もう今はあの日の透明な僕じゃない

　あとは楽しむだけだ。この系で、そうなるまでの最短でベストな選択をしてこれているからこそ、その体制を維持することの難しさを感じる。
　現状はまさに、勝って兜の緒を締めよ、だと思う。

　どんなに自分にとって最高でも、誰かにとっては面白くない、というのはよくあることだ。外野・内野からの崩壊も加味しながらも、最も恐れているのは、自分自身のスイッチがOFFになること。つまらないな、と思ったとしても、それでいいや、そんなもんさ、と納得してしまう自分自身である。

　虚しいようなそんな気持ちを超えていくためには、好きなものを好きだと言い続け、楽しいだけじゃないことを受け入れ、積み上げるべき武器を積み上げていく必要がある。
　時に数をこなさなきゃいけないこともあるだろうし、それを仲間である他者に強いらなくてはいけないこともあるだろう。たくさん読んで、たくさん書いて、たくさん実験をして、、そんな唾棄すべきマクロからの要請も上手に還元して受け入れていかなくちゃいけない。自分にしかできないことを見出しながらも、目の前の味方一人ひとりの特性を理解しながら、その個人にしかできないことを一緒に見出していかなくちゃいけない。

　人生はいつだって、これまでのすべてが練習。ここからが本番だ。
　踏み込むほど苦しくなって痛くもなるような、あらゆる死路を体感したからこそ、どの選択肢をとっちゃいけないかがわかるはずだ。すべてのカードは揃っている。あとは、順番通りにきちんと提出していくだけ。

　渋谷の街に朝が降るときに共にした同輩と顔ぶれは異なるけれど、その価値観とやり方は確実に俺の中に継承されている。振り向く必要はない。
　そして、また同じ街で、もっと最高な仲間たちと、本当の声を響かせあおう。それはまだ小さな光にしかならないけれど、朝も夜も走り続けるに値するよね。

　もう今はあの日の透明な僕じゃない。

　すでに完全に戻った。戻って、あの頃以上に、ガチになる確信を得ている。十二分な休憩時間に、また新たな力をかなり蓄えることができたしね。
　そして、それは、透明な頃の自分にだって価値があることを意味しているのだ。だから大丈夫、行こう。

YOASOBI「群青」Official Music Video