戻り川心中

2022-07-30 11:29:16 | Book
純文系ミステリー。
一見普通の人間の業を描いた人間模様のように思わせて、その裏が明らかになった瞬間に、それまでに築き上げられた世界観が崩れるテクニックが素晴らしい。
一方で、ミステリーとしてはそうとうにアンフェアで、この作品を謎解きミステリーの視点で見るか、人間ドラマとして見るかで評価は変わってくるだろう。



 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミス・マープルと13の謎

2022-07-23 06:56:23 | Book
うん十年ぶりの再読。
今となっては古い作品で、謎解きもご都合主義的なものが多いが、一見事件とは関係なさそうにみえる村の出来事を持ち出して解決するというスタイルを確立させた古典。
ほぼすべてのミステリーのスタイルを一人で生み出してしまったクリスティの凄さ。


 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キャメラを止めるな!

2022-07-20 17:17:04 | Movie
オリジナル版からの変更要素は舞台をフランスにしただけで、それ以外は全く同じと言ってよいほど変化がない。
せっかくのリメイクなのだから、もっとオリジナル要素が欲しかった。これだと、オリジナル版を見ている人は見る価値がない。キャストも日本版の方が良かったように思うのは、贔屓目だろうか。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五番目のサリー

2022-07-18 16:16:41 | Book
数十年ぶりの再読。
本作以前は多重人格というとホラーという感じだったが、多重人格を題材に真面目な小説は本作がそのはしりだったではないか。
分裂していた人格が順番に統合されていくストーリーは、現実的ではないのかもしれないがとても面白く、サリーの人格が少しづつ変わっていく描写が素晴らしい。特に語り手となるデリーの人格が魅力的で、その人格ができるきっかけが他の人格と違っていることからも、作者としても特別なキャラクターとして造形したのではないか。
この作品以後のダニエルキースは、実話路線に走り、オリジナル作品も救いのない話になっていく。「アルジャーノンに花束を」から「五番目のサリー」までの間が、ダニエルキースのピークだったように思う。

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

輪廻の蛇

2022-07-15 14:36:18 | Book
映画「プリデスティネーション」原作作品を含むハインラインの短編集。
よくこんな話を考え付いたものだと驚愕する。

「歪んだ家」は、鬼滅に登場するような四次元的に入り乱れた建築物を最初に形にした作品だろう。「わが美しき町」は生きたつむじ風が出てくるユーモア小説で着想が面白い。

他の作品は自分には理解できなかったが、この作者が天才だったということはよくわかる。優れたSFギミックを持っているからこそ、一般向けの作品も単純なストーリーの裏に深遠なテーマが土台となっていることで、他の作家とは違う奥深いストーリーを描けているのだと思う。


 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポアロとグリーンショアの阿房宮

2022-07-08 17:22:26 | Book
「死者のあやまち」の元となった幻の中編。
さくさくと話が進み、これぐらいの長さだと読み易い。


 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

硝子の塔の殺人

2022-07-06 14:43:13 | Book
密室殺人、終盤でのどんでん返しと、パズル的な面白さは抜群だが、物語性は皆無なので(作者もそこは狙っていない)、文章を削って半分ぐらいにしたら、ずっと面白くなるだろう。とにかく無駄に長い。


 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする