Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

やっと秋の雨の音

2012年09月23日 11時41分38秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 本日はある会で予定されていた地引網の行事が雨のため中止となった。一日おきに3回の飲み会となる予定で、少々きついなと感じていたところなので、ちょうど良い雨の日となった。

 先日のブログで長く静かに降り続く雨の日が最近ないような気がすると書いた途端、本日は1日雨が降る予定となった。風もない。気温も20度少しと涼しいくらいだ。こんなにも残暑が続き、ようやく本格的な秋の訪れを告げる雨だと思う。
 私の住む団地にある池には周囲の木々の葉をつたって落ちる滴が、静かな水面に波紋を広げている。南側ベランダの正面にある大きな欅や柘植などの太い幹全体が雨に濡れ、昨夜からの雨量の多さを物語っている。北側のプラタナスの並木の幹も深い緑色にぬれている。ベランダの中央を上下に貫いている屋上や各階からの雨水を流す排水管からは雨水の音が心地よく響いている。雨脚の強弱はその音の強弱・高低で判断が出来る。この音の変化を時間をかけて聞いているのもいい心持だ。
 私は山行か好きだが、雨がひどくて山小屋やテントに1日閉じこもった記憶がない。ただ10月の南アルプスの荒川岳の頂上の避難小屋で宿泊したところ、朝からひどい雪となり1日小屋に閉じ込められたことがある。翌日ようやく曇りになったので氷でつるつるの岩の道をアイゼンも無しに恐る恐る下ったが、振り返るとほんの頂上だけに雲がかかり、周囲はかんかん照りの好天であった。麓の山小屋で聞いたところ、やはり昨夜は1日中頂上だけに雲があり、他は晴れていたとのこと。その小屋で明るい日差しの下で手足を伸ばして暖かい布団で熟睡したのをよく覚えている。あの頂上の避難小屋はとても小さなものであったが、まだあるのだろうか。
 友人からは山小屋で雨に閉じ込められて1日雨を聞くのもなかなか風情があるといわれていた。私もそんな体験をしたいと思っているが、そんなゆとりも感じられる山行は今の所まだ体験していない。その昔、ある登山雑誌に雨に降り込められたときに何をするか、という記事があり、登山ナイフの小さな錆をサンドペーパーでひたすら磨くのが心を落ち着かせると書いてあるのを読んだことがある。確かに雨が降る山のキャンプ場で、鳥の声など雨以外のさまざまの音を聴きながら、ナイフを磨くというのも面白い時間のつぶし方かとは思った。しかしちょっと怪しげな仕草かもしれない。

 今、雨の音が少し強くなった。今日は強くなったり弱くなったりしながら1日降り続くようだ。雨の音をじっくりと楽しもうと思う。