若い頃の僕のストレス発散法はゲームセンターでテレビゲームをすることでした。テレビゲームをしているときだけ嫌なことは忘れられ本当に無心になれました。無心になって楽しめる遊びなんてそうそうあるものではありません。だから当時の僕は本当に夢中になったのです。
シューティングゲームは単純です。敵を自分がやられる前にやっつける。スティックを操りボタンを押す。押しまくる。躊躇などしない。していられない。撃って、撃って、撃ちまくる。刺激と反応だけの世界。人間の内面の真実などからは程遠い世界。
攻撃欲を満足させられるという点ではよかった。あの攻撃欲を誰か他人に向けなくてよかった。現代の日本社会の成人男子の殺人率が低いのにはテレビゲームが一役買っているのかも知れません。
ところでドーパミンという神経伝達物質は快感を司るらしいです。テレビゲームをしていたときの僕は快感で満たされていたからさぞかしドーパミンも大量に分泌されていたことでしょう。5時間ぐらいやる日もありました。今から思うと中毒になっていたのでしょう。とにかく快感が欲しかった。
一方、ドーパミンの大量分泌は統合失調症の原因になるという仮説が有力ですが、これは自分のことを振り返ってみてうなずける説です。テレビゲームをやるなとは言いません。ただ適度にしておいたほうがいいと思います。なかなか適度というのが定まらないのだけれど・・・。
また今から思うと安易にストレスを解消してしまっていたことが悔やまれます。適度なガス抜きをするからいつまでたっても煮詰まらなかったのだとも思うからです。早いうちに苦悩の果てに突き抜けるという経験ができていれば精神が病むということも一時的で済んだのかも知れません。