たかはしけいのにっき

ミネソタ大の博士研究員が書く日記です。

「理系博士の職探し」動画 with たなかゆうき

2016-04-29 00:42:41 | 自然科学の研究
博士課程は就活失敗者なのか - 理系博士の職探し part1


博士課程の学生を雇うメリット - 理系博士の職探し part2


ポスドク問題 - 理系博士の職探し part3


フリートーク - 理系博士の職探し part4


 今回は、「例のゲームがアメリカで見つかった!」騒動で有名になった、後輩のたなかゆうき君をゲストをおむかえして、「理系博士の職探し」の問題に関するディスカッションの様子を動画を撮ってみました。

 研究業界の人が、手っ取り早く楽しむんなら、part3の「ポスドク問題」を見てみることをお勧めします。あと、やっぱりダラダラペースなので、1.5~2倍速で視聴するとイイと思います。

 YouTubeの「たかはしけいチャンネル」がそれなりに数字とるようになったら、あまりこのブログと関連しないようにしようかなぁと思っていますが、まぁ、この程度の再生数なら、ブログと関連付けながら、とりあえずは喋りたいこと喋るかな。
 しかし、動画撮るの楽しいな。動画と言ってて、全然動かないけどね(笑)。

 あと、この感じで、動画で主張したいことがある人、俺と話したい人(さらされる前提だけど)、引き続き募集します!もし、そんな変人の方がいらっしゃったら、ぜひ連絡ください。
 soudan.atamanonaka.2.718_at_gmail.com (_at_を@に直してください)
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原罪

2016-04-26 01:20:56 | Weblog
 一般に、何かのタブーを言ってしまったら、それ以降、人間扱いされないことを覚悟しなくてはいけない。

 主に思考には「事実」による論理的構築と「空気」による論理的構築の2種類が存在していて、前者を基礎にした場合の行動指針を「戦略」と呼び、後者を基礎にした場合の行動指針を「戦術」と呼ぶ。理系のくせに、この違いもわからず、事実をないがしろにしながら、空気を大切にすることで、成り上がってやろうと画策している馬鹿は多い。ならば政治家にでもなったらいいじゃないか、と思うのだが、そこはお勉強と生活が分離されきってしまっていて、ある意味、サイエンスというものを信じ切れていないのだと思う。(そういう意味では、懐疑的だから、サイエンスに向いているとも言えるのだが…)
 そして、息苦しく閉じた社会の多くでは、この「空気」による論理的構築から逸脱した行動は、すべて悪と見做され、それをしてしまえば、人間扱いされなくなる。挨拶しても挨拶が返ってこないとか、いきなりスマホをぶんどられて罵声を浴びせられても「空気」を重視しているからという理由一つでヒステリックが正当化されたりとか、「空気」にアジャストしている人間が行う「空気」に抗う人間へのあらゆる不法行為が正当化され、これが突き詰められてしまえば、しまいには殺されても正当化が起こるだろう。殺されても仕方ない、とね。

 そういう一つひとつの、外部から見たら異常な出来事に対して、内部の人間が、それはある意味で当然だよ、となった瞬間に、走って逃げるしかない。
 この「空気」というのは、ある種の宗教であり、そこに集団の「空気」が気が付いてないと、「事実」を見誤る。「空気」ばかりに着目しているから、「事実」を誤認するし、因果関係を平気で逆にするし、二項共存に関して一つだけをピックアップしてきてしまうなど、センター試験の現代文でよくあるヒッカケに、大の大人が、日常生活の中で平気で引っかかるようになってしまうのだ。
 確かに、人間関係を円滑に進めるうえで、「空気」というのはものすごく重要ではある。だが、ここまで細分化されてしまっている理系の、唯一の共通の能力というのは、この「空気」に流されず「事実」だけを抽出してくる慧眼さである。空気を読みながらも、それを引き算することができ、事実だけを抽出してこれなくてはいけない。自身を理系だと思うのであれば、間違っても、自分の頭のなかに事実や考えはあったが、あの状況ではそれを言える空気ではなかった、などという言い訳をしてはいけないのだ(本来的には)。
 この基礎をいっさい理解できていない理系研究従事者が、いくら沢山、「研究」「R&D」と耳心地のよい言葉をつけた単なる「作業」を繰り返していても、時間と予算のムダ。そういうやつほど、自分が捏造していることにすら気が付いていない。

 目の前の作業や「書くこと」を繰り返して誤魔化していると、確かに、自分の能力が上がった気になる。そりゃ業績があったほうがカッコイイし、箔もつく。
 だが、ただ慣れただけじゃない?、というオフェンスにディフェンスしきれる?試行錯誤したり、一つのことに対してあらゆる角度から多角的に物事を思考するメンドクサさから逃げるために、やりやすい作業をしているだけじゃない??それとも、多くの日本の無能な理系がやってる有名な正当化である「英語ができること」くらいをレゾンデートルにしてみる?世界にはお世辞にも賢いとも言えないやつらが大量に英語で文章を書いているというのに。

 もちろん、逆もかなり問題で、考えて考えて、いつまでも実行しない、というのも同じようにダメなんだけどね。

 俺の場合に限っては、人生の中で、強制的に行動をとらさせてもらえない、ということが多く、さらに外部からの「空気」によってフラストレーションが溜まることは多い。だから即物的に損をしているように見られることが多い。そして徐々に、その事実を空気化してしまうことこそが言い訳として最適だと思えてくる。例えば、「ゆとり」だからしょうがないよね、みたいな「空気」に持ち込んでしまうのだ。これが常習化してしまうのは怖いことでもある。
 だけど、それを逆にして、行動しまくったとして、何かで変に得をしてしまうことも、同様に怖いことであるとも思う。

 遅かれ早かれ、どうせあと少しで、崩れ去るシステム。
 そのなかで、○○よりはマシとか、自分の世代は死期と重なることで逃げ切れるかも?、などと戦術を考えて、他人をかき分けながら、ちょっとでも長く現状維持ができる居場所を探しても、仕方ないだろう。だって、どうせ崩れ去ってしまうのだから。

 だとしたら、本当に、もっともっと基本的なことをきちんと確実にしながら(高等学校の数学で習う程度の「積分」が日本で理系と呼ばれる全員が確実にできること、は良い一例だが(笑))、過去の集積としての「事実」を学ぶべきだろう。そして、その時の「空気」をきちんと想像することが重要になる。
 それが、これから訪れるであろう混乱期を、乗り切れるだけの体力となり、戦略を立てるうえでの基礎となる。

 だから、たとえ、いま、閉じた空間のなかで、人間扱いされていないのだとしても、大したことではないんだよ。
 きちんと走って逃げて、半年も経てば、、同じ電車に乗っている、ってだけの人と同等の、ただの他人なのだから。

 そして、自分だけ走って逃げて、他人になってしまったところからの、時間的空間的同一性を語るから、空虚なのかもしれないね。気持ちだけは今も逃げていない、という言葉は、どんなに「事実」だったとしても、「空気」として許されない。
 でも、それ以外にどうにかできる手だては、、あの頃の俺の思考力では、思いつかなかった。ごめんなさい。だから、俺のことを人間扱いしなくても別に構わない、そんな程度のことで少しでも鬱憤が発散するなら、と確かに思える。それが、この世界での、俺の原罪。…まぁ、あくまで調子がいい時にはね(笑)。
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4. RCの意味/『研究コントローラー』

2016-04-25 00:43:08 | ネット小説『研究コントローラー』
 以下はフィクションです。実在の人物や団体などとはいっさい関係ありませんし、サイエンティフィックな内容についても実際には正しいことではないことも含まれます。

前のお話 3. スマートグラスの威力/『研究コントローラー』

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2016年4月15日(金)

