Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

「美術の愉しみ方」その3

2024年02月24日 21時49分27秒 | 読書

 本日は「美術の愉しみ方」(山梨俊夫)の第4章「比べる」の後半を読み終え、第5章「敷居をまたぐ」全体、そして第6章「参加する」を1/4程読み終えた。



 アングルとセザンヌの二人の画家の肖像画を比べながら、
ふたりの個性の差とともに、美術の変質も見ることもできる。描き方の違いにあるだけではなくて、物の見方、絵にするために何を抜き出せばいいかについての考えと一体となった絵画思想の隔たりが元になっている。絵同士のどこかどう違うかを見分け、それを言葉にする作業は、絵をめぐる冒険なのである。」(第4章)

(日本の仏教とイスラムを比べると)絵師の視点のあり方、解放と秘匿という対照的な聖所の扱いに、それぞれの宗教性が表われる。四方へ広がる絵図、四方から閉じていく絵、それらを対比すると、絵を描く人間の視点で異なる絵の構造の差から、宗教文化の違いが浮かび上がってくる。」(第4章)

 第5章の前半、美術館の学芸員にまつわる諸エピソードは想像していたとおりの苦労話が綴られ、とてもおもしろく読むことが出来た。同時に普遍的な職場のあり様にも通じるものがあり、興味深かった。引用は省略。
 ここは美術館の学芸員、館長を経験した著者ならではの章だと思う。そして私が興味をひかれた箇所である。

   



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