名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(80); 中飛車に玉頭位取りを拒否

2016-02-29 | 大山将棋研究
昭和48年1月、中原先生と第22期王将戦第2局です。


大山先生の中飛車。穴熊は懲りたようです。中原先生は持久戦。まだ加藤流袖飛車急戦もありますがやらないでしょう。

中原先生は玉頭位取りを目指したら位取り拒否。

中原先生は引き角に。子供のころ、名前も知らない強豪がこの指し方をしていました。不思議な戦法だなあと記憶に残っています。タイトル戦で使われたものだったのですね。
大山先生のほうは中飛車ですから左金を守備につけにくく、73銀までは仕方のないところ。

しばらくは居飛車のほうが堅いので(銀の位置の違い、25歩と23歩の関係)主導権があります。5筋の歩を交換し

銀の繰り替えを狙われては反発するしかありません。

大山先生のほうは金銀がまとまっていないのですが動きます。これでバランスを取るのは大変です。

中原先生は3筋は無視して4筋を突き返します。

36歩は取り込めないのでこれで居飛車がリード。

いろいろぶつかっていて難しいのですが、中原先生は4筋を押し込んてリードします。

少し落ち着いて第2次の駒組み。

ここまでくれば玉の堅さで負けていないので大山先生が持ち直しました。

中原先生のほうだけ右桂を使えるのですが、それを見ての動き。でも指しすぎでしょう。現代なら相穴熊かも。あるいは32飛と寄れば47銀と引くしかないように見えます。銀を呼び込み以外の指し方がよかったでしょう。

銀を呼び込んでから32飛が狙いでしたが、角筋を止められます。

角銀交換ではうまくないでしょう。飛車の働きでカバーできればいいのですが

桂馬をとっても馬を作られて駒損です。すぐに37飛成は58飛が嫌なので と金つくり。手数がかかります。

中原先生は桂香で銀をはがせたので有利に。

馬を生かした攻めが続きます。ここで飛車を取ってしまったのですが敗着です。72銀と補強して千日手にできたかどうか。

角を急所に打たれ、とにかく金銀をはがされたら負けなのです。飛車を取っても先手玉には響きません。

中原先生は馬を捨ててもよく、とにかく後手玉を薄くします。

角も捨てて金を打ってしがみつきます。

金を打って逃がしません。これで後手玉の寄りがはっきりしました。

これで投了図。


中原先生がリードした中盤戦でしたが、一回収まったところでは互角です。大山先生の強さがわかります。でもそこで一息ついてもじっとできず、自分から動いたのが大山先生らしくないのでしょう。そこから先は中原先生の寄せ方を勉強しましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:中原名人
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 6八銀(79)
16 4三銀(42)
17 5八金(49)
18 8二玉(72)
19 5七銀(48)
20 7二銀(71)
21 7七銀(68)
22 7四歩(73)
23 6六銀(57)
24 7三銀(72)
25 2五歩(26)
26 3三角(22)
27 7九角(88)
28 2二飛(52)
29 3六歩(37)
30 5四歩(53)
31 4六角(79)
32 4二角(33)
33 5五歩(56)
34 同 歩(54)
35 同 銀(66)
36 5二金(41)
37 6八金(58)
38 5四歩打
39 6六銀(55)
40 6四歩(63)
41 5七銀(66)
42 4五歩(44)
43 3七角(46)
44 4四銀(43)
45 5六銀(57)
46 3五歩(34)
47 4六歩(47)
48 3二飛(22)
49 2六角(37)
50 4六歩(45)
51 4八飛(28)
52 2四歩(23)
53 4六飛(48)
54 4三歩打
55 4五歩打
56 5三銀(44)
57 3五角(26)
58 2五歩(24)
59 4八飛(46)
60 1四歩(13)
61 1六歩(17)
62 2二飛(32)
63 2八飛(48)
64 6二銀(53)
65 8八玉(78)
66 5三角(42)
67 5七角(35)
68 2六歩(25)
69 2四歩打
70 6三銀(62)
71 7八金(69)
72 7二金(61)
73 3七桂(29)
74 5五歩(54)
75 同 銀(56)
76 3二飛(22)
77 4四歩(45)
78 3六飛(32)
79 4五桂(37)
80 4四角(53)
81 同 銀(55)
82 同 歩(43)
83 6六角(57)
84 4五歩(44)
85 1一角成(66)
86 4六歩(45)
87 5三歩打
88 6二金(52)
89 2一馬(11)
90 4七歩成(46)
91 5五桂打
92 3七飛成(36)
93 6三桂成(55)
94 同 金(72)
95 1八飛(28)
96 2七歩成(26)
97 5四銀打
98 1八と(27)
99 6三銀成(54)
100 同 金(62)
101 4五角打
102 5四歩打
103 同 馬(21)
104 同 金(63)
105 同 角(45)
106 7二銀打
107 5二歩成(53)
108 6三銀打
109 6二金打
110 同 銀(73)
111 同 と(52)
112 5四銀(63)
113 7一銀打
114 7三玉(82)
115 5三金打
116 8四歩(83)
117 5四金(53)
118 2七角打
119 8二銀打
120 8三玉(73)
121 7二と(62)
122 同 玉(83)
123 6三銀打
124 8三玉(72)
125 8一銀成(82)
126 投了
まで125手で先手の勝ち







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第158回名南将棋大会(弐) 結果速報

2016-02-28 | 名南将棋大会
今日は第158回名南将棋大会(弐)を行いました。結果速報です。

B級優勝
海老原秀夫さん
水谷寛さん


C級優勝
松原肇さん


D級優勝
宮堂孔暉さん


E級優勝
平尾栄滋さん



優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。
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大山将棋研究(79); 四間飛車に中央位取り

2016-02-28 | 大山将棋研究
昭和48年1月、原田先生と第27期A級順位戦です。


原田先生の四間飛車。

大山先生は中央位取り。これは急戦も持久戦もあります。

36歩を突いたのに急戦に行かず6筋の位も取りに行きます。石田流を拒否したという意味ですが、これは危険なのでまねをしないほうがいいです。

向い飛車での急戦を目指され、端角でけん制。

大山先生はかなり欲張った指し方です。原田先生は攻め将棋ですから怒ってさばきを狙います。

3筋を狙われ、数で受からないので2筋からの斬り合い。

角交換の後、自陣角は仕方ないでしょう。

桂馬を損しますが、と金でカバーできるか。

85桂を避けて懐を広く受けます。

馬を作られた後で、この突き出しは見えません。将来の36歩から44桂を避け、遊んでいる金を使いたい、という手です。この1手だけでも感心します。

原田先生は控えの桂。攻め駒が3枚かつ歩越し飛車なので苦労している感じです。

銀をはがされるのは痛いですが、と金で金銀を取れば受けが利くという指し方。形勢は互角です。

銀をはがされ、桂馬で取るのでは嫌な形です。馬を出られて冷や汗の出るところでしょう。

この銀を打てて人心地つきました。でも飛車を取ればいいという局面でもないのでまだまだ大変です。

角を移動して飛車の横利きで受けるのは良いのですが、35まで出て攻め合いを目指したのでとても危険です。1手争いの終盤になりました。でも多分大山先生の疑問手です。

金銀を取ってもまだ詰まず、受けなければいけません。

角をもらえば詰みますが、金を取られて危ない。

大山先生は懸命に受けて角の入手を図り、原田先生は詰めろの連続です。

とうとう詰めろが切れてと金を払ったので大山先生が勝ちになったように見えるのですが

金を打たせるまではいいとして、ここから96銀同飛95歩同飛同玉94銀

これが原田先生の敗着。94桂を避けて、94歩の王手、取れば84銀としばります。96玉95銀97玉77銀成で勝ちに見えるのです。

94桂が入れば難しくない詰みです。

原田先生の残念譜ではないかと思います。大山先生が欲張った指し方をして、細いながらもうまく食いつきました。1手争いの終盤は原田先生の勝ちではないかと思うのですが。強い方のコメントお待ちしています。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:原田泰夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 5五歩(56)
16 8二玉(72)
17 5七銀(48)
18 7二銀(71)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5六銀(57)
22 4三銀(32)
23 6八銀(79)
24 5四歩(53)
25 同 歩(55)
26 同 銀(43)
27 5五歩打
28 4三銀(54)
29 3六歩(37)
30 5二金(41)
31 6六歩(67)
32 1四歩(13)
33 6五歩(66)
34 2二飛(42)
35 9七角(88)
36 3二飛(22)
37 7五角(97)
38 4五歩(44)
39 7七銀(68)
40 3五歩(34)
41 同 歩(36)
42 3六歩打
43 3八金(49)
44 5一角(33)
45 5七角(75)
46 6二角(51)
47 2四歩(25)
48 3五角(62)
49 同 角(57)
50 同 飛(32)
51 6八角打
52 3七歩成(36)
53 同 桂(29)
54 3四飛(35)
55 2三歩成(24)
56 3六歩打
57 3五歩打
58 3七歩成(36)
59 同 金(38)
60 7四飛(34)
61 8六歩(87)
62 3九角打
63 3八飛(28)
64 9三角成(39)
65 4六歩(47)
66 6四歩(63)
67 4五歩(46)
68 5三桂打
69 3四歩(35)
70 6五桂(53)
71 3三歩成(34)
72 7七桂成(65)
73 同 桂(89)
74 6六馬(93)
75 6七銀(56)
76 8七銀打
77 同 玉(78)
78 6七馬(66)
79 8五銀打
80 8九馬(67)
81 4三と(33)
82 9九馬(89)
83 3五角(68)
84 3四香打
85 5二と(43)
86 3五香(34)
87 6一と(52)
88 6六銀打
89 8八銀打
90 9八角打
91 9七玉(87)
92 3七香成(35)
93 7八金打
94 8九馬(99)
95 8七銀(88)
96 9五歩(94)
97 同 歩(96)
98 9六歩打
99 同 銀(85)
100 9五香(91)
101 同 銀(96)
102 9六歩打
103 同 玉(97)
104 6一銀(72)
105 3七飛(38)
106 9四歩打
107 3二飛成(37)
108 7二金打
109 9四銀(95)
110 同 飛(74)
111 9五歩打
112 8七角成(98)
113 同 金(78)
114 9五飛(94)
115 同 玉(96)
116 8四銀打
117 9六玉(95)
118 9五銀打
119 9七玉(96)
120 9六歩打
121 同 金(87)
122 7七銀成(66)
123 9四桂打
124 投了
まで123手で先手の勝ち










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20160228今日の一手<その287>; 寄せの基本は4枚の攻め

2016-02-28 | 今日の一手
20160228今日の一手

1月24日の名南将棋大会からHさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩と桂の交換で、互いに成桂成銀をつくり、後手にだけ と金があります。損得勘定は難しいです。終盤ですし損得なしと思っていていいでしょう。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は75角72飛持ち駒桂で3枚。(敵玉に向かっているものだけカウント)
後手の攻め駒は78と と持ち駒飛で2枚。