 ある程度経験を重ねれば、その女がその日すぐにヤレるのか否か、出会った瞬間にわかるようになる。一言も会話を交わさなくても、顔つき、仕草、ちょっとした表情から、すぐに判断がつくようになる。そして事実、今日も俺の読みは当たった。会社の先輩と行った合コン後、またしても俺は自分の部屋へと女を持ち帰ることに成功している。単純なゲーム。そして、スポーツ。行為のあとの独特な、汗と化粧品が混ざった臭いを戦利品として味わいながら、タバコに火をつけることで香ばしさを促進させ、今日あったばかりの愛美に対して、早く帰ってくれないかな?と思い始めていた。
 「ねぇ、私も吸いたい」
 セミロングの髪を後ろに流しながら愛美が話しかけてきた。禁煙を終えてからタバコの味が余計に美味しく感じる。そんな一服に水を差すような愛美の言葉に、面倒くせーな、と思いながら、アカマルの箱から一本取り出し、愛美に取るように促した。
 「そうじゃなくて、直樹くんが吸ってるやつ」
 そういうのいいから、と思ったけど、あからさまにその態度を見せるとヤバいだろうから、俺は優越感を装った表情を作りながら、自分が吸っていたタバコを愛美に渡した。愛美は俺の吸っていたタバコを手にするなり、不器用なフリをしながら、フィルターに付着した俺の唾液をいやらしく眺める様子を見せた。果てた後にそんなことをしても男はしらけるだけだということに、どうして多くの女は気がつかないのだろう?すぐに服を着たところから察するに、さっさと帰ってくれそうだったのだが、意外に面倒くさいのかもしれない。すでに、メガネまでかけているのに。まったく早く帰れよ。かなりふちの大きな、真っ赤なメガネを右手でずらしながら、俺が吸っていたタバコのフィルター部分を、まだ、いやらしくまじまじと見つめている。すると突然、愛美が、
 「彼女さんも、タバコ吸うの?」
 と言ってきた。俺は、バレた!、とビックリしながらも、すぐに、どーでもいいや、と思い直した。どーせワンナイト。あわよくばフレンド。だが、俺の心の中に残っているほんの僅かの罪悪感のせいで、愛美を見ることができなくなってしまい、少し俯きながら、
 「どうして?」
 と訊いた。愛美は、悪女が独特に魅せる笑顔を顔いっぱいに含みながら、右側だけ髪を前に戻し、
 「さっきスマホで会話してるの見えちゃったし、なんとなくね」
 と言った。いつも決まった時間にSMSで連絡をとるマメな俺の性格が裏目に出たらしい。俺は開き直って、愛美に面と向かった。
 「彼女っていうか、うーん、まぁ、そういう関係を連続的に保っている、と言ったほうが正確だぜ?」
 「わざわざ回りくどい表現使っちゃって、まったく。それで?彼女さんも、タバコ吸うの?」
 と言った。どうも視界がぼやけている。急激に眠気が襲ってきている。眠い。俺は、少し怖くなりながら頷き、答えた。
 「いや、吸わない。あいつは、真面目だからな。理系の大学院生だし。あ、もう卒業したのか。まぁ、俺が何回か勧めたことはあるけど」
 そう言うと、愛美は表情を変えずに、「そう」と言った。今度はタバコを口に思い切りくわえ、吹かしながら、
 「私と彼女さんと、どっちがよかった?」
 と訊いてきた。面倒くさい、と思っていると、愛美はタバコを灰皿に置き、ベッドに横になると、俺にも寝るように促してきた。眠気に耐えきれず、俺はベッドに沈んだ。今夜は帰るつもりはないのか?毛布にくるまりながら、
 「まぁ、いいけど」
 と言ってきた。果てた後のこの感じ、全身が気持ちいい。シャワーを浴びたいと思っていたが、まぁ明日浴びればいいか。このまま眠ってしまおう。俺は目を閉じながら、急速にどこかへと落ちていくのを感じた。名古屋の夜はすっかり更けている。夢なのか。現実なのか。とにかく気持ちがいい。感情と思考が交差するなかで、かすかに愛美の声が聞こえてきた。

 「最後まで、ただのバカで良かった・・・」

2016年4月25日(月)

 日吉駅で電車を降り、青空を眺めた。ついに今日は慶明大学大学院有機合成化学専攻にある山岡研究室に潜入する日だ。いや、「潜入」という言葉を使うのはマズいか。仕切り直そう。ついに今日は山岡研究室に伺ってRCの共同研究をスタートさせる日だ。まず教授室で、山岡忠雄教授と、高野翔特任准教授と話すらしい。そのあとに山岡研究室の全メンバーで研究室ゼミが行われると訊いている。そこに戸山くんも出席してほしい、と高野先生からメールで言われている。高野先生は野崎の知り合いらしく話は簡単に通ったみたいだが、山岡先生は昔ながらの教授という感じで、始めこの共同研究に難色を示したようだ。だが、高野先生が山岡先生に「戸山渉くんと私の共同研究についての科研費はすべてRC制度が負担する」と強調すると、山岡先生は首を縦に振ったらしい。野崎からパラレルスマホ上のSMSで、「高野さんは依頼人の一人ではあるが、高野さん自身も決して油断はしないように」と忠告されている。果たして、山岡研はどんな研究室なのだろう?
 親友の村川晋也と彼女の綾瀬香奈には、RCのことは全て話した。二人とも至って冷静で、純粋に俺を応援してくれている。相談にも随時のってくれるらしい。他言しないことも約束してくれた。そして二人から、
 「で、RCって結局、どんな意味だったの?」
 と訊かれ、はっとした。俺はそんなことも認識せずに話を進めて、シンポジウムでの任務まで遂行させられていたことに落胆した。野崎にSMSで尋ねると、意外に質素な答えが返ってきた。てっきり、野崎が指示をリアルタイムで出すことをパロディって、「Research Control」だと思っていたが、よくよく考えてみれば、RC研究遂行制度、と言っているのだから「研究」がかぶる。

