名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190731

2019-07-31 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

これが後で利いてきます。

A 44歩  B 48歩  C 53金

 

第2問

 

勝負手です。

A 47歩  B 75歩  C 88銀

 

第3問

 

これで勝ち筋のはずでした。

A 79成銀  B 95歩  C 86桂

 

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大山将棋研究(1328);中飛車に袖飛車(二上達也)

2019-07-31 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190731

昭和43年1月、二上達也先生と第13期棋聖戦です。

大山先生の中飛車です。

二上先生は47金型での

袖飛車は初めて出てきましたが、3筋の歩を交換して36金から攻めていく作戦です。

31金と引くのは大山先生の常套手段で、35歩同歩同飛に32飛とします。二上先生は55歩を突いて

角頭を薄くさせてから攻めました。

中央の位をとったら金のほうを出ました。

45歩を突いて

銀を出て圧力をかけます。だから先に56銀ではなくて56金だったのですね。37桂を跳ねたい気もしますが棋風でしょう。

一進一退があって、24歩同歩22歩の筋で攻めました。

21同飛は24飛同歩32角です。

角を覗いて

馬を作れば少し駒得です。

大山先生は金をさばいて

先手を取り

48歩成同金88銀。受けにくいですね。24飛89銀不成は不気味ですから

88銀を取って79銀と受けられたら、馬を引くのではなくて47歩の利かしです。

馬銀の交換は得ですが、この と金はうるさいです。

銀を打って

ゆっくりですが確実に攻めていきます。

金を受けられても

桂を跳ねておいて67歩ねらい。

二上先生は受けがないので反撃です。85桂を食いちぎって84桂から

飛を成りました。68と55馬73桂63竜は詰めろではなさそうですが大丈夫でしょうか?

大山先生は62歩と受けたので55馬から

攻めていけます。

寄せ合いはどちらが勝ちかはわかりませんが1手違いでしょう。

68と52歩のの前に、73桂成を決めてしまうほうが後手玉が薄かったと思います。

大山先生は64銀直~65銀と取れたので、後手玉が少し堅くなっていて

寄せ合いが

勝ちになったのではないでしょうか。

先に詰めろがかかりました。

二上先生は83銀同玉74馬。74同玉は65角ですね。

大山先生は93玉が失敗で(82玉が正解)、91香の利きが止まったので先手玉の詰めろが消えています。後手玉も73竜からの詰めろですね。これで逆転です。

82桂から83銀の受けでどうか。ここで94飛同桂83馬同玉74銀93玉73竜同銀75角以下詰んでいたようです。

詰将棋作家でもある二上先生には珍しい失敗で、83同馬同玉は詰みません。先手玉は詰めろ。

投了です。

 

