海外の物価が高いといいながら、円高に反対する、それどころか、さらなる円安を望む人たちの頭はいったいどうなっているのか。
1$=110円でランチが30$ならば日本円で3300円だが、1$=50円になれば日本円で1500円となる。
実効為替レートをみると現在は歴史的な円安水準であることは明らかである。
日本の輸出入の推移をみると、1980-2007年までは輸出が輸入を上回っており、為替レートが円安に振れることは日本経済にプラスだったが、2007年以降は輸出と輸入が拮抗、もしくは輸入が上回っている年もある。
つまり、円安が日本経済にとってプラスという円安神話はとっくに崩壊しており、現在は逆に日本円が弱すぎるデメリットが発生している。
では、なんで円安になっているのか? それは金利が安いからである。為替レートは実質金利(名目金利ー物価上昇率)の差で決まるため、日本の金利が安すぎるため円安に歯止めがかからない。
つまり、金利を上げることができれば円高になり、バカみたいなランチ価格差は無くなる。
だが、金利を上げると膨大な債務の利払いが一気に押し寄せ、日本の財政は破綻してしまう。国の財政だけでなく、住宅ローンの金利が上がれば多くの国民も破綻してしまう。よって、金利は上げられない。
金利が上げられないから円が売られて、円安になる。
結果、海外の物価が日本よりも高くなり、ニューヨークのランチは3000円となる。
つまり、現在起きている問題は起こるべくして起きており、日本経済の復活のためにはプライマリーバランスを改善し、金利を上げて、円の価値を上げる必要があるのだが、未だに円安バンザイ、国の借金は問題ないというバカがいるために、日本経済は真っ逆さまに落ちているのである。
さらにバカな日銀総裁は物価を上げようとしているため、もし物価が上がって実質金利が下がれば更なる円安になり、ニューヨークのランチは5000円ぐらいになるのではないか。
日本円で思考していると、現在の日本経済の何が問題なのかわからないが、ドルベースで考えることで、現在の日本経済は当たり前のことが当たり前に起きていることが明白になる。
だが、残念ながら、一個人が国の政策を変えることは不可能なので、個人として可能な生活防衛は、ドルベースのインフレ対応資産運用、つまり、アメリカ株、不動産運用をして、少しでもドルベースでの資産を増やすことがベストである。
ただし、今はコロナ禍による金融緩和でアメリカ株がバブル状態なので、どこかで弾けたチャンスに買うのが良いだろう。