 この時期はどこの大学でも人が多いんだな、と思いながら、新年度特有の香りを楽しんだ。RC助成金で新調した腕時計に目をやると9時半を少し回ったくらい、いつの間にか理工学部がある4号館に到着していた。山岡研究室は3階か。階段に足をかけた。古い建物だ。普段いる都王大のキャンパスよりも古く感じる。階段の一段一段が少し高い。壁にはインターンシップのチラシやらサークルのチラシやらが混在して貼られている。3階のフロワーに着くと、廊下の椅子に座っている小太りの40代くらいの男が目についた。少し表情が暗く見えたが、常にニコついているような顔つきだ。おそらく、高野先生だろう、と思っていると、
 「やぁ、君が戸山くんかい?」
 と話しかけてきた。このタイプは読みにくいんだよなぁ、と思いながら、俺は丁寧半分、フランク半分くらいで挨拶した。
 「高野翔先生ですよね?戸山です。宜しくお願いします」
 「はい、僕が高野です。こちらこそ宜しくね」
 高野先生は丁寧に挨拶をした。第一印象はまずまずか。この人となら一緒にやっていけるかもしれないと思わせるような風貌だ。
 「さすが野崎くんが見込んだ院生だ。約束の20分前。真面目なんだね」
 野崎の名前がでて、少しビックリした俺は
 「すいません、ちょっと早すぎましたか?」
 と訊いた。高野先生は「そんなことないよ」と言いながら、お茶部屋に案内された。靴を脱いで上がるタイプの部屋らしい。「まぁ、座ってよ」と言って、椅子を引いてくれた。机の端には機材や試薬のカタログが置いてあり、真ん中にはおまんじゅうが置いてある。その視線に気がついたのか、
 「よかったらどうぞ。でも、これ、誰のお土産だろう?”名古屋デカまんじゅう”か」
 と言ってくれた。その直後、後ろから女性の声がした。
 「あ、私です。こないだ就活で名古屋に行ったんですよ。高野先生も、どうぞ。あれ?どなたですか?」
 振り向くと、ふちの大きな赤いメガネをかけた女性がひょっこり顔を出した。カワイイというより、キレイな人。すっと立ち上がり、セミロングの髪を後ろに流しながら近づいてきた。こちらに近づいてくるたびに、微かな香水の匂いが増していく。直感的にわかる。こいつ、あきらかに男を利用するタイプだ。カワイイを振りまいて、仕事を押し付けてくる姑息なタイプ。
 「僕は都王大のD1の戸山渉と言います。高野先生と共同研究をさせていただきに来ました。これから宜しくお願いします」
 そういうと、細い指で大げさにパーにした両手を口に持っていきながら、
 「すごーい、都王大なんですね。じゃぁ頭良いんですね。私はここでM2してます、原田愛菜って言います。こちらこそ宜しくお願いします」
 そう言うと原田さんは髪を右側だけ前に戻した。そして、ドアを開いて実験室へと向かった。M2か。肌の質を見るともう少し老けていそうな気もするが、有機化学の研究室なんかにいるから肌が荒れているのだろう。
 「靴を履いてあっちの扉を開けると実験室になっていてね。さて、山岡先生との約束まで、まだあと40分もある。野崎くんからだいたい訊いているが、君も大変だね。こちらも助かるっちゃ助かるんだけど」
 「えぇ。まぁ」
 野崎が言うには、高野先生には問題にならない範囲で、すべてを伝えているらしい。しかし、本当に気兼ねなく喋って良いのだろうか?
 「高野先生は、野崎先生とお知り合いなんですか?」
 すると、ニコついていた表情が一瞬曇り、すぐに元の表情に戻ると、
 「あぁ、僕が学部の2年生のときに、1年生の彼と知り合ってね。もう15年以上も前だが。都王大の教養学部時代に彼も含めて5人くらいでファインマン物理学の自主ゼミをしていたんだ」
 と言った。俺は野崎がもともと都王大出身ということを知らなかった。少し驚きながら、高野先生をまじまじと見つめた。
 「野崎くんは当時1年生のくせに、ファインマン物理学なら高校時代にすでに一通り読んだことがある、と言い出してね。最初は、都王大1年生特有のハッタリだろうと思ったんだが、確かにファインマン物理学をすべて理解していた。1年生なのに頭は良いし、言うことは適確だし。それが悔しくてね。自分には物理は絶対に無理だと思い知らされたよ。それで僕は進振りで化学を専攻することにしたんだ」
 進振りというのは、都王大独特のシステムで、2年生の半ばに一斉に進学する学部学科を選ぶシステムだ。成績順に決まるため、都王大の1年生は特に力を入れて勉学に励むのだと言う。
 「その後は、戸山くんも知っているだろう?野崎くんは物理学科に進学し、大学院でバークレー工科大学の応用数学コースに入学した。そういえば、彼は都王大の経歴が恥ずかしいのか知らないが、都王大出身ということを公に出していないね。バークレー工科大学大学院中退、としか見たことが無い」
 なるほど、プライドの高い野崎がやりそうなことだ。そのプライドの高さがあるなら、博士号をとっておけば良いのに。
 「野崎くんはかなり親身に戸山くんに指示を出すことになっているみたいだけど、戸山くんはそれでいいのかい?」
 「ええ、まぁ。僕は野崎先生のような思考力は持ち合わせていませんので」
 そう答えると、高野先生はいぶかしげな顔をしながら、
 「戸山くんがイイのならそれで良いけど、戸山くんの都王大での指導教員の渡辺先生はそれで良いのかなぁ?」
 一瞬、腹黒い渡辺先生の顔が思い浮かぶ。あのその場凌ぎ至上主義の渡辺先生が、俺の実力を危惧するような心配をするとは思えない。
 「渡辺先生にも野崎先生がお話ししていますし、僕もこのテーマで3年間やると決まったわけじゃないので」
 「あぁ、そうだそうだ。テーマね。肝心なことを忘れていた」
 潜入する、ということが、俺と高野先生の間に共通認識としてあったということが示された。この人は、潜入に時間が割かれることを気にしているのだろう。
 「えーっと、リポソームに大腸菌が入るようにするんだっけ?まぁ、とりあえずは新規に有機合成する感じを出さないとココに来ることの意味がなくなってしまうから、膜としての柔軟性が保持できるような脂質分子を新たに作ってみようか。大腸菌がリポソームに突っ込むときに、膜が壊れない程度の弾力性を保つことが必要だね」
 なるほど。そこまで考えてくれていたとは。研究テーマはどうでもいいから、と野崎にあまりに言われていたせいで、すっかりテーマの内容と解決策を考えるのを忘れてしまっていた。
 「ところで、これって、どういうモチベーションでやるんだろう?戸山くん、なんか訊いてるかい?」
 「確か、共生からの進化を模倣する、的なことを言えばウケるだろう、と仰っていましたが」
 すると、高野先生は合点がいった顔をしていた。
 「なるほどね。原核生物から真核生物への進化の過程として、共生のモデルを作りたいわけね。有機合成系であるウチと、生物物理系である渡辺研を両方使おうとすると、確かにそういうテーマはいいかもしれないね。で、だから、RCってわけか」
 え?どういうことだ?俺が不思議そうな顔をしていると、高野先生が言葉を続けた。
 「RCは”Rare Case”だろ?”Rare Case”研究振興補助制度。自然現象としては稀な出来事にフォーカスをあてて、それが次の段階の発展的な現象として重要だったことを模倣したり判断したりするわけだろ?だから、原核生物が共生し始めた瞬間みたいなものの実験モデルを立てたいわけね。どう転んでも、野崎くんが好きそうなテーマだ」
 確かに野崎から、RCの意味は”Rare Case”だと訊いていた。少なくとも表向きには、そういう現象にフォーカスをあてているのだろう。RC研究生は他に2人いる。帝都工業大学の大学院生の吉岡剛史は、北東大に潜って、酵母をいったんバラバラに殺して、もう一度組み合わせることで復活する可能性があるかを探るというテーマをやると言っていた。さらに、RC制度のスポンサーの一人で斉藤自動車の会長を父親に持つ、日本茶女子大の大学院に通う斉藤結衣佳は、菌からマウスまで、あらゆる生物に共通の特異的なダイナミクスを見出すために京阪大に潜る予定だと、パラレルスマホ上のSMSで作成した「RCグループ」で聴いている。確かに、どれも”Rare Case”に関連している。しかし、この人、野崎の思考回路がよく分かっている。それともただ単純に賢いだけか?
 「テーマはよく分かったが、このプロジェクトの本質はそこじゃない・・・だろ?」
 俺は我に返って高野先生をまじまじ見つめた。
 「そうです。手がかりを」
 「ま、あまりここでその話をしない方がいいだろう」
 高野先生は小声でそう言った。そして立ち上がり、入ってきたドアを見た。
 「そろそろ、教授室に向かおうか。まぁ、すぐ終わると思うよ。僕に一任すると言っていたし、ラボ内ルールの最低限のチェックだけだ」

