、青少年への販売・貸し出しを自主規制としている。特に、強姦(ごうかん)など反社会的な行為を肯定的に描写するものは、不健全図書に指定する。


これの何処が、批判されねばならないのだろう。


>これに対し、ネットで反論の火の手が上がった。藤本由香里・明治大准教授は7日、SNS「ミクシィ」の日記で、「18歳未満」や「不健全」は「いくらでも恣意(しい)的に解釈できる」などと批判。これがネット上で転載されて広まり、9日にIT系ニュースサイトで報道されると、ミクシィでは1万件以上の日記が書かれるなど大きな反響を呼んだ。

>その後も、有名漫画家、有識者のブログで反対表明が相次ぎ、15日には都庁で記者会見を開いたうえ、都議会最大会派の民主党などに意見書を提出した。



彼らの「いくらでも恣意的に解釈出来る」という論法は、十分理解出来る。
世の中の、庶民の活動を規制する法律は、その運用次第で庶民を弾圧する武器となる事は、歴史が証明している所である。

しかし、それを言うなら、<盗聴法>も、<通信傍受法>も、<破壊活動防止法>も、あるいは<記者クラブ主催の記者会見>でさえも、同じ事だ。

それらに、声を大にして<反対>が続いているか?



>児童ポルノをめぐっては、教育関係者などからなる都の諮問機関「青少年問題協議会」が1月、「おぞましい子どもに対する性的虐待をリアルに描いた漫画等の流通を容認することにより、児童を性の対象とする風潮が助長されることは否定できない」と答申。



戦後日本の社会の<甘さ>が生み出して来た、一部の<成長し損なっている>若者達に取って、それらが如何に大きな影響を与えているか、反対している漫画家諸氏は、お解りなのだろうか。


ネットの<闇サイト>とやらで同志を募り、誰でも良いから集団で<レイプ>し、挙げ句の果てに殺してしまう。

思春期の少女を誘拐し、18年間も<監禁>して、己の欲望の<奴隷>にする。

英語教師を殺害し、放置する。

帰宅途中の女子学生を拉致し、乱暴した後、切り刻んで<捨てる>。

そのような風潮に対して、遊ぶ金欲しさに男達の求めに応じる娘達も出て来る。


これらは、総てこのような<恐るべき>漫画等の影響が全く無いと、誰が証明出来るか。

そのような物が無ければ、事態はもう少しは穏やかであった、と考える方が自然では無いのか。


>都青少年・治安対策本部青少年課は改正案について「非実在青少年の性を描くのは駄目、それを成人が見るのは駄目とは言っていない」と話している。
【産經新聞】



この類いの<奇書>は昔から有った。

しかしそれらは、あくまで特殊な人間の間でのみ<消費>されて来たのだった。
それらが、人目につく所でおおっぴらに売られる事も無く、ましてや一般の青少年が購入したりする物ではなかった。

そこには、目に見えないが歴然とした<垣根>が存在していた。


いわゆる<ポルノ>と称される物が日本の社会で<解禁>されたのは、ごくごく最近の事である。
ところが、<解禁>されるや、あっという間に<一般人>の間に広まってしまったのだ。

特殊な人種の特殊な趣味ではなくなり、コンビニで子供達が自由に買って自由に読める様になってしまった。

その間に、マスコミは性風俗を頻繁に取り挙げ、おもしろおかしく煽り立て、日本人の美徳であった<慎ましやか>さを奪いさり、日本人の社会的理性を洗脳してしまった。

今や、いくら不況だとはいえ、プロの水商売(あえて風俗等とごまかした言い方はしない)が、女子大生のあこがれの職業の一つになって居るらしい。



日本が、<陰毛>が一本でも映っているだけで摘発されていた頃から、ヨーロッパでは、一切のボカシも何も無い<ポルノ>が、新聞スタンドで普通に売られていた。

しかし、それらを買う購買層は、やはり<特殊>な階層であり、普通の人達は興味も示さなかった。

その間に、日本は<なし崩し>に規制が緩和されてゆき、上記のごとくに相成った訳だが、ヨーロッパでは、今でもまだそれらは<特殊な>階層の物として、何ら変わっていない。


日本だけが、極端に走ってしまっている。


女子高校生が、売春婦まがいの短いスカートで化粧して通学し、男の子達は、その気になればそれらの書物が簡単に手に入る。

そして、家庭での教育が昔の日本のように行き渡らなくなってしまっている以上、問題が起こらない訳が無い。

ヨーロッパには、未だに<垣根>が存在し続けている。

化粧して通学する女子高校生など、低階層の一部の娘達だけである。


それに対し日本では、玄人と素人との垣根すらが無くなってしまった。
女子高校生が、売春していると言う意識すら無いまま、平気で体を売る。

そういった可能性がある社会に有益でない物、に<規制>をかける事は、至極当たり前の事ではないのだろうか。

その<規制>に反対する勢力は、日本の社会の<未成熟さ>を見落としているのでは無いだろうか。



▶橋下発言に抗議メール400件 わいせつ漫画規制(産経見出し)

>18歳未満の登場人物のわいせつ描写がある漫画やアニメの販売などを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案を受け、大阪府の橋下徹知事も府内の実態把握に乗り出すことを表明したのに対し、「表現の自由を侵害する」などとする抗議メールが400件近く府に寄せられていることが3日、分かった。府は4月中にも実態調査を始めるが、事前の反響ぶりに「規制すると決まったわけではない」と説明している。


