史実というよりも伝説の類の話が多いので話半分で読む本ではあるが、コステロの通訳となったマリンチェなど、自分の知らない歴史上の人物の話は面白かった。
 | 世界史の中のヤバい女たち (新潮新書) 黒澤 はゆま 新潮社 |
本作を読んで真っ先に思ったのは、伊藤計劃のハーモニーと全く同じだということ。当然のことながら、本作の方が何十年の先に書かれており、ハーモニーの方が本作に影響されている。というか、完全なパクリといっていいほど。
屍者の帝国もそうだが、ほぼ同じプロットで設定だけ変えたものは、どこまで世間的にありなのか。
例えてみれば、ハーモニーは「荒野の七人」のようなもので、面白いか面白くないかと言えば文句なく面白い。だが、それは元の作品が面白いからであって、あくまでもリメイクとしての面白さであることは、本来、注釈があるべきだろう。実際に荒野の七人は訴えられているわけだが、著作権切れの作品をリメイクした作品をどう扱うべきかは、もっと真剣に考えるべき。
そういう点から鑑みて、SFに限らず原典と言える作品群を古典として、広く世に知らしめる活動はもっとあってよいと思う。
 | すばらしい新世界〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) オルダス・ハクスリー 早川書房 |
