隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0223.殺意の演奏

2002年06月05日 | 音楽
殺意の演奏
読 了 日 2002/06/05
著  者 大谷羊太郎
出 版 社 講談社
形  態 文庫
ページ数 299
発 行 日 1979/06/29
書籍ID 0193-360221-2253(0)

 

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学時代アルバイトで楽団のギター奏者をして、その後、芸能プロデューサーとなり歌手を連れて全国を廻った、という珍しい経歴の著者が4度目にして成し遂げた江戸川乱歩賞受賞作(昭和45年、第16回)である。
経験を生かした音楽シーンや、事件解決に至るプロセスに工夫を凝らした力作。
巻頭の著者によるモノロ-グで、上田敏の訳詩集「海潮音」の序文にヒントを得て作品に活かそうと思った旨を書いているが、作者の試みは見事に実を結んでいる、と思われる。

芸能ショーの司会者・細井道夫が内鍵のかかった密室状態の部屋で、ガス中毒死した。机に遺書らしい暗号で書かれた日記が残されており、解読した捜査当局は自殺と断定、捜査を打ち切る。 ところが後日細井の弟・杉山真二は暗号に別の解釈のあることに気づく。事件は複雑な様相を示し始める。

 

 

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