隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1717.翼がなくても

2017年03月02日 | サスペンス
翼がなくても
読了日 2017/03/02
著 者 中山七里
出版社 小学館
形 態 単行本
ページ数 317
発行日 2017/01/18
ISBN 978-4-09-386452-7

 

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が小雨を伴って戻ってきた、そんな感じの寒い一日だった。とても「春雨じゃ、濡れて行こう」などと言えるものではない。花粉症の人にはありがたい雨かも知れないが、こんな日は炬燵に入って、と昔は言ったが我が家には炬燵がない。
今はエアコンやストーブと言った暖房器具があるから、昔とは比べ物にならない便利さがあるが、一方情緒がなくなったと思うのは、僕も昔の人になったか。昭和の貧しい戦後の時代を生きた者がだんだん少なくなって、寂しいばかりだが、物のあふれる豊かな時代になっても、僕の貧乏生活はなんら変わることなく過ぎていく。
3月に入って、僕の仕事である保護者・家族の会の会報作りの、締め切りが刻一刻と迫ってきて、心穏やかではない。明日3日に社会福祉法人薄光会の事業所の一つである、生活介護事業所「太陽のしずく」に取材のために行く予定だ。
6か所のケアホーム探訪が前回で終わったから、今回はその太陽のしずくの模様を描こうと思っている。
全くの素人の冊子づくりがまもなく2年を迎えようとしているのは、大したものだ。と、自分で言ってりゃ世話はない。何とか期日に間に合わせるため少し頑張ろう。

 

 

冒頭から迫力のあるシーンが描写されて、僕はこの作者は社会の出来事すべての面に興味を持ち、あるいは好奇心いっぱいなのだろう、というような気がしている。デビューして間もなくの頃、テレビに出演した際インタビューに応えて、「出版各社の編集者の要求に沿って作品を書く」と言っていた。
かなり前のことなので、言葉遣いは正確ではないがニュアンスはあっていると思う。それ以来僕は著者をいい意味で、職人作家だという認識をしている。それにしても、次々と発表する作品のバラエティに富んだ内容は、素晴らしいではないか。
だから、新刊が出たらすぐにも読みたいというのは、僕だけでなく多くの読者がそう思っている証拠に、図書館の予約件数は半端ではない。著者はいつそんなに読むひまがあるのだろうと思うが、読書家でもあるようだ。
以前BSイレブンでやっていた「宮崎美子のすずらん本屋堂」という番組に、何度か出演して楽しい話を披露したり、博識の片鱗を見せたりしていたのを思い起こす。

 

 

月17日に木更津市立図書館からのメールで、「予約資料の用意が出来ました」ということで、翌18日に借り出してきた。この本の予約は1月中旬だと記憶していたから、割と早かったなという気がしている。
こういう風にいつもスムーズに早く借りることが出来れば、言うことはないのだが、昨年11月初めに予約した「セイレーンの懺悔」はいまだに連絡がないところを見ると、何らかの事故でもあったのかと思ってしまう。しかし、僕はもう市原市立図書館で借りて読んでしまったから、いいのだがちょっと気になっている。
本書は、若き女性アスリートの成功ストーリー、かと思っていたら始まって間もなく彼女は事故により片足切断という、過酷な運命に翻弄されるのだ。
だが、本格的な物語はそこから始まるのだった。
夢も希望も失っていた彼女がテレビを見ているとき、目にしたのが競技用の義足だったのだ。障害者の競技とはいえ再び彼女に希望を持たせて、200m走に全身全霊を掛ける展開が胸を打つ。

 

 

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