伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

王国記シリーズって・・・

2008-04-14 00:37:49 | Weblog
 花村萬月の「王国記」シリーズを読み始めました。しかし・・・
 図書館で「王国記」シリーズが並んでいるのを見て、それから最近その最新刊も出たので、特に中身も知らず、まあ読んでみようかなと思ったわけです。当然に「王国記」を最初に読んだわけですが、どうもおかしい。本の始めに登場人物紹介があって、主人公の朧は修道院兼教護院に送り込まれ15歳で一旦外に出るが人を2人殺し再び逃げ戻ってきたなんて書いてある。物語の始まる前にもう人を殺してるの?それは物語にしないの?
 「王国記」ではもう朧の殺人とかは出て来なくて、「王国記Ⅱ 汀にて」を手にすると、その終わりの文藝春秋社の広告に「王国記シリーズ」と書かれていてそこに「王国記」が「第2作」と書かれている。で、芥川賞受賞の「ゲルマニウムの夜」が、シリーズ第1作とわかりました。
 で、「ゲルマニウムの夜」を借りてくると「著者あとがき」で、「すべてを書き終えたときに、私は、この作品群に『王国記』という表題を冠しようと考えています。」と書かれています。「王国記」ですべてを書き終えたのなら、「王国記Ⅱ」以下は何なのだろう・・・
 それに調べてみると、文春文庫では、「ゲルマニウムの夜」が「王国記Ⅰ」とされ、単行本の「王国記」は「ブエナ・ビスタ」と改題されて「王国記Ⅱ」、以下単行本の番号が1つずつ繰り下がっています。でも単行本の方は今年3月25日発行のシリーズ第8作「神の名前」も「王国記Ⅶ」。これも文庫本になるときには「王国記Ⅷ」になるんですね。
 タイトルのつけ方は、出版社の思惑で、実態に合わないことが多々ありますけど、こういうの、読者をなめてません?中身を論評する前にそこでつっかえちゃいました。
 「王国記」「王国記Ⅱ」はもう読みましたけど、「ゲルマニウムの夜」を読んでから書くことにします。


追記:「ゲルマニウムの夜」でも朧の殺人は描かれていないんですね。むしろ後の作品で時々ほのめかされ、言及されるだけ。しかも最新作「王国記Ⅶ 神の名前」では、その殺人は現実にあったのだろうかなんて話になるし・・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする