名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190531

2019-05-31 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

後手の左翼は受からないので玉頭方面へ戦場を移したいです。その手順は?

A 36歩  B 76歩  C 75角

 

第2問

 

金損ですが、この手がぴったりの反撃です。

A 87桂  B 64桂  C 77歩

 

第3問

 

これで優勢になりました。

A 99角成  B 15歩  C 93玉

 

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大山将棋研究(1267);四間飛車に中央位取り(加藤一二三)

2019-05-31 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180531

昭和42年3月、加藤一二三先生と第16期王将戦第5局です。

大山先生は久しぶりに四間飛車です。

加藤先生は45歩急戦でしょうか?54銀が嫌な手ですが。棒銀の可能性もあります。

32金を見て55歩。中央位取りになりました。

大山先生は5筋の歩を切って銀を守りにつけます。しばらく駒組みで

8筋の位を取りました。

54歩から小競り合いの始まりです。54同歩同金55歩65金はちょっと嫌なので

互いに飛を5筋へ移動することになり、加藤先生が55歩を打ったのでまた落ち着きます。

加藤先生の57角は45歩ねらいで

11飛の受けには35歩同歩24歩、1歩持てば34歩で攻めることができます。

21飛にも23歩成同金34歩。これで桂を取れます。

歩切れなので難しいのですが

24歩には13桂成がありますから駒得確定です。でも桂の働きが良いわけでもないので形勢は互角くらいです。

大山先生は中央から動きだし

7筋の歩を突き捨て

角を使います。

加藤先生も角筋を使って攻め

大山先生は36歩の突き出しから75角が銀取り。

8筋を攻めて

86に拠点ができました。加藤先生は35歩を打てば駒が取れます。

大山先生は金で桂を取って64桂が気持ちよく

銀角と逃げられても87歩成が利きます。

金を逃げられて77歩で催促されたというのは少し損をしたか。ここで55銀と出て

二枚換え、トータルでは金銀と角の交換で と金があるとはいえ駒損です。

加藤先生は玉を逃げ出しました。

大山先生も玉を逃げ出して相入玉でしょうか。先手は左翼の駒を取られたら21点(+2点)、後手は23飛を取られなければ左翼の駒を取られても25点、大駒の数がおおきいのでしょう。

加藤先生は相入玉で点数が足りないとすれば後手玉を寄せなければなりません。

迫ってはいるのですが、小駒だけでは寄せにくいです。

飛車を使いたいので

63歩成同金75金ねらいですが、33飛を追わねばなりません。ここで大山先生は飛を切り

玉を逃げ出しました。加藤先生は左翼の駒を失うと22点、やはり少し足らない状況です。

なので81飛から攻めたというか駒を取りに行ったのですが

46桂(詰めろでした)から金を手に入れられて、71金打から飛を殺されて投了です。

 

二人がどこから相入玉を意識していたのかはわからないのですが、気が付いてみれば加藤先生の駒数が足りない状態で、敗着がどれだとも言いにくいです。127手目で角を切らない(二枚換えにしない)のでしょうか?

大山先生は王将を防衛で五冠王を保ちました。

 

 

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20190531今日の一手(その883);自陣角をとがめる

2019-05-31 | 今日の一手

20190531今日の一手

 

4月20日の名南将棋大会から、OさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは同程度。後手玉を金銀銀の守りと思えば先手玉のほうが連結が良いですが、金銀4枚と思えば後手玉のほうが堅いという状態です。

先手の攻め駒は持ち駒角1枚。

後手の攻め駒は63角1枚。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手は桂頭を攻められて自陣角を打って守りました。この位置の自陣角は同型腰掛銀の木村定跡に見られるように、あまりうまくいかない受けなのですが、この場合はどうでしょうか。先手が早繰り銀なので少し違います。

右翼のほうは後手が金銀4枚で受けているのですから現状から攻め続けるのは難しく、桂頭を攻め続けたいです。歩だけでは足りませんから、ほかの駒も使います。そう思えば難しくないでしょう。ほかの駒というのはどれでしょうか。

 

 

△ 実戦は74歩でした。

継続手としては当然ですが、74同角で後手を引きます。58金

と寄っておけば、後手にだけあまり働きの無い角を打たせたと我慢できます。

 

実戦では56角

と合わせたのですが、これが疑問手となりました。56同角同歩に76歩88銀39角

38飛66角成74歩65桂73歩成81飛

と金と馬の作り合いですが、後手の桂馬をさばかせた(攻め駒にさせた)のが形勢悪化の原因です。67金左が最善で37歩同銀(37同桂は馬を切って36歩)67馬同金86歩同歩87歩同銀77金

