隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1960.ルビンの壺が割れた

2020年04月18日 | サスペンス

 

 

ルビンの壺が割れた
読了日 2020/02/24
著 者 宿野かほる
出版社 新潮社
形 態 単行本
ページ数 156
発行日 2017/08/20
ISBN 978-4-10-351161-8

 

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書の帯に、“この小説、凄すぎてコピーが書けません。とにかく読んでください!”とあり、ネタバレ厳禁!!の表示も。僕は単純にタイトルに惹かれて買ったのだが、“ルビンの壺”については、表紙のイラストでお分かりのように、二人の人物の向かい合った顔の影絵が示すように、壺の形を示している。
“Wikipediaによれば、1915年頃にデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形。”ということだ。僕はその由来はここで初めて知ったが、二つの顔があらわす壺のような形は、中学生のころから知っていた。そうしたものを自分で描いて遊んでいたことを思い出す。
この物語は、初っ端、男から女へと宛てたSNSの文面から始まる。それは女の返事を期待するものではなかった。が、思いがけなくそれに対して女から返事と思われる投稿があった。

まあ、内容はそれくらいにして置こう。作者のたくらみと、登場人物たちのたくらみが二重に読者をとらえる仕掛けが、面白い。
興味のある方は、まずBigBang(ブックバン)という、新潮社の担当者と宿野かほる氏との対談形式の、サイト(https://www.bookbang.jp/review/article/537292)をご覧ください。

 

 

初めて聞く著者名は、それもそのはずで、彼(彼女)はこの作品が初めての小説で、もともと出版の意思はなかったという。そんなこともあり、名前はもちろん性別も不明という、覆面作家としての登場だとのこと。
本の内容からは、女性とも思われるが、男性と感じられるところもあり、どちらとも類推させる。
昔はそうした作家が何人も登場して、読者を欺いたり楽しませたりしたが、この作者は作家を目指していたわけではないというから、隠れた才能が花開いた、そんな感じだ。だが、今の職業に支障があるため名前も性別も明かせないということだ。

発達した低気圧に向かって、湿った空気が押し寄せて激しい雨や風、それに落雷の恐れもあるという、今日の天気だ。外出を控え人との接触を避けるにはいい天候だが、こんな天気には僕の部屋は少し寒く、たった今ストーブを付けたところだ。

 

 

ーヒーを飲みながらミステリーを読むには絶好の環境だ。僕のように何にも予定はなく、出かけるところもない年寄りにはいいかもしれないが、若くてエネルギーを持て余す若者には、緊急事態宣言による外出自粛はつらいことかもしれない。
新型コロナウィルスの感染拡大は、いろいろな所に影響を及ぼしており、息子の入所している社会福祉法人の施設を利用する知的障碍者は、外出を制限されてストレスが溜まっていないか心配だ。
彼らの保護者たちの組織である天羽支部会は、中止となってしまった。通常なら3月に年度末の開催が予定されているが、この騒ぎで一旦4月に延期され、さらに緊急事態宣言で中止となったのだ。
年に3回か4回しか開催されない支部会だが、年々歳を重ねる障害者たちとともに、その保護者たる親たちはさらに加齢を重ねて、そうした集まりに出席でき難くなる。我が天羽支部会も毎回出席人数は20人内外だ。 コロナ禍がいつ治まるかが分からない状況では、開催は不透明の状況だ。

それが原因ではないが、17日の出稿予定を忘れていた。

 

 

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