名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(51);穴熊に持久戦からの仕掛け

2016-01-31 | 大山将棋研究
昭和47年8月、二上先生との第11期十段戦です。


大山先生は四間飛車穴熊。

二上先生は持久戦で、位が取れませんでした。これはやや作戦負けです。33角から22玉の前に35歩でしょう。あるいは74歩から攻める指し方もあります。

二上先生は持久戦のつもりが、位を取れなくて右桂を使います。

大山先生は48飛で歩を交換するよ、とみせたので二上先生から開戦です。攻めの棋風ですから当然ですが、この形で仕掛けるのは予定ではないはず。

歩を突き捨てて桂馬を使います。54銀左とぶつける含みもあります。55歩に67銀65銀左というのもあったのでしょうが。

飛車で65桂を防がれたので銀交換から飛車を追う銀打。ちょっとやりにくい手ですが、これくらいしかないです。

飛車も角も銀からかわすのが好手順。次は74歩同飛75銀があるので、飛角交換になりそうです。

歩の手筋。86角の利きに駒を戻させようということです。42同金では利かされなので、42同角のほうが手堅く見えます。

74同飛は65銀があるので、飛角交換になります。

ここでは大山先生が有利。

と金を使って勝つのかと思ったら渋い受けの歩です。こういうところは大山先生らしいですね。

さらに47香。とことん二上先生の攻めの相手をします。

攻防のさなかに飛車浮き。

歩の打ち捨てが手筋で、55同金は53歩でしょう。55同角に66銀と使えて大山先生が好調。

二上先生の猛追です。

端を工作して先手玉が弱体化。

角取りで催促して先手玉をうまく寄せられるかという勝負です。

37香38歩の交換を入れて金をはがしに行きます。香は捨てますが肉薄です。大山先生が受けそこなったのではないかという気がします。

ここでは逆転模様だと思うのですが、28角成ではないでしょうか。28同玉に49銀でどうか。後手玉も駒を渡すと危険なので難しいところです。

49角から迫りましたが、64角を外して大山先生はほっとしたでしょう。取られる前に切りたかったです。

詰みがあるのですね。きれいな投了図です。


まだ振り飛車穴熊の対策もよくわからなかった時代です。でも位取りを拒否されては二上先生がしくじった序盤だと思います。今なら後手番ですし、千日手を考えるところですが、二上先生の棋風ですから攻めます。大山先生もそれを解っているから穴熊にしやすいのでしょう。
中盤での86角から飛車に交換できるとわかるのが大山先生の感覚の良さです。42歩の工作に同金なら得をした感じです。
終盤は二上先生が力を発揮しました。どこかで逆転していてもおかしくはないと思います。
大山先生の終盤に少し衰えが来たのではないでしょうか。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:二上8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 1四歩(13)
13 2八玉(38)
14 5四歩(53)
15 1八香(19)
16 4二銀(31)
17 1九玉(28)
18 4四歩(43)
19 6七銀(78)
20 4三銀(42)
21 5六銀(67)
22 5三銀(62)
23 5八金(69)
24 3三角(22)
25 2八銀(39)
26 2二玉(32)
27 3六歩(37)
28 3二金(41)
29 3九金(49)
30 1五歩(14)
31 4六歩(47)
32 5二金(61)
33 9六歩(97)
34 9四歩(93)
35 7八飛(68)
36 8五歩(84)
37 7七角(88)
38 6四歩(63)
39 9七香(99)
40 7四歩(73)
41 4八金(58)
42 6三金(52)
43 6八飛(78)
44 7三桂(81)
45 6九飛(68)
46 5二飛(82)
47 6八飛(69)
48 8二飛(52)
49 3八金(48)
50 8四飛(82)
51 4八飛(68)
52 8六歩(85)
53 同 歩(87)
54 7五歩(74)
55 同 歩(76)
56 5五歩(54)
57 同 銀(56)
58 6五歩(64)
59 5六歩(57)
60 5四銀(53)
61 6八飛(48)
62 5五銀(54)
63 同 歩(56)
64 5七銀打
65 8八飛(68)
66 6六歩(65)
67 8五歩(86)
68 6四飛(84)
69 8六角(77)
70 6五桂(73)
71 8七飛(88)
72 4六銀成(57)
73 4二歩打
74 同 金(32)
75 7六銀打
76 4五歩(44)
77 7四歩(75)
78 5七桂成(65)
79 6四角(86)
80 同 金(63)
81 6二飛打
82 5五金(64)
83 7三歩成(74)
84 6七歩成(66)
85 同 銀(76)
86 3二金(42)
87 4八歩打
88 4四角(33)
89 8二飛成(62)
90 5四金(55)
91 9一龍(82)
92 6六歩打
93 7六銀(67)
94 5八歩打
95 4七香打
96 6七歩成(66)
97 同 銀(76)
98 5九歩成(58)
99 4一龍(91)
100 3六成銀(46)
101 8六飛(87)
102 4六歩(45)
103 同 香(47)
104 4五歩打
105 5五歩打
106 同 角(44)
107 6六銀(67)
108 6四角(55)
109 7六飛(86)
110 4九と(59)
111 5七銀(66)
112 3九と(49)
113 同 金(38)
114 1六歩(15)
115 同 歩(17)
116 1七歩打
117 同 桂(29)
118 4六歩(45)
119 6三と(73)
120 3七香打
121 3八歩打
122 4七歩成(46)
123 3六飛(76)
124 3八と(47)
125 同 金(39)
126 同 香成(37)
127 同 飛(36)
128 4九角打
129 3九飛(38)
130 3八金打
131 6四と(63)
132 3七金打
133 同 銀(28)
134 3九金(38)
135 3三角打
136 投了
まで135手で先手の勝ち