総合すれば互角です。

大局観として
終盤ですから攻める手、つまり攻め駒を増やす手を考えます。実は先手は66に歩を打ったばかりなのですがこれは緩手。64歩からと金攻めを狙えばわかりやすい寄せ合い勝ちでした。74歩からのと金では1手遅くなるので83成桂を右に寄せていくのが常識的ですね。これが勝ちかどうかの判断をします。
攻め駒を増やさない攻め方、例えば桂馬を打って後手陣の駒をはがすというのは攻め駒が増えないので後回しです。1枚で2枚取れるのならよいのですが、そうでなければ通常は除外して考えます。
攻める手がうまくいかないなら受けて手数を稼ぎます。あるいは持ち駒を増やしてから攻めます。
そうやって4枚の攻めにしていくというのが基本的な考え方です。


× 実戦は65桂でした。

桂馬と金か銀を交換しようという手で、終盤としてはあまり効率は良くないです。71歩から44角という受けがありました。

勢いで42角成同金上53銀と行きましたが

53同金寄同桂成同角51竜41銀

攻め駒が減ってしまいましたから攻撃続行できず、後手に攻められるだけでチャンスがありません。

62飛成では73飛成のほうがよいのですが44角で

攻め駒を増やすことができません。82飛成でも同様です。
65桂は受けの駒の利きが多いところを攻めていくので効率が悪く、44角の受けがありました。壁になっていた角を移動できるので感触の良い手です。


× 73成桂が自然な攻め方です。

79と63成桂78飛

ここで52成桂と行ってよければ、というところですが、52同金同飛成75飛成でうまい寄せ方がありません。64桂と打っても61金という攻めを遅らせる手筋がありますし、堂々と68飛成から寄せ合いでも自信がありません。
58金と受けて、71歩73飛成69と67銀79飛成

42角成から飛車を素抜ければ逆転ですがそうはなりません。これで寄せ合い負けです。


○ 変な手に見えるのですが、64桂は有力です。

52桂成を狙います。後手は飛車を打つわけにいかないので阻止しにくいのです。71歩82飛成68と(79とでも同じようなもの)52桂成

52同金同竜

1間竜で42角成同金の形が43銀と41銀の両狙いで持ち駒金があれば後手に受ける手がありません。3枚の攻めですが例外的ですね。22角が壁で取られるだけの駒です。

52桂成を阻止するのは53金くらいですが

73成桂79と63成桂

金を寄らせたので成桂を寄せていくのが速くなりました。61金で受かるかどうか。53成桂72金52桂成

飛車を捨てて迫れば4枚の攻め。これは受け無しです。


○ 受ける手を見ておきます。78同金。

78同成銀42角成同金上78飛成

ここまでは見えますね。問題はこの後です。角金と銀銀桂の交換なので、局面が落ち着けばいいのですが。66角88歩46歩

65角から83の成桂を取られると駒損です。88歩で77銀打は角を引かれて76歩が残りますし、受けきって勝つというわけにはいきません。

ですから66角に51銀

52金72竜41金

攻め駒が4枚になったので再び攻める方針です。ここでどちらがいいか悩むのですが、1つは62銀成42金寄64歩67歩

59金57角成63歩成46歩52と47歩成28玉

と金つくりではなく(攻め駒4枚なので)52銀と打つほうがいいのかもしれません。これはどちらが勝っているのかよくわかりません。後手は飛車を打つ攻めのほうがいいのですが、よい手がみえず。変化もあるでしょう。互角としておきます。

悩んでいるというのは64桂という攻め方です。

63角という粘りがあって、52桂成72角

41成桂は攻めが細いので、72同成桂52金62成桂

中段玉で粘りが利きそうなのが気になるところではあるのですが、先手が間違えなければ勝ちです。


× 88歩はちょっと考えたくなります。

87の成銀をもらえるなら攻めやすくなるのですが、88同と

歩を1枚損するだけであまり違いませんね。


73成桂と使うのが4枚の攻めで本筋ですが、寄せ合い負けなのでは仕方ありません。

実戦の65桂は感触の悪い手で、後手の44角があっては寄せにくくなってしまいました。

64桂が好手、といわれても気が付きませんね。3枚の攻めでも例外的な受け無しです。53金と形を乱して受けてもらえれば、基本通りの成桂を使った4枚の攻めです。

攻めてもうまくいかないと読めたら、78同金は見えるでしょう。
ただし、実戦心理としてはもとが優勢で、75の角も84から引いた使ったのだし、いまさら手を戻すよりも攻めてしまえと考えそうです。問題図だけ眺めたらこれを選んだ方は多かったのではないかと思います。
そのあとは変化が多いのですが、受けきりではなくもう一度寄せに行くのが正しいようです。こういうのが実戦で正しく指せたら相当強いです。




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大山将棋研究(78); 力戦振り飛車

2016-02-27 | 大山将棋研究
昭和48年1月、内藤先生と第22回NH杯です。原本では大山名人とありますが、大山王将の間違い。


内藤先生は相振り飛車がありますからそれを警戒した序盤戦です。でも矢倉が得意というわけではないので、76歩34歩26歩のスタートなら、と思ったら横歩取り空中戦があるのでした。ですからどちらが振るかという駆け引きは、内藤先生が居飛車を明示しなければ必然なのですね。

大山先生が角を換えて居飛車に。

内藤先生は角を打つものですか。それならば大山先生のほうを持ちたいです。

角打ちの隙ができました。でも避けるのは形がゆがむので仕方ないのでしょう。大山先生がポイントをあげました。

75角成を防がれたら左桂を跳ねているので26に成るほうが使いやすいです。

銀を立つのが手厚い手です。66銀右では薄いと。

多分これが内藤先生の敗因。35銀と出る機会をうかがっていて、端をついてからと思ったら手抜かれました。

大山先生は端を詰められても右桂を使えば十分です。

さらに飛車を回って、攻め駒が増えてきます。

内藤先生は32飛から42飛の一人千日手。玉が薄いのにこれではどうしようもありません。

45を押えて銀を下がらせ、もちろん馬は交換しません。

ちょっと逆を突く馬の覗き。

中央を制圧し、底歩を打たせて、あとはどう寄せるかです。

この筋が急所でした。取れば継歩の筋。

玉のこびんで角の頭に拠点を作りました。

これで投了図。大差です。


内藤先生が角交換を挑んだ最初の図から、自陣角を据えなければならなかったのなら作戦失敗。馬を作らせる構想も主張がなく、大山先生が好きなように手厚く構えてつぶした、という完勝譜です。序盤感覚の良さ、手厚く指して形勢がよくなると確実に寄せる大山先生の強さがよく出た将棋です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:内藤王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 6八銀(79)
6 4四歩(43)
7 6七銀(68)
8 4三銀(42)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6五歩(66)
12 4五歩(44)
13 2二角成(88)
14 同 飛(82)
15 6八玉(59)
16 3三角打
17 7七桂(89)
18 6二玉(51)
19 4八銀(39)
20 7二玉(62)
21 5三角打
22 7四歩(73)
23 5七銀(48)
24 6二銀(71)
25 2六角成(53)
26 5二飛(22)
27 5八金(49)
28 4二金(41)
29 7八玉(68)
30 7三銀(62)
31 6六銀(67)
32 4四銀(43)
33 6七金(58)
34 4三金(42)
35 6八金(69)
36 9四歩(93)
37 3六歩(37)
38 9五歩(94)
39 3七桂(29)
40 5一角(33)
41 4六歩(47)
42 同 歩(45)
43 同 銀(57)
44 6二角(51)
45 4八飛(28)
46 3二飛(52)
47 5五歩(56)
48 4二飛(32)
49 5四歩(55)
50 同 金(43)
51 4五歩打
52 3三銀(44)
53 3五歩(36)
54 5二飛(42)
55 5八飛(48)
56 3五歩(34)
57 2五馬(26)
58 5五歩打
59 同 銀(46)
60 同 金(54)
61 同 銀(66)
62 5一歩打
63 5三歩打
64 2二飛(52)
65 6四歩(65)
66 3四銀打
67 6三歩成(64)
68 同 玉(72)
69 4七馬(25)
70 7二玉(63)
71 6四歩打
72 7一角(62)
73 6三金打
74 8二玉(72)
75 7三金(63)
76 同 玉(82)
77 8五桂(77)
78 投了
まで77手で先手の勝ち





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大山将棋研究(77); 相矢倉急戦

2016-02-26 | 大山将棋研究
昭和48年1月、灘先生との第27期A級順位戦です。


矢倉模様です。灘先生は振り飛車も指したかは知りません。矢倉は得意としていたと思いますが、大山先生はなぜ振り飛車にしなかったのか、というのは66歩を見てなのですが、この当時に相振りになったのでしょうか?振り飛車を見せておくほうが無難ではありました。

もちろん大山先生は矢倉も得意ですがこのころはほとんどないはずです。でも灘先生の46歩を見て急戦に。今は46歩は疑問手だと習うのですが、当時に常識だったのでしょうか?

棒銀に対する受け方も何種類かありますが、65の位を取るのはその一つ。でも46歩との相性が良くないので、88銀で受ける方を選ぶのがよかったでしょう。あるいは右玉にしてしまうのもまあまあ。

