ブラックファイブ

あのDr.ブラックジャックの半分以下なので、ファイブとします。命燃え尽きるまで、経験と知識からブログをやろう。

なんとか面目“鎖骨下静脈穿刺2”

2010-04-23 23:33:15 | Weblog
 今日の一事は、昨日のトラウマ解決、これしかない。
 日中の仕事は比較的スムーズに終え、15時にはスタンバイ、OK。
 若いのに声を掛けて左鎖骨下静脈で開始、左には胸管というリンパ管があり注意というが、そんなの無視、研修医は3人も見学。
 もちろんリベンジは若いのが開始。最初の麻酔針の穿刺で静脈に当たり、『おっ、今日は楽勝!』と昨日に比べて拍子抜けかと思いきや、その後のカテーテルが入っていかない。なぜか突っかかって進まなく、四苦八苦のもがきが始まる。
 入りそうで入らないもがきの渦、研修医も待ちくたびれているようだが、身体はぶれても声には出さず、一緒に辛抱、1時間。
 とうとう交代、「入らんかもしれん。」とつい微々った言葉を吐いてしまった(反省)。
 滅菌手袋装着、5ccディスポ注射器に麻酔薬を入れてセット、スタンバイ。
 周りの研修医に聞こえるように、「麻酔で皮膚に膨疹を作る。刺すのはこの方向と教科書には書いてあるが、大体届かないから、少し手前で刺す。麻酔(薬)を入れては、(注射器に)陰圧をかけて(針を)進める。陰圧をかけるのは、血管に入っても、肺を刺してもすぐ分かるから。鎖骨のすぐ下を少しずつ探し、ずらしていく。」
 この辺りまで話していると、静脈血の逆流を見て、命中。
 「針を抜くときは、イメージ覚えきれないから、方向だけでもマークしておく。」と言って、患者さんの血液と麻酔剤の混じった混合液で皮膚に赤い点線をつける。
 太い針に替えて刺す。そして引くと赤黒い静脈血が逆流。しかし、カテーテルを進めようとしても入っていかない。
 ここで若いのは迷路にはまり込んで出てこられなかった。
 引いたり押したりの微妙を繰り返し、なんとかカテーテルを入れる。
 その後の確認の血液逆流の勢いは弱く、スタッフに「カテの中、固まらない程度に生食流してレントゲン。血管に入ってなくて、漏れてても100cc位の生食じゃ死なない。」ギョッとするスタッフを押さえてレントゲンを待たせる。
 “入ったかどうか、よく分からん時に生食を流して、確認を待て。”とは教科書には書いてない。
 レントゲンで“方向ヨシ”、更に確認と、「生食10ccフラッシュ(カテーテルから強い圧力で押し込む)、そして引いてみよう。これで、血液が引けたらOK。」と、又、疑いの眼で見られたが、そのまま実行。逆流血は赤黒く静脈でOK、何とか面目は保て、まさに何とか終了。

 思い出した、『(試合に)出る前に負けること考えるバカがいるかよ。』
 やる前から、うまくいかないなんて負けを意識してはいけない。

※ 元MLB“R・Johnson”投手、始球式の小遣い稼ぎ、足元見られてる。
コメント
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