Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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★オカルティズムの虜だったニュートン <イギリス>

2018-01-12 04:19:24 | Weblog

万有引力の発見、光のスペクトル分解、数学の微積分法の発見。これらを通してアイザック・ニュートン(1642~1727)は「近代科学の祖」と言われた。だが、彼の活躍した17世紀の科学革命は、魔術と宗教を衰退させることにはなっても、魔術と科学を完全に切り離したわけではない。それはニュートン自身にとっても同様で、意外なほどオカルティックな研究にも彼は没頭していた。1725年の著作『古代王国年代記』はニュートン本人の同意なしに省略された形で公表されてはいるが、ニュートンの死後、より充実した版として出版された同著の中で、ニュートンはエジプト、ギリシア、ユダヤの歴史や神話を対比し、天文学を応用することで古代文書中の歴史的事実の年代を割り出そうとしている。やはり、死後に出版された『ダニエルの預言とヨハネ黙示録についての考察』を見ても、聖書の中からの予言的な計算を導き出そうとして、彼が膨大な時間とエネルギーを費やしていたことが分っている。そして、ケンブリッジ大学在職時代の助手によると、当時ニュートンは科学に進化...しつつあった錬金術にも興味を持ち、化学実験に専念していたらしい。また、1696年、54歳からは王立造幣局長官として貨幣制度の改革に取り組んでいるが、硬貨の鋳造に関する彼の書面から、金属組織を明らかにする為に高度な化学的な知識を使っていたことが分っている。ニュートンの草稿は広い分野に渡る膨大なものだが、その中には、宇宙論、歴史、神学をまとめ上げると云う壮大な構想があり、予言や錬金術までもが含まれていた。
ニュートンは、自身の作り上げた体系が神によって、『古代神学』に対して明らかにされたと信じていたと見られるが、少なくともニュートンにとって、それらは科学と切り離されたものではなかった様だ。

   
                   呪い あなたの知らない不気味な世界
                         -その不思議な能力は神か悪魔かー
                                 人々を操る怪しい呪術師


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「近代科学の父」は錬金術師を目指していた?アイザック・ニュートン (1642~1727)イギリス

2018-01-12 04:15:24 | Weblog

万有引力を発見したアイザック・ニュートン。
だが、彼が発見したのはそれだけでない。高等数学の基礎となるニ項定理もまた、彼が編み出したもの。
つまり、ニュートンは古典数学の完成者であり、古典力学の創始者でもあるのだ。
それにも関わらず、20世紀の経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「ニュートンは理性の時代に属する最初の人でなく、最後の魔術師、錬金術師であり、三位一体の教義に反する主義の持ち主だった」と評している。
意外なことに、このケインズの言葉通り、ニュートンは自然科学の信奉者ではなく錬金術の研究をし、
更には聖書のオカルト的解読に力を入れる中世的な人物だったのである。
しかも、彼が錬金術や魔術に取り組み始めたのは後半生のこと。
つまり、錬金術師が自然科学者に脱皮したのではなく、自然科学の創始者が妖しい術の殻に閉じこもって行ったことになる。何故ニュートンは、科学よりも錬金術を選んだのだろうか。
それを知るには、当時の時代背景を理解する必要がある。
彼が活躍した17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパは、啓蒙思想が台頭し始めていたものの、まだまだ中世的知識が色濃く残る時代だった。錬金術と当時の最新科学との間に明確な区切りはなく、寧ろ、錬金術の研究によって蓄積された成果が、自然科学の礎になっていた。だからニュートンには、錬金術=非科学的な迷信と云う認識はなかったと考えられる。そもそも、錬金術は卑金属を金にすることが最終目的ではない。この世に存在するすべての物質の合一、ひいては神との合一を目指す「化学」なのだ。ニュートンにとっては、科学的法則の解明さえ、背景にある神の不可知性を証明する為の一手段だった。科学の法則を明らかにすることは、神の秩序を明らかにすることであり、その奥にある「神の大いなる意志」について、人間如きが考える必要がなくなる。その境地を、彼は目指していたのである。
また、ニュートンにとっては、聖書を科学的に解き明かすことも重要なテーマだった様だ。特に黙示文学には強い関心を示し、「ダニエル書」や「ヨハネの黙示録」の記述を丁寧に分析し、各表記に数字を当てはめることで、時代が曖昧な聖書の内容を明確にしようと云う、独創的な研究を行っている。そして、この作業の中で、ニュートンは「ヨハネの黙示録」に預言される世界の終末を、2060年以降に訪れると計算したのである。だが、ニュートンは他の宗数研究者の様に、世界に警告を発すると云うことには興味がなかった。あくまでも、自身の個人的な知的好奇心が満たされれば、それで満足だったのだ。そう云う理由から、これらの研究成果も彼の生前には明かされることはなく、19世紀にニュートンの書いた隠秘学系文書が発見されるまで、彼の錬金術師としての顔は長らく忘れられていたのである。
ところで、一つの疑問が残る。錬金術を研究していたならば、ニュートンは究極の物質である「賢者の石」を生み出すことに成功したのだろうか?---彼は、手稿の中でそれらしいことを匂わせてはいるが、
こちらの秘密は今も明かされないままだ。

        

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