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20160131今日の一手<その260>; 位で押さえる

2016-01-31 | 今日の一手
20160131今日の一手

12月13日の名南将棋大会からAさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は86飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は32飛と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角です。

問題図の少し前、

角交換から74歩で先手がポイントをあげました。問題図でもややリードしているのですが、それは後手だけ玉頭に傷が残っているためです。問題図では後手玉だけ囲いに入っているので堅く見えるのですが、傷を残したままで駒組みをすれば先手玉のほうが堅くなるわけです。


× 実戦は74歩でした。厳しい手ですが

後手は84銀とかわして、89飛44銀85歩93銀67銀

ベテランのAさんの渋い指し方です。ポイントを少し稼いだら攻めてきなさいと引いて待ちます。
33桂26歩24歩23角

26歩は損な手なのですが、24歩なら馬を作ろうとしました。しかしこの馬作りが疑問で、後手は馬を追いつつ攻勢を取り、どうにか攻め切りました。馬を作るのは得でも、後手陣は割打ちの傷もあるし、角を手持ちにしていたほうが攻めをけん制できたのだと思います。

わかりやすいのは最初の84銀に85歩93銀39玉と囲う手です。

76の銀が浮き駒で無いので、33桂から25桂を許しても受けきれそうですし、75銀と出れば大きな圧力になります。ただし55角や53角や66角の筋に気を付けなければいけません。

実は最初の74歩は同銀と取ることができます。75歩には66角。

67金に75銀89飛76銀

76銀は57角成ですし、66金77銀不成56金には55歩と突いてから

55同金78銀打85飛74歩

どう応じても飛車を捕獲されそうです。


○ 74歩では取られるので、75歩とおさえておくのが正しい指し方です。

そのあとは玉を囲ってこういう図を目指します。

74歩~85歩~75銀のあと、64歩の交換か、84歩から銀交換かを狙います。相手から動いてもらって73に打ち込めれれば理想です。


△ 85銀と出たくなりますが

53角89飛74歩と受けられてみると

76銀と立て直すのは84銀ですし、攻めるなら84歩同歩同銀といくのですが、87歩

73銀成同桂84歩78銀59飛62金左

割打ちの傷を消せば飛車が隠居した先手の攻めは続きません。84歩の前に41銀から行くのでしょうが、それでも2枚でしか攻めていないので戦果は上がりません。
84歩と行かないで玉を囲うのでしょう、悪いわけでもないのですが、どうやって勝てるかという先が見えません。


△ 39玉と囲うのが常識的な手です。

しばらく進めばこれくらい。

85銀から75歩と攻めるのですがやはり角打ちがあって

うまく攻められません。


× 後は95歩と端から攻める手ですが

95同歩93歩は84銀

この形は後続の手段が難しいです。

95同歩には92歩同香93歩同香と連打してからの85桂ですが

84銀93桂成同銀98香打

77角89飛84銀

それなりに手は続くようでも角を打たれたり、歩をたくさん渡したりであまりうまくはないです。玉を囲えていないので反動を食らいやすいでしょう。


実戦の74歩は欲張った手で、取られたら困ったのではないかと思います。84銀だったので先手は技ありになったのですが、そのあとは85歩から75銀という構想が普通でしょう。さらには玉を囲い、攻めさせて反撃するのが理想です。

74歩がまずいなら75歩と押えておくべきで、玉頭の位は大きいです。相居飛車や相振り飛車では基本が縦の攻めですからかなり効果が高くなります。後手は桂馬を渡すと85桂84銀74桂71玉82歩と攻められるので、どうにか玉頭を固めたいのですが、うまい手段は見えません。

後手から74歩と打てれば形勢は互角、先手から攻めるのが難しく、後手が勝ちやすいように見えます。矢倉に対して浮き飛車というのが相性が悪いのですね。




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第157回名南将棋大会(壱) 結果速報

2016-01-30 | 名南将棋大会
今日は第157回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。


A級優勝
青木一さん


B級優勝
森七郎さん


C級優勝
荒島栄一さん


優勝おめでとうございます。

参加された皆さま、ありがとうございました。
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大山将棋研究(50);64金戦法

2016-01-30 | 大山将棋研究
昭和47年8月、松田茂行先生との棋聖戦です。


松田先生といえばツノ銀中飛車という知識はあるのですが、棋譜は並べたことはありません。ムチャ茂というあだ名でしたから豪快な気風だったのでしょうか。

大山先生は64金戦法です。(普通は46金戦法、金立ち戦法とも)これに中飛車のまま対抗もできるのですが、松田先生は三間飛車に振りなおします。

スムーズに5筋の歩を交換して54金と構えられるのなら居飛車としてはまあまあやりたくなります。

大山先生はすぐに65歩と仕掛けました。

金立ち戦法は右銀が中途半端で、上に上がることが多いのですが、51銀右と引き付けます。戦いながらも様子を見て固めるというのはよい感覚です。これに松田先生から65歩を取ったのですが、これがどうか。

松田先生からのねらいは63の空間で、角を打ちこみます。

大山先生は角を切って2枚換え。でも桂馬を損した後なので角銀交換ですが

と金を作れば駒損をカバーできます。大山先生が有利になりました。

じり貧になるので、松田先生の勝負手。

激しく1手勝ちを目指します。大山先生としては珍しいはっきりとした指し方です。これに51馬からはがして勝負です。

これで後手玉が詰めろでもおかしくないのですが、大山先生は不詰を読み切って49と。

詰まなくて投了図です。プロなら当然読み切れるのでしょうけれど、どこからわかっていたのでしょうか?