 教授室はお茶部屋と実験室の部屋から歩いて30秒ほど、同じ3階のフロアーにあったが、高野先生がノックしてドアを開けた瞬間に、かなり距離があるように感じた。それはどこの大学でも同じなのであろう。教授室と実験室との間に見えない壁がある。
 「山岡先生、戸山くんが来ました」
 高野先生はそう言うと、部屋の中に入るように促した。
 「どうもこんにちは。どうかな、慶明大学のキャンパスは?」
 山岡忠雄教授は大きな黒い椅子に座り、2つのスクリーンでパソコンを操作している。こちら側を向くと、脂ぎった顔面全体にしわをよせていた。自分自身の権威を示そうとしているらしい。いかにも今の平均的な50代といった印象だ。
 「そうですねぇ、とてもトラディショナルなキャンパスだなぁと思います」
 そう言うと山岡先生は少しだけ明るい表情になり言葉を重ねた。
 「そうか。都王大は新しい建物が多いのか?」
 「そういうわけでもないんですが。まぁ、私がいる建物がそういう建物なので」
 と曖昧に答えると、山岡先生は「なるほど」と勝手に納得してくれた。
 「ラボのルールや試薬の買い方などは、准教授の高野くんから訊いてくれ。僕から話すことは特に何もない。まぁ、出入り許可カードがあるから、それだけはきちんと申請をしないといけないな。僕が事務に言えば即日で発行してもらえると思うよ。とりあえずは、これに記入して」
 その後も山岡先生が主体的になって、高野先生と3人で話をしたが、慶明大学の化学系のカリキュラムや最近九州地方で起こった大震災のことなど、日常の話ばかりだった。それも終焉にさしかかりそうになったところ、
 「ところで、戸山くんは普段どんな雑誌の論文を読むんだ?」
 えっ?と俺は困った。普段、論文は読まない。いや、読んだところで何か意味あるか?そう思っていると、突然スマートグラスに文字が表示された。
 “Biophysics LettersやJBSE(Journal of the Biophysical Society of Europe)、あとは3大誌が出しているOpenジャーナルはそれなりにチェックしています、と言え”
 野崎だ。俺は何も考える時間もなく、野崎の言葉をそのまま山岡先生に言った。
 「なるほど、物理ではそのようなジャーナルを読むのか。やはり、戸山くんは有機化学に関しては、ずぶの素人らしい。高野くん、しっかり”化学の指導”をしてやってくれ。どこかの捏造教室と同じにならないようにな」
 その言葉をあとに、俺は、教授室を出た。高野先生は新学推領域に出す科研費に関して少しだけ山岡先生と話すらしい。
 山岡先生が言っていた捏造教室というのは、このあいだのシンポジウムの一件があった、村松研であろう。しかし、野崎の突然の指示にはビックリした。外に出る時は常にスマートグラスをかけていろ、と言われたが、そんなに連絡は来ないだろうと思いきや、またもや勝手に盗聴して勝手に指示を出してきたらしい。まぁ、その分、危険からは遠ざかっていると言えるし、実際、どんな論文を読んでいる?という山岡先生の質問には答えようがなかったからヨシとするか。

 それにしても山岡先生はバカだなと思った。会話の節々から感じてはいたが、最後のは決定的だ。こちらが生物物理系の雑誌を普段読んでいると言うや否や、「生物物理」という物理の中でもかなり特殊な分野を「物理」という一語に落とし込み、その分野の論文を読んでいるということは、お前は有機化学はできないのだろう、と決めつけている。ここから読み取れることとしては、こいつは数式を見ると「自分にはこんな難しい概念は理解できない!だから無価値だ!」とやってきた数式アレルギーのある教授なのだろう。物理にチャレンジしてみたが野崎という天才を知ったせいで化学を専攻したと白状している高野先生は、山岡先生と比較すると、理系としてかなり紳士的に見える。山岡先生は、普段から自分と少しでも差異がある者はすべて異分野と見なし、自分の領域の中に入れてトップダウン的に指示を出している様子が見て取れる。きっと常習化しているのだろう。山岡研は生物物理との共同研究が重要だというふうにホームページにも書いてあったが、こういう態度なら、そもそもそんなこと書かなければ良いのに。
 お前は有機化学ができない、と決めつけられて、この潜入にあたり少し有機化学を勉強してきた俺はムッとしたが、重要なのはそこではない。殺人や行方不明に直結するような因果関係や事実を見つけなくてはいけない。

 教授室に出ると、すぐにゼミが始まる、と言われた。ゼミ室につくと、「コ」の字形になったテーブルに着席した。少し寒い。すると、隣に座っていた男性が話しかけてきた。明らかに年上で、顎髭を生やしている。
 「戸山くんだろ?俺はここでポスドクをしている豊杉です。よろしく」
 と言って、挨拶してきた。俺は短く「どうもです」と答えると、豊杉さんは他のみんなにも話しかけるように言った。
 「彼、都王大なんだって。確かD1だよね?」
 すると、「へー」という声が聞こえた。皆、豊杉さんを見ている。彼がこのラボのリーダー格らしい。学部は地方大の出身である俺からすると、慶明大も都王大もそんなに変わらない気がするが、本人達はそうでもないのかもしれない。
 「都王大のどこのキャンパスなんですか?もしかして、柏?あ、僕は森下真治って言います」
 「えーっと、根津キャンパスなんですけど」
 「一番おおもとのキャンパスですね。じゃぁ、いつも赤門通ってるんですか?」
 「いえ、そういうわけじゃ・・・」
 また、別の人が話しかけてきた。ヤバい、ホームページで一通り確認したはずだが、全然把握できない、と思っていると、スマートグラスが、“D1 権田卓”と名前を表示してきた。また野崎か?顔を認識すると名前が上に表示されるらしい。
 “全員の顔を歯でダブルクリックして認識してから、右側のボタンを押してみろ”
 とスマートグラス上にメッセージが流れた。言われた通りにすると、
 “M2 岸信明 原田愛菜、D1 権田卓、D2 森下真治、PD 豊杉雷之佑”
 と表示された。これで全員か?と思っていると、野崎がさらにメッセージを送ってきた。
 “この5人に加えて、特任准教授の高野翔先生、教授の山岡忠雄先生、今日はいないが秘書の友川多恵さん、そして忘れてはいけないのは、行方不明になっている、現在D5相当の井川英治くんだ”
 このスマートグラスはパラレルスマホと連動している。メッセージはすべてパラレルスマホで保存されるし、パラレルスマホを起点としてスマートグラスで電話をかけることもできる。
 「戸山さん、どうしたんですか?大丈夫ですか」
 権田くんが話しかけてきた。しまった、会話が不自然に途切れてしまったか。
 「はい、少し新しい環境で目がくるくるしてしまって」
 我ながら上手い返答だと思った。
 「そうですよね、大変ですよ。これから毎日いらっしゃる感じですか?」
 遠くの席から原田さんが訊いてきた。こいつは女として油断ならないヤツだったな。
 「いえ、月水金で来ることになっています」
 「じゃあ、ノブくんや私とはあんまり会わないかもしれないですね。私たちも就活でしばらくはあんまりラボにいれないので。ねー」
 と言いながら、セミロングの髪を後ろに流した。悪女特有の笑顔で岸信明くんに同意を求めている。ほら、もう男を利用していそうな態度を示している。逆に言えば、こういうヤツは行動が読みやすいとも言えるのだが。
 「みんな、揃ってるね」
 山岡先生と高野先生がゼミ室に入ってきた。
 「今日は進捗と論文紹介が一件ずつか。進捗は、えっと誰だったかな?」
 「僕がやります」
 そう言って、D2の森下さんがスライドを準備し始めた。
 「そのあとの論文紹介は?」
 「僕です」
 D1の権田くんが手を上げた。
 どちらの発表も新規有機合成の話で、森下さんはゲルを研究しているらしい。論文紹介は液晶に関してだった。途中、野崎から、
 “色々言いたいことはあるかもしれないが、いっさい質問はするな”
 と命令された。意外だった。また、質問することで相手を追いつめるのかと、少し覚悟していたからだ。だが、確かに、いきなり、こないだのJTSシンポジウムのようなことになったら大変だ。今日は様子見と言ったところだろうか?

