LINEの個人情報管理問題がおかしな方向へいっている。
そもそもは、中国国内から中国人が一部の日本人ユーザーの個人情報を閲覧できていたということが発端だが、問題がどんどんエスカレートし、国内のサーバーに情報を置けとか、おかしな方向に話がいっている。
そんなことを言い始めたら、Facebookのデータはどこにあるというのか。Googleの保存データはいったいどこの国のサーバーにあるのか、iCloudのデータはいったいどこの国のサーバーに保存されているのか。
LINEという一サービスがこれだけの問題になるのであれば、常識で考えれば、OSのバックアップデータという何百倍も重要なデータがどこにおかれているかの方がはるかに重要だろう。バックアップデータがハッキングされれば、LINEどころか、すべてのアプリケーションを不正利用できるのだから。
LINEがドメスティックなサービスならともかく、世界中で使われるサービスであるのであれば、情報を保存するサーバーを日本国内に限定するなどナンセンス極まりない。
もし、国ごとに保存するサーバーを変えるのであれば、ユーザー登録時に国籍を登録するのか、現住所で判断するのか。異なる国でやり取りされたメッセージデータはどこにおくのか。仮に、すべてのデータを日本国内のサーバーに保存したら、海外で利用した時のパフォーマンスはどうなるのか、BCPに対応できるのか。
そもそも論として、行政がLINEに乗っかったことが問題の発端なのだから、LINEを規制するのではなく、行政サービスは独自にドメスティックなコミュニケーションツールを使うのが筋だろう。
まぁ、COCOAの出来を見ると、そんなことをしたら日本の行政の電子化は100年は遅れそうだが。
だいだいセキュリティがぁーとかいう人間に限って誤送信したりするわけで、今回の件は根本的に論点がずれているが、日本の情報技術の専門家のレベルがいかに低いかが明白になることは良いことだろう。にもかかわらず、LINEの経営陣が改善を安請け合いしているが、できもしない約束をして、いったいこれからどうするのだろうか。