西城秀樹の野外コンサートは雨に降られることが多いのだという。「ブロウアップヒデキ」の映画の中で『僕は雨男じゃないんです』と語っているが、実際は球場コンサートは雨が多いらしい。真夏の夜のコンサートだから、どうしても台風とか夕立とかに会うのは仕方のないことか。
伝説になっているコンサートがある。1979年後楽園球場で開催された”BIGGAME 79"だ。それが私が行った唯一のスタジアムコンサートだ。
1979年8月24日、当日は台風の余波で、午後一時雨の予報だったが、コンサートが始まる頃から雲行きが怪しくなり、黒雲の間からピカッピカッと雷光が光っていた。やがてゴロゴロ、ゴロゴロと雷鳴が近づいてくるのが感じられ、雨もポツポツ降り始めた。
球場内に設置された舞台には巨大スピーカーが並んでいるし、秀樹が乗るゴンドラを動かすクレーンもある。自分勝手なことだが、自分には雷は落ちないと感じられたし、ヒデキは歌い続けていたから雷鳴も特に怖くはなかった。
ただ雨には参った。雷雲が真上に来たらしく、ものすごい雷鳴とともに滝のような雨が降ってきたのだ。傘は用意していたが、席で傘は開けない、あっという間にずぶ濡れになってしまった。
この雷鳴と豪雨の中で歌われたのが”エピタフ(墓碑銘)”という曲で、ライブレコードには、轟く雷鳴と雨の音が収録されていて、今なお『伝説のエピタフ』と呼ばれている。
雷雨=エピタフはヒデキファンは周知で、昨夜の雷雨時には「エピタフと言ってる場合ではありません」とツイッターに囁かれ、私も海外に住むヒデ友に「エピタフのような雷雨です」とメールしてしまった。
コンサートの模様が撮影されて映像作品になって残るのは80年代に入ってからで、70年代のコンサートはニュース映像や、テレビの中継録画にわずかに残るだけのようで、それをテレビ局も容易に出さない。
79年の”エピタフ”も、テレビ中継されたのは大阪球場コンサートで、豪雨の後楽園球場の映像はないと囁かれている。が、なんでもいい、何としても”エピタフ”を見たいとヒデキファンは各テレビ局にメールを送り電話をかけ陳情を続けている。万が一でも伝説の”雨のエピタフ”が出てきたらめっけもんではないか!
当時の私はといえば、多分チラシかなんかに「ヒデキ、エピタフを歌う」的なものがあったと思う、エピタフって何だ?と思いながら、”エピタフ”を!と頑張ってとどまっていたが、とても集中できる状態ではなかった。
帰る時も、コンサートの余韻以前に、このずぶ濡れで電車に乗れるだろうかとか、(すでに結婚して親も同居していたので)この格好を何と説明しようとか......
翌日の新聞に『マイクを通してビリビリ感電しながら、ここで死んでもいいと思って歌った』というヒデキの言葉が載っていたし、レコードに残る悲鳴のような歓声を聞くと、あの時間に戻りたい、しがらみを忘れてコンサートに没頭していたかったと思う。
伝説と言われてるコンサート行かれてたんですね😆✨
ブーメランになった時真っ先に観たのが紅白のローラ。次にたまたま目にしたエピタフでした。高校生の時キングクリムゾンのLPを買っていたので、ん〜?と観たらびっくり感動で✨
雷雨の中観た人は大変だったでしょうが今は素晴らしい思い出ですね!💕羨ましいです!