ここには右銀をもっていきたいのですが間に合いません。

86歩には同角が変化球ですが、それでも銀を出て大山先生が有利。先手の歩が47で止まっていればけん制もできそうですが。

角を打って飛車先をたたく。これが反撃筋ですが当初の予定ではないでしょう。

歩損で馬を作るだけでは戦果はなく、棒銀をさばいたら大山先生が優勢。

何をやってもよさそう、でも玉を囲うのが逆転のない手です。

飛車を切ります。

灘先生に攻め駒が少ないのでしっかり受けて問題なし。

87の成銀を97によるのはおかしな感覚です。75歩として歩を渡すのを嫌ったのですが、意地悪な感じです。

69角成を防ぐに玉を寄るしかないのなら問題なし。

あとは馬と金銀で先手玉を追いかけて

桂頭の玉ですが灘先生に受け駒が少ないので寄ってはいます。

最後の反撃。

これで後続はありません。

詰めろではないのでちょっと不思議な投了図ですが、大山先生の完勝です。


一昔前、無敵時代はこんな将棋ばかりだったのでしょう。灘先生の46歩が疑問手だという認識が広まっていたかどうかはわかりませんが、それをとがめに行く棒銀で有利になり、完勝です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:灘蓮照8段
後手:大山王将
先手省略名:灘
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 8五歩(84)
7 7七銀(78)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4二銀(31)
11 4八銀(39)
12 6二銀(71)
13 5八金(49)
14 3二金(41)
15 2六歩(27)
16 7四歩(73)
17 7八金(69)
18 4一玉(51)
19 6九玉(59)
20 5二金(61)
21 7九角(88)
22 4四歩(43)
23 3六歩(37)
24 4三金(52)
25 4六歩(47)
26 7三銀(62)
27 6七金(58)
28 8四銀(73)
29 6八角(79)
30 3三銀(42)
31 6五歩(66)
32 3一角(22)
33 6六銀(77)
34 8六歩(85)
35 同 角(68)
36 同 角(31)
37 同 歩(87)
38 9五銀(84)
39 6四歩(65)
40 同 歩(63)
41 9六歩(97)
42 8六銀(95)
43 6三角打
44 5二角打
45 8三歩打
46 同 飛(82)
47 7二角成(63)
48 8五飛(83)
49 5七銀(48)
50 8七銀成(86)
51 7九金(78)
52 6五歩(64)
53 7七銀(66)
54 7五歩(74)
55 5九玉(69)
56 4二金(32)
57 7五歩(76)
58 7八歩打
59 8六歩打
60 7五飛(85)
61 8一馬(72)
62 7九歩成(78)
63 7六銀(77)
64 同 飛(75)
65 同 金(67)
66 3二玉(41)
67 4八玉(59)
68 8九と(79)
69 9一馬(81)
70 9九と(89)
71 7一飛打
72 9六角(52)
73 2五香打
74 4一香打
75 7三馬(91)
76 9七成銀(87)
77 5八玉(48)
78 7八角成(96)
79 6三馬(73)
80 6七銀打
81 4九玉(58)
82 6九馬(78)
83 7七金(76)
84 5八金打
85 3八玉(49)
86 5七金(58)
87 6七金(77)
88 4七馬(69)
89 2七玉(38)
90 1五桂打
91 1六玉(27)
92 3六馬(47)
93 3八銀打
94 6七金(57)
95 5五桂打
96 5三金(43)
97 4一飛成(71)
98 同 金(42)
99 2三香成(25)
100 同 玉(32)
101 4一馬(63)
102 3二銀打
103 3一馬(41)
104 2四歩打
105 3七銀(38)
106 3八飛打
107 投了
まで106手で後手の勝ち




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20160226今日の一手<その286>; 不利なときはやや不自然な手を探す

2016-02-26 | 今日の一手
お知らせ

やりたいことがたまっておりまして、しばらくの間今日の一手は1日おきに更新します。日課にされている方には申し訳ありません。物足りない方は過去の問題をもう一度読んできいただけるとありがたいです。


20160226今日の一手

1月24日の名南将棋大会からSさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は49銀1枚。34飛はすぐに使えそうです。

総合すれば互角かやや後手のほうが指しやすいでしょう。

大局観として
戦いが始まってみると玉の堅さはだんだんに影響が出てきます。堅い方が強い戦い方ができるのです。大駒を捨てる手とか少々駒損する手でも成立しやすいので選択肢が広くなるということでしょう。
49銀の割打ちをくらい、金をはがされるとさらに先手玉が薄くなります。
ただ、後手としてはまだ攻め駒が足りないので、49銀は急ぎ過ぎた感じがします。相手玉を薄くしても攻め駒が増えるわけではないのです。34飛や22角や33桂を使うほうが本筋であるとはいえるでしょう。


駒が当たっているので選択肢は少ないです。
× 実戦は48飛で自然な手です。

58銀成同飛(28飛58銀成同飛だったのかもしれません)46歩

これは味の良い手です。逃げるわけにはいかず46同銀47金45銀

格好良い手が出ました。普通は好手なのですが、45同桂22角成58金同金57銀

銀を捨てて遊んでいた角を取った、けれど先手玉に食いつかれた、という結果です。最後の57銀では56歩のほうが本筋ですが、この銀でも十分です。28飛を見て寄せられます。3枚の攻めですが先手玉が薄すぎます。

変化としては58銀成に同銀と取るほうが堅いです。

36歩同歩同飛37銀76飛77歩56飛

26飛があるので37銀と打たざるを得ず、飛車を縦横に使って後手が好調です。66角65歩75角25桂

角と桂馬が働き出せば後手の攻めが切れなくなります。


× 28飛と逃げるほうが後手の26飛を消して少し良いです。

58銀成同銀36歩同歩同飛66角

少し頑張って角を引いて39飛成を受けてみます。
65歩57角56歩75角74歩

48に引くと38金があるので困ります。53角成39飛成27飛25桂44歩13角

いきなり79金もありますが、角を使われて悪いです。

ということで、36飛に37歩76飛77歩56飛66角

ここまで仕方ないでしょう。65歩75角13角

先手は歩切れですから困っています。88金を防いで57銀打には54飛から56歩です。


○ 飛車を逃げない手を探すほうがいいですね。43銀がありました。

38銀不成同銀の形は28飛や39飛の打ち込みに銀を打ってしまえば捕獲も狙えます。後手は54金か飛車か。金のほうは

34銀不成55金21飛

31角打ちは桂馬を取ればいいので角を助けにくいです。65角が両取りですが、22飛成38角成62銀

62同金同飛成71銀51竜

あとは65馬に44角の味がいいです。先手有利になりました。

蛇足ですが、71銀には同竜と取りたくなります。

71同玉44角53歩

大駒は近づけて受けよでこの歩がなければ62銀51銀に飛車を打って受けるしかなく飛車を取って攻め続けられるのですが、これは指しすぎ。

後手は54飛とするほうがいいでしょう。

54同銀成同金77角57歩

21飛があるので後手も動いてきます。でも攻め駒が足りないから受けられるはず。57同金左46銀59歩28飛27銀

39銀でもよさそうですが、飛を取りに行くのもありそう。28飛は指しすぎですが先手が有利なのは間違いないです。


問題図の前では後手は54飛56歩を入れてから49銀のほうがよかったのでしょう。先手にチャンスが巡っていました。
形勢が不利なときは自然な手だけでは勝てません。少しずつ悪くなっていきます。すべてそういう手ではだめですが、3番目くらいの手、やや不自然な手を考えなければなりません。一か八かの勝負手を狙え、という意味でもないのですが(それは危険もある)、相手があまり考えていないようなちょっと不自然な感じの手がよいのです。
飛車取りに対してどうぞ、と言ってみる。そういう手も考えるのです。

