3月14日の水戸地裁判決の記事が、昨日のしんぶん赤旗の「おはようニュース問答」に取り上げられています。こちらも分かりやすいので紹介します。
「安全求めた人を差別 旧動燃に賠償命令だって」
しんぶん赤旗・おはようニュース問答より
秋平
「敵性判定」に「ぶんまわし」「封じこめ」・・・
晴男
なんだか穏やかじゃない言葉だね。どうしたの
秋平
14日に水戸地裁で動燃差別是正の判決があった。そこで、当時の動燃(動力炉・核燃料開発事業団)で、特定の職員に「ぶんまわし」といった呼び名の組織的差別をしたと裁判所が認めた。原告6人に計4691万円を賠償するよう命じたんだ。
晴男
動燃は組織統合して、今は日本原子力研究開発機構だよね。
秋平
そうだ。事故やトラブル続きで見通しが立たない高速増殖炉「もんじゅ」など運営しているところだ。
声上げた人ら
晴男
裁判をたたかったのはどんな人たち?
秋平
1969年から70年代に茨城県内にある動燃の事業所に入職した6人だ。事業所内でおきた事故の再発防止や、職員の放射線被ばくを減らすよう声を上げていた人たちだ。
晴男
それで、なぜ差別されるの。
秋平
1979年ころに動燃は使用済核燃料の再処理工場の本格稼働をする中、安全性を無視した原子力開発に批判的な意見が勢いを増してきた。そうした声が、再処理のスケジュールの支障になると動燃は考えて、封じ込めようとした。
「判定」で敵扱い
晴男
どんな差別?
秋平
「敵性判定表」というのを作り、職員一人一人の言動で判断し、共産党員やその同調者と決めつけた。「判定」のために公安調査庁や茨城県警から情報提供を受けていた。
晴男
ひどい。判定された職員はどうなった。
秋平
定年までの29年間、岡山県の人形峠事業所に配転させられた高野真一さん(70)の遠距離や枢要でない配属先に異動させる「ぶんまわし」。定年まで32年間、洗濯場だった椎名定(69)は、特定の部署に長期間据え置く「封じ込め」を受けた。
晴男
賃金はどう?
秋平
昇給が据え置かれ続けて、同期同学歴と比べて、原告は生涯賃金で3000万円も少なかった。
晴男
裁判は終結したの?
秋平
原告も被告も控訴して、東京高裁に舞台は移る。原子力業界にヤミに迫る重要な裁判だ。
(2024・3・30)