歌手になることを夢見る少女、厳格で暴力的な父親に歌うことを止められ、顔を隠して歌う映像をユーチューブに投稿する。その歌声で瞬く間にスーパースターになる。
この父親の暴力がすごい! 母親は顔にアザを作り胸を骨折したこともあったという。それなのにそんな母親がさらにすごい! 父親の目を盗んで少女の夢を叶えようと奔走する。自身も自分の父親に勝手に結婚相手を決められ、ずっと耐えた生活を送ってきて、人生を半分諦めている風なのに。
離婚して父親から離れようと説得する娘にも、そんな事は出来っこないと諦めていた母親が、少女が自分と同じ運命にさらされた時決断する。夫に三行半を突きつけ、娘と息子の手を取り、夫から去ってゆく姿は雄々しくかっこいい。
インド映画は笑って泣けて、最後にズンと胸にくるものがあって、見て損はないという感じです。この映画では、インドに限らずどの世界でも、女は蔑まれて自由のきかない人生を生きてきたことを直視させられます。インドでは今もこれが珍しいことではないと訴えたかったのかな?