先手玉がいきなり危なくなって、終盤の寄せ合いになりました。どうやら大山先生の一手勝ちになったようなのですが、互いに間違えてドラマがありました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/11/29
手合割:平手  
先手:二上達也8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 8二玉(72)
17 2五歩(26)
18 3三角(22)
19 3六歩(37)
20 4三銀(42)
21 5八金(49)
22 7二銀(71)
23 4六歩(47)
24 3二金(41)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 5七銀(48)
28 6四歩(63)
29 4七金(58)
30 7四歩(73)
31 3八飛(28)
32 3一金(32)
33 5五歩(56)
34 5四歩(53)
35 同 歩(55)
36 同 銀(43)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 同 飛(38)
40 3二金(31)
41 5五歩打
42 6三銀(54)
43 5六金(47)
44 4三金(32)
45 3六飛(35)
46 1三香(11)
47 4五歩(46)
48 3四歩打
49 4六銀(57)
50 5一角(33)
51 2四歩(25)
52 同 角(51)
53 6六角(88)
54 5一飛(52)
55 2六飛(36)
56 6五歩(64)
57 7七角(66)
58 7三桂(81)
59 4四歩(45)
60 同 金(43)
61 4五歩打
62 4三金(44)
63 2二歩打
64 3三桂(21)
65 2一歩成(22)
66 5二飛(51)
67 8六角(77)
68 4七歩打
69 5九金(69)
70 5四歩打
71 3一角成(86)
72 5五歩(54)
73 同 銀(46)
74 5四金(43)
75 同 銀(55)
76 同 飛(52)
77 5五歩打
78 5一飛(54)
79 3二馬(31)
80 4八歩成(47)
81 同 金(59)
82 8八銀打
83 同 玉(78)
84 6八角成(24)
85 7九銀打
86 4七歩打
87 6八銀(79)
88 4八歩成(47)
89 2八飛(26)
90 4七銀打
91 4六金(56)
92 5八銀成(47)
93 7七銀(68)
94 5七成銀(58)
95 3三馬(32)
96 5八と(48)
97 7八金打
98 8五桂(73)
99 8六銀(77)
100 6六歩(65)
101 同 歩(67)
102 8四歩(83)
103 8五銀(86)
104 同 歩(84)
105 8四桂打
106 8三銀(72)
107 5四歩(55)
108 8四銀(83)
109 2三飛成(28)
110 6二歩打
111 5五馬(33)
112 7三桂打
113 6五桂打
114 7二銀打
115 7三桂成(65)
116 同 銀(72)
117 6五桂打
118 8一桂打
119 5三歩成(54)
120 6八と(58)
121 5二歩打
122 6四銀(63)
123 5四馬(55)
124 6五銀(64)
125 同 馬(54)
126 7八と(68)
127 同 玉(88)
128 6七金打
129 8八玉(78)
130 6八成銀(57)
131 6二と(53)
132 7八金(67)
133 9八玉(88)
134 9五歩(94)
135 8三銀打
136 同 玉(82)
137 7四馬(65)
138 9三玉(83)
139 9五歩(96)
140 8二桂打
141 5一歩成(52)
142 8三銀打
143 同 馬(74)
144 同 玉(93)
145 5六角打
146 7四角打
147 同 角(56)
148 同 桂(82)
149 投了
まで148手で後手の勝ち

 

 

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大山将棋問題集20190730

2019-07-30 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

45桂や43歩成があって受けにくそうです。なるべく駒損は避けたいですが。

A 55歩  B 42歩  C 36歩

 

第2問

 

駒損になりました。代償を求めます。

A 58歩成  B 37歩成  C 26飛成

 

第3問

 

攻め駒の数は十分です。どう攻めますか?

A 75桂  B 57桂  C 57金

 

第4問

 

最後は簡単な詰将棋です。15手。

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大山将棋研究(1327);中飛車に袖飛車(山田道美)

2019-07-30 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190730

昭和43年11月、山田道美先生と最強者決定戦記念対局です。山田先生が優勝しました。

山田先生の先手番は決まっていたのでしょうか。大山先生は中飛車です。

山田先生は袖飛車で

3筋の歩を交換して、飛を引けば穏やかですが

45歩から33飛成と切ってしまいました。

43歩成同銀33角成同桂というのもあったでしょうが、16角は38飛成を防いで味が良いです。次に43歩成がねらいです。

28飛は打たれますが、右桂を使えました。

大山先生は55歩から42歩で我慢して

山田先生は54歩から43歩成(33歩成同桂同桂成もあった)で

11角成はポイントです。大山先生は57歩から

36歩。歩切れなので39香と受けられたら後続の攻めは難しそうですが

68銀の受けも自然です。これには58歩成から37歩成で、37同銀は58飛左成ですね。小技が利きました。

57銀右に14歩で催促。

山田先生は桂を取って駒得を主張します。

と金を入られて金を取られ

それでも2枚換えの駒得ですが、45桂は取られそうなので難しい形勢です。

さて76飛~66飛と切られました。当然66同歩で57金か45竜かというところなのですが

53桂不成~61桂成というのは

トータルは飛銀と角香の交換で駒損なのです。何か錯覚していたのでしょうか。23馬は金取りで56馬があるから味が良く、これに期待していたのかもしれません。

俗に57桂と打ち込まれては金を埋めるしかなく

69桂成同金57金。49歩は58竜同金同金で受けにくいです。これをうっかりしたのかもしれません。受けが無くなって75桂は反撃ですが

43同歩58金同竜でも後手玉が詰まないので形つくりでしょう。先手玉は

簡単に詰んでいました。

 