 「さて、連絡事項ですが、何かある人はいますか?」
 高野先生がそう言うと、特に誰も手を挙げなかった。
 「あ、みんな、たぶん知っているとは思うが、都王大学から戸山渉くんが高野先生と共同研究をしに来ている。主に月水金で研究室に来ることになっている。月曜のこのゼミにも参加してくれることになっている」
 山岡先生にそう言われ、俺は軽くお辞儀をした。
 「さて、今年の学推は、この前、僕の決定を話したと思うが、森下くんと岸くんだったな。二人はどこまで進んでいる?」
 俺はそう話す山岡先生を見ながら、どういう意味だ?、と思っていると、森下さんが、
 「はい、これまでの研究内容とインパクトなどのところは書き終わりました」
 と答えた。その後、山岡先生と高野先生とD2の森下さんとM2の岸くんの四人が会話をし始めたため、俺は小声で隣に座っているPDの豊杉さんに訊いてみた。
 「お二方は学推を出されるんですね」
 と言うと、豊杉さんは俺の顔を見るなり、こっそり囁いた。
 「あぁ。山岡先生の指示だよ」
 俺は驚きながら、
 「え?どういう意味ですか?だって、学推は学生個人の主体性で応募して、学生個人の能力で評価されるものですよね?」
 と言うと、山岡先生がギョロっとこちらを見てきた。
 「その主体性の有る無しと、院生個人の最低限の能力を僕が最初に評価するというわけだ」
 そう言うと、スマートグラスにメッセージが表示された。
 “余計なことを言うな。黙ってろ”
 野崎からだ。でも、俺は我慢ができず、言葉を続けた。
 「え?じゃあ、山岡先生に認められないと、学推に出すこともできないということですか?」
 ゼミ室にいる全員が俺の顔を一斉に見ている。確かに、言わなければ良かった、という空気になった。
 「その通りだ。僕の最低限の評価も通らない院生が、学推に採択されるわけがないからな」
 山岡先生は四人とディスカッションを続けている。他の者は部屋に帰っても良いそうだ。こんなことが許されるのか?どうせこのバカが評価書を書くのがメンドクサイだけだろう?それも先ほどの話からすると、岸くんはM2で就職活動をしている。権田くんはD1だが学推を取っているわけではない。それなのに、権田くんは学推に出すこともできないのか。俺は権田くんの顔を見た。表情を動かさない努力をしているように見えた。喜怒哀楽と4つの軸をとったときのちょうど真ん中、という表情だ。
 “戸山くん、決してそれ以上余計なことを言うな。それから、暇をみつけて電話してくるように”
 野崎からメッセージが入った。何がそんなにまずいのか?

 ゼミは終わりトイレに行くと言って、人通りの少なそうな所を探した。俺は建物が周囲を囲んでいる場所を見つけ、地味なベンチに座った。午後1時、真っ昼間なのに日がほとんど入ってこない。新入生は授業中だし、ここならほとんど誰も来ないだろう。パラレルスマホからSMSのアプリを開き、野崎のアイコンをタッチし、電話のボタンを押した。スマートグラスとの連動モードにして、パラレルスマホをポケットに入れた。
 「もしもし、戸山です」
 「戸山くん、いい加減にしてくれ。こちらの指示には従ってもらわないと困る」
 明らかに野崎の声は怒っている。こんな野崎の声をこれまでに聴いたことがなかった。
 「すいませんでした。でも、つい。学推を出すか出さないかを教員が決めるなんて、おかしくありませんか?」
 これは本音だった。少なくとも自分がこれまでに入った研究室ではありえないことだったし、周囲にもそんな話は聴いたことがない。
 「君はこのRC制度をまだ理解していないのか。私は君に慈善活動をしてもらうために研究室に潜入させているわけではない」
 「もちろん、おっしゃる通りです。でも、野崎先生は不正を正し、これまで数々の研究室をより良くしてきているじゃないですか?」
 野崎はため息をつきながら、荒げた声を少しだけ取り戻しながら、
 「それはお金を頂いているからだ。私は慈善活動やボランティアとして、コンサルタントを引き受けているわけじゃない」
 と言ってきた。俺は驚きながらも、論理的に筋が通っている野崎の言葉に「はい」と言うしかなく、言葉の続きを待った。
 「確かに学生が応募する学術推進会特別研究員のDC1やDC2を、教員の立場から、出すとか出さない、とか言うのは、本来的には正しくはない。だが、そんなこと、全国的には、よくあることだ」
 俺は野崎からの言葉とは思えない、その言葉を理解できずにいた。確かに野崎は言い方が厳しいところはあるが、理不尽に対して「よくあること」と片付けてしまうほど論理性がない人物ではない。思わず「そんな。でも!」と言うと、今までで一番の怒号で返してきた。
 「RCは”Rare Case”と言っただろう!?そんな、どこの研究室でもありがちな、よくあるケースに着目して、どうする?我々は、連続殺人事件について調査しているのかもしれないんだぞ!そこに直結しているレアな事実(ケース)と、因果関係を掴むのが君の仕事だ。何が重要なのか、優先順位として、もっと自覚を持ってくれないと困る」
 「でも、あの、D1の権田くんの顔は見ていられませんでした!」
 そういうと、野崎は唐突に、「待ってくれ、ちょっとマズい」と言った。そう言うと、
 「必要なら君の方からまた後で、かけなおしてきてくれ。とにかく、君にはあれだけの給与を出しているんだ。私の指示には従ってもらう」
 と言って、電話を一方的に切られた。俺は、野崎のことを、信用できるのかな?、と思いながら、とりあえずは山岡研に戻ろうと歩き始めた。


 俺は、早稲田にある事務所から、大学院生の戸山渉くんの電話を受けていた。まったく、俺の指示を無視して、どうでもいいことに意見を言って、今後下手に山岡教授に目を付けられて、調査ができなくなったら、どうするつもりだ?どいつもこいつも、ことの重大性をまだ認識していないのか?「そんな。でも!」だと?最近の若い男は女々しいったら、ありゃしない。
 「RCは”Rare Case”と言っただろう!?そんな、どこの研究室でもありがちな、よくあるケースに着目して、どうする?我々は、連続殺人事件について調査しているのかもしれないんだぞ!そこに直結しているレアな事実(ケース)と、因果関係を掴むのが君の仕事だ。何が重要なのか、優先順位として、もっと自覚を持ってくれないと困る」
 そう言うと、戸山くんは感情で返してくるだろうと思った。そして、その通りになった。
 「でも、あの、D1の権田くんの顔は見ていられませんでした!」
 ほらな。俺は「若いヤツの死に顔よりも見れない顔はないぞ!」という言葉を用意していたが、その言葉は、俺の手元のパラレル回線を使ったノートパソコンが制した。3月のJTSシンポジウムでパラレルスマホを渡した、あの女の子からのメールが届いたからだ。本文は短い。
 「直樹が死んじゃいました。野崎さん、助けてください」

******************************************************

5. 殺人の根拠/『研究コントローラー』
につづく

 この文章を書くにあたって、事前に読んでくださった方、相談にのってくださった方、誠に有り難う御座いました。
 いやー、しかし、行方不明っぽい名前、悪女っぽい名前、頭良さげな名前等々を考えるのが大変。もっと大変なのは、Journal名。「さすがにこれはないだろ」とテキトウにつけたJournal名は必ず実在している笑。やっぱり論文って闇深すぎ。

 次回はもう少し早めにアップできる予定。今月は俺も「学推」的なものとか色々書いてたんで笑
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「生きるための嘘」を見抜いたら

2016-04-20 03:05:26 | Weblog
 会話はリズムが基盤となって構成されている。だから、相手によって(もしくは集団によって)、お互いベストな会話のリズムを、こっちが合わせられるとすごくラクになって、どういう相手で、どういう話であっても、自分がそれなりに楽しく主体的に話すことができるようになります。
 会話術のなかで、「相手に喋らせる」とか「話すための基礎知識」とか「ノリの良さ(グループ性)」とかがよく語られるけど、実はこの「リズム」というものを意識することが最も重要で、それさえ意識すれば、(相手がそれなりに最低限のコミュニケーション能力があれば)かなり色々なタイプの人と上手に話すことができるようになると思うんだよね。そら、むこうがばーっと話し続けてくる(しかも遅いリズムで)…みたいな一部の教授にありがちなタイプだと難しいっちゃ難しいんだけど、それでも意識しないよりは意識するほうが有効です。

 この「会話のリズム」ってのは、主には二種類あって、一つは、本当に音楽と同じ意味でのリズム。これは頭のなかでビートを刻めばよいので比較的簡単で、これに合わせて話せばいい、を見極めればいいだけだから、すぐにチェックできます。(ちなみに、俺の苦手なリズムの人とだと、俺はこっそり手で刻んでいたりします(バレてるって笑))
 もう一つ目は、論理のリズム。どれくらい飛躍するのか、ってこともそうだし、どれだけ枝葉に行きがちか?行きたいのか?、ということもそうです。