という攻めを受け続けてどうかでした。76銀67金同銀57桂成・・・と続きます。

 

実戦では77歩と打って受けたのですがこれは1手パスです。(後手から77に駒を打ちこまれない意味はあるのですが、今は打ち込む駒がありません。)

56馬58金77歩成同桂同桂成同銀76歩88銀66桂

駒損で攻められる形で受けがなくなりました。

 

 

○ 74歩を取り込まずに56角を打てば

75歩74歩83飛55銀

桂を取ることができますし、歩切れを解消できれば駒得です。

 

後手は65歩

角筋を止める受けが普通ですが、65同歩54角64歩

堂々と受けに回ります。65桂66銀86歩同歩88歩同金86飛65銀

この攻め筋は強く受けられます。

 

 

○ 55銀は

桂頭ではなくて64銀から桂を取ろうというわけです。後手は64銀を防ぐ手段がないのです。角筋を生かして37歩が反撃の手段で、37同桂75歩

36歩をねらいます。64銀86歩同歩76歩同銀36歩73銀成37歩成29飛

桂を取り合って、飛角両取りが残っているので先手有利です。

 

あるいは37歩に35歩

を利かせて、43銀64銀38歩成26飛45角73銀不成81飛74歩

とするのもありそうですし

 

37歩に39歩と我慢しておいても良いです。

後手が技をかけるとしたら、86歩同銀38歩成同歩86飛同歩27銀

とするのですが、61飛22玉63飛成

返し技で駒得になります。

 

 

△ 先ほどの筋の前に35歩を打つかどうかは微妙なところです。

43銀と引かせるのですが、後手玉を固めさせてしまいます。同じ変化になる可能性もありますし、後手が少し我慢して55銀75歩64銀54角73銀不成83飛

35歩を打っていなければ61角があるので先手十分すぎるのですが、ここでは74歩か64銀成でまだ難しいということはあります。

74歩76歩88銀と進んだ図です。駒得ですが歩切れなので大威張りではないです。玉の堅さも劣ります。

 

 

△ 65歩は考えにくいかもしれませんが

相腰掛銀で63角を打たれた時には急所となる筋です。今は銀や飛の応援を持ってこれないのですが、65同桂に73角81飛64角成

馬を作ることができます。77桂成同金右54角35歩43銀55桂

もらった桂の使い道があるので馬を作った分だけ駒得です。

 

後手としては75歩

とすることもできます。64歩74角58金

というのは互角です。

 

 

△ 55角というのもあり得ます。

形に違和感がありますが、この角は死にません。75歩64角62金

くらいの進行でこの先がよくわかりませんが互角です。

 

 

△ 76銀とするのは

86歩同歩同飛77金右82飛86歩

左銀のほうを使って桂頭を攻めようとしています。ここから55銀や56角もあり得ます。

 

 

☆ まとめ

桂頭を攻めたのですから自然な継続手は74歩ですが、74同角で後手を引きます。

代案は角を使うか(56角)右銀を使うか(55銀)左銀を使うか(76銀)という選択でしょう。

後手の73桂や63角をいじめることができれば形勢が良くなります。

 

やはり角換わりにおいて桂頭を受ける63角で形勢が良くなることはなさそうです。自陣角は攻めるために打つ戦型です。63角の筋に打つときは、端攻めで香を96に吊り上げて打つくらいでしょう。

よく出てくる46角(や64角)は守りでもありますが、後に攻めに使える位置です。

 

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大山将棋問題集 20190530

2019-05-30 | 大山将棋研究

後手番加藤先生の手を考えます。

第1問

 

この手があるので後手が指しやすいでしょう。

A 46歩  B 56銀  C 74飛

 

第2問

 

我慢しておいて悪くはありません。

A 62歩  B 52銀打  C 66歩

 

第3問

 

手筋です。

A 47銀  B 81歩  C 24桂

 

ここからは先手番大山先生の手を考えます。

第4問

 

逆転の雰囲気は出てきました。先のことを考えて攻防の手です。

A 47飛  B 47銀打  C 45歩

 

第5問

ここから詰みが読めるでしょうか。長いけれど詰みそうな手は限られます。

 

 

 

 

 

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大山将棋研究(1266);中飛車に64銀急戦(加藤一二三)