当時のことなので、8月の終わりにクーラーもなく、将棋は淡白な指し方だったのかなあ?と思います。勝手な想像ですみません。大山先生としては珍しく1手勝ちを読み切ったような指し方です。でも松田先生の51馬からの肉薄は相当で、詰まないと読み切るのは大変な気がします。案外、楽勝気分の大山先生が少し肝を冷やしたけれど詰まなかったというのが真相ではないでしょうか。
棋譜並べの内容としては、仕掛けの前の51銀右や67歩の手筋を見ておけばよく、
終盤はどこから勝ちを読み切れるのかという実力試しです。私はさっぱり自信がありません。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:松田茂行8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 6六歩(67)
8 4二玉(51)
9 6八銀(79)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 8四歩(83)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 6七銀(68)
22 5三金(52)
23 7八飛(58)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 6四金(53)
27 5八金(69)
28 5五歩(54)
29 同 歩(56)
30 同 金(64)
31 5六歩打
32 5四金(55)
33 4六歩(47)
34 6四歩(63)
35 4七金(58)
36 6五歩(64)
37 6八飛(78)
38 7三桂(81)
39 3六歩(37)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 5一銀(62)
43 6五歩(66)
44 7七角成(22)
45 同 桂(89)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 4四角打
49 6六銀(67)
50 8六飛(82)
51 6三角打
52 5三金(54)
53 7二角成(63)
54 8七飛成(86)
55 7三馬(72)
56 6六角(44)
57 同 飛(68)
58 7七龍(87)
59 6九飛(66)
60 7八龍(77)
61 5九飛(69)
62 6七歩打
63 5五歩(56)
64 6八歩成(67)
65 5六飛(59)
66 6七銀打
67 5四歩(55)
68 5六銀成(67)
69 5三歩成(54)
70 5八と(68)
71 5一馬(73)
72 同 金(41)
73 4二と(53)
74 同 金(51)
75 5四桂打
76 4九と(58)
77 4二桂成(54)
78 同 玉(32)
79 5三銀打
80 同 玉(42)
81 3一角打
82 4二飛打
83 投了
まで82手で後手の勝ち

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20160130今日の一手<その259>; 手筋の歩

2016-01-30 | 今日の一手
20160130今日の一手<その258>

12月13日の名南将棋大会からAさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、後手も歩を持っているので損得なしとします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は28角65桂と持ち駒銀で3枚。
後手の攻め駒は86飛と持ち駒銀で2枚。
総合すれば互角です。

大局観として
中盤から終盤にかかろうというところです。先手だけ攻めの桂馬を使えているのでややリードできるかというところです。65桂を取られてしまうと55桂や46桂の傷があるので、この局面はやや忙しく、少し厳しい手を求められます。幸い持ち歩が多く、打てる筋も3つあるのですから、歩を使えないかな?と考えるのがいいでしょう。


× 実戦は55銀でした。

金銀交換は少し得なのですが、手持ちの銀と交換するのではやや効果が薄そうです。55同金同角44銀打28角

77角87飛成で飛車の素抜きがあるとかならよかったのですが、角が元の位置に戻るのでは1手の価値がありません。65歩91角成55桂

91角成は案外大きな手なのですが、戻った角をもう一度動かすのでは調子がおかしく、両取りの桂馬で困りました。47の金を取られると薄いです。


× 55桂を防いで56歩なら

86飛の横利きを止める意味もあり、これで65歩91角成なら理想的ですが、65金と取られます。飛車を切るには早いし、44歩同銀41銀

と絡むくらいですが、43銀32銀成同玉

あとは65飛同歩91角成という勝負ですが、少し足らないのかな、という気がします。


△ 56金と出る手はどうか。

今度は65金とはやりにくいわけです。76銀68飛65銀と桂馬を外します。

65同金同金44歩同銀43歩

今度は銀2枚が持ち駒ですからより厳しくなっています。取る手逃げる手とありますが、どう応じても嫌味を突けます。一例は53角41銀43金32銀打。

65飛と切る手もあるので攻めは続きます。後手は36の地点を狙う攻めで反撃して1手争いの終盤になります。前の56歩の変化より有望で、上手く指せば先手が勝てそうという変化です。


○ 55桂を避ける変化をやりましたが、もっと直接に44歩とたたく手が手筋です。

44同銀には43歩同金52銀

65桂が生きているので、うまく手が続きそうです。金を手に入れたら41金で角が死にますから受けるのは大変です。

44歩に同金なら53銀と打てます。

31角に64角と出て

66歩74歩75歩77飛

ここからは後手は54金とか63歩とかで、先手は75角とか75飛とかをねらい、攻防が続きます。

あるいは41角には42歩もあり、これも歩の手筋です。

54金41歩成53角同桂成同金

44歩同銀43歩

歩の手筋だけでかなり効果があります。後手陣が弱体化したら64角とか64飛を決め手にします。
64角より42歩のほうがよさそうに見えますね。


× 87歩は84飛で

あまり効果はありません。後手が89歩成なら87歩と打つ感じで、その前には必要ないです。疑問手というほどでもないのですが。


× 82歩も場合によってはある手ですが

65歩81歩成55桂

桂馬を取られてすぐに使われるのでこれはまずそうです。


× 53銀はもったいない手で

53同金同桂成同角64角と手順にさばけるように見えますが

64同角同飛73角61飛成19角成

先手玉は詰めろですし、後手だけ手順に桂香を入手しています。


歩の手筋は相手に歩しか渡さないので有効なことが多いです。形を乱せれば十分な戦果でしょうし、と金が作れればなおさらうまいです。
問題図はで8筋6筋4筋と打てる場所が多く、持ち歩が4枚もあるのです。書きませんでしたが63歩の と金つくりや82歩で桂馬を取るよと飛車を呼び戻すというのは考えてもよい手です。それに正解とした44歩のような金銀の頭をたたく歩も候補になります。銀が前に進むと元の場所には戻しにくいですし、金が前に進めば守りが弱くなります。