山田先生の鋭い攻めでしたが善悪不明です。本譜の展開を見ると十分成立しているようなのですが、いくつかある選択肢を全部正解というわけにはいきません。最後のほうで間違って急に悪くなってしまいました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/11/26
手合割:平手  
先手:山田道美8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5八金(49)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 4六歩(47)
16 3三角(22)
17 3六歩(37)
18 5四歩(53)
19 5六歩(57)
20 8二玉(72)
21 3八飛(28)
22 4三銀(42)
23 3五歩(36)
24 同 歩(34)
25 同 飛(38)
26 3二飛(52)
27 4五歩(46)
28 7二銀(71)
29 3三飛成(35)
30 同 飛(32)
31 4四歩(45)
32 3二銀(43)
33 1六角打
34 2八飛打
35 3四歩打
36 5三飛(33)
37 3七桂(29)
38 5五歩(54)
39 同 歩(56)
40 4二歩打
41 4五桂(37)
42 5一飛(53)
43 5四歩(55)
44 同 飛(51)
45 4三歩成(44)
46 同 銀(32)
47 1一角成(88)
48 5七歩打
49 5九金(58)
50 3六歩打
51 6八銀(79)
52 5八歩成(57)
53 同 金(59)
54 3七歩成(36)
55 5七銀(48)
56 1四歩(13)
57 3三歩成(34)
58 同 桂(21)
59 同 馬(11)
60 5六歩打
61 6六銀(57)
62 4八と(37)
63 同 金(58)
64 同 飛成(28)
65 5五香打
66 7四飛(54)
67 5八歩打
68 7六飛(74)
69 7七歩打
70 6六飛(76)
71 5三桂(45)
72 6四飛(66)
73 6一桂成(53)
74 同 銀(72)
75 2三馬(33)
76 5七桂打
77 5九金打
78 6九桂成(57)
79 同 金(59)
80 5七金打
81 7五桂打
82 5八金(57)
83 8三桂成(75)
84 同 玉(82)
85 5六馬(23)
86 7四桂打
87 7五桂打
88 8二玉(83)
89 4三角成(16)
90 6八金(58)
91 同 金(69)
92 8八金打
93 同 玉(78)
94 6八龍(48)
95 7八金打
96 7九銀打
97 9七玉(88)
98 8八銀打
99 投了
まで98手で後手の勝ち

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20190730今日の一手(その913);大駒を渡さない

2019-07-30 | 今日の一手

20190730今日の一手

 

6月9日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金と角(歩)の交換で竜を作っていますから先手の駒得です。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

相手玉に向かっているものを数えると、先手の攻め駒は持ち駒角銀桂で3枚。

後手の攻め駒は66銀と持ち駒金桂で3枚。62飛も後に加わるでしょう。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

先手玉が薄いけれど駒得と言う状態です。先手玉を固めるというか、しっかり守って駒得ならば有利になります。

角銀交換に応じると駒得はほぼ消えるので他に主張を作らねばなりません。後手玉よりも堅くするのは難しそうなので、どこかで寄せ合いを考えるのでしょう。今は遊んでいる83竜が働けば、すぐに攻め駒は4枚になります。

 

☆ 簡単なまとめ

後手の飛が働き出すと受けきりは難しくなります。39角か79角から寄せ合う

というか、飛金の取り合いにしてしまえば勝ちでした。すぐに寄せ合って角金を取らせるよりは、金銀を取らせる方が先手玉の広さが生きます。

 

× 強い手から考えてみます。角取りに構わず72歩成。

57銀成62と47成銀同金58銀

74角が攻防(詰めろ)で47銀成同角

56金同角同歩52銀

先手玉は詰まず、後手玉は詰めろ。先手の1手勝ちのようです。

 

後手は58金を取るほうが正しく

58同銀に65角が王手竜取り、47角の受けがありますが56金

これは81竜だとして47金同銀同角成同玉56角

先手玉が詰んでしまいます。(86竜だったら詰まないですが、同じ筋を後の変化で書きます。)

 

 

△ 63歩ならば

63同飛には85角が大きな利かしです。

65飛66角同飛67歩

これは先手の寄せ合い勝ちでしょう。

 

後手は63歩に57銀成を選び

62歩成58成銀同銀65角47角56金

先手玉は清算して56角からの詰めろ。86竜でも47金同銀49角

玉を下に落とされて詰めろが続きます。4枚で攻められるので受けはないでしょう。

 

ということは先手が妥協して57同金

63飛66歩56金48銀

金銀の打ち替えで千日手模様です。

 

 

△ 64歩でも同じことで

64同飛には86角の利かしが入ります。57銀成同金64飛66歩56金48銀

これも千日手模様。

 

 

△ 実戦は66同角と取りました。

66同飛に(76飛がありますから)67銀と守ったら同飛成同金94角

94同竜同香93角69飛57角成56桂

馬を作って粘ったものの、後手の攻め駒は4枚あります。39銀に66歩同馬68桂成と攻められて先手劣勢です。

 

実は94角には81竜で良かったのです。

67角成41竜同玉61飛

51金67飛成という図は

22金や52歩の攻めが残っています。

 

また先手は67銀ではなく67歩を選ぶこともできました。

76飛はありますが、85角79飛成59歩

52銀が残っているので悪くはありません。

 

後手は46飛というのが派手な手ですが(これは67銀としていても出現します)

46同銀65角47角56金86竜

先に飛を捨てているので後手の攻めは無理気味です。

 

 

△ 角を逃げるのが自然で、48角が良さそうに見えます。

このほうが先手玉が堅く(横からの攻めに強く)見えますから。67銀不成に66歩と受けて58銀成同銀56桂

ここに桂を打たれるのが痛いです。57角59金47銀打68金49銀打67歩

しがみつかれて受けが無くなります。

 

ならば67銀不成に59銀と受けてみます。

58銀成同銀引56桂75角

攻防に角を逃げて、68桂成63歩同飛64歩59成桂63歩成58成桂

後手の攻め駒は5枚、詰めろですし受けきれません。

 

受けきれないならば67銀不成に72歩成でどうか。

58銀成が角取りになるのが痛くて、飛を取ってもだめです。58同銀68飛成59銀

飛を成らせて受けるしかないですが、せいぜい互角です。

 

 

○ 先ほどは後手の56桂に悩まされましたから、39角のほうが良いのです。

67銀不成に66歩と受けても

58銀不成同銀54桂47銀打56金57銀打

受けに余裕があり、どこかで72歩成から寄せ合いにでられます。

 

67銀不成に72歩成を選んでも

58銀不成62と

角取りではありませんから飛を取ってみます。47銀成同玉56金38玉47銀28玉36銀不成

後手の攻め方がいくつかありそうですが、この図は38歩から受けに回ることもできますし、63角が詰めろ銀取りで勝ちになっています。

 

67銀不成に63歩でも良いです。

63同飛には85角が両取りで、58銀不成63角成

47銀成から追いかけられるのですが、(47銀成同玉56金38玉47銀28玉38金17玉)

先手玉に詰みはなく、詰めろも続くかどうかというくらいです。後手玉は41馬から詰むので先手の明らかな1手勝ち(あるいは2手勝ち)です。

 

 

○ 68角はちょっと変な手ですが

67銀成に86角

逃げた手が攻めの手になっています。後手の手が限定できていませんが、72歩成を避けて58成銀同銀66飛75角打

76飛82竜

と進めば後手玉は詰めろ。金か桂を使わせれば受けやすくなります。

 

 

○ 79角は先手玉が薄くなるようですが

67銀不成72歩成65飛74角

75飛でまずいようですが、24桂同歩23銀同玉41角成32金25歩

これが詰めろですから先手の勝ちでしょう。

 

後手は72歩成に58銀不成を選ぶしかなく

62と47銀成同玉56金38玉47銀27玉35歩同歩36金17玉37金63角

長く進めましたが、先手玉に詰みがなく、詰めろも難しいです。35歩同歩を入れられても63角が詰めろで受けにも利きます。79角が働いていませんが、取られる心配もない(39桂と受けるスペースもある)ので、これでも良いです。

 

受けとしては67銀不成に68歩

角を取りに来られても構いません(72歩成から攻め合えばよい)からこんな受けもあります。

 

