T.R.Y. | ||
---|---|---|
読 了 日 | 2006/08/27 | |
著 者 | 井上尚登 | |
出 版 社 | 角川書店 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 373 | |
発 行 日 | 1999/07/30 | |
I S B N | 4-04-873179-3 |
のところ、横溝正史賞の受賞作が相次いでいる気-がする。ヤフオクなどを検索しているとき、ミステリ文学賞の表示があると、つい手を出したくなるのだ。
今までに何度も書いてきた気もするが、この横溝正史賞には結構好みではない作品もあり、そうした作品に当たると、いつも途中でがっかりして、読むのを中断したくなる。それでも全部読んでみないことには良し悪しは判らないからと、読んではみるのだが・・・。
本書もどちらかと言えば、あまり僕の興味をそそるような内容ではなかった。第二次大戦中に暗躍した日本のスパイの話だ。
いろいろ過去のミステリー傑作選などという書評には、いくつかのスパイ小説も選ばれていることもあって、古典的な傑作には一応目を通しておこうと、考えてはいるものの、やはり目先の本に気を取られるのは、昔よりは比較的安く簡単にミステリーが手に入るようになったからだろう。
そんなことを書いていると、うんと若いころに神田の古本屋街を探偵小説を探して歩いたことを思い出す。貧乏を顧みずに―つまり身の程をわきまえず、といった意味だ―何軒もの古本屋を回っては、「宝石」のかなり古いバックナンバーを買ったり、昭和初期の横溝正史本を買ったりしたものだ。また、話がそれた。
本書は、ある意味ではコンゲームのようなところもあり、好きな人にとってはたまらない面白さにもなるのだろう。そうした展開はハリウッド映画の「スティング」などの例を出すまでもなく、映画やドラマにすると面白い作品になるのではと思う。と、そんなことを考えながら読んでいたら、もう本書を原作とした映画もできているようだ。
織田裕二氏の主演らしい。彼の主演映画は、ずっと前に読んだ「ホワイトアウト」が映画化されたものを見たきりだが、彼の熱演が印象に残っている。多分、この映画もヒットしたのだろう。
にほんブログ村 |
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます