上下巻合わせて1500ページ弱と、とにかく長い。
バフェットの人生をひたすら細かく書いているので、途中斜め読みですっ飛ばしながらでも、2週間かかった。
株式投資の銘柄選びでは、アクティブはコストの安いインデックスを買うパッシブに勝てないことになっていて、なぜ、バフェットが好成績なのかが議論になるが、この本でわかったことは、バフェットは単純な投資家ではないということ。
どちらかというと、ハゲタカファンドのように、割安で放置されている会社の株を経営に影響を持てるぐらい買い占め、経営を改善することで株価の上昇を狙っている。
特に、経済危機の株式暴落時に、経営が傾いている企業を狙うことで、とてつもない利益を得ている。普通のハゲタカファンドと違うのは、収益と同時に社会正義も徹底的に追求する。
これは、普通の人には真似できない手法なので、正直、この本を読んでも、個人投資家が直接参考にすることは出来ないだろう。
しかし、相続税廃止やストックオプション、デリバリーに反対するなど、社会正義や公平さを徹底的に追求し、人間の知性や正直さをここまで本当に尊ぶ人は、他にいないのではないか。
たまたま投資に才能があったから、偉大な投資家として讃えられているが、他の才能があれば、異なる分野でも、この人なら成功したのではないかと思う素晴らしい人物である。
アリス シュローダー
日本経済新聞出版社
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