また85角が攻防の手です。

58銀不成同銀65飛52銀

先手陣がバラバラですが飛を成りこまれないので、寄せに出て勝てそうです。

 

☆ まとめ

飛先を止めて千日手にする順はありましたが、単純な受けきりは後手の飛が働いてくるから難しいです。

どこかで72歩成から寄せ合いを考えるのですが、すぐに72歩成は駒を角金を取られるのでまずいのです。

39角か79角、遠くに角をかわしてから67銀不成72歩成で寄せ合いに出るのが有力です。小駒だけの攻めならば先手玉の広さが生きました。この場合は後手に大駒を渡さず、飛を取ってしまうのが正解です。

角を引いてからしばらく受けに回り、後の楽しみ(寄せ)に期待することもできます。これは後手の飛を封じようということですね。

 

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大山将棋問題集20190729

2019-07-29 | 大山将棋研究

後手番加藤先生の手を考えます。

第1問

 

金立ち戦法で一番指したい手です。

A 74金  B 44歩  C 55歩

 

第2問

 

先手陣の弱点は?

A 82飛  B 76歩  C 73桂

 

第3問

 

ぼんやりしているようで厳しい手でした。

A 37歩  B 25桂  C 45香

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大山将棋研究(1326);中飛車に53金戦法(加藤一二三)

2019-07-29 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190729

昭和43年11月、加藤一二三先生と第7期十段戦第3局です。

大山先生の中飛車です。

今回は普通の67銀型で、加藤先生は53金戦法(金立ち戦法)にしました。

68金~57金と受けるのを見るのは初めてです。

角頭を攻められるので飛は7筋へ。

64金を1手で74金とできるのが金立ち戦法の良いところです。

73金という瞬間がないので、7筋の反撃を防ぐ時にも隙が少ないです。

46金44銀という対抗は、金は戻れないので大山先生のほうが形が悪いです。このために玉の堅さの差が少なくなりました。

27銀の瞬間に加藤先生は6筋から動きます。

桂を跳ねるのは怖いですね。76金同銀68飛成同角76歩でも後手が良さそうです。

加藤先生は金銀を引いて角筋を通しました。

大山先生は66歩の受けに76歩同銀72飛。75歩同金同銀同飛65桂では飛がさばけないので

74歩同飛65歩ですが

銀桂と金の交換ですから駒損です。

と金を作って駒損は消えたようなものですが、52と同金61飛成59馬52竜51銀打ではやはり駒損なので、52金でしょうか。

大山先生は と金を引いて使ったのですが

加藤先生は両取りに飛をまわって

と金を取ってしまいました。角と飛桂歩歩の交換で駒得です。

大山先生は駒損なのに自陣に金を打って二枚飛車の攻めを防ぐのでは苦しいです。

角を切って

桂を取りましたが

また駒損で銀を守りに使うのでは形勢は良くなりません。

この桂は54馬のねらいです。

金を取って、また金を打って粘りました。

加藤先生は25桂。これは先手に歩しか持ち駒がないので結構受けにくくて

26歩の催促に

37歩同桂39銀。39同金同角成同玉37桂成は受けにくいです。29玉37桂成もだめ。ということでこれで投了でした。

 

大山先生が駒損でも粘っていたのですが、持ち駒がないと受けが無いとは。金銀を投入したのにうまく働かなかったのですね。対抗型では駒の損得がものを言うことが多いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/11/21
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 3四歩(33)
15 6六歩(67)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 6七銀(68)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 5三金(52)
25 6八金(69)
26 6四金(53)
27 5七金(68)
28 7五歩(74)
29 7八飛(58)
30 7六歩(75)
31 同 銀(67)
32 7五歩打
33 6七銀(76)
34 5三銀(62)
35 3六歩(37)
36 7四金(64)
37 5九角(77)
38 7二飛(82)
39 4六金(57)
40 4四銀(53)
41 2六歩(27)
42 6四歩(63)
43 2五歩(26)
44 9四歩(93)
45 2七銀(38)
46 6五歩(64)
47 6八飛(78)
48 6二飛(72)
49 6五歩(66)
50 同 金(74)
51 7七桂(89)
52 6四金(65)
53 3八金(49)
54 5三銀(44)
55 6六歩打
56 7六歩(75)
57 同 銀(67)
58 7二飛(62)
59 7四歩打
60 同 飛(72)
61 6五歩(66)
62 7七角成(22)
63 6四歩(65)
64 7六飛(74)
65 6三歩成(64)
66 4四銀(53)
67 2四歩(25)
68 同 歩(23)
69 2三歩打
70 3三銀(42)
71 6四と(63)
72 6八馬(77)
73 同 角(59)
74 6六飛(76)
75 7七角(68)
76 6四飛(66)
77 3五歩(36)
78 6九飛成(64)
79 5九金打
80 7八龍(69)
81 3四歩(35)
82 同 銀(33)
83 4四角(77)
84 同 歩(43)
85 6三角打
86 4二金(41)
87 8一角成(63)
88 6六角打
89 5八銀打
90 4三金(42)
91 6九金(59)
92 8八龍(78)
93 3五桂打
94 6八歩打
95 4三桂成(35)
96 同 銀(34)
97 7九金打
98 9九龍(88)
99 6八金(79)
100 2五桂打
101 2二歩成(23)
102 同 玉(32)
103 2六歩打
104 3七歩打
105 同 桂(29)
106 3九銀打
107 投了
まで106手で後手の勝ち

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大山将棋問題集20190728

2019-07-28 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

44歩が見えていますが。

A 42歩  B 84角  C 36歩

 

第2問

 

74桂を受けねばなりません。

A 63金  B 63銀  C 63角

 

第3問

 

実戦詰将棋です。17手。

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大山将棋研究(1325);四間飛車に中央位取り(加藤一二三)

2019-07-28 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190728

昭和43年11月、加藤一二三先生と第7期十段戦第2局です。

大山先生の四間飛車です。

加藤先生は中央位取りで

6筋の歩を交換できると指しやすくなります。

昔の将棋は46歩を突くことが多いのですが、突かないで左翼を充実させる方が良いです。

大山先生は2筋に飛をまわり

石田流へ。

45歩に33桂、これで収まれば良いのですが。

瞬間は先手陣の金銀が連結していて飛交換などは先手よしです。加藤先生は強気に攻めていきました。

39角成を見られましたが

銀が死んでいます。

実際には歩3と桂の交換ですが、少し駒得です。

銀を打って

44角をねらいます。

55銀には飛をぶつけて

交換したところは桂得(先に桂を取った)加藤先生のほうが良いようでも、玉の堅さ(遠さ)が違うので良い勝負でしょう。

銀を追って角を使い

駒得は消えましたが、飛を打てば52銀不成同金71角成のねらいがあります。57銀成52銀不成67成銀の寄せ合いは後手の勝ちか。57銀成に同金同角成同銀59竜も後手の勝ち、ということは大山先生の寄せ合い勝ちでしょう。

62角と受けたので角交換になり

86桂には63角が先手を取る受けで

大山先生の攻めは遅いですが受けるのは難しそうです。

加藤先生は42角(64角ねらい)73金に

53角成~62香。71金は同竜同玉61角成という必殺の順ですね。61同金同馬61香同馬同銀同竜59と という寄せ合いは後手が勝ちそうな気がしますが

玉の早逃げでしのぐほうが大山先生らしいです。

97桂に82金というのは手順前後です。85桂(84玉94桂)で先手よしだったのですが

71馬84金で事なきを得ました。

94桂同金95歩同金85桂、これも厳しい寄せで

金を取られてどうなったか。後手玉は詰みません。先手玉に詰めろがかかるか。

58と に62馬73銀同桂成、後手玉は詰めろです。

先手玉は詰んでいた(58と が詰めろ)のですね。

 

桂損でも大山先生が悪くなかったようで、早く寄せる順を逃しているのは、有利だから確実に勝とうとしたのでしょうか。加藤先生にもチャンスがあったのですが、最後は寄せ合い1手負けです。