 だいたい10分も話していれば、相手のリズムが分かってきて、(二つの意味で)このペースで話せばいいんだな、ってのがわかると思います。
 (どーでもいいことですが、このリズムって概念は、実は俺があらゆる交際関係を選ぶうえで、かなり重要視していることです)

 で、これを意識していると、相手が嘘を言った瞬間に、だいたいわかるようになります。嘘をついた瞬間に、二つの意味のうちどちらかのリズムは絶対にずれるからです。

 コミュニケーションが苦手な人(俺もこれですが)の場合は、音楽の意味でのリズムが速くなるか遅くなるか、ってことが多いです。自信過剰になるしかなくて、思い切ってエイ!、って出したタイプの嘘は、いつもよりもリズムが速くなるし、じりじりと追いつめられている最中で躊躇いながら流れに抵抗するように出したタイプの嘘は、いつもよりもリズムが遅くなります。ここにトーンの概念を加えれば(トーンは絶対音の比較も大事だけど、変化率も大事)、言葉の意味を捉えなくても、ほとんど音感だけで嘘を見抜けます(俺はこっちで見抜くことが多い)。
 もう一つは、論理のリズムが乱れるタイプの嘘。普段そこまで論理が飛躍しないのに突然論理が飛躍したり、逆にあまりにも当たり前のことを逐一順序立てようとして説明がやたら長くなったり、関係ない話に持っていこうとする、その持って行き方と本論への戻り方を普段のそれらと比較することで、嘘や隠していることの存在を認識することができます。

 逆であるディフェンスについては、単純ですが、こっちが繰り出すリズムが不均一なら嘘を見破られにくくなります。でも、リズムを不均一にするのはそれなりに難しいですから、俺がよく使うのは、「リターン」。明らかに話題が変わっているのに、前の話題をほんの少しだけ引きずったり、突然戻ることで、全体のリズムを相手に読ませにくくするのは、不均一性の作り方としては誰でも簡単にできます。だから、「え?そっち?」「まだその話してたのかよ」と言われることが多いですが、わざとです(みなさん、ごめんなさい笑)。

 まぁ、文章にすると難しそうですが、比較的みんなやってる単純なこと。

 これくらいは、ぱぱっとコミュニケーションのなかで使えると便利ですが、、でも、嘘を見抜く、ってのは、いいことばかりじゃなくて、「生きるための嘘」ってのは誰にでもあるから、こういうことに行きついてしまった場合は、普通はそっと気が付かないフリをするのが礼儀です。
 ただ、その先の未来を見つめたり、確実によりよくなる保障があって、責任が取れる範囲であるなら、それをあえてついてしまう、というのはいいと思いますけどね。「ダウトー」って。

 そんで、研究の世界って、こういうところが難しくて、それなりに正しいと思ったことをそのままダイレクトに言うことって研究者として超大事なんだけど(周囲の「ふつう」に合わせることを基本としている奴は、大衆と変わらんから、そんな奴は不要)、正しいことを言ってしまうと、その大衆の「生きるための嘘」に(見抜けたうえで)行きつくことが、それなりに多いのよね。
 よく、研究内容とそれ以外の日常とでスタイルをわけるべきだ、みたいなことを、「俺って考えてるだろ?」テイストでドヤ顔で言われることあって、バカだなーっと思っていますが、、いや、だって、日常生活で協調性をやたらめったら大事にしていて、どうやって研究内容のときだけ、自分の意見がストレートに言えるんだよ。そんなやつ、観たことねーから、俺の前に、マジ連れてきてみろよ。リズムチェックだけでもしてやるから(笑)。

 とりあえず少なくとも俺は、理系の中での話をしているときに、「生きるための嘘」の存在を解釈として匂わせただけでキレちゃう、心の弱い理系とは、リズムがどうこう以前に、めんどくせーから話したくないな、と思っているのだけど、、それって、俺が心狭いかなぁ?でも、めんどくさいんだもん。
 もちろん、それこそ日常生活では別で、正しいことを言うことが前提、となっていない瞬間であれば、別に全然イイんだけど。研究の世界ってのは、「自分が正しいと思うことをなんでも言いましょう」というルールをわざわざ全体的に敷いてることを公表しているわけだから、こっちが正しいことを一生懸命言おうとしてるのに、誰か(周囲)の「生きるための嘘」に行きついたくらいで、「そういうこと言うなよ」みたいなんは、おかしいっしょ?それなら、大衆と同じやん。

 そう思うと、普通のコミュニケーションがいかにラクで、いかに研究社会がコスパー悪いか、って、思えてきてしまうなぁ。
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想像できる程度の理想なら

2016-04-19 01:10:01 | Weblog
 あらゆるものに対して「この程度か」と思うのだとしたら、せめて未来に対して何かを残さなくちゃいけないわけだけど、プライドの高さと完璧主義がミックスされて、まともな成果がいつまでも世間に提出できなくなってしまうことは、事の大小はあるにせよ、それなりによくあることだと思う。
 「戦わずして勝つ」を演出し続けることは愚の骨頂だし、それを認識している自分を感じて、「私は自分がバカだとわかっている程度には賢い」などという拙い論理で安心していても、それはただのバカよりも愚かだ(それもわかってるから、私はまだマシ、と考えるのは…以下、同じ論理(笑))。会話のある瞬間にギリギリ成り立つ自分の最大知識を披露したり、無人支配における価値観のなかの自分が持っている最高の言葉を見せつけることで、自分の優位性を示そうとする行為は、本人(たち)が思っている以上に滑稽なのである。

 確かにある程度の時期までは、現状に対して無理矢理にでも全否定的であることは必要である。もう、自殺したいくらいの全否定的。そういう状態も必要ではある。そうでなければ、新しい世代が生まれていく意味がないからだ。
 だけど、それなりに時間が経っていったなら、あらゆる価値観と考え方を自分の中に宿し、すべての前提を常に疑いながらも、現実と向き合っていく姿勢が必要なのだとも思う。自分が優位的であることを確認するために、何かや誰かを馬鹿にし続けていても、何も生まれない。所詮、傍観者と批判者は、指をくわえて系の外から羨むことしかできないのだから。

 さて、そんな偉そうなことを言っている俺は、たいていの若者や、研究社会のみんなよりも遥かに重傷で、自分が心から、興味があることや、やりたいことが、殆ど何も存在していない。だから、何かの内容について感情的にならない(なれない)のかもしれない。誰かの何かの心を踏みにじったような内容に対しては怒りを感じるけれど、それは他人由来。俺固有の価値観ではない。
 そして、みんなは大変だなぁ、といつも思う。本気でそれを知りたいと思っているにも拘らず「書ける」科学ばかりを繰り返して、「いつか自分が自由を手にしたら!」とくだらない政治力学と文章作成にいつまでも齷齪したりして、、業績を追い求めたり安定的な生活をしたいなら、さっさと就職すりゃーいいじゃねーか、と思うことも多い。本気で好きでもない相手なのに、世間体にアジャストするためだけに、毎日毎日、言われたままの労働を繰り返して、自分の本来の仕事についてしたいことはあるにも拘らず、それをすることができないような他人の現状をみれば、何のために生きているの?、と思うことも多い。
 でも、その問題点は、具現化している分だけ、俺のそれより遥かにマシで、そもそも何の価値観も保持していない俺からすると、その平均的な振る舞いからの僅かなズレに一喜一憂しながら悩んでいるフリをする姿は、羨ましくも感じる。

 っで、そういうことを認識しているだけ、俺だって、まだマシかな?っと思ったり(笑)

 本当の意味での俺の興味は、少なくとも今は、たった一つ。そのためなら何でもできる気がするし、やっちゃっていいのであれば、あらゆる思考力をただただ冷酷に使いながら、圧倒的な感受性で、その二重の悪夢から確実に引き摺り出してくる自信がある。