形勢不利なときは多少なりとも読みの力を要求されます。どちらかといえば広く浅く読む感じで、この選択肢はないのか、と考えます。直線的に自然な手を読んでも負けだとわかるだけでしょう。これは勝負になりそうだな、という手は案外落ちているものです。早く気が付いて探すほうが容易なので、形勢判断の技術をしっかり身につけましょう。



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大山将棋研究(76);四間飛車穴熊に銀冠

2016-02-25 | 大山将棋研究
昭和48年1月、中原先生と第1回早指し選手権決勝です。


大山先生の四間飛車穴熊。中原先生相手にはもうやらないものかと思いましたが、意地っ張りです。

大山先生の先手ですから、位取りを拒否する、というのが研究でしょうか、その場の思い付きでしょうか。まねをしないほうがいい手です。

石田流には組めないので、銀を上がります。だから三間飛車に振りなおすのは損だと思うのです。相手にだけ74歩交換の権利があります。

中原先生からの開戦。

銀を出て66を目指すのが狙いでした。

1回4筋に飛車を回っても金を引かれると少し損したのかという気がします。

68飛に86歩同歩88歩で、攻めの手は続きます。

香車は取られても桂馬をさばけば振り飛車としては悪くないでしょう。ここで74歩ならよかったと思うのですが、65歩だったので

角交換で大山先生が少し損をしました。

そのあとで74歩と伸ばせば、角を打たれて

と金は作っても前の33金右と取った形を生かして飛車を転戦されます。後手から77歩がありますね。

これで飛角交換しかないです。

そのあと64馬が好位置なので、形勢は互角です。中原先生に銀をさばかれますが

ここで間違えました。飛車を取らずに27銀打なら45飛は逃げるしかなくやや大山先生のほうがよかったと思います。

飛車を取って銀を埋める。これが序盤の26歩を生かしてよいのだと判断したのでしょう。ですが穴熊では金をはがされるのでは飛車を取っても得とは言えません。

中原先生の好手。38金打が切れない攻めになります。

馬引きに46歩。取れば38金打なので馬を切るしかありません。

と金を使えば1手違いですが

これが敗着です。悪いとわかっての判断なのかもしれませんから、悪手ともいえないのですが、もちろん取ってはもらえず。42と のほうがもう少しアヤがありました。

これで受けがありません。

きれいに詰まされました。


大山先生は意地を張って四間飛車穴熊。石田に組もうとしなければいいのですが、そのために攻めの糸口を与えてしまいました。でも中原先生も88歩の筋しかないのではあまり自信はないでしょう。少し大山先生がリードして、65歩が疑問手。でも盛り返して馬を使うところが手厚い指し方です。終盤で飛車を取らなければよかったでしょう。飛車を取って馬筋が通るし、とやりたくなるところなのですけれど。
どちらの側も持って並べても勉強になります。大山先生の側から振り飛車らしい指し方を並べてもいいですし、中原先生の側から穴熊の攻略法を見るのもいいでしょう。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:中原名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 5八金(69)
16 5二金(61)
17 1八香(19)
18 3三角(22)
19 1九玉(28)
20 2二玉(32)
21 2八銀(39)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 4四歩(43)
25 6七銀(78)
26 5三銀(62)
27 3九金(49)
28 4三金(52)
29 3六歩(37)
30 1五歩(14)
31 9六歩(97)
32 9四歩(93)
33 4八金(58)
34 2四歩(23)
35 7八飛(68)
36 8五歩(84)
37 7七角(88)
38 2三銀(32)
39 7五歩(76)
40 3二金(41)
41 2六歩(27)
42 8四飛(82)
43 3八金(48)
44 6四銀(53)
45 7六銀(67)
46 7四歩(73)
47 同 歩(75)
48 同 飛(84)
49 8八角(77)
50 7二飛(74)
51 7五歩打
52 4五歩(44)
53 同 歩(46)
54 8二飛(72)
55 7七角(88)
56 5五銀(64)
57 4八飛(78)
58 4二金(43)
59 6八飛(48)
60 8六歩(85)
61 同 歩(87)
62 8八歩打
63 9七桂(89)
64 8九歩成(88)
65 8五桂(97)
66 9九と(89)
67 6五歩(66)
68 4六銀(55)
69 3三角成(77)
70 同 金(42)
71 7四歩(75)
72 7七角打
73 7八飛(68)
74 8六角成(77)
75 7三歩成(74)
76 4二飛(82)
77 6三と(73)
78 4五飛(42)
79 5三角打
80 7七歩打
81 8六角成(53)
82 7八歩成(77)
83 6四馬(86)
84 4七銀成(46)
85 4六歩打
86 3八成銀(47)
87 同 金(39)
88 6八飛打
89 4五歩(46)
90 3八飛成(68)
91 2七銀打
92 4九龍(38)
93 8二飛打
94 4八金打
95 3七馬(64)
96 4六歩打
97 4八馬(37)
98 同 龍(49)
99 3九金打
100 5八龍(48)
101 5三と(63)
102 5五角打
103 6四角打
104 4七歩成(46)
105 5五角(64)
106 同 歩(54)
107 6七銀(76)
108 2八龍(58)
109 同 金(39)
110 3九銀打
111 7一飛打
112 2八銀成(39)
113 同 玉(19)
114 4六角打
115 3七銀打
116 同 角成(46)
117 同 桂(29)
118 3九銀打
119 同 玉(28)
120 3八金打
121 同 銀(27)
122 4八金打
123 投了
まで122手で後手の勝ち









