隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0293.ターン

2002年11月13日 | SF
ターン
読了日 2002/11/13
著 者 北村薫
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 426
発行日 2000/07/01
ISBN 4-10-137322-1

 

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平岩弓枝氏の作品に青の三部作が有ったが、こちらは、「時と人」というテーマに沿った三部作の1冊だ(そうである)。
本書はその第2作で、本来ならば第1作の「スキップ」(202.参照)から読むのが順当なのだろうが、僕は、書店で目に付いたものを買ってくるから、よく順不同になる。ちなみにもう一つは「リセット」だそうだ。いずれまた探して、全作読むつもりだ。

 

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さて、本作は29歳の真樹という銅版画家の独身女性が、夏の午後車で出かけて、ダンプカーと衝突する事故にあった。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから覚める。
午後3時15分。いつもどおりの家。だが、家の中にも外にも自分以外誰もいない。そして、一日が終わると再び前の日の3時15分に戻ってしまう。いつまでも決まってあの日の3時15分に帰ってしまう。
外の通りに出ると町はいつもの町なのに人影は見えない。こんな訳の判らない絶望的な毎日の中、それでも彼女は、前向きに生きようと努力する。

 

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全く違う内容ながら、僕はこれを読みながら、宮部みゆき氏の短編「たった一人」を思い浮かべた。こうした話を読むと、作家とは言いながらその発想に驚き、現実にはありえないことだと思いながらも、健気に生きる主人公に肩入れしてしまう。エンディングも良いですね。

 


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