2019-05-30 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190530

昭和42年2月、加藤一二三先生と第16期王将戦第4局です。

大山先生の中飛車です。

加藤先生が角筋を止めるのは珍しいです。

大山先生は位取りを拒否して

結局は加藤先生が攻めることになりました。64銀急戦に分類しておきます。

角交換にはならないし、7筋は飛銀で攻められるので

7筋を押さえてしまえば加藤先生が指しやすいか。

しばらく駒組みで

73桂に72歩で戦いが始まります。

加藤先生は72と の前に攻められれば良いのですが。

66の地点をねらいます。

受けの手筋55歩に、66歩と取り込んで

銀交換から角をぶつけます。

大山先生は角交換から75角と返しますが

46歩の取り込みが大きくて後手もちです。44飛ではなく74飛もあったでしょう。

大山先生は攻め合いを選び、銀を打ち

73桂を取れました。これで差は縮まったか。加藤先生の桂取りに

大山先生は57桂ですか。67角成から

二枚換えですが先に桂を取っているので少し駒得です。

82飛~64銀成で調子が良さそうです。

加藤先生は角取りに馬を引いて催促します。

44歩で乱されますが、これで先手は歩切れ、ちょっと良くなっているかもしれません。

銀を打たされ

と金を使われるのはしゃくですが、飛をいじめて反撃できます。

控えの桂がぴったりで

89桂を取り、馬二枚を使えば

飛金と角桂歩4の交換、馬2枚ありますから駒得です。後手玉のほうが堅そう、いつでも36桂があるので加藤先生が優勢になりました。

大山先生の84飛成~64銀というのは歩切れで手を作れないから惑わせようというくらいでしょうか。

また53銀と打たれたらどうしようかというくらいですが、加藤先生は馬を寄って竜切りを促し

46歩を取られても

45銀同金36桂で寄せに出ます。

ここは何でもありそうですね。28飛から即詰みもあるようです(清算して35桂の筋)。

端を取り込むのも良いでしょう。

24桂25銀を利かせて17歩成までは自然な感じです。

だけど17同香同香成から寄せないで、16歩同香17歩というのはおかしな感じです。

11香を取られ、一応詰めろはかかるのですが

36桂を取られると詰めろが途切れています。大山先生はいっぱい駒をもらったので

攻防に銀を打ち

再び詰めろをかけられましたが

18金を取ってから45金。これで詰み筋に入ったようです。

角2枚で退路封鎖できるし、香打ちがぴったりです。

どんどん追いかけて

ここまで。

 

加藤先生の時間切迫によるものなのでしょうが、終盤に乱れて負けるのが2局目です。どうやっても勝ちというくらいのほうが迷うのかもしれません。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/02/20
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 4三銀(42)
23 5七銀(68)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 7四歩(73)
27 7八飛(58)
28 6四銀(53)
29 5八金(69)
30 7五歩(74)
31 5九角(77)
32 7二飛(82)
33 7五歩(76)
34 同 銀(64)
35 6七金(58)
36 7六歩打
37 9六歩(97)
38 6四歩(63)
39 9七香(99)
40 7四飛(72)
41 4八飛(78)
42 4二金(41)
43 4七飛(48)
44 1四歩(13)
45 1六歩(17)
46 5三金(52)
47 2六歩(27)
48 7三桂(81)
49 7二歩打
50 8六歩(85)
51 同 歩(87)
52 6五歩(64)
53 7一歩成(72)
54 6四飛(74)
55 4八角(59)
56 4五歩(44)
57 5五歩(56)
58 6六歩(65)
59 同 銀(57)
60 同 銀(75)
61 同 角(48)
62 5五角(22)
63 同 角(66)
64 同 歩(54)
65 7五角打
66 4六歩(45)
67 3七飛(47)
68 4四飛(64)
69 4五歩打
70 同 飛(44)
71 6四銀打
72 5四金(53)
73 7三銀(64)
74 7八角打
75 5七桂打
76 6七角成(78)
77 4五桂(57)
78 同 馬(67)
79 8二飛打
80 4一金打
81 6四銀成(73)
82 同 金(54)
83 同 角(75)
84 5四馬(45)
85 4二角成(64)
86 同 金(41)
87 4四歩打
88 同 馬(54)
89 6七飛(37)
90 5二銀打
91 7二と(71)
92 5六角打
93 2七飛(67)
94 2四桂打
95 3七金打
96 8九角成(56)
97 6二と(72)
98 4五馬(89)
99 5二と(62)
100 同 銀(43)
101 8四飛成(82)
102 5三銀(52)
103 6四銀打
104 同 銀(53)
105 同 龍(84)
106 5四馬(44)
107 同 龍(64)
108 同 馬(45)
109 4六金(37)
110 4五銀打
111 同 金(46)
112 3六桂(24)
113 1八玉(28)
114 4五馬(54)
115 3七歩打
116 1五歩(14)
117 3六歩(37)
118 1六歩(15)
119 2八玉(18)
120 2四桂打
121 2五銀打
122 1七歩成(16)
123 同 香(19)
124 1六歩打
125 同 香(17)
126 1七歩打
127 1一香成(16)
128 1八金打
129 3九玉(28)
130 3六桂(24)
131 3三歩打
132 同 玉(32)
133 3六銀(25)
134 同 馬(45)
135 2五桂打
136 4四玉(33)
137 4七銀打
138 2七馬(36)
139 同 銀(38)
140 2八飛打
141 1八銀(27)
142 同 歩成(17)
143 4五金打
144 同 玉(44)
145 6三角打
146 5四銀打
147 3六金打
148 4四玉(45)
149 6二角打
150 5三銀打
151 4六香打
152 4五歩打
153 同 金(36)
154 同 銀(54)
155 同 角成(63)
156 4三玉(44)
157 5五馬(45)
158 4四歩打
159 同 香(46)
160 同 銀(53)
161 同 角成(62)
162 5二玉(43)
163 5三歩打
164 投了
まで163手で先手の勝ち