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大山将棋研究(49);向い飛車に鳥刺し

2016-01-29 | 大山将棋研究
昭和47年8月、内藤先生と第13期王位戦第3局です。ここまで1勝1敗です。


内藤先生の早い26歩から25歩でしたから大山先生は向い飛車。これに鳥刺しです。関西特有の戦法ですが時々指されます。アマチュアでは今のほうが流行しているかも。

大山先生は手堅く受けます。鳥刺し(や引き角)ではこの歩の交換はうれしいとはいえ、そのあとが難しいので微妙です。

内藤先生は銀の立て直し。まだ角を引かないのでどちらで使うかの選択肢があります。大山先生の金銀移動の始まり。

内藤先生は居角で使うことに。いわゆる準急戦の形です。

76歩に反応しての大山先生の袖飛車。これは玉が薄いので大山先生しか指さないです。

内藤先生の66銀から77銀というのが定番の受けで、これで居飛車としては角は使えないけれど十分指せます。

内藤先生の仕掛け。76銀と立つのを狙っています。

37歩の辛抱。23飛成では19角成が大きいということです。

香車を取って46歩に同銀同角49香の返し技。

竜は作られたものの、空間に64銀と打つのが大山先生らしい手です。駒損でこの辛抱はできないものです。75銀から玉頭で優位に立とうということです。

この手、「イメージと読みの将棋観」で見たことがあります。この将棋ですか。桂頭と28角を狙っています。これが好手だとはいわれても気が付きません。

駒がぶつかったところで角打ち。飛車の縦の筋を止められないのでこのタイミングで打ったのが技ありです。

この歩も手筋。同飛には97角を用意しています。

桂馬を取って、金銀と角桂香の交換、少し戦力の差が出てきました。49香も角の支えで働いています。

88歩は嫌味ですが、銀を打って攻防です。飛車を切れないのでは大山先生が苦しそうです。

金銀を打ちあって千日手模様での粘り。

46角を切って飛車を追いかけます。これで54飛しかないのでは少し差が開きました。

金銀の打ちあいはがし合いが続くのですが、74から金を打ったのは64銀を取る意味です。

77にいた角も攻めに使って、戦力が増しました。先手玉は薄くなるのですが、これで大丈夫だと。

2枚飛車にしての銀打

上からもう一枚金銀を投入できて押し切る形になってきました。62桂が動けないのでこれで決め手になります。

大山先生も92角となりふり構わない受けです。

角を追われて切ることになり

86の歩を突きだして寄りがみえました。

歩の支えができれば打ち込むだけ。

竜を切って詰みがありました。

投了図。153手の激闘でした。

互いに疑問手がみえません。内藤先生の36歩は確かによい手で、並べてやっとわかります。終盤の金銀の打ちあいはがし合いも見所で、これを寄せまでもっていく内藤先生の力に感心します。大山先生としてはなかなか間違えてくれないので、これで負けなら仕方ないでしょう。素晴らしい1局でした。ぜひ棋譜並べをしてみてください。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:内藤8段
後手:大山王位
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 2五歩(26)
4 3三角(22)
5 5六歩(57)
6 2二飛(82)
7 6八銀(79)
8 4二銀(31)
9 5七銀(68)
10 4四歩(43)
11 6八玉(59)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 3六歩(37)
16 4三銀(42)
17 4六銀(57)
18 3二金(41)
19 3五歩(36)
20 同 歩(34)
21 同 銀(46)
22 3四歩打
23 4六銀(35)
24 8二玉(72)
25 4八銀(39)
26 7二銀(71)
27 3七銀(46)
28 9四歩(93)
29 9六歩(97)
30 5四銀(43)
31 3六銀(37)
32 4三金(32)
33 5八金(49)
34 6四歩(63)
35 4六歩(47)
36 7四歩(73)
37 5七銀(48)
38 8四歩(83)
39 7六歩(77)
40 8三銀(72)
41 6八金(69)
42 7五歩(74)
43 同 歩(76)
44 7二飛(22)
45 6六銀(57)
46 6五歩(64)
47 7七銀(66)
48 8五歩(84)
49 2四歩(25)
50 同 角(33)
51 4五歩(46)
52 同 歩(44)
53 2二歩打
54 3三桂(21)
55 2一歩成(22)
56 4六角(24)
57 3七歩打
58 3五歩(34)
59 4七銀(36)
60 6四角(46)
61 1一と(21)
62 4六歩(45)
63 同 銀(47)
64 同 角(64)
65 4九香打
66 6八角成(46)
67 同 金(58)
68 4五歩打
69 2三飛成(28)
70 6四銀打
71 2一龍(23)
72 7一金(61)
73 3六歩(37)
74 6三銀(54)
75 3五歩(36)
76 5四金(43)
77 3四歩(35)
78 7五銀(64)
79 7六歩打
80 同 銀(75)
81 3七角打
82 4六歩(45)
83 同 角(37)
84 6四金(54)
85 7五歩打
86 7七銀成(76)
87 同 角(88)
88 7五飛(72)
89 7六歩打
90 同 飛(75)
91 3三歩成(34)
92 8六歩(85)
93 同 歩(87)
94 8八歩打
95 8五銀打
96 5六飛(76)
97 7五桂打
98 7二銀打
99 8三桂成(75)
100 同 銀(72)
101 8四銀打
102 7二金打
103 8三銀成(84)
104 同 金(72)
105 8四銀打
106 7二銀打
107 6四角(46)
108 同 銀(63)
109 5七歩打
110 5四飛(56)
111 8三銀成(84)
112 同 銀(72)
113 7四金打
114 7二銀打
115 6四金(74)
116 同 飛(54)
117 5五角(77)
118 7三角打
119 6四角(55)
120 同 角(73)
121 2二飛打
122 6一金打
123 7四銀打
124 6二桂打
125 8三銀成(74)
126 同 銀(72)
127 8四金打
128 7二銀打
129 7四銀打
130 8四銀(83)
131 同 銀(85)
132 9二角打
133 7三歩打
134 7四角(92)
135 7二歩成(73)
136 同 金(61)
137 7五銀打
138 同 角(64)
139 同 銀(84)
140 8三角(74)
141 8五歩(86)
142 8九歩成(88)
143 8四歩(85)
144 9二角(83)
145 8三角打
146 同 角(92)
147 同 歩成(84)
148 同 金(72)
149 7一龍(21)
150 同 玉(82)
151 7二銀打
152 同 玉(71)
153 6一角打
154 投了
まで153手で先手の勝ち




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20160129今日の一手<その258>; 4枚の攻めは切れない

2016-01-29 | 今日の一手
20160128今日の一手<その257>; 振り飛車穴熊のさばき

12月13日の名南将棋大会からAさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。





昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩と金の交換で、持ち歩もありますから先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は68飛97角54銀と持ち駒金で4枚。
後手の攻め駒は33角1枚。
総合すれば先手が有利で、優勢に近いです。

大局観として
仕掛けの前はこの局面でした。

一目先手の作戦勝ちです。攻め駒の配置がきれいですね。私なら一度は58金左、さらに47金まで指してから仕掛けるところですが、ここで65歩でも悪くないと思います。65歩同歩に54歩

これは一気につぶしてしまおうという攻め方ですね。54歩ではなく65同銀として、64歩同銀同銀同角同金同飛でも十分なところです。54歩に同金65銀45歩54銀64歩で問題図です。もう一度この図です。

後手としては54同歩では65桂でつぶれそうなので仕方なくの64歩です。瞬間は金損ですから、ここは強く攻めていけそうです。嫌なのは33角の利きが通ってしまった(54歩と突き捨てたため)こと、26歩からの反撃があること、57の地点が開いているので桂馬とか銀とか打たれてしまうことです。ですから58金左は指しておきたかったというのと、54歩を突き捨てないほうが楽だったかという気がするのです。

問題図だけ見れば、攻め駒は4枚ですから、これを減らさないように食いつけば勝てます。美濃囲いなので横からの攻めには強く、飛車を渡してもよいのですが、69金が離れてしまうので両取りには気を付けます。
多分一番簡単なのは77桂を使うことです。後手から77角成とされると飛車を外す手も生じて複雑になってきます。


△ 実戦は53銀成でした。

53同銀に65桂のつもりですね。でも77角成58飛55歩で

ここでは飛車が使えなくなりかなり難しくなってしまいました。58飛が疑問手です。逃げずに攻めるべきです。
この後は54歩76馬52成銀同飛53銀22飛64銀不成

ここから26歩同歩27歩同銀35桂

この寄せ合いで互角に近い展開です。38銀と逃げたのが敗着のようで、逃げずに73銀成同桂53歩成でどうだったか。


○ 65桂と使うほうがいいでしょう。

54歩73桂成同金に64飛といっても指せそうですし、64角同金同飛で

63銀打には53歩があります。

飛車も捨てて寄せられます。

63銀打ではなく53銀打なら63銀と打ちます。(62銀から82金でもよさそうです。)

61銀62歩同銀左同銀成同銀63歩

これも寄りです。

後手としては73桂成に同金では金をはがされるので桂で取ります。

64飛(角で行くのもある)63銀打(63銀は同飛成から31角成)68飛(53歩もありそう)

