今年最初のフランス料理作りはバレンタインの日になりました。だからでしょうか。古田祐二氏の企画した献立はいつもより凝った内容でした。「カッスーレ」はフランスの代表的な伝統料理で本来なら長時間煮込んで作るそうです。カルカッソンヌ、トゥールーズ、カステリノダリーなどが有名でそれぞれ発祥の地を譲らないために今なお決着が付いていません。今日は豚ロース肉の塩漬けを使うカステリノダリー風の一品です。豚ロース肉の塩漬けと白いんげんは、古田氏にあらかじめ用意していただきました。白いんげんも一晩水に浸けてふやかしたものを使います。まず、豚ロース肉をサイコロ状に切って、フライパンにてオイル・バターでソテーします。別にオニオンとニンニクをスライスして、これもオイル・バターでソテーしておきます。一度、豚ロース肉とオニオン、ニンニクを鍋に移し、バターを足して白ワインでフランベしてから水を加えます。加熱しながら白いんげんとトマトを足して、固形ブイヨンとローズマリーを鍋に入れて煮込みます。トマトは湯剥きして種を取り出し、ぶつ切りにしたもの。トマトの水煮は種を取り出して同じようにぶつ切りにしたものとトマトジュースも一緒に入れます。十分煮込んでから塩・コショーで味を調えて仕上げます。完成10分前に茹でたソーセージを加えるとでき上がりです。仕込みがちょっと大変なことと、火加減が難しい料理です。加熱が過ぎると具の食感が崩れるし、煮込まないとコクがないので味が単調になりがちです。魚介類を使った爽やかなメニュー「サーモンと車海老と帆立貝の白ワイン蒸しサフランソース」の調理はシンプルでした。サーモンと車海老と帆立貝はフライパンに載せて塩・コショーし、白ワインと水で浸してサフランを加えて中火で蒸します。フライパンには蓋をした方が火がよく通ります。食材は一旦火から離して残った煮汁を使いソースにします。煮汁に足すのはオニオンのみじん切りをオイル・バターでソテーしたもの。マッシュルームをスライスしてオイル・バターでソテーしたもの。トマトのコンカッセ。パセリのみじん切り(水分を抜いておく)。生クリームです。よく煮詰めてから塩・コショーとバターで仕上げます。サフランの色を出すのに苦労しました。すぐに出ませんね。この料理にはもう一つ工夫があって、コーンフラワーをミルクで練ったものを下に敷いてあります。これはアフリカなどでは主食になっていて「シマ」とか「ウガリ」と呼ばれるものです。沸騰した水で作るのが普通ですが、さすがに味気ないのでミルクを使って料理に合わせています。塩・コショーとバターも足しました。生クリームベースのソースにレモンをかけると意外にさっぱりします。写真映えする小鍋まで用意して今回は豪華なメニューになりました。
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