預言

2021-06-27 12:02:07 | Book
テロと、ストックホルム症候群、精神障害を絡めた意欲作だが、文章が長いわりに中身がなく、どうにも中途半端。
主人公のレイブンの視点描写が少ないためか、レイブンへの感情移入がしにくいのが最大の欠点。
ストーリーも引き付けるものがなく、執筆同時の著者の年齢を考えると、創作にはやはりある程度の若さが必要なのだろう。

 
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わが母なるロージー

2021-06-18 11:18:50 | Book
パリで不発弾が爆発し、犯人が自首してくる。爆弾はあと6つ仕掛けてあり、収監されている母親の釈放を要求する。

その女アレックスのペール・ルメートルの作品だが、結末がなんとなく想像でき、あまり面白くない。

 
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マノン・レスコー

2021-06-11 11:02:34 | Book
近代ファムファタール小説の原典といわれる作品だが、特にマノンが悪女だとは思わなかった。
主人公の貴族の青年が、とにかく行き当たりばったりで典型的なダメ男。それでも、人的リソースさえあれば人生何とかなってしまうという、こちらの方が印象に残った。

 
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システムの科学

2021-06-05 11:25:01 | Book
何を言いたいのかさっぱりわからないぐだぐだと無駄に長い文章と、こちらの知識不足が相まって、読了したが得るものは少なかった。

・自然を探究する自然科学があるように、人工物を探究する人工物科学があるのではないか。
・人工物と自然の違いは、自然はただ現象(ルール)に従っているだけだが、人工物には目的があることである。
・複雑なシステムは階層になっており、下の階層は無視してよい。Ex.人間を理解するのに細胞を理解する必要はない。分子化合物の理解に素粒子を理解する必要はない。
・人間の能力には限界があり、最適解は見つけることができない。よって、満足解(一定量の効能がある解)を見つけることが重要で、満足解を見つけた時点で意思決定される(してよい)。

等がずらずらと述べられており、結局、何が言いたいの? という感じだった。当時の経済学の分野では人間は合理的というのが前提で、最適解ではなく満足解で人間は意思決定するという考えが斬新だったようだ。

wikipediaで作者を調べると、著者は初期の人工知能の研究者だったようで、人工知能を実装するにあたって、壁になったことや解決手段をまとめたもののようだ。

 
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小説家になって億を稼ごう

2021-06-04 12:13:43 | Book
他人の妄想は面白い。それが小説である。

本作は、面白い作品を書いて作家になるための、そして、作家になった後の指南書という体裁をとっているが、その実体は紛うことなく「小説」である。

小説家になるための妄想、小説家になった後の妄想を楽しむための作品である。

プロになったら編集者と恋愛関係になれるのか、アニメ化されたら声優と結婚できるのか、映画化されることになり脚本も書いたらどうなるか、妄想は止まらない。

その妄想に、プロの小説家としての実体験からリアリティのある描写が加わり、徹夜で一気読みしてしまう面白さ。

本作は、本作自体を指南書にして書かれるというメタフィクション要素のある素晴らしい「小説」だった。

 
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