64歩に53歩が利くのが痛く、53同銀(逃げれば52銀と打ちこむ)に43金

53歩の筋があり後手陣をうまく固められません。
後手からの変化もいろいろありますが全部先手が指せそうです。

最初に戻って65桂に同歩は

53銀成に56桂65飛64歩

これに64同角同飛53銀34飛

桂と歩3枚の交換で、後手は歩切れで困っています。

また、64歩に同飛もありそうで64同銀同角67飛

82銀61玉52成銀同飛53歩64飛成52歩成

81銀不成でこれも先手よしです。


○ 85桂もあり

今度は54歩の一手でしょう、73桂成に同金か同桂で前の変化に合流します。変化が半分になるのでこちらのほうがわかりやすそうです。


× 64同角は

64同銀同飛54歩

角が73の銀と交換してしまったので77桂がうまく使えない形で逆転模様。


× 64同飛は

64同銀同角54歩65桂67飛

桂馬は使いやすいのですが、67飛の利きもよく、これも難しくなります。


× 65銀と捨てるのは

銀を取ってもらえばいいのですが、77角成64銀68馬

68同金26歩同歩27歩同玉35桂

53の地点がふさがっているので44角が王手飛車にならないから後手が攻め合い勝ちになります。


× 65歩はありそうですが

54歩64歩62歩には53歩

53同銀に63金と打ち込む筋でまあまあ。

でも62歩と受けずに77角成で

63金に26歩同歩27歩同銀35桂

これも難局です。


問題図の前、仕掛ける前に58金から47金として、後手が35の位を取らないなら36歩まで指してしまってから仕掛けたい気がします。後手は52銀と引いて専守防衛なのですからあまり有効な手はなく飛車先交換くらい。銀冠にすることもできそうです。そう考える私の考え方が古いかもしれません。先手のNさんは若い方なので、直線的に攻めてよいならそれを選ぶというのが現代的な考え方というものかもしれません。皆さんはどちらをとりますか?

問題図では後手から77の桂を取って角が成るというのは大きな手なので、取らせずに65桂か85桂としてしまうのがわかりやすかったと思います。54の銀は取らせても桂馬が4枚目の攻め駒になればよいです。

実戦の53銀成でも悪くはないのですが、そのあとの58飛は疑問手です。後手からの57桂が気になって、つい回ってしまうのですが、それなら58金左と備えてから仕掛ければよい話です。飛車が隠居してからはかなり難しくなりました。

攻める時には攻め駒の枚数を数えましょう。4枚あれば切れにくく、さらに持ち歩があれば上から攻められるし、横からの攻めでも と金つくりもできるので条件がよくなります。自玉が堅ければ大駒を切ってもよい時もあります。



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大山将棋研究(48);四間飛車穴熊に46右銀急戦

2016-01-28 | 大山将棋研究
昭和47年8月、関根茂先生との第5回連盟杯争奪戦です。連盟杯争奪戦後に天王戦になって、今は棋王戦です。
関根金次郎名人も関根茂先生も関根紀代子先生も将棋を見たことがないです。どこかで見かけているのかもしれませんが記憶には残っていません。若い方には顔もわからないかも。奥様の紀代子先生は女流棋士イベントで見た方はいるかもしれません。だから関根先生の棋風とかはわかりません。


関根先生は急戦を見せて、大山先生は穴熊に。このころ連採していますね。

大山先生が形を決めないので、素直な右46銀はうまくいかないとみたのでしょう、37桂とはねてからの仕掛けです。でも穴熊を完成しているのでこれでは居飛車は勝ちにくいです。38飛から35歩を試してほしかったです。

42金まで備えられては攻められず関根先生は手待ちになります。

大山先生の54歩を待って55歩と攻めの糸口はつかみました。

美濃囲いなら54同金とするところですが、穴熊で手も進んでいるので銀でさばきます。

そこにガツンと銀を捨てます。

馬で桂香を拾えるのでそれなりの攻めなのですが、大山先生は35歩から62角で大丈夫だとみています。

飛車取りに飛車取り。交換しても角と馬の働きが違うので、関根先生の悩むところです。

手順を尽くしてハッとする馬捨て。

でもしっかり守られて、大山先生が優勢です。

飛角交換の後、香車で64金を取られても返し技が痛くて

大山先生は三枚の攻めですが、攻め合いにはならないので切れなければよく、先手玉が薄いので受けきれません。

これで食いつきました。あとは形を作らせて終わりです。

関根先生は攻めの棋風でしょうか。駒を捨てて攻める手を好むようです。作戦の選択ミスで仕掛けを得られず、手待ちの後の仕掛けではうまくいきません。振り飛車穴熊の軽いさばきがでました。大山先生の快勝です。これはしばらく振り飛車穴熊が続くかもしれません。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:関根8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 3六歩(37)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 2五歩(26)
20 3三角(22)
21 1六歩(17)
22 8二銀(71)
23 2六飛(28)
24 4三銀(32)
25 3七桂(29)
26 7一金(61)
27 3五歩(36)
28 3二飛(42)
29 4六銀(57)
30 4二金(41)
31 6八銀(79)
32 7四歩(73)
33 9六歩(97)
34 1四歩(13)
35 9五歩(96)
36 5四歩(53)
37 5五歩(56)
38 5三金(42)
39 3四歩(35)
40 同 銀(43)
41 3六飛(26)
42 4三銀(34)
43 5四歩(55)
44 同 銀(43)
45 3四歩打
46 5一角(33)
47 4五銀(46)
48 同 歩(44)
49 1一角成(88)
50 3五歩打
51 同 飛(36)
52 6二角(51)
53 2一馬(11)
54 6四金(53)
55 5三歩打
56 同 角(62)
57 3六飛(35)
58 3五歩打
59 5六飛(36)
60 3四飛(32)
61 4三馬(21)
62 同 銀(54)
63 5三飛成(56)
64 5二銀打
65 4二龍(53)
66 3三角打
67 同 龍(42)
68 同 飛(34)
69 6六香打
70 3四飛(33)
71 4五桂(37)
72 2九飛打
73 5三歩打
74 6一銀(52)
75 6四香(66)
76 同 飛(34)
77 3三桂成(45)
78 5五香打
79 4三成桂(33)
80 5八香成(55)
81 同 金(69)
82 5四飛(64)
83 5九香打
84 5七歩打
85 同 金(58)
86 同 飛成(54)
87 同 香(59)
88 5八金打
89 7九金打
90 6九金打
91 7七銀打
92 7九金(69)
93 同 銀(68)
94 6九金打
95 8八銀(77)
96 7九金(69)
97 7七玉(78)
98 6五銀打
99 5二歩成(53)
100 8九金(79)
101 6一と(52)
102 8五桂打
103 8六玉(77)
104 8八金(89)
105 7一と(61)
106 7七銀打
107 8五玉(86)
108 7三桂(81)
109 9六玉(85)
110 9九飛成(29)
111 投了
まで110手で後手の勝ち


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20160128今日の一手<その257>; 振り飛車穴熊のさばき

2016-01-28 | 今日の一手
20160128今日の一手

12月13日の名南将棋大会からNさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。






昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は46桂と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は82飛65桂56銀69銀で4枚。

総合すれば先手やや有利です。後手玉が薄すぎるので、実戦的には先手有利としてよいでしょう。

大局観として
問題図の少し前、先手は98の飛車を88飛と戻し、後手は55の銀を56に出ました。このやり取りは先手の飛車が働きやすくなり、後手玉はさらに薄くなったので後手が損をしています。56銀では87歩としたかったのです。

87同飛は78銀不成88飛67銀成で77桂成を狙えます。98飛なら1手パスみたいなものですし、24金から46銀同歩88歩成という筋を狙います。89飛は78銀成59飛54歩という感じです。
56銀で攻め駒は増えたのですが、この瞬間が怖いです。
先手はうまくさばきたいです。つまり互角以上の駒の交換を目指す、あるいは飛角を敵陣に成り込むという順がないか探します。多少駒損でも攻め駒が4枚になれば優勢になります。


△ 実戦は85歩でした。

これは遅いのではないかという感じがします。狙いは84歩から83歩成という意味なら手数がかかります。飛角の働きをよくするのですから悪い手ではないのですが。

67銀成86角85飛

85歩を逆用された格好で、損をしました(とみえます)。
ここから87飛78銀不成67飛同銀成64角

飛銀交換ながら角をさばいたので先手有利です。素晴らしい手順でした。ここまで見越しての85歩なら好手に見えますね。87飛に66成銀でも88歩でさばけます。
この後は89飛成45銀59飛38金左57桂不成

悪くはないのですが、59飛と先手で打たれたのが受けにも利いている意味があり少し難しくしました。この後は激戦だったのですが、後手のMくんが制しました。

45銀も筋ですが壁駒に触るので、54歩が正しい方向だと思います。これなら寄せきれたでしょう。



○ 66歩と突く手は56銀をとがめる手です。

67銀成なら65歩

後手は68成銀ではまずいので、78銀成同飛同成銀57角69飛45銀までは一本道です。

飛と銀桂の交換で、穴熊なら2枚持ったほうがかなり得です。後手にはよい受けの手順はなく、24金34桂99角成なら24角と切って

24同歩23銀33玉(あるいは同玉でも)35桂

これは受けがないです。

66歩には桂馬を取られないように24金ですが

89飛78銀成59飛

これで56銀に当たるので、後手の56銀が疑問手だという2つ目の理由です。
67銀成53飛成68成銀右65歩

角は捨てましたが、飛車を成って桂馬を取り攻め駒は4枚、64歩から63歩成という応援もできるのですからこれは優勢です。


△ すぐに89飛なら

78銀成59飛67銀成53飛成68成銀右

これでも悪いわけではありませんが、角を損しているので攻め駒が足りず、と金つくりまで実現すれば有利になります。

53飛成ではなく34桂同金と捨てて46角と逃げるほうがよいでしょう。

64角か53飛成かどちらかは実現します。後手の角筋を通す桂馬の捨て方は気に入りませんがそれなら構わないとおもいます。


△ 73銀は重い手ですが

81飛64銀成(これが桂取りになる)61飛53成銀67銀成63歩

飛角ともとられそうですが、と金ができればそれでも勝てそうです。54桂の活用もあり、飛角で1枚駒が取れたら4枚の攻めです。

64銀成に67銀成89飛78銀成59飛68成銀右53飛成24金65成銀

長いですが前に出た手順で飛車を成って桂馬を成銀で取ります。これでも先手が指せそうです。
重い攻めでも玉が堅ければ攻め合いにならないので成立するようです。


× 75歩は軽い手で

67銀成には74歩でと金つくり。

でも78銀成同飛同成銀には72銀くらいしかなく重いです。飛車は取れるのですが。
84飛83銀成同飛同と68成銀

と金が離れていくので、これでも勝ちかもしれませんがお勧めはできません。


振り飛車穴熊と美濃囲いの穴熊では少しさばき方は違うのですが、それは駒の損得に関するところです。自玉が堅ければ大駒(性能の良い駒)を渡しても困らなくて、金銀を持てば穴熊が修復できるので見た目より堅くなります。だから穴熊からは大駒を金銀と交換する手がよく出てきます。対穴熊でも飛角を囲いの金銀と交換して攻めることはあるのですが、それは飛角を渡してもかまわない(自玉がしっかりしているか、寄せきれるか)場合に限られます。少し非対称ですが、金銀の価値が上がるのです。

実戦の85歩は疑問手かと思ったら86角~87飛で角をさばくのですね。角が活躍すれば飛銀交換でも十分です。45銀ではなく54歩が有効になります。

66歩はもう少し欲張って、2枚換えにしようとしています。飛と銀桂の2枚換えは少し飛車のほうがよい、というのが通常ですが、穴熊の場合は金銀の価値が上がりますし、2枚持って攻めに使うほうがよいことがほとんどでしょう。24金には89飛から59飛という手順があり、56銀をうまくとがめられました。

