鬼滅の刃の勢いが止まらない。
私は漫画連載開始時から、というよりも、その前の読み切りからのファンなので、鬼滅を一刻でも早く読むためにジャンプは紙から電子版に切り替えたし、TVシリーズも初回から見ていて、単行本も電子版を発売日に購入している。
なので嬉しいは嬉しいが、ちょっと売れすぎだなとは思う。
ジャンプ作品の中では、るろうに剣心、ナルト、ブリーチに匹敵するレベルの面白さだと思うが、ドランゴンボールや、北斗の拳、聖闘士星矢の域には達していないと思う。
アニメーションのクオリティも昔の作品とは雲泥の差だが、例えば、スタプリのラストバトルと比較すると同じくらい(ようはスタプリを始めとする最近のアニメのレベルが高い)だと思うし、シナリオの出来としては、やはり、ファーストガンダムを超えるものではない。
というわけで現状は、鬼滅のバブルだと思うが、バブルは決して悪いものではない。バブルがあったからこそ、日本は美食大国になったし、新宿副都心の開発など、バブル崩壊後もたいへんな遺産として残っている。
私が考える鬼滅のバブルの最大の貢献は、「真剣に直球勝負で面白いものを作れば売れる」ことを示したことだ。
とにかく、最近のアニメや漫画、ドラマ、小説は、面白さや爽快さが脇に追いやられ、ひねくり回した設定や弱さを肯定し自分の世界に閉じこもるキャラクター、エンタメ性を否定した似非文学作品など、つまらない作品が溢れている。
そんな中、王道中の王道の、ただひたすらに面白い作品がヒットしたというのは、本当に喜ばしいことで、エヴァンゲリオン以降、邪道作品が主流になった日本のエンタメ界が、また王道に回帰するのではないかと期待している。