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20160225今日の一手<その285>; 穴熊だから堅いわけではない

2016-02-25 | 今日の一手
20160225今日の一手

1月24日の名南将棋大会からKさんとUさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。でも後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は86角1枚。
後手の攻め駒は33角82飛で2枚。

総合すれば後手がやや指せそうです。

大局観として
問題図以前ですが

86歩には同歩と取れば先手が十分でした。この戦型は66銀の形を作れれば振り飛車穴熊が作戦勝ち。作らせないように67銀65歩の形で45歩と角交換を挑んで66銀46歩同金がどうか・・・というのが定跡です。
86同歩の後は75歩54歩42銀75歩76歩66角86飛88歩

この形で文句はありません。居飛車穴熊に美濃囲いの66銀型で左側が同じようになる定跡がありましたが、それに比べれば玉の堅さに差が少ないから、振り飛車が十分です。
実戦では86歩を角で取ったので問題図。

一目後手が十分です。形勢はともかく後手がうまく戦機をとらえたという感じです。86角が質駒ですし、55銀も狙われています。おとなしく指していると強襲を食らいそうで、どうにか後手玉に食いついて勝負の順を探します。


× 実戦は53角成でした。

55の銀が当たっている状況で角を切るのは暴発です。攻め駒も足りませんし。53同金54歩43金右に44銀打

もう破れかぶれのような攻めです。44同金同銀同角45歩

歩を成るために99角成を許すのでは望みなしです。手順はいいでしょう、こういう図になり

角香を取られて と金を作っただけです。
でもこの後チャンスはあり

後手は銀で穴熊を攻めているので駒を渡すことになりました。73角も遊んでいます。44桂と攻めればまだわからなかったはず。ここで33角成同桂24香同銀44桂といったので、駒が足らず寄せ合い負けです。


× 54歩は打ちたくなりますが

42銀と固めさせるのもつまらない感じです。58飛くらいしかないのですが

86飛同歩67角

59飛は58歩なので57飛89角成45歩

99馬44歩同金同銀同馬

これくらいでしょうか。桂香を拾われて馬を引かれ、45桂が残っています。まだ戦えるようにも見えますが、勝負の形には持ち込みにくいです。後手は飛車を追ってと金を作るとか、小さい駒で攻めることができます。
なお、最初に58飛でもほぼ同じことになるでしょう。


○ 勝負は64歩の筋しかありません。

後手は銀交換では飛車をさばかれるので55角63歩成42銀

角を切るのは と金から逃げられるのでうまくいかず、54歩52歩62歩

これで52と からの攻めを見ます。後手は急がなければいけません。86飛同歩57角

58飛39角成同銀99角成52と

穴熊の金をはがされたのは痛いのですが、これなら勝負になりそうです。55香には68飛から63飛成とできそうですし。


△ 56歩54歩を交換してから64歩と行くのがどうか。

55歩63歩成42銀には55歩と手を戻すしかなさそうです。逆に取り込まれるのも嫌ですし。

46歩54歩52歩62歩

5つ前の図と比べると46歩と取り込まれていて後手の角の位置が55から33に。46歩の取り込みが大きく、86飛同歩57角67飛66角行

拠点があるので飛角交換でもいいでしょう。これは後手が十分。56歩54歩は後手の得のようです。


× 56歩54歩で66銀と引くと

46歩同金86飛同歩79角

これは負けです。


× 66銀と引いて46歩55歩なら

どうにか収まりそうですが、24角48飛86飛同歩67角

左の銀桂を助けにくく、ゆっくり指すわけにはいかないようです。


穴熊を指すなら序盤研究が必要です。うまく66銀の形に組んだのに、86歩同角は間違い。穴熊で片寄る分だけ角打ちの傷が多いのです。Hさんは穴熊の堅さを過信していたのかもしれません。でも角も付いている4枚の銀冠のほうが堅いです。穴熊では大駒よりも金銀の価値が上がるということも多く、銀を1枚はがせば囲いの堅さは同等。でも角香損で と金を作っただけでは全然足りません。攻め駒の数が足りないのです。

級位者同士の戦いでは悪くなっても穴熊なら勝負になるので人気があるのですが、有段者になるとそうはいきません。序中盤の研究をして悪くならないようにor作戦勝ちになるようにして、終盤の独特な指し方で相手の疑問手を誘い、食いついて寄せるのです。読みの力と感覚の習得が必要です。初心者向きではありません。(穴熊が不得意な私のひがみが入っているのかもしれません、ごめんなさい。)
後手のOさんとしては、馬を引いてしっかり守り、と金を作って攻めるような指し方が理想です。







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大山将棋研究(75); 矢倉中飛車

2016-02-24 | 大山将棋研究
昭和47年12月、原田先生と第1回早指し選手権です。


このころの原田先生は多分振り飛車党だったのですが、大山先生が25歩を決めなかったので居飛車に。

相矢倉のようですが、普通に組んでいると78玉をとがめられそうで、変化球です。

矢倉中飛車になりました。先手番で矢倉を目指したら好んで指す人はいないでしょう、普通は後手番での戦法です。

互いに早囲いになり、相手の飛車に近い方に玉がいるほうが不利です。原田先生はその玉頭で戦えます。

大山先生らしい銀の繰り替え。でも位を取られては作戦負け。

しかし原田先生の64歩が問題で、位が消えてしまいます。

逆に大山先生が位を取って盛り返しました。原田先生も対抗して位を取っています。

また駒組みになり、原田先生から仕掛けます。でも厚く構えているところから仕掛けるので効率が悪いです。端攻めを見せて様子を見るのが正しいでしょう。そのあとの打開は難しいので、何とも言えませんが。原田先生が千日手を選ぶわけはないので、攻めたくなるのもよくわかります。