他の手、89飛、73銀、75歩も一応はあるのですが、形勢がよい時に自然な手でよくなると思ったら、ほかの手は考えなくてもよいです。時間を残して終盤にうまい手を見つけるほうがきれいに勝てると思います。



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大山将棋研究(47);石田流に位取り

2016-01-27 | 大山将棋研究
昭和47年8月、内藤先生との第13期王位戦第2局です。

先手後手は逆になりましたが、内藤先生の石田流に大山先生の位取りです。位を取るなら65の位が一番働きがあります。美濃囲いの進展を阻み、角の働きがよいです。

前局は36歩に38飛でうまくいきませんでした。今度は46歩ですが、これは珍しい組み合わせです。

大山先生の55歩は65の位を守るための手でしょう。働いている位ですが、奪還されやすいのが難点です。

56銀と頑張ると思ったのですが、すんなり取らせてしまいます。1歩と2手得ですが、2手かけた65歩を取らせるのですから得ではないと思うのです。

銀ばさみにもならず、ダイヤモンド美濃はとても堅く見えます。大山先生としては歩損で歩切れではいけないので交換に行きます。

この突き出しが好手。気が付きませんでした。取れば56銀左で飛車を圧迫できます。

右銀で飛車を追えれば調子が出てきました。

内藤先生は飛車先の歩を交換された代償に中央を狙います。それに対応して金を繰り出すものですか。当たり前のようでなかなか指せない手です。

手筋の成り捨て。角筋を止めようとしています。

これで角筋は完全に止まりました。

中央を抑えて飛車を狙います。ここでは大山先生が有利です。

飛車をかわすために仕方なくはねた桂馬を取りに行きます。落ち着いた指し回し。

と金は作られましたが桂馬を取り切り飛車を成って優勢になりました。

75角とかわす手に桂打ち。とても味がいいです。

76の歩もとり切って嫌味が無くなりました。

端玉には端歩で、寄せに入ります。

これはちょっと嫌味な歩。取れば43角の筋があります。

その75歩を取ることのできる詰めろの角打ちです。これで勝負あり。

角を切って終了。

大山先生の序盤は損をしているはずですが、中盤の45歩から46銀で次第に有利になりました。内藤先生の玉は堅いけれど攻め味がなく、飛角を目標にされて差が開いていきました。大山先生の感覚の良さ、急ぎ過ぎない中盤戦を勉強できます。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:内藤8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3二飛(82)
5 5六歩(57)
6 4二銀(31)
7 4八銀(39)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二銀(71)
11 6五歩(66)
12 4四歩(43)
13 7八銀(79)
14 7一玉(62)
15 6七銀(78)
16 3五歩(34)
17 7八玉(68)
18 4三銀(42)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5八金(49)
22 5二金(41)
23 2六歩(27)
24 1四歩(13)
25 4六歩(47)
26 3四飛(32)
27 5五歩(56)
28 5四歩(53)
29 同 歩(55)
30 同 銀(43)
31 4七銀(48)
32 6五銀(54)
33 2五歩(26)
34 3三角(22)
35 2六飛(28)
36 8二玉(71)
37 6八金(69)
38 6四歩(63)
39 1六歩(17)
40 5四銀(65)
41 5五歩打
42 6三銀(54)
43 3六歩(37)
44 同 歩(35)
45 同 銀(47)
46 3五歩打
47 4七銀(36)
48 7四歩(73)
49 4五歩(46)
50 1三香(11)
51 4六銀(47)
52 7三桂(81)
53 4四歩(45)
54 3六歩(35)
55 3五歩打
56 4四飛(34)
57 4五歩打
58 4三飛(44)
59 3四歩(35)
60 2二角(33)
61 2四歩(25)
62 同 歩(23)
63 同 飛(26)
64 2三歩打
65 2六飛(24)
66 6五歩(64)
67 5七金(58)
68 6四銀(63)
69 3三歩成(34)
70 同 飛(43)
71 4四歩(45)
72 6六歩(65)
73 同 金(57)
74 4七歩打
75 9七角(88)
76 6五歩打
77 5六金(66)
78 3一角(22)
79 3四歩打
80 6三飛(33)
81 4五銀(46)
82 8五桂(73)
83 8八角(97)
84 4八歩成(47)
85 5四銀(45)
86 7三飛(63)
87 8六歩(87)
88 5七歩打
89 同 金(56)
90 4六歩打
91 同 金(57)
92 7五歩(74)
93 8五歩(86)
94 7六歩(75)
95 7四歩打
96 同 飛(73)
97 2三飛成(26)
98 5七歩打
99 同 金(68)
100 7三銀(64)
101 6五銀(54)
102 7五角(31)
103 6六桂打
104 4四飛(74)
105 4五歩打
106 4三飛(44)
107 2一龍(23)
108 6三飛(43)
109 7六銀(67)
110 8六角(75)
111 7四桂打
112 9二玉(82)
113 9五歩(96)
114 同 歩(94)
115 7七角(88)
116 同 角成(86)
117 同 桂(89)
118 7五歩打
119 9三歩打
120 同 玉(92)
121 9四歩打
122 同 玉(93)
123 8六角打
124 8四歩(83)
125 7五角(86)
126 4九角打
127 6七歩打
128 5八と(48)
129 8四歩(85)
130 同 銀(73)
131 同 角(75)
132 5七と(58)
133 8五銀打
134 投了
まで133手で先手の勝ち



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