名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190726

2019-07-26 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

条件が良くて、これが好手になりました。

A 95歩  B 77桂  C 45歩

 

第2問

 

駒損ですが攻め駒は4枚あります。

A 74馬  B 63歩  C 63香

 

第3問

 

ここが急所です。

A 15歩  B 25歩  C 45歩

 

第4問

利かしが入りました。厳しい寄せがあります。

A 13桂  B 23桂  C 52金

 

第5問

 

最後は実戦詰将棋です。持ち駒が多いので何通りかありそうですが19手。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1323);中飛車に持久戦(加藤一二三)

2019-07-26 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190726

昭和43年10月、加藤一二三先生と第7期十段戦第1局です。

大山先生の中飛車です。

57銀型で金を守りに使うのはこのところのお気に入りです。

前回の加藤先生との対局では46銀~55歩でしたが、65歩の急戦を受けるだけならば飛車をまわるほうが簡単です。

加藤先生は急戦を断念して44歩でしたが、ここで大山流は78金を引いて

金を戻して本美濃囲い完成です。

65歩は取らずに待って

66歩には同角。84角もあるので加藤先生は82飛

77角62飛には飛交換しても良さそうですが66歩を打ちました。

加藤先生は攻めやすい形になりましたが

玉を囲い

ここまで駒組みです。大山先生は玉が堅いのですが戦力が少ないので、77桂が利いたのが大きいです。86歩同歩同飛には65桂も65歩もありますね。

61飛には香を捨てて

桂を跳ねました。65同桂95角は十分でしょう。

加藤先生は65同銀から香を打って飛を取りに行きました。

大山先生は95香73桂を取ります。これで飛銀の交換ですが、先手玉が堅いので十分に戦えます。

63歩から64桂。63飛同馬同金や63金72桂成73金61馬で飛を渡すと21飛があります。

と金を作って大山先生が有利になりました。

と金と成香で金銀をはがしあうのですが

25歩が急所で先手優勢です。

全部清算したところで飛と金香の二枚換えです。

26歩~25歩、やはり2筋が急所です。

加藤先生も反撃に出ましたが

24香に28歩成~22歩ではつらいです。この後手の形は右玉の左右反転ですが

13桂同香12銀、端に隙を作って飛取りというのが厳しい筋です。飛を逃げると詰みですね。

飛を取って王手馬取り。

加藤先生の反撃も

桂を渡すと23桂が詰めろです。

24銀同歩25香、攻め駒は多いので反撃も厳しいのですが

後手玉は詰めろのままです。

受けてみましたが詰めろは消えていません。

39銀同玉27飛成、上に逃げる筋で詰めろを逃れていたら良いのですが

だめでした。

 