 自分が想像できる程度の理想は、原理的に実現可能だと思う。だから、どんな状況であれ、たった一度の人生、自分の心に従いながら、生きていったら良い。
 平均化されている価値観に必ずしも従わないことの恐怖に打ち勝ち、自分の気持ちを信じることができたなら、最初のカタチとは違うかもしれないけれども、必ず、想像以上の理想がリアルタイムで実現すると、俺には想える。
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"「生命とは何か?」にガチで答えるために"の動画

2016-04-13 03:31:39 | 自然科学の研究
 というわけで、"「生命とは何か?」にガチで答えるために"の動画を作ってみました。
 6パートにわかれています。全部見るのは大変ですから、ちょこっとだけ見るか、YouTubeの倍速機能を使って1.5倍速か2倍速で見ると良いと思います。ちなみに、俺は、デフォルトは2倍で見ています(早い!と思ったら1.5や1.25で見ます)。

「生命とは何か?」にガチで答えるために part1


「生命とは何か?」にガチで答えるために part2


「生命とは何か?」にガチで答えるために part3


「生命とは何か?」にガチで答えるために part4


「生命とは何か?」にガチで答えるために part5


「生命とは何か?」にガチで答えるために part6


 うーん、これで、こういう話をするのは(少なくともしばらくは)やめることになると思いますが、、内容に、何か間違えがあったり、気がついたことがあったり、質問があったり、こうだ!、みたいなのがありましたら、是非教えてくださいね。コメントでもメールでも構いませんので、宜しくです。ただ、全否定みたいなのは完全に無視しますけどね笑。
 soudan.atamanonaka.2.718_at_gmail.com (_at_を@に変えてください)

 予想以上に、なんかすげー当たり前のことしか言わなかった気がしますが、少し言い足りない部分もあります。まぁ、それは誰かとラジオだべり形式でやったらいいかもしれませんが。
 ちなみに、最初から最後まで聴いていただいた方で、俺に投資したい!と思ってくれたモノ好きな方は、最低価格5000万円から受け付けますので、気軽にメールしてきてくださいね笑。

 さて、次は、どんな動画を撮ろうか。やっぱり、ABCグループ理論でも説明するべきか。。笑
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和を以て貴しとなす

2016-04-12 01:33:05 | Weblog
 社会にはあらゆる階層構造がいくつも構成されており、その階層ごとに「当たり前」が存在している。
 世界には様々な国々があるけれど、その中の日本に僕らは暮らしていて、さらにその中のある都道府県の、ある高校の、ある学年の、あるクラスのなかの、AグループBグループCグループ(ノリの良い順にABC)が男女別(だったり別じゃなかったり)で存在していて、その小さいグループからの要請もあれば、"日本人として"というような大きな集団からの要請も存在している。

 例えばあなたがAグループに存在していて、そこに所属し続けるためには、そのクラスのAグループだけで成り立っている「当たり前」を受け入れなくてはいけないとしよう。それは何かのアプリをダウンロードしていることかもしれないし、Cグループの誰か1人を蔑むことかもしれない。なんでもいい、そんな、みんながそこに所属するためには当然に行うべきだと思っているような条件こそが、「マクロからの要請」である。
 しかしながら、これがもっと上の階層の、クラス全体、もしくは高校全体の雰囲気としては「当たり前」じゃない、ということはよくあることだ。だから、いじめはその集団の中では正義となってしまい、外側の集団からの要請によって「やっと」悪となるのである。

 高校のクラスの、そのなかのグループくらいであれば、人数も少ないし、すぐにそのさらに上の階層の集団からの要請によって何かの不条理は食い止めることが可能になるし、どちらにしても泡沫だから、どんな「当たり前」があったとしても、大量虐殺にまではならないけれど(いじめは最低最悪のケースだが)、この「当たり前」に従わないと、平然と「生きていけないのは当たり前だろ?」というような空気を作ってしまいがちになる集団からは、走って逃げたほうが良い。
 だって、誰かをいじめなくても、何かのアプリがスマホに入っていなかったとしても、そもそもスマホを持っていなかったとしても、いろんなやり方や価値観に関して寛大であり、「和を以て貴しとなす」が本当の意味で体現できていることが良い集団であるわけで、そういう集団は他にいくらでもあるわけだから、そんな高校の一つのクラスでの自分のグループ性を維持するために、人間として最低なことをしなくてもいいわけじゃん?(ま、個人的にアプリくらいは、ぱっとダウンロードすりゃいいじゃん、と思ってしまうと思うけど)

 そういう意味では、論文という出力だけについて、いかに早く、いかにインパクトファクターの高い雑誌に掲載できるか?だけを至上目的に掲げていて(特許とか著書とかもあるけれどね)、「書ける!」と繰り返していることが、あまりにも当然視されて、本当の研究の趣旨から離れてしまいがちな(場合によっては、そのせいで不正行為があるような)、研究社会からは、走って逃げるべきなのかもしれない。
 だって、研究社会の中に色んな人がいてイイはずなんだよ?本来。文章作成は苦手だけど実験技術はある人、サイエンスは何もできないけど文章書かせたら一流にうまい人、教育・指導が上手い人、何をするにもゆっくりではあるけれどすごく精緻に論文を仕上げられる人、自分で研究は全然しないけどあらゆる分野に批判的に意見が言える人、ムードメーカー、、そういう人たちが、本来、対等に尊いし、色んな人がいてくれることが、すごく有り難いはずで、それを一元化した価値観にしていってしまうのって、組織の脆弱性を誘発してしまうことだろ?(っま、かなり極端に書いてはいますが笑)

 研究社会全体という大きな集団からの要請に対して、個人的にそこまで考慮しない、ということは、それなりにはいいことのはずなのに、そのさらに下の階層の小さな集団の特殊な要請として、全体からの要請とは明らかに反することを与えた場合、その小さな集団のメンバーたちは、不幸が顕わになる。だって、外に出た時に、生きていけなくなることを実感せざるを得ないからだ。
 だけど、それは、実は、研究社会全体が抱える残酷な問題点に直面しているだけであり、いずれは他の集団でも直面する事柄であり、今直面していることはそれなりにラッキーであり、不幸が顕わになっている分だけ、まだマシ、と言う風に、結論づけ、、たくはないけれど、そういう側面はなくはない。これは、そういう特殊環境の小さな集団から抜け出して、より大きな全体主義の中に入っていった、俺だからこそ、言えることだと思う。
 ここの現実に直視し続けることは、決して幸せなんかとは直結しない。そして、この世では、自分の気持ちに素直になりながら、現実を直視している限り、幸せにはならないのかもしれない。

 「たかはしさんは、それで、幸せですか?」

 まぁ、俺は、自分が幸せになるということを人生の目標にはしていないからなぁ。そんな貴女は幸せですか?
 幸せって、実は平衡状態だから、あまり生命にとって、良いことではないと思うのよね。

 「とにもかくにも周囲と争わないこと」の意ではなく、本当の意味で「和を以て貴しとなす」ということを肝に銘じたら、またさらに見えてくることがあるのだと、俺は思っている。少なくとも、それを大切にしていれば、毎日楽しい。
 もちろん、それが信じられなくなる日は、たくさんあるけれど。
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権威主義の先にある絶望

2016-04-10 05:06:39 | Weblog
 「誰もがチャンスがあるぞ」という平等な競争が前提の社会が本当に存在していたのだとしても、その勝者たちが世代間で資本主義的に勝ち続けることを大事にしてしまえば、世間はただの権威主義になる。
 だから次第に無能なヤツが上に立つようになり、そこにアジャストしないと舞台に上げないような世界を築いてしまうのだ。もはや自由に競争するような社会にはなっていない。信用を勝ち取っている無能な強者がコントロールすることはいとも簡単で、大衆に対して奴隷でなければ生きていけないようにしてしまい、その奴隷の中でヒエラルキーを与えてしまえばよい。現代社会では、この構造の中に、さらに少子高齢化を利用した世代間格差が成り立っている。これが民主主義の限界性だ。

