隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0862.ヴェサリウスの柩

2008年02月14日 | メディカル

 

ヴェサリウスの柩
読 了 日 2008/02/14
著  者 麻見和史
出 版 社 東京創元社
形  態 単行本
ページ数 320
発 行 日 2006/09/29
I S B N 4-448-02390-8

 

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む前は、タイトルの意味が判らなかったが、ヴェサリウスは16世紀、ブリュッセルの解剖学者で、ファブリカ(正確には”人体の構造についての七つの書”)という精緻な図解を載せた解剖学の著書を残している、人物ということだ。
そういうことで、本書は人体の解剖を行うことで、解剖学を学ばせる東都大学の解剖学教室を舞台としたメディカルサスペンスである。
園部芳雄教授を頂点とする研究室は、助教授の野口基弘、講師の小田島謙一、深澤千紗都らの教師陣と、事務職の梶井耕平で構成されている。
五月下旬の雨の日、解剖実習室で行われた解剖のうち、七番解剖台の献体の腹腔から以前の手術で置き忘れられたらしいビニールチューブのようなものが発見される。そして、深澤千紗都が取り出したチューブ様の端を切ると、中に園部教授を非難するような内容のメモが入っていた。
異様な事件の幕開きで、ストーリーは展開される。

30歳の女性講師・深澤千紗都がメインのキャラクターなのだが、読んでいて最後まで僕は感情移入が出来ない状態で終ってしまった。 東京創元社の主宰する”鮎川哲也賞”は本格ミステリーだけかと思っていたが、本書は先に書いたように、メディカルサスペンス、あるいはメディカルミステリーといった内容で、好きなジャンルにもかかわらず、僕にしては珍しく、半ばで重要人物の見当がついてしまったことも残念だった。

 

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