持久戦になった時に大山先生の形か完璧でした。加藤先生が飛を渡せる玉形にしておけば難しかったのですが、飛を渡せないのではどうしようもありません。先手をもって楽しく並べられます。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/10/31
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 5七銀(68)
18 4二銀(31)
19 2八玉(38)
20 7四歩(73)
21 7八金(69)
22 6四歩(63)
23 3八銀(39)
24 7三桂(81)
25 6八飛(58)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 5三銀(62)
29 4六歩(47)
30 9四歩(93)
31 9六歩(97)
32 4四歩(43)
33 7九金(78)
34 4三銀(42)
35 9七香(99)
36 3三角(22)
37 6九金(79)
38 6二飛(82)
39 5八金(69)
40 6五歩(64)
41 3六歩(37)
42 6六歩(65)
43 同 角(77)
44 8二飛(62)
45 7七角(66)
46 6二飛(82)
47 6六歩打
48 8二飛(62)
49 6七飛(68)
50 6四銀(53)
51 5九角(77)
52 8一飛(82)
53 4七金(58)
54 2二玉(32)
55 2六歩(27)
56 2四歩(23)
57 3七桂(29)
58 3二金(41)
59 4八銀(57)
60 2三玉(22)
61 2七銀(38)
62 4二角(33)
63 3八金(49)
64 3三桂(21)
65 6八角(59)
66 5三角(42)
67 7七桂(89)
68 6一飛(81)
69 9五歩(96)
70 同 歩(94)
71 同 香(97)
72 同 香(91)
73 6五桂(77)
74 同 銀(64)
75 同 歩(66)
76 6六歩打
77 同 飛(67)
78 6二香打
79 9五角(68)
80 6五香(62)
81 7三角成(95)
82 6六香(65)
83 6三歩打
84 9七角成(53)
85 6四桂打
86 4二金(52)
87 6二歩成(63)
88 2一飛(61)
89 7四馬(73)
90 6七香成(66)
91 5二と(62)
92 5八成香(67)
93 4二と(52)
94 同 金(32)
95 2五歩(26)
96 同 桂(33)
97 同 桂(37)
98 4八成香(58)
99 同 金(47)
100 2五歩(24)
101 2六歩打
102 3二玉(23)
103 2五歩(26)
104 2六歩打
105 同 銀(27)
106 2七歩打
107 1八玉(28)
108 6七飛打
109 2四香打
110 2八歩成(27)
111 同 玉(18)
112 2二歩打
113 1三桂打
114 同 香(11)
115 1二銀打
116 3三銀打
117 2一銀(12)
118 同 玉(32)
119 9一飛打
120 7一歩打
121 9七飛成(91)
122 3五桂打
123 同 銀(26)
124 同 歩(34)
125 2三桂打
126 2四銀(33)
127 同 歩(25)
128 2五香打
129 2七香打
130 同 香成(25)
131 同 金(38)
132 3二玉(21)
133 9二龍(97)
134 7二香打
135 5一銀打
136 3九銀打
137 同 玉(28)
138 2七飛成(67)
139 4二銀成(51)
140 同 玉(32)
141 5一角打
142 投了
まで141手で先手の勝ち

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190726今日の一手(その911);味の良い駒得があるか

2019-07-26 | 今日の一手

20190726今日の一手

 

6月9日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金(歩)と銀桂の交換で馬を作り合っています。先手の駒得です。

玉の堅さは同程度。47銀なので少し先手のほうが横からの攻めには弱くなっていますが。

相手玉に向かっているものだけ数えると、先手の攻め駒は持ち駒銀桂の2枚。

後手の攻め駒は持ち駒金1枚。

 

総合すれば先手やや有利です。

 

☆ 大局観として

先手の駒得ですからゆっくり指したいのですが、後手に と金つくりを目指されました。これを防げるかどうか。

防げないのならば寄せ合いです。73馬は使いますが85桂を使うのは(後手の と金攻めよりは遅いので)間に合わないでしょう。馬銀桂だけで後手玉を寄せきれないでしょうから、先手も と金を作るとか、92飛を捕獲するか。本来は飛を取りに行くのは甘い手なのですが、守りにも働いている飛なので、取りに行く意義はあります。

67歩成を防げないならば、受ける手も交えつつ攻めを中心に考えることになるでしょう。

 

☆ 簡単なまとめ

84歩などで飛を取れれば良いのですが受けられます。84桂

52飛には64歩

なるべく小さな駒で取るほうが良いです。この場合は後手の飛が逃げたり、52同金とする必要があるので、実質は1手で飛を取れます。

 

 

× 実戦の74馬は自然な手ではありますが、67歩成

飛は逃げてもらえず、と金を作られると怪しいのです。45歩57と46銀47金

銀を逃げても絡まれて難局です。後手玉が安全なので実戦的に勝ちにくいのです。

 

 

△ 攻めるならば寄せのセオリーを準用します。つまり小さい駒から使います。64歩で寄せ合いを選ぶとどうでしょうか。

67歩成63歩成57と には84桂くらいでしょうか。

後手の と金のほうが使いやすく、先手は後手玉から遠い飛を攻めねばなりません。48金92桂成47と48金同と51飛

先手は21金だけでは決め手になりません。53と のほうがねらいです。後手は25歩か39銀か、どちらかの勝ちなのでしょうけれど、難しい形勢です。

 

 

△ 84歩は飛を取りに行く手です。

67歩成83歩成52飛64桂

52桂成は同金でしょうから、歩と桂を使って(桂を渡して)実質1手で飛を取れます。

 

後手としては84歩には82歩

受けるしかなさそうで、このやり取りは先手の得です。ただ次にどう指すべきかは悩みます。

 

