炎の色

2020-08-30 14:17:16 | Book
天国でまた会おうのピエール・ルメートルの続編。前作の内容は忘れていたが、特に問題なく楽しむことができた。
息子を自殺未遂に追い込まれ、親から受け継いだ財産を奪われた母親の復讐譚だが、主人公に感情移入しにくいのと、主人公が受けた苦しみに比べて、復讐のペナルティが大きすぎて後味が悪いのがマイナスポイントだが、文章も読みやすく話もサクサクと進むので、一気に読むことができた。


 
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時間はどこから来て、なぜ流れるのか?

2020-08-25 01:39:26 | Book
日本語で書かれているが、さっぱりわからないという謎の本。

趣旨は、
・時間と空間をいっしょにした時空を考えると、過去も未来も現在も区別がなく連続的に存在している。
・時空の端がビックバンのため時間は一方向に流れるから、人間には未来を認識できない。
ということだが、これは単なる仮説であり検証は不可能なのではないか。

ニュートン力学であれば実際の物の運動で、相対論であればウラシマ効果や核エネルギーで、量子論であればスリット実験や半導体により、その理論の確からしさが現実の現象として証明されるわけだが、本書籍の仮定は、現実の時間が一方向にしか流れないのだから、証明不可能である。

思考実験としては面白いが、それ以上の意味が自分には見い出せなかった。

もちろん、物理学は思考実験から始まり、それが後に実証されるという歴史があるので、本書籍の唱える説が、将来、証明される可能性もあるのかもしれないが…。

 
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カッティング・エッジ

2020-08-19 12:24:14 | Book
帯にある原点回帰という煽り文句に恥じない一作。チェアーディテクティブに徹して、リンカーンハウスの中で証拠物件を元に推理するスタイルは、やっぱりリンカーン・ライムシリーズは、こうでなくっちゃと思わせる。

プロミサーの正体はバレバレでストーリーの8割方は想定の範囲内だったが、最後のどんでん返しにはやられた。



 
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青春18きっぷは、通年販売したらどうか

2020-08-18 19:04:40 | Weblog
新型コロナの影響で観光客が激減している。

そもそも移動を自粛するよう各自治体が要請しているのだから当然のことであるが、いまのままでは観光関連の業界が、さらに壊滅的な状況になってしまう。

対策としてマイクロツーリズムが唱えられているが、それを後押しするためにも、青春18きっぷを通年販売することを提案する。

青春18きっぷは、もともとネーミングからして学生向けの格安切符だったため、学生の長期休暇に合わせて、夏季休暇、冬季休暇、春季休暇に合わせた販売設定となっている。

しかし、現在では学生だけにとどまらず定年退職後の利用者も増えており、通年販売することで、混雑緩和のための日程分散や、今まで利用できなかった季節でも利用できるようになれば、利用頻度も上がるだろう。

なにより、青春18きっぷは在来線の利用に限られているので、近場の観光ととても相性が良い。利用期間内であればいつでも使えるので、感染状況に応じて旅程の変更も柔軟に対応できる。

是非、JRには検討してもらいたい。

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マイクロワールド

2020-08-12 13:59:16 | Book
マイクル・クライトンの遺稿を元にリチャード プレストンが仕上げたSF小説。

人間の体が縮小して…、という話だが、ミクロの世界を徹底的に緻密に描写した点は文句なく素晴らしいが、どうやって小さくなるのかという部分が、残念ながら詰めきれておれず、クライトンが作品として出せなかった理由なのだろう。

はたして、クライトンが世に出さなかった(出せなかった?)作品を出してしまうのは、いかがなものかという素朴な疑問は感じた。

根幹のアイデアに説得力がないという点で、ジュラシック・パーク等の作品には格段に劣っているが、それでも普通に面白いベストセラーレベルの作品となってしまうところが、さすがにクライトンである。


 
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