チリチリリン

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引っ越し顛末

2020年08月25日 | ふうりんの音

我が家は転勤族だ。結婚当初は親と同居だった。子供は3人。

長女が幼稚園に入るとき名古屋に転勤になった。名古屋はトヨタのお膝元、道路も公園も整備されていて綺麗だった。週末は子供3人連れて、あちらの公園こちらの公園と遊びに行った。子供の面倒を亭主に任せて、瀬戸の陶器市にも行った。ほどほどの大きさの都市で、どこへ行くにも時間がかからず住みやすかった。

長女が小学校に上がる時に大阪に移った。大阪で1回転居したが、長女次女は大阪で小学校、中学校、高校、大学を卒業した。長男は高校まで。だから同窓会、友人の結婚式など、子供たちは関西に戻る。

長女の就職を機に東京へ帰ってきた。次女は京都の大学近くに下宿していたので、卒業後合流。

可哀想なのは長男で、米国留学中に引っ越ししてしまったので荷物は全部私が片づけた。山のようにあったガンダムプラモを全部捨てた。長男のママ友から、うちの息子が「あのガンダム捨てられたら帰ってきて泣くよ!」と言っていたと聞いて、そんなに大事なものだったのかと反省したが後の祭り。長男は日本に帰ってきても自宅が何処かわからないので、空港まで迎えに行って連れてきた。後日届いた国際宅急便にはアメコミフィギュアがどっさり入っていた。

3人とも関東の地図には疎くて、カーナビがないと車に乗れない状態だった。

住居には恵まれていて(借り上げ社宅)子供の成長に合わせて部屋数の多い広い家を提供してもらえた。子供達が独立して夫婦二人になった家は普通の大きさだったが、庭があって趣味の園芸を楽しむことが出来たし、近所に畑を借りて、食べきれないほど野菜を作ってきた。

私は家に引き取った実母を看取った。亭主はその間実家に住んで亭主の母を看取った。お互いの親を見送って1年過ぎ、終のすみかは結婚当初住んだ亭主の実家にすることは暗黙の了解だった。(本当は趣味も仕事も畑もある現住所が良かったんだけどね。)

 

引っ越しにあたっては、私は今の家を片付けて引っ越しできるようにする。亭主は実家を片付けて受け入れ可能にする、約束だった。

捨てられるものは捨てて荷物を減らす。ずっと取っておいた子供の荷物も、一人一人見にきてもらって処分した。美大出の次女の絵の数々も泣く泣く捨てた。長男のアメコミフィギュアは日本では販売してないので、いい値段で売れたらしい。エレキギターやアンプも捨てた。

家具もダブるのでほとんど処分した。園芸書も美術書も書籍はブックオフに送り、庭の植木も人に貰ってもらった。1ヶ月かかって整理し、不用品回収業者を探し、2トンロングトラックに3杯捨てて、1杯分の約100個の段ボールと食器棚、鏡台、ベッドなどを運んできた。

 

ところがところがところが!!!亭主は何もしてなかった!!!

言い訳のように数日間ゴミ袋を10個ずつも捨てたと言っていたが、それは捨てるべき本来のゴミであって家財を整理したものではなかったようだ。

家の中は親世代の荷物と亭主の荷物で足の踏み場も無いゴミ屋敷、引っ越し荷物など入る余地も無い! 引っ越し業者も絶句、急遽借りたコンテナ倉庫に運び込むことになった。

私は数着の着替えとベッドだけ自分用の2間続きの1間に入れ、猫のご飯やトイレも同室、とりあえず寝る場所だけ確保した。

 

それから毎日、義親の荷物の整理だ。食器棚は自分のを使いたいから置いてあった棚は私が依頼した業者に運び出してもらうことになっていたのだが、中身はリビングの床に散乱していた。台所シンク下も古い鍋釜がギッチリ。部屋のタンスも引き出しも義母の衣服で満杯、収納という収納は古いものが詰まっていた。何のことはない、二軒分の片付けを一人でやらなければならなくなった。

一週間経ったが、食卓で食事も出来ない。亭主は隙間で、私はベッド脇の小テーブルに運んで食べている。何しろ古い荷物を捨てなければコンテナから荷物を運べない、生活が成り立たない。だが急いても事は運ばない。今までの家でも1ヶ月かかったのに、50年近い歴史のある家の片付けはもっとかかりそうだ。思い出など持たない私がやった方が捗るだろうと諦めて、猛暑の中、顎先から汗を滴らせ片付けている。そして夜になると子供達に愚痴メールを送っている。

今回で6度目の引っ越しだが、思い起こすといつも荷物は私が作っていた。業者お任せでもやっぱり指図するのは私だしね。今回も亭主は実は何も出来なかったようだ。取り付けた棚を外したりとかどうでも良いことばかりやって一丁前に仕事やってる顔をしてる、やれやれ.....

 

 

 

 

 

コメント
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