<このような表現>の自由という物に、それを侵害されて社会に悪影響を及ぼすような<何か>が、果たして有るのだろうか。
<そのような表現>の自由を、守らなければならない大義名分を、残念ながら見いだす事が出来ない。


>東京都の青少年健全育成条例改正案について、橋下知事は「表現の自由は絶対ではない。失われる利益が大きいなら規制もある。子供を守るのが大人の責務で、表現の自由だけで議論を封鎖するのはおかしな話だ」と指摘。


それが当然の反応であろう。


>こうした動きに対し、3月末までに届いた抗議メールは約390通に達した。ほとんどが府の規制強化を危惧(きぐ)する内容で、東京都など府外からも寄せられた。



何に対しての<危惧>なのか。

失われるものより、守られる物のほうが、その内容も量も圧倒的に多いのに。


>「規制は将来漫画家になりたい少年の夢を奪う」


このような<規制>によって、「漫画家になりたい少年の夢を奪う」と言う事は、そのような愚劣な作品(作品と呼んでもで良いのかどうかすら定かでは無い)を書きたいと、既に考えていると言う訳だ。

そのような少年達が居るのなら、漫画家になる勉強を始める前に<精神鑑定>を義務づける必要すら有りそうだ。


>「アニメなどで不健全な描写が青少年の健全な育成に悪影響を与えたり犯罪を誘因したりするとの考えがあるが、違うのでは」


違わない。
少なくとも、そのような漫画がこの世に無ければ、あるいは、青少年の手に触れなければ、犯罪の誘因は、かなり減ると思われる。

世の中に、フィクションと現実との区別が付かない<未熟>な人間が多すぎるのを、皆忘れて議論している。


>「漫画など被害者がいない創作物を規制するより児童買春を規制すべき」などの反論もあるという。
【産經新聞】


理論のすり替えである。

この手の漫画が、かなり誘発するはずの可能性を否定出来ない、<児童買春>の対象になる子供達こそが、その手の漫画の<被疑者>である。


以上の如き規制への反論は、日本の社会がもっと大人の社会となって、万民が<空想と現実>との違いをはっきりと識別する能力が得られる様な社会になってから、始めて通用する理論だと思われる。



▶漫画児童ポルノ 子供に見せないのは当然(産経見出し)

>東京都が定例議会に提出した「青少年健全育成条例」の改正案が継続審議となり、6月議会に先送りされた。

>漫画で子供の性行為などを描いた児童ポルノを規制対象と明記する案に対して、漫画家や出版業界などから「創作活動が萎縮(いしゅく)する」などの反対が起きたためだ。

>しかし、対象となるのは教室での少女強姦(ごうかん)や恋愛と称して近親相姦を描くなど、社会規範に著しく反した内容の漫画やゲームソフトだ。18歳未満の小中高校生らに見せないようにするのは当然ではないのか。改正案は妥当である。


少女強姦や近親相姦を、昔のように<一部の愛好家>が隠れて<淫微>に鑑賞するだけであった時代とは、もはや時代と社会の環境が違う事を、前提に話を進める必要が有る。

はっきり言って、こんな社会現象は異常だ。


>改正案への批判には誤解や曲解も目立つ。漫画を新たに規制対象とするかのようなとらえ方があるが、現行条例でも漫画は規制対象だ。

>しかも、最近の指定有害図書の多くは漫画だという。


この由々しき日本の現状に、規制反対派の漫画家諸氏はどう反論するのか。


>「表現の自由」を持ち出した批判は論点をすり替えていないか。改正案は「子供に見せない」という常識的な内容だ。反社会的な行為の助長は許されない。

>大阪府の橋下徹知事も、実態を把握した上で規制を検討する意向を示し、「表現の自由は絶対的ではない。子供たちを守るのが大人の責務」と述べた。東京都とともに工夫して取り組んでほしい。

>インターネットなどを通じた児童ポルノの氾濫(はんらん)に対し、児童ポルノの単純所持を規制する国の法改正も滞っている。子供を性的対象とする目に余る実態を認識し、論議を深めてもらいたい。
【産經新聞/コラム主張】


退廃的な物。
反社会的な物(何が反社会かと言うようなレトリックはここでは不要)。
非生産的な物。
極端に退廃的な物。
不健全に猥褻な物。
子供達に著しい性的紊乱を与える如き物。
子供達に間違った性知識を植え付ける様な物。

そのような物は、文明が生んだ奇形児である。
(差別用語かどうかなど、この際どうでもよろしい)


そのような<奇形児>は、社会の暗闇で<ひっそり>と生きて行けば良いのだ。


そのような<表現>を否定はしない。

しかし、<お天道様>の当たる所に出て来る資格は無い。
そのような物が社会に氾濫すれば、規制されて当然、と心得るべし。


そして、国であれ、地方であれ、役人はすべからく<自信を持って>規制に取り組むべし。

よけいな所では市民社会の秩序を邪魔するくせに、肝心な所で腰が引けるのは、完全に<保身>にはしる<役人根性>丸出しである。



それにしても、反対運動の先頭に立っている漫画家の先生方が、<ちばてつや氏>その他、私の尊敬する大家の方々である事が、複雑な心境にさせられるなあ。

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