 

△ 同様に83歩81歩も利かしです。

 

△か○ 82歩だと

先手の と金つくりは防げません。67歩成81歩成57と91と48金

先手の攻めは確実ですが手数がかかっています。47銀にひもをつけて39桂(49香もある)47と同桂38金同銀

金と桂香の交換ですから駒得、飛も取れるでしょう。先手玉が薄くなりましたが、まだ受ける駒はあります。

 

48金を受けずに92と とすれば

47と48金同と

これは先手の駒得が大きいですが、後手の攻め駒が3枚なので不安です。

 

 

○ 歩の次は84桂です。

52飛63銀67歩成52銀成同金

飛を実質1手で取れていますが、桂銀を投資して銀を取られるのでは面白くないです。

 

52飛には64歩

1手遅いですが と金で飛を取るほうが良いでしょう。67歩成63歩成57と52と同金41銀

銀を持っているので手順に後手玉を薄くできます。

 

後手が飛を逃げなければ

92桂成57と91成桂48金49香

桂は手放しましたが、香で受けることもできます。47と48香38と同銀

金と飛桂香の交換ですから駒得が大きく、金銀を持っているので先手玉を固めることもできます。

 

 

○か△ 83銀だとちょっと違います。

52飛には64桂

この場合は渡すのが桂なので考えても良いです。67歩成52桂成同金75馬

代わりに受ける桂香を手駒にしていないので、馬を使って後手の攻めをけん制しながら攻めをねらうことになります。83銀85桂に働きがないので苦労しそうですが大きな駒得です。

 

やはり64桂よりも64歩のほうが筋は良いです。

67歩成63歩成57と52と同金74馬

1手遅いですが桂を手持ちにしています。いずれにせよ馬を使い、48金には39桂などの受けを考えています。

 

後手が飛を逃げないと

92銀成同香には79桂

桂を と金と交換してしまうほうがすっきりしています。

 

後手が成り銀を取らないで 57とだと

91成銀48金49香

あるいは39桂と受けることになります。持ち駒が銀か桂かの違いだけで、先手有利です。

 

 

△か○ 他の攻め方としては35歩

これは同じ銀冠でも先手のほうが上部に厚いから成立します。35同歩25歩同歩24歩

24同銀には34桂、34銀ならば大きな利かしで、後に24銀と打ちこめます。先手玉も危険ですが、29飛が働くかもしれません。

 

 

△ 45桂と跳ねて

33桂成~45桂をねらうというのも先手玉のほうが上部に厚いからできることです。45同桂同歩33金右

馬の利きが自玉まで通るというのが主張です。

 

 

△ 68歩が最後になりましたが

と金攻めは後手のほうが速いので、歩を受けるほうが普通の応手です。しかし86馬が桂歩取りで、何を指したものかむずかしいのですが、83銀でしょうか。

68馬92銀成同香

後手のと金つくりが遅れたけれど、馬を使いやすくなっているので何とも言えません。

 

☆ まとめ

後手の飛車を取りに行くならば(筋は悪いけれど受けに働いているから仕方ない)、小さい駒のほうから考えます。

84歩82歩、83歩81歩は利かしだけれど飛は取りにくい/効果は見えないです。82歩~81歩成~91と~92と では4手かかります。

84桂が一番良さそうで、52飛には64歩~63歩成です。これは実質1手で取れます。84桂52飛63銀だと実質0手ですが、銀を渡して桂を無駄打ちしています。

83銀52飛64桂は実質0手、渡すのは桂だけなので83銀が無駄でもまだ我慢できます。でも83銀52飛64歩で実質1手のほうが効率が良いです。

実戦の74馬は馬と飛の交換にしかなりません。盤上の駒を使うほうが筋が良いとはいえ、結局取れないのでは失敗です。

歩から使いたいけれど、後手に受けがあるときは桂、桂が使えなければ銀、という順番に考えるのは(まだ寄せの段階ではありませんが)寄せのセオリーと同じ考え方です。

 

駒得は味が悪い、と何度か書いていますが、相手が応じなければいけないのならばマイナス面が小さくなります。小さな投資で素早く取れるならば、味の良い駒得です。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする