隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0664.マーチン・ヒューイットの事件簿

2005年10月06日 | 短編集
マーチン・ヒューイットの事件簿
THE CASEBOOK OF MARTIN HEWITT
読 了 日 2005/10/06
著  者 アーサー・モリスン
Arthur Morrison
訳  者 井上一夫
出 版 社 東京創元社
形  態 文庫
ページ数 364
発 行 日 1978/09/08
ASIN MGSCB000J

 

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ーチュン氏の事件簿」と同じく、シャーロック・ホームズのライバルたちの中の一冊だ。
東京創元社社長・戸川氏によれば、シャーロック・ホームズの後に続く一番手だそうだ。このシリーズでは、共通して巻末に戸川安宣氏の解説が載っており、こうしたミステリーの古典の発掘に力を注いでいる姿勢がよく分かる。商売柄とは云いながら、戸川氏のミステリーに対する真摯な態度や、その博識ぶりに頭が下がる。

さて、本書の主人公である探偵のマーチン・ヒューイットは元法律事務所の事務員であったが、ある事件の裁判での功績を認められたのを機に、探偵事務所を開業したという人物である。鋭い観察眼を元にした推理を実証する証拠集めに力を注ぐ探偵で、協力者でワトソン役は新聞記者のブレットだ。
この中で、最後の「レイカー失踪事件」でコロンボの「ロンドンの傘」を思い起こさせるくだりがあって、コロンボの脚本家たちは、案外こうしたところからちょっとしたエピソードのヒントを得ているのかもしれないなどと想像すると、面白い。

このところ、前にデジタルテープやハードディスクに録画したテレビドラマを、DVDに保存したり、LPレコードからCDに移したり、あるいは、パワーポイントで、仕事がらみのプレゼンを作ったりという事に追われて、読書の方が少しおろそかになりつつある。
僕にとっては、読書もそれ以外のことも同じように大事なことなので、何とか時間をやりくりしながら楽しんでいる。

 

収録作と原題
# タイトル 原題
1 サミー・クロケットの失踪 The Loss of Sammy Crockett
2 フォガット氏の事件 The Case of Mr.Foggatt
3 ディクソン魚雷事件 The Case of the Dixon Torpedo
4 クイントン宝石事件 The Quintion Jewel Affair
5 スタンウェイ・カメオの謎 The Stanway Cameo Mystery
6 亀の事件 The Affair of the Tortoise
7 アイヴィ・コテージの謎 The Ivy Cottage Mystery
8 〈ニコウバー〉号の金塊事件 The Nicobar Bullion Case
9 ホールファド遺言状事件 The Holford Will Case
10 レイカー失踪事 The Case of Laker, Absconded

 

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