終盤の検討をするのによい題材です。変化を調べてみましょう。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/11/12
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4二飛(82)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二銀(71)
15 5八金(49)
16 7一玉(62)
17 5五歩(56)
18 4三銀(32)
19 5七銀(48)
20 8二玉(71)
21 5六銀(57)
22 5二金(41)
23 6八銀(79)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 7四歩(73)
33 9六歩(97)
34 9四歩(93)
35 4六歩(47)
36 3五歩(34)
37 6七金(58)
38 3二飛(42)
39 1六歩(17)
40 5一角(33)
41 2六飛(28)
42 3四飛(32)
43 4五歩(46)
44 3三桂(21)
45 4四歩(45)
46 同 飛(34)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 4五歩打
50 3四飛(44)
51 4六飛(26)
52 8四角(51)
53 4四歩(45)
54 同 銀(43)
55 4五歩打
56 同 銀(44)
57 同 銀(56)
58 同 桂(33)
59 同 飛(46)
60 4四歩打
61 4六飛(45)
62 3六歩(35)
63 4三銀打
64 3五飛(34)
65 5四歩(55)
66 5五銀打
67 3六飛(46)
68 同 飛(35)
69 同 歩(37)
70 5四歩(53)
71 5六歩打
72 4六銀(55)
73 4四角(88)
74 4九飛打
75 5九金(69)
76 2九飛成(49)
77 4一飛打
78 6二角(84)
79 同 角成(44)
80 同 金(63)
81 8六桂打
82 6三角打
83 1一飛成(41)
84 6五桂打
85 4九歩打
86 4八歩打
87 4二角打
88 7三金(62)
89 5三角成(42)
90 4九歩成(48)
91 6二香打
92 5九と(49)
93 6一香成(62)
94 9三玉(82)
95 9七桂(89)
96 8二金打
97 7一馬(53)
98 8四金(73)
99 9四桂(86)
100 同 金(84)
101 9五歩(96)
102 同 金(94)
103 8五桂(97)
104 8四玉(93)
105 9五香(99)
106 5八と(59)
107 6二馬(71)
108 7三銀(72)
109 同 桂成(85)
110 6八と(58)
111 同 金(67)
112 7七銀打
113 同 金(68)
114 同 桂成(65)
115 同 玉(78)
116 6五桂打
117 投了
まで116手で後手の勝ち

 

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20190728今日の一手(その912);小駒の攻めには玉の早逃げ

2019-07-28 | 今日の一手

20190728今日の一手

 

6月9日の名南将棋大会から、KさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金と飛歩の交換で竜を作っていますから先手の駒得です。ただし終盤では重視しません。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は持ち駒角桂香で3枚。

後手の攻め駒は69角57銀18金45香で4枚。

 

総合すれば後手有利か優勢です。

 

☆ 大局観として

後手玉は手つかずで、4枚で攻められています。左右挟撃ですし、敗勢でもおかしくはありません。

最初に攻防の手を探しますが、うまくいかなければ後手の攻め駒を減らせるように受けねばなりません。

形勢が良くないので自然な受けばかり考えてもだめでしょう。広く手を探してみるべきです。

 

☆ 簡単なまとめ

13角が遠くから受ける好手です。

後手は持ち駒がないので銀取りを受ける手が限られます。58角成に49金を見つけられたら

逆転できます。

 

 

× 実戦は55角でした。

これは詰めろではないのですが、29歩成から金を手に入れて詰めろになるからという手です。後手Kさんは踏み込まなかったのですが、29歩成同金47香成同銀29金

予定通り金を取るしかないです。74桂92玉を入れて29玉47角成

玉を逃げる手や38香は簡単に詰まされます。金合いしかないですし、38金18金39玉48銀打同金29金48銀成同飛57桂

即詰みもあるから先手の負けのはずでした。

 

実戦は64歩と受けたので

勝負手が通りました。64同角63銀に74桂

これは92玉に32竜72銀28金

0手で角を配置できたようなものですから、金の入手を図れば先手の勝ちです。

 

ということで74桂には同銀と進みました。

74同歩で後手玉も危なくなりました。そこで先ほどの手順をたどったら、29歩成同金47香成同銀29金

29同玉は詰みですが、73歩成同桂同角成同玉43竜

47銀にひもが付けば詰めろを逃れています。77香などの王手を入れて29金を取って詰めろにして先手の勝ち筋です。

 

