湖の男

2021-08-23 17:27:01 | Book
アイスランドミステリー、アーナルデュル・インドリダソンのエーレンデュルシリーズ第四弾。
パズル系の謎解きミステリーでなく、東西冷戦時代の共産国家の闇が舞台となる社会派ミステリー。干上がった湖の底から見つかった男の死体だが、ソ連製の壊れた盗聴器が体に結び付けられていた。死体の身元を調査していくと、冷戦時代の東ドイツの関係者が浮かび上がる。
戦後の闇を精緻な筆で描き、監視社会の恐怖がリアルに伝わってくるシリーズの中でも屈指の出来。

 
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円高に反対するバカ

2021-08-18 22:46:32 | Stock
海外の物価が高いといいながら、円高に反対する、それどころか、さらなる円安を望む人たちの頭はいったいどうなっているのか。

1$=110円でランチが30$ならば日本円で3300円だが、1$=50円になれば日本円で1500円となる。

実効為替レートをみると現在は歴史的な円安水準であることは明らかである。

日本の輸出入の推移をみると、1980-2007年までは輸出が輸入を上回っており、為替レートが円安に振れることは日本経済にプラスだったが、2007年以降は輸出と輸入が拮抗、もしくは輸入が上回っている年もある。

つまり、円安が日本経済にとってプラスという円安神話はとっくに崩壊しており、現在は逆に日本円が弱すぎるデメリットが発生している。

では、なんで円安になっているのか? それは金利が安いからである。為替レートは実質金利(名目金利ー物価上昇率)の差で決まるため、日本の金利が安すぎるため円安に歯止めがかからない。

つまり、金利を上げることができれば円高になり、バカみたいなランチ価格差は無くなる。

だが、金利を上げると膨大な債務の利払いが一気に押し寄せ、日本の財政は破綻してしまう。国の財政だけでなく、住宅ローンの金利が上がれば多くの国民も破綻してしまう。よって、金利は上げられない。

金利が上げられないから円が売られて、円安になる。

結果、海外の物価が日本よりも高くなり、ニューヨークのランチは3000円となる。

つまり、現在起きている問題は起こるべくして起きており、日本経済の復活のためにはプライマリーバランスを改善し、金利を上げて、円の価値を上げる必要があるのだが、未だに円安バンザイ、国の借金は問題ないというバカがいるために、日本経済は真っ逆さまに落ちているのである。

さらにバカな日銀総裁は物価を上げようとしているため、もし物価が上がって実質金利が下がれば更なる円安になり、ニューヨークのランチは5000円ぐらいになるのではないか。

日本円で思考していると、現在の日本経済の何が問題なのかわからないが、ドルベースで考えることで、現在の日本経済は当たり前のことが当たり前に起きていることが明白になる。

だが、残念ながら、一個人が国の政策を変えることは不可能なので、個人として可能な生活防衛は、ドルベースのインフレ対応資産運用、つまり、アメリカ株、不動産運用をして、少しでもドルベースでの資産を増やすことがベストである。

ただし、今はコロナ禍による金融緩和でアメリカ株がバブル状態なので、どこかで弾けたチャンスに買うのが良いだろう。
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古代文字入門

2021-08-17 16:06:09 | Book
こんな本があるとは驚き。
主要な古代文字の読み方や解読の歴史、そして、まだ解読されいない古代文字についてのサーベイとして、素晴らしい書籍だった。
こういう本が出版されることが文化の力だろう。


 
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冷たい豆満江を渡って

2021-08-10 11:17:51 | Book
「北朝鮮はこの世の楽園」というプロパガンダに踊らされ、南朝鮮(韓国)出身であるにも関わらず、北朝鮮に家族を連れて「帰国」することを決断した父親。しかし、着いてすぐに楽園どころかこの世の地獄であることがわかるが、もう戻ることはできない。北朝鮮で結婚し子どもを設けた主人公は、飢餓で死ぬよりはと凍てつく豆満江を渡って脱北する。だが、秘密警察に連れ戻されてしまう。

昨今、社会問題にかかわる姿勢として、まっさきに”責任”という言葉が出てくる。誰に責任があるのか、誰が悪いのかが議論の的になる。北朝鮮問題に関しては、金一族に当然責任があるわけだが、日本の植民地支配や、北朝鮮帰還事業で音頭をとった朝鮮総連や、それを絶賛したマスコミや政治家にも責任があるのだろう。そして、自らの意思で北朝鮮に渡った著者の家族にも。

だが、責任論を振りかざしている限り、帰還事業の悲劇や拉致を含めた北朝鮮問題は解決しないだろう。今苦しんでいる人たちを、どうやったら救えるのか、救える力を持っているのは誰なのか、そして、なによりも、苦しんでいる人たちへの同情が必要なのだと思う。

しかし、いまの独裁体制が北朝鮮で続く限り、進展がないことも事実であり、中国とロシアが支援している限り、この独裁体制は崩れないだろう。

中国とロシアにどうにかして人権意識を身に着けさせる、それが急がば回れで、結局は北朝鮮問題を解決するための唯一の方法なのだろうが、プーチンや習近平が権力を握っている限りそれは無理で、細々と脱北者を支援するぐらいしか残念ながら現状できることはないだろう。

 
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監禁面接

2021-08-07 10:09:54 | Book
「その女、アレックス」のピエール・ルメートル 作品。
職を失った中年男アラン が受けた就職試験の課題が、重役たちの実力を試すための偽装強盗。だが、偽装強盗の本番中に予想外のことがおきる。

着想は抜群に素晴らしいが、肝心のストーリーが無駄に長くつまらない。強盗の準備と、強盗後の話をもっと短くして、偽装強盗での面接シーンを拡充すれば、ずっと面白くなるだろう。


 
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