心の中の冷たい何か | ||
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読 了 日 | 2013/0829 | |
著 者 | 若竹七海 | |
出 版 社 | 東京創元社 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 340 | |
発 行 日 | 1991/10/25 | |
I S B N | 4-488-01258-2 |
ン読本の消化、第2弾だ。
発行日が1991年だから、僕がこの読書記録を始めるずっと前のことだ。多分手に入れたのはそれより後で、古書店で買い求めたものだろう。最初に著者の本(ぼくのミステリな日常)を読んだのが2002年なので、その年かあるいはその翌年くらいだろう。
となると、ずいぶん昔のことになるが、まあ、積ン読本となるのはそういうことだ。つまりいつ買ったかも覚えていないから、忘れ去ってしまうのだ。僕が面倒くさいデータの整理などするのも、そうして忘れてしまった手持ちのタイトルを、思い出して消化するという目的もある。先月から今月にかけてそうした作業を続けているうちに、ほんの少しではあるが本を購入した当時のことを思い出すこともあって、改めて1冊ずつを手に取ると、何か不思議な感覚を呼び覚まされる。
著者の本はこれまでに、長編6冊、短編3篇を読んでいる。それほど少ない量ではない、にもかかわらず僕はいまいちこの著者の作風というか、作品の傾向を理解していないようだ。
本書の語り手で、主人公は著者と同名の若竹七海。彼女が気まぐれの一人旅を思い立って、出かけた電車の中で知り合った女性が、後に自殺未遂でこん睡状態になったことを知る。
気になった若竹七海は、彼女が到底自殺などしないような人柄に思えたことから、独自に調べ始める。
大筋から言えば僕の好きなタイプの話だと思えたが、なぜだろう?読み終わるのに4日もかかってしまった。原因の多くは僕の理解不足(なのだろう)が、飲み込みが悪いというか、それと、主人公である若竹七海にどうも共感出来なかったことにもある。
人探偵の執念めいた調査のエネルギーがどこから湧いてくるのか?その必然性に疑問を感じると、もういけない。ついていけなくなるのだ。
そうした人の迷惑顧みずといったキャラクターのストーリーは従来もいくつも読んできたが、ちょっとした性格破綻者(に思える)のような設定?は、著者と同姓同名だから、少し謙遜の意味を込めているのかとも思ったが、少しやりすぎではないかと言う感じがした。
世の中広いからこうした人物は珍しくないのだろうが、生理的に好きになれない人物はいるもので、あくまで僕の偏見は本編の主人公もその一人と認識したのだ。
設定は僕の好みでもある、幻の女の変形版ともいえるので、もし後々時間が有ったら読み返してみるとまた印象が違ってくるかもしれない。そんな機会が来るかどうかわからないが、そのときを期待しよう。
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