実戦では危ないと見て29歩成同金に47香成ではなく35桂

ここから攻防が続き

後手も自玉に手を入れて一進一退です。最後は先手Mさんが受けそこなって負けてしまいました。

 

 

× 他の攻めとしては94歩同歩くらいは入るのですが、

端攻めを続けても詰めろのような手はありませんし、1歩でも渡したくない形ですから悪手でしょう。

 

 

△か× 28同金が素直な手です。

駒損を防ぐということは後手の攻め駒を増やさないということでもあります。47香成同銀28金同玉47馬19歩

しかし銀香交換馬を作られて少し駒損(もともとの駒得はほとんど消えた)です。19歩が粘りの手で、48銀成を待って17玉と逃げ出すのですが、じっと28歩

駒を補充しに来られると(29馬よりも受けにくい)先手の入玉は怪しいです。桂をもって31桂~23金や銀が入玉阻止になります。実際には後手は28歩ではないかもしれませんし、どうにか入玉できれば勝てるでしょう。

 

 

○ 48金は意表の受けです。

29歩成には57金、76桂98飛87角成46歩

桂を取られると飛を取られる筋が生じるのですが、47玉から逃げ出せれば何とかなります。すると後手の18金29と は攻め駒ではないですから受けやすいです。

 

後手は48同銀成のほうが普通です。

48同玉に58金などは怖くありません。29歩成ならば45銀

76桂98飛87角成46角

攻防の角を打って後手の攻めを制限しつつ、36歩~37玉のルートや、57玉~56玉のルートで脱出を図ります。

 

 

× 45銀とすれば駒得ですし後手の攻め駒は減るのですが

29歩成同金同金同玉47馬

また後手の攻め駒は4枚に戻ります。(銀を渡さないだけ得です。)38金35桂36銀48銀成

これは受けなしです。

 

先手としては29歩成に36歩から

上部脱出でどうか。39と37玉に47角成が取れません。26玉46馬15玉45馬

これは入玉できないで捕まえられるでしょう。

 

 

× 47の地点を守るならば49香

あるいは59桂、43竜、65角なども同じですが、29歩成同金76桂98飛87角成

飛を取りに来られる手が厄介です。39金98馬同香19飛

この詰めろは受けにくいです。

 

 

○ 13角は受けの手筋です。

攻め駒を責めるというか、馬で守るというか、遠くから大駒を打って守るのが有効なときがあります。

58角成には49金

馬取りで金を逃げることもできました。切られても大丈夫です。67馬58歩66馬98飛56歩

粘り強く攻めをつながれますが、45銀29歩成36歩

後手の持ち駒が乏しいので、この入玉は止まらないでしょう。

 

後手が58銀不成とすれば

詰めろです。48金で催促して、47香成同銀同銀成同金29歩成46角成

馬を作って攻めにも使えます。

 

 

× 他の受けは19歩

19同金は17桂とできます。29歩成同金47香成同銀29金同玉47角成38金

18金の筋がないだけ受けやすいのですが、先手の駒得は消えています(金銀と角香の交換)。ちょっとゆっくり56馬47歩49銀

後手の攻め駒が多いので受けが無くなるでしょう。

 

 

×か△ 17桂のほうが少し得で

29歩成同金47香成同銀29金同玉47角成38金

桂を渡していないだけ良いですが、形勢としては後手有利のままです。

 

 

× 最後は26歩から

すぐに入玉を目指してみます。29歩成27玉39と25歩47香成26玉37成香

37同玉でも46金があります。36銀を取られると入玉阻止されるでしょう。

 

☆ まとめ

問題図は後手の攻め駒が4枚あり、もう一枚とられそうなところですから受けは絶望的に思えます。

しかし小駒は足が遅いので、玉を逃げ出す、できれば上に逃げ出すことができると、後手の盤上の小駒は攻め駒ではなくなってきます。ここでは後手の攻め駒に角が残っているために難しいのですが、探してみればどうにか受けがありました。

48金というのは考えづらいですし、もう少し読んでみないと信じられませんが、玉を左上のほうに逃げ出せそうです。

後手が持ち駒を使い切ったので13角というのは一目でわかる好手です。好転したと感じられるのは、58角成に49金を見つけた時のことですが。

 

 

 

 

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