 

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大山将棋問題集 20190529

2019-05-29 | 大山将棋研究

先手番加藤先生の手を考えます。

第1問

 

どう対応するかというのは居飛車の陣形で変わってきます。

A 24同飛  B 25歩  C 26歩

 

第2問

 

いろいろありそうですが、これがわかりやすい指し方でした。

A 44歩  B 56銀  C 46銀

 

第3問

 

駒得をねらいます。

A 23歩  B 32歩  C 44銀

 

第4問

 

後手のねらいを阻止します。

A 52歩  B 55角  C 65銀打

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大山将棋研究(1265);急戦向い飛車(加藤一二三)

2019-05-29 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190529

昭和42年2月、加藤一二三先生と第16期王将戦第3局です。

大山先生の向い飛車です。

急戦をねらうのは珍しく

積極的に動きますが、後手番ですし少し無理をしていると思います。

さらに玉頭銀にでました。連勝しているタイトル戦なのでいつもと違うことをやってみようということでしょう。

加藤先生は飛車を浮いて35歩

45歩~55歩で銀取りです。

銀は取れませんが角頭をねらいます。

24歩にも構わず(24同歩同飛25歩34飛のねらい)銀を出て

飛車を呼んで

34銀で両取りです。ここでは大山先生は35歩(同飛24角)が必然ですが

76飛同金23銀成、歩切れですが成銀得です。

と金から右桂を逃げて54歩を突けば歩切れは解消できそう、つまり駒得が確定します。

大山先生は上と横から攻めるのですが、87金同玉89飛成は決め手になりません。

加藤先生は堂々と53歩成、歩を取ると5筋を乱されて

と金を一つ寄せられましたがまだ大丈夫です。19香を取られて84香があるので

金取りに銀を打ちました。

大山先生は55歩から87金ですが

桂香しかないので先手玉が寄りません。

52歩を打ったら堂々と取られて

22飛~53歩を利かされます。51金ならばまだ長いけれど見込みがないと

角で取って52金を取らせるというのは形つくりでしょう。

75角は詰めろでも桂香しかないので簡単に受けられます。

普通に62金でも負けですが

加藤先生は76玉、角を切って

追いかけても詰みはなく、後手玉は詰めろになっていますからここまで。

 

