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ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

生物多様性の回復に消極的な「新国家戦略」~辺野古大浦湾はHope Spot

2023年04月02日 | ジュゴンブログ
                 (リーフレット「辺野古の海は Hope Spot」)

 日本政府は3月31日に「生物多様性国家戦略」を閣議決定しました。
 昨年12月、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された
「昆明・モントリオール生物多様性世界枠組み」をふまえたものです。
とりわけ、「生物多様性への脅威を減らす」目標として
「2030年までに、劣化した陸域、内陸水域、沿岸域及び海域の生態系の
少なくとも30%の地域で効果的な回復下にあることを確保する。」ことを決めました。
「30 by 30」(サーティ・バイ・サーティ」と呼ばれています。

生物多様性条約COP15に先駆けて市民社会では、
米国の環境団体ミッションブルーが地球上の重要な海域147か所をHope Spotに認定しています。
日本では名護市東海岸(辺野古大浦湾一帯)が2019年に初めて認定されました。
(参考 第1回オンラインセミナー)

 
(生物多様性条約Cop15 「Science Portal」より)

私たちは「新国家戦略」のパブリックコメントとして意見を2点出しました。
1.COP15では「期限を明確に、具体的な、到達目標を」が強調されています。
 23年1月時点で、日本では陸域の20.5%、海域の13.3%が保護地域に指定されていますが、
保護地域の拡張について、…これから調整、検討する」(p64)と消極的です。

海域では、愛知県で開催された生物多様性条約COP10の翌年に決定された「海洋生物多様性保全戦略」をふまえて選定した「生物多様性の観点から重要度の高い海域」として沿岸域270カ所選定(2014年)されているにもかかわらずです。
その沿岸海域には沖縄中部・北部(14802)が含まれ、辺野古大浦湾などが挙げられています。

2.絶滅危惧種を守るためには環境影響評価制度を国際水準にすることです。
 日本の「事業推進のための環境アセスメント」では、
沖縄ジュゴンをはじめ、やんばるのノグチゲラなどを守ることはできません。


すでに、2004年IUCN(国際自然保護連合)は第3回世界自然保護会議(バンコク)で日米両政府に勧告されています。
①ジュゴン生息海域における軍民共用空港建設に関する環境アセスメントでは、
ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること(以下略)。
②ノグチゲラ、ヤンバルクイナ生息域における米軍ヘリパッド建設計画に関しては、
これを環境アセスメントの対象として、ゼロ・オプションを含む複数の代替案を検討すること。
私たちの意見(84,85)については正面から答えず、真剣に検討する姿勢はありませんでした。
(「意見に対する環境省の考え方」p14.15)

 「30 by 30」を実現するためには、市民が地域から取り組みを強めることが必要です。
 名護市東海岸では取り組みは始まっています。沖縄県も協力しています。
(参考 Hope Spot看板除幕式の動画

 4月14日午後1時半から防衛省、3時から環境省交渉を持ちます。
当日12時15分から参議院議員会館講堂(1階)で事前の説明会をもちます。
ぜひ参加をお願いします。

また、4月15日、16日は東京アースデイ2023(代々木公園)があります。
私たちもブース参加しますので、ブースで協力をお願いします



 ジュゴンの保護者より


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