 だが、この権威主義的状態は、今後起こりうることを想定すると、まだマシだ。そして、その絶望への始まりは、権威者の不正が暴かれる報道によって、ところどころに表れている。

 権威的な人間が引き起こした不祥事を、誰でもすぐに発信できる世の中は、何をもたらすか?
 確かに不正を暴き続けるのはいいかもしれないが、些細なことで権威から失墜させることを常習化してしまえば、みんながみんなに好かれようとし続けるようになるであろう。これが平等な競争へと繋がっていると思ったら大間違いだ。

 そもそも競争化する社会システムが良いとは言えないかもしれないが、少なくとも「生物」が大自然でとっているルールとしては、自然な状態であると言える。次第にその平等性の局在がアンバランスになってしまい、そこに生じた権威が脆弱になったところを付け狙って、不均一性が均されている状況が不祥事を明るみにしていくことだとしたら、それは本来要素数が多すぎるために引き出せるはずのない情報が系全体にフィードバックされすぎて、可能性の広さが減少していくということ。

 この、全体の空気こそが正しいと定義されてゆく状況は、権威主義よりも最悪である。
 マクロからの要請が顕わに強要されている全体主義的な世の中が、そんなにイイわけがないだろう?この全体の空気をすべて包括するような、救世主的なリーダーが出現し始めてしまえば、確実に歴史は繰り返す。

 残虐なことが繰り返されても、最大多数の最大幸福を掲げることで、ディフェンスできているとバカな大衆は思い込んでしまうだろう。
 これが、歴史上類を見ないほど世界の全体で起きるのだとしたら、その救世主をいったい誰に見出すのか?意外とAIだったりして。

 こうなってしまう危機を、少数派集団の影響力が是正するのだろうか?この要請だけは歴史的には存在しない例だ。インターネットによって少数派が団結していく効果が、どれほどあるのか?
 俺には、それが、どれほど効果的か、判断がつかない。だからこそ、あらゆることに対して、あまりに無謀だな、っと思ってしまうのかもしれない。

 今の世の中、戦略的な無鉄砲さがないと結婚できないのと同様に、考えても仕方ない事柄なのかも。
 なるようになる?それとも、なるように、ただ、抹殺されていくのかもしれない。
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本気なら

2016-04-04 01:28:16 | Weblog
 何かのものづくりを共同で行い、本気で良いものを世の中に発信していこうと思うなら、どれほど仲間に合わせられるかどうか?、という点が最も重要になってくる。

 どんなに似ている人同士でも、まったく同じ人間はいないし、相手に合わせる、なんてことをしたいヤツは、本来的にはこの世にいない。だけど、そこに共通の大きな目的が存在していれば、尊重し合うしか道はない。
 そして、「尊重し合う」と言葉だけキレイにしていても、まったくの無意味で、相手とぶつかり合うことを避け続けていても仕方ないし、かといって、常に喧嘩が絶えないのも精神的にストレスを重ねていくから、結果的に良いものづくりにはならないのだ。

 ただ、例えば、理系の話に限るなら、あまりにも、ぶつからなすぎる。それは多くの研究者が本気ではないのだ、と言わざるを得ないのかもしれない。あなたは、どれほど、共同研究者の、よその分野の厭なところ、嫌いなところ、ダメなところを語れるだろうか?それをその分野の当人を目の前にして、自分の心に偽りなしに正確に語ったとして、どれほどの人が自分の周囲に残る自信があるだろうか?

 キレイゴトは要らない。本気の本気で何かを解きたいと思うのであれば、それは絶対に必須な観点であるはずだ。

 どうも、多くの人は、下の世代に対して、自分の下位互換が欲しいだけのようだ。そんな腑抜けが無能な集団を形成して、日本ヤバい、などと騒いでいても仕方ないだろう。本気で何か新しい価値観や概念を発信していくなら、あらゆる自分とは違う面の人間を必要とするはずだ。
 そんなことを考えずに、ヒエラルキーや「書き方」だけを重要視し、基礎の基礎もロクに理解せず扱えないままに、論文を1000本読んでも書いても、なんの価値もない。まずはどうでもいい小さなテーマが遂行でき、その先の立場になったら大きなことをやることが重要だ、と自分を納得させるように語る奴隷根性が強い人はどの世界でも多いが、戦術と戦略の違いもわからない人間が、本気で何か歴史的な発見をできるとでも思っているのだろうか?戦術的な対応を繰り返しても、戦略は上手くはならない。なぜなら、真逆の精神だからだ。

 どれほどのリスクを背負ったうえで、本気になれるのか?信じ切れるのか?仲間に合わせられるのか?相手が合わせてくれているのを感じられるのか?

 それさえあれば、遠慮は一切無いはずだ。
 こっちは本気なのに、それに対して無礼だとか言ってくるヤツとは、関わらなければイイだけである。

 立場を失ってでも何かを達成しようとする確たる理由は、非常にありふれた感情から。
 そして、次のものづくりの、さらに先の大きな未来を見据えているから。

伝説の教師トリミング2話


本田圭佑は子供相手でも熱かった!
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ひさびさ自由!

2016-04-01 00:58:14 | Weblog
 いやー、やっと、これが書けるぜ!というわけで、無職です。マジっす。

 すごいよね。何がすごいって、正直、偏差値30代をマークしてしまうような中学出身の俺からすると、東大で博士号とって、で、無職になる、って少なくともあの頃はまったくイメージついてなかったけど、ホントにありえるんだね(笑)
 あれから、それなりに勉強してきたつもりですが、、それで「理論のほうが向いてる!」とかテキトウな理由をつけてくるんなら、なんつうか、じゃあ勉強なんてせんでも、思考力なんて上げなくても、職が欲しいなら、研究職だろうがなんだろうが、意見なんて言わず、ただ従ってりゃいいじゃねーか、という気になってきてしまいます。有期雇用なのに、勤務時間外に就職活動もしちゃいけないわけ?意味が分からんぜよ、世の中は。が、だからって、全員が全員そういう感じでもないだろうし、ちゃんと自分で考えて、その意見を誰にむかってだろうが言って、きちんと職を得ている人はたくさんいるわけで、色々俺だけに特異的なことだと信じたいですが、、うーん、、いや、そうよね?

 ぶっちゃけ、浪人以来の自由で、逆にウキウキしてます。これで、どれだけの人が離れていくのかわかるし、それでもこれを読んでくれたり、それでも一緒に遊んでくれたりする人が、仲間だったり友達ですからね。こういう自動的な"掃除"ってのは案外いいもんですよ。
 「それはちゃんとした友達がいるから言えるだけだよ」って思う方もいるかもしれませんが、俺の経験上、こっちがこいつは絶対に本当の友達だと思っているやつも例外なくいなくなったりするから、面白いんですよ、これが。

 詳細は、どんなに未来になってしまっても、書ける範囲でここで語りますが、すぐに知りたい方は、直接連絡ください。どんな方でも教えますよ。
 まぁ、秘書の方が辞職願のフォーマット渡してきて、「これを書いてください」的なことを言わされてた時は、こういうのって本当にあるんだー、ってマジで笑ってしまった。ただ、俺が実際にマジでムカついているのは、そんなレベルのことじゃなく、、少なくとも、たった一つのどこかの研究室を恨むなんてことはありえませんから、そこは誤解のないよう。

 これで、少なくとも今の時点では、研究社会といっさい利害関係がありませんから、今まで控えめに書いていた自然科学の研究の世界の闇の部分を、もっともっと自由にのびのびと書けます。
 なので、みなさん、俺の意見は「しくじり先生」的なノリで聞いてくださいね。俺みたいにならないように!別にこれまでも、そういう感じで読んでほしい感じはありましたが。

 というわけで、これからも、このブログを読んでくれる人は、よろしくです。
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