大山先生は形を気にせず全力で守ります。

銀を打ってけん制します。

桂馬を取るのは危険なので角筋を遮断。ここで65歩77銀を決めてしまったのですが、83飛~86歩同歩62歩同銀64角~86角という筋で角交換しないと勝てないでしょう。このあたりが原田先生の敗因です。

大山先生も攻め味を見せます。いろいろなところに手が付いて複雑な方が好みなのでしょう。

86歩に同歩と取ったので継歩が来ました。これは小さなミス。


87歩を打てて一安心。受けきりが見えてきました。

42角を封じてあるので、金で飛車を責めればはっきりしてきました。

飛車取り放置で手筋の攻めですが

もう先手玉が寄りません。

後手玉が寄るか入玉できるかということになり

攻めつつも自玉を安定させるのは早指しの時のテクニック。最善手というわけではないのですが。

ここか少し先で36歩から上部開拓をするしかなかったでしょう。以下は後手玉が入られるかどうかの攻防。

投了図。171手の熱戦ではありましたが、短い持ち時間ではミスも多くなります。


昨日相居飛車にされたらどうするのだろうかと書いていたら、矢倉中飛車ですか。もちろん若いころは居飛車党だった大山先生ですが、力戦が好みですからそれらしい指し方です。混戦になるときの指し方がうまいです。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:原田8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 6八玉(59)
10 8四歩(83)
11 7八銀(79)
12 5二金(61)
13 7七銀(78)
14 4三金(52)
15 7八玉(68)
16 3三銀(42)
17 4六歩(47)
18 4二玉(51)
19 4七銀(48)
20 3二玉(42)
21 5八飛(28)
22 6二銀(71)
23 5五歩(56)
24 同 歩(54)
25 同 飛(58)
26 7四歩(73)
27 6六歩(67)
28 3一角(22)
29 5八飛(55)
30 8五歩(84)
31 5六銀(47)
32 7五歩(74)
33 同 歩(76)
34 同 角(31)
35 6五銀(56)
36 9四歩(93)
37 4八金(49)
38 8四飛(82)
39 9六歩(97)
40 3五歩(34)
41 4七金(48)
42 3四銀(33)
43 6八金(69)
44 4二角(75)
45 7六銀(65)
46 7五歩打
47 6七銀(76)
48 6四歩(63)
49 7六歩打
50 同 歩(75)
51 同 銀(67)
52 6三銀(62)
53 7五歩打
54 8二飛(84)
55 7九角(88)
56 2二玉(32)
57 8八玉(78)
58 3二金(41)
59 7八金(68)
60 1四歩(13)
61 1六歩(17)
62 7三桂(81)
63 5六金(47)
64 5二飛(82)
65 5五歩打
66 2四歩(23)
67 6八角(79)
68 8二飛(52)
69 2八飛(58)
70 8一飛(82)
71 1七香(19)
72 6五歩(64)
73 同 歩(66)
74 7四歩打
75 6六銀(77)
76 7五歩(74)
77 同 銀(76)
78 7四歩打
79 6四歩(65)
80 同 銀(63)
81 同 銀(75)
82 同 角(42)
83 7二銀打
84 8四飛(81)
85 6三銀成(72)
86 4二角(64)
87 6四歩打
88 6五歩打
89 7七銀(66)
90 8三飛(84)
91 4五歩(46)
92 同 歩(44)
93 2五歩(26)
94 同 歩(24)
95 3六歩(37)
96 8六歩(85)
97 同 歩(87)
98 8五歩打
99 3五歩(36)
100 2三銀(34)
101 8五歩(86)
102 同 桂(73)
103 8六銀(77)
104 4六歩(45)
105 8四歩打
106 同 飛(83)
107 4六角(68)
108 7五歩(74)
109 8七歩打
110 7六歩(75)
111 6五金(56)
112 5六歩打
113 7五金(65)
114 4五歩打
115 4四歩打
116 同 金(43)
117 7九角(46)
118 6八歩打
119 同 金(78)
120 5七歩成(56)
121 同 金(68)
122 7七桂成(85)
123 同 桂(89)
124 同 歩成(76)
125 同 玉(88)
126 8一飛(84)
127 6六金(57)
128 4六歩(45)
129 2四歩打
130 同 銀(23)
131 3六桂打
132 3五金(44)
133 4三歩打
134 3三角(42)
135 2四桂(36)
136 同 角(33)
137 7三歩打
138 4三金(32)
139 7二歩成(73)
140 3一飛(81)
141 7六玉(77)
142 2三玉(22)
143 6五玉(76)
144 3六歩打
145 5四歩(55)
146 3七歩成(36)
147 同 桂(29)
148 2六金(35)
149 3八歩打
150 1七金(26)
151 2五飛(28)
152 3四金(43)
153 2九飛(25)
154 2七歩打
155 5三歩成(54)
156 3五角(24)
157 4三と(53)
158 2四玉(23)
159 2五歩打
160 同 金(34)
161 5九飛(29)
162 1六金(17)
163 5二飛成(59)
164 4七歩成(46)
165 2二龍(52)
166 2三桂打
167 4六歩打
168 3四飛(31)
169 2五桂(37)
170 1七角成(35)
171 3三桂成(25)
172 投了
まで171手で先手の勝ち



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