十四番目の月 | ||
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読 了 日 | 2008/03/15 | |
著 者 | 海月ルイ | |
出 版 社 | 文藝春秋 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 354 | |
発 行 日 | 2005/03/10 | |
I S B N | 4-16-323780-1 |
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に読んだ「子盗り」(454.参照)のエンディングが忘れられずに、この本を買った。
帯の惹句から幼児誘拐事件の話だとわかって読み始めたが、読み進むうちに次第に錯綜してくるストーリー展開にちょっと戸惑いを感じる。
いや、面白くないということではなく、どうなってしまうのだろうという話の成り行きに引きずられるような感じなのだ。
京都に住む主婦・桑島樹奈は藤森(ふじのもり)のスーパーに来月3歳になる娘の美有を連れて買い物に行き、いつものように娘が彼女の手を離れて玩具売り場で見ている間買い物を済ませる。ところが、買い物が済んでみると、娘の姿は売り場になかった。そして、「2000万円を用意してください」という、誘拐犯からの電話が入る。
こうした事件の幕開きでストーリーは展開するのだが、2000万円を入れた紙袋を持って、桑島樹奈が次々と指定先にかかる電話で、移動させられるというのは、誘拐劇の定番になっているようだ。だが、巧妙な誘拐犯が考えた身代金奪取の方法は?
この程度の説明でも、本書に関しては興味をそぐ内容かもしれない。終盤に差し掛かるまで物語がどのように収束するのかが見えてこないところがこのストーリーの特色とも言えよう。
舞台が京都ということで、途中から登場するタクシー乗務員の女性や、その母親の京都弁が心地よい。昔と違ってマスメディアの発達は、地方のお国訛りを次第に消しつつあるが、こうした情緒を感じられる言葉はなくなって欲しくない。
よろしおすな、京言葉は!!
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