血族の物語

2006-11-26 11:17:04 | Book
二十万年前のアフリカを舞台にした異色ファンタジー。
よそ者に襲われ生き残った血族の子供たち、月のタカの声が聞こえるノリ、勇気のあるスーズ、頭の良いティナ、幼い子供達が、、よきところを目指し旅を続ける。
言葉を喋れない種族との出会いや、自然の驚異に追われながらも、子供たちは力を合わせて必死に生き延びていく。

ストーリーは短い章に別れていて、各章の終わりには、血族に伝わる昔話が書かれている。昔話だけ読んでも、一つの話なっているが、本編と交じり合う伏線になっている。
絶版になっているのが多いディッキンソンの作品の中では新しくアマゾンで入手可能。

ダニエル・キイスやC.S.ルイスに匹敵する作家だと思うが、作品のクオリティに比べて知名度が低すぎる。これだけの作品を持っていながら、出版社に売る努力が感じられない。もっと注目されるよう努力し、絶版になった作品も再販して欲しい。
文庫の古本で1万は、さすがに高すぎる。

個人的にはハリーポッターより作品としての質は上。何かのきっかけで注目されれば、火が着くと思うのだが。

やまねこ翻訳クラブのピーター・ディキンソン(Peter Dickinson)作品リスト
すみ&にえ「ほんやく本のススメ」

血族の物語〈上〉
血族の物語〈上〉ピーター ディッキンソン Peter Dickinson 斉藤 健一

ポプラ社 2003-05
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おすすめ平均 star
star本当にあったことのような気がする
star自分の祖先もこんなふうだったかも知れない
star侮るなかれ

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タイムマシンの殺人

2006-11-18 21:13:50 | Book
タイトルに惹かれて図書館で借りた20世紀前半のSF短編集

著者のアントニーバウチャーは、作家より評論家として有名とのことだが、wikipediaにも情報なし。
酔った勢いで悪魔と契約し、一日一回罪を犯さないと呪い殺されてしまう男が、機転をきかせて契約を解除する話や、狼男になってしまった男が天職を見つける話等、星新一の短編集に雰囲気が似ている。

SFだけでなく、シャーロキアン殺人事件という、ミステリー好きを惹きつけるタイトルの本も書いているようだ。

タイムマシンの殺人
タイムマシンの殺人アントニー バウチャー Anthony Boucher 白須 清美

論創社 2006-10
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柳生雨月抄

2006-11-15 00:58:27 | Book
荒山徹の、十兵衛両断、柳生薔薇剣に続く柳生シリーズ。
日本征服を企む朝鮮妖術師が送る刺客を柳生友景が迎え撃つ。

新陰流と陰陽の両刀遣いの柳生友景を主役にし、今まであったシリアスなテイストをふっきった作品。著者に何かあったのか?

主人公は、100人の剣客を相手にしても無傷で勝ってしまう無敵の新陰流使いで、ただでさえ強いのに、何でもありの妖術まで使えて完全無敵。強さと能力は吸血鬼ハンターDと同レベル。普通の人間では相手にならず、敵も人間以外か妖術使い。すでに剣豪小説ではなく、中身は山田風太郎を通り越して菊池秀行。

主人公が強すぎて全くピンチに陥らないにもかかわらず、最後までテンションが落ちず、エンターテイメント小説として完成度は高い。

柳生雨月抄
柳生雨月抄荒山 徹

新潮社 2006-04-25
売り上げランキング : 194856

おすすめ平均 star
starますます好調の荒山徹
star残念
starまさにやりたい放題

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DEATH NOTE デスノート the Last name

2006-11-04 19:52:37 | Weblog
予想以上に面白かった。
原作は、L死亡の後、後継者との争いになってしまうが、やはり、Lとキラの対決があってこそのデスノート。

映画版の後編では、キラとLとの戦いがに重点がおいてあり、オリジナルのラストもデスノートのルールをうまく使ってきっちりまとまっている。

一つ一つの会話を聞き逃すと話がわからなくなるので、140分集中し続ける必要があり、見終わった後はかなり疲れたが、入場料払った価値はあった。
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毒 poison

2006-11-04 11:53:37 | Book
ドメスティックバイオレンスをテーマにした、深谷忠記の毒殺ミステリー。

脳梗塞で倒れた父親が入院した病院では、20年前に自殺した息子の親友が医者となっていた。自殺直前に、少年は、暴力をふるう父親を殺す方法を、親友と相談していた。そして、病院内で毒薬が盗まれる事件が発生し…。

2/3程度読んだところで、ラストが想像ついてしまった。つまらないわけではないが、説明口調の文章が多く、この作者とは、いまひとつ、なじめないかも。

毒 poison
毒 poison深谷 忠記

徳間書店 2006-08
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