20190706今日の一手
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5月2日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
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☆ 形勢判断をします。
銀と飛歩歩の交換で馬を作っていますから先手の駒得です。終盤なので重視しません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛金銀桂桂で5枚。十分にあります。(4枚以上は同一視します。)
後手の攻め駒は39角と持ち駒金銀桂で4枚。こちらも十分です。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
両取りに角を打たれました。66角成のほうが厳しくて、でも持ち駒は多いのでまだ受けはありそうです。28角成とされると駒損ですし、馬が後手玉の守りにも働きます。
ですから「両取り逃げるべからず」ではなくて(直感的には)受けるのだろうと思います。
先手からの攻めは86桂は詰めろですが受けられて続くかどうか。駒を打たせて長い戦いにすることも考えます。後手の34銀21桂が守りに役立っていなくて取られるだけなので、余計に長い戦いは好ましいです。
× 実戦は24飛でした。
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66角成77金
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馬を切られてもまだ詰みはないです。でも馬を逃げてもらって21飛成でもまだ後手玉は詰めろではないですから、寄せ合い負けは明らかです。79銀同玉77馬と攻められて
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この詰めろは受けにくく、寄せ合いとしては2手以上負けています。
× 86桂を打てば
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後手玉は詰めろです。66角成77金56馬
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これは詰めろ逃れの詰めろで返されます。67銀46馬74桂92玉
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金銀を守りに使うと(金を取られたので駒損ですし)攻め駒が足りず飛取りが残っては悪いです。
○ 68飛と逃げるのが自然な手です。
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一応両取りは受かりますから。ただこれを指しにくいというのは57銀(や57角成)があるからですが、67金68銀成同金28飛58桂
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後手が歩切れということもあり、57金か46桂の攻め方しかないでしょう。57金~68金~58飛成としても詰めろではない(46桂~58桂成~68成桂としても同じ)現状は4手すきですから余裕があります。57金86桂68金74桂92玉82金93玉91金58飛成85銀
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39角の危機に注意しながら平凡に寄せ合うとこれくらいの図で先手の1手勝ちです。
86桂に63銀と受けると
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64歩~63歩成というのでも勝ちですが、94桂同香91銀
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39角の利きが止まっていれば、91同玉に93銀という(金を持っていなければ)必至もあります。
46桂のほうも
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あまり違いはありません。86桂63銀には64歩
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73銀には54馬
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84金と守れば(金を手持ちにしていました)65馬
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74桂や55馬ねらいです。
後手が工夫するとすれば85桂
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89桂や86銀と受けても良いのですが、一番頑張ると67金と節約します。77金同金79銀
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節約は怖いのですが、79同玉77桂成に81金
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持ち駒が豊富なので81同玉61飛成から後手玉が詰みます。
○ 持ち駒を打つ方が手堅い原則で、48飛打のほうが良い受けです。
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飛角交換は歓迎で、取らずに57銀(とか37銀とか37金とか)の両取りがありますが86桂
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先手玉は何手すきかわからないくらいの状態ですから、74桂と跳ねるほうが厳しいです。84金65馬48銀不成38飛
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飛1枚とられましたが駒は取り返せるでしょう。後手の攻め駒は2枚だけ、先手有利です。
後手としてはやはり85桂を打っておくと
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攻防の意味があるのですが、86銀57銀65馬48銀不成55馬73金38飛
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85銀が楽しみです。(こういう変化で後手の歩切れがたたります。)
△ 68飛打でも同じような気はしますが、かなり違うのです。
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57銀には67金68銀成同飛
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後手の歩切れが大きく、これは先手が楽をしています。
代わりに77金と捨てて
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77同玉85桂88玉77銀
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強引に攻められるのが欠点です。79玉68銀成同飛77桂成
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78金68成桂同金
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飛と金桂歩歩の交換で、ずいぶん先手の駒得なのですが、持ち駒の金銀を守りに打つまでは安心できません。形勢は互角なのでしょう。
△ 67金と逃げると
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28角成は痛いですが、86桂85銀66桂73馬65馬64金
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86桂や66桂が入り、後手玉を固めさせたものの後手の戦力は減っています。21馬から駒を取れば長くなっても少し先手有利です。
△か× 78金と打てば
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66角成はあまり怖くなくて、28角成86桂85銀65馬
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同じような感じではありますが、66桂を打てないので少し損をしているのかも。後手の攻め駒が多いです。
△か× 65馬を先にしても
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大きくは違いません。28角成86桂85銀
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78金と打てば前の変化と同じです。
△ 後は78飛として
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66角成77金
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とするほうが連結が良いので瞬間は先手玉が堅くなります。56馬64桂
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金銀と飛歩歩の交換は少し損ですが、寄せ合いは難しいです。後手も銀を逃げるか85桂や67銀と攻めるか、形勢不明です。
☆ まとめ
「両取り逃げるべからず」というのは変な将棋格言で、逃げて取らせて取り返す場合、片方は逃げざるを得ない場合、というほうが大多数です。ただし、たまには逃げないでほかの手を指すのが好手ということもあるので無視できないです。
格言に従う86桂では金を取られて詰めろ逃れの詰めろで負け筋でした。
実戦の24飛は、大きい方を逃げても小さい方を取られるだけでも大損害でした。(受ける意味では18飛のほうがましだったとも言えます。)
小さい方を逃げる67金は案外に有力です。先手玉が少し堅くなり、角の脅威が減り、66桂を打てました。
68飛が普通の手で、この両取りは受かります(片方は取られるのですが取り返せる)。でも57銀で再度の両取り、67金と逃げて飛を取らせて・・・両取りばかり食らっていますが、飛銀の交換でしかないので、元が駒得ならば受けていても良いかもしれません。そこからの寄せ合い速度を計算すると、先手の1手勝ちでした。
48飛打はたまにしか出てこない受け方ですが、持ち駒を打つ方が手堅い原則です。先手玉が詰めろになるまでの時間を稼げるので、後は攻めるほうを中心に考えます。
68飛打でも同じようですが、これは「玉飛接近すべからず」でちょっと危ないです。