隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1160.アマルフィ

2011年06月06日 | サスペンス
アマルフィ
読 了 日 2011/05/30
著  者 真保裕一
出 版 社 扶桑社
形  態 単行本
ページ数 371
発 行&nbsp:日 2009/04/30
ISBN 978-4-594-05938-5

 

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い最近この続編とも言うべきテレビドラマが、フジテレビで放送されていた。主人公には、映画と同様人気俳優の織田裕二氏があたって、渋い演技を見せた。
聞くところによれば、本書を原作とした映画「アマルフィ-女神の報酬-」で演じた、主人公の外交官・黒田康作のキャラクターに惚れ込んだ織田裕二氏が、提案したことから、ドラマの企画が持ち上がったらしい。
原作者の真保裕一氏は映画もドラマも、当初から原作者としてばかりでなく、制作スタッフの一員として、関わっていたようだ。
主演の織田裕二氏は、先に映画化された真保氏の「ホワイトアウト」でも主演をしていたから、真保氏にとってもおなじみの主演俳優と言うことで、制作は順調に進んだのだろう。
僕はずっと以前に、たぶん制作に当たったフジテレビだろうと思うが、たまたま、映画「アマルフィ」のメイキングを見たことがあり、主演の天海祐希氏のファンでもあることから、DVDでもレンタルしてみようかと思っていたら、テレビ放送されたので、興味深く見た。
メイキングで再三取り直しのあった場面も、そんなことは忘れさせるほどスムースに進んで(当たり前か!)、迫力の終盤を迎える。

 

 

それからこれもどこかで見たか読んだか?真保氏によれば、小説の方は映画とは違う結末だということだったので、安心して?読み始める。
読み進めるうちに、なるほど結末だけでなく、導入部分から微妙に映画とは異なる部分もあり、映像とは違う楽しみ方ができる。しかし、大筋では映画同様の進行を示し、映像が頭に浮かぶ。
ローマのホテルで、愛娘を誘拐された日本人女性の話だ。イタリアの国際警察官とのやりとりや、物怖じしない勝ち気な女性の態度などは、映画同様だが、やはり天海氏の演じた女性とは少し違う感じだ。そして読み進めるうちに、作者の言うように決定的に映画とは異なるシチュエーションに突入する。
これなら、読んでから見ても、見てから読んでも、どちらも楽しめるというものだ。

 

 

て、またドラマの話になるが、ドラマ「外交官・黒田康作」は「アマルフィ」同様海外が舞台となる場面があって、かなり制作費がかさむだろうが、フジテレビ50周年記念ドラマということで奮発したのだろう。
初回の導入編は特別に2時間枠(正味は90分か)で、映画に劣らない迫力の1編になっていた。
共演には、香川照之、近藤正臣、柴咲コウ、草刈民代、萩原聖人、鹿賀丈史、他各氏の豪華で達者な演技人を揃え、更には、韓国の人気俳優・イ・ビョンホン氏を迎えるなど、テレビ局50周年を飾るにふさわしい、華やかなドラマを構成した。
そうだ、演技人と言えば、僕は柴咲コウ氏の演じた刑事・大垣利香子の両親役、六平直政、美保純両氏のコンビが醸し出す和やかな雰囲気が好きだった。緊迫感の漂う舞台の中で、そこだけが心休める別世界を作っており、良かったなー。
ドラマは、こうした脇役陣にも支えられているのだ。
2回目以降は舞台が日本になって、いくらか尻すぼみの感もなくはないが、それでも制作費をかけただけはあったのだろう。
織田裕二氏がいい味を出していた主人公は、魅力あるキャラクターなので、シリーズ化を期待したいところだが、外交官という設定だから、海外を舞台とするからには制作費の高騰は免れない。その辺がネックか?
まあ、いつかこちらの原作「天使の報酬」も読んでみたい。

 

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