アマチュア好みの急戦向い飛車ですが、居飛車がおかしな手を指していなければ急戦策は無理です。加藤先生がプロっぽい指し方でとがめて勝ち切りました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1966/02/07
手合割:平手  
先手:加藤一二三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 2二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 5八金(49)
16 7二玉(62)
17 3六歩(37)
18 8二玉(72)
19 6八銀(79)
20 7二銀(71)
21 5七銀(68)
22 3二金(41)
23 6八金(69)
24 2四歩(23)
25 同 歩(25)
26 同 飛(22)
27 2五歩打
28 2二飛(24)
29 4六歩(47)
30 5四銀(43)
31 3七桂(29)
32 6五銀(54)
33 7五歩(76)
34 7六銀(65)
35 1六歩(17)
36 1四歩(13)
37 2六飛(28)
38 4三金(32)
39 9六歩(97)
40 9四歩(93)
41 3五歩(36)
42 同 歩(34)
43 4五歩(46)
44 5四金(43)
45 5五歩(56)
46 6五金(54)
47 4六銀(57)
48 2四歩打
49 3五銀(46)
50 2五歩(24)
51 3六飛(26)
52 2六歩(25)
53 2三歩打
54 同 飛(22)
55 3四銀(35)
56 3五歩打
57 7六飛(36)
58 同 金(65)
59 2三銀成(34)
60 2七歩成(26)
61 2五桂(37)
62 5一角(33)
63 5四歩(55)
64 3八と(27)
65 5七銀(48)
66 4九飛打
67 5三歩成(54)
68 5六歩打
69 同 銀(57)
70 4八と(38)
71 5七金(58)
72 1九飛成(49)
73 6五銀打
74 5五歩打
75 同 角(88)
76 8七金(76)
77 同 玉(78)
78 8九龍(19)
79 7七玉(87)
80 5二歩打
81 同 と(53)
82 同 金(61)
83 2二飛打
84 4二角(51)
85 5三歩打
86 同 角(42)
87 5二飛成(22)
88 7五角(53)
89 8七歩打
90 7九龍(89)
91 7八歩打
92 5一歩打
93 同 龍(52)
94 9九龍(79)
95 7六玉(77)
96 5七角成(75)
97 同 金(68)
98 9六龍(99)
99 8六金打
100 8五金打
101 6六玉(76)
102 投了
まで101手で先手の勝ち

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20190529今日の一手(その882);失敗したとあきらめないで

2019-05-29 | 今日の一手

20190529今日の一手

 

4月20日の名南将棋大会から、HさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩損ですが持ち歩があります。損得なしと見ます。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は28飛46角55銀で3枚。

後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

 

総合すれば先手やや有利です。

 

☆ 大局観として

問題図の少し前はこの図でした。

角換わりの将棋で46角(64角)が安定し、相手の攻撃をけん制できているというのは作戦勝ちなのです。後手から65歩同歩同銀と攻めてくるのならば喜んで対応できます。何度か書きましたが、作戦勝ちの時は相手から攻めてもらうのが理想で、この図は後手が歩を突き捨てて攻めてきそうなので大歓迎です。だから79玉とか67金右とかじっとしているのが正解です。

後手の立場で言えば、作戦負けの時は動かないで待っている方が良いです。玉の移動を考えると作戦負けが解消することがあります。

この図から24歩同銀55銀

55同銀同角で優勢、のつもりで動いてしまいました。でも63銀と引かれて当てが外れ、とりあえず44歩同歩と突き捨てたのが問題図です。

55銀が不安定な形で、銀ばさみで取られそうなのです。回避できるでしょうか。

喜んで仕掛けてみたけれど、見落としがあって「しくじった」という経験は皆さんお持ちでしょう。

それでもあきらめないで手を探してみます。まだ先手よしになる順があるのです。

 

 

○ まずは自然な順から考えるべきです。44同銀43歩

55銀54歩で銀が死んだ、とあきらめてはいけません。(もちろん問題図から読んでおくのですが)25歩を打てば後手は端を詰められているので13銀と逃げる手がありませんね。33銀同銀成同桂

これは先手の右銀と後手の左銀の交換です。2筋の歩を交換して14歩同歩12歩同香13歩と攻めることができますね。先手十分です。

 

後手が15銀と捨てたら

15同香17角

44角成とされたら馬が手厚いので面白くありません。

 

15同香としないで55銀54歩の時に15香

というのが正解です。55歩24歩同歩同角

これが王手になるのが都合の良いところです。33桂でも同角成同玉21飛成ですし、41玉や52玉でも51角成同玉21飛成としてしまえば良いのです。41銀45桂

桂馬も使えるので文句なしです。

 

後手が25歩を同銀としても

43銀成や53銀成も見えますが、単に25同飛44歩として24歩

24同歩同角は先ほどと似たような筋で角を捨てて桂を取り飛車を成りこめます。33桂と跳ねられても23歩成25桂32と同玉25桂

これはできすぎですね。

 

 

△か× 他の手として、79玉など

1手固めておきたいところではありますが、54歩44銀25歩15銀同香17角

79玉54歩が入っているために、馬を作られる変化を回避しにくいです。これでも29飛44角成24歩同歩同角41玉51角成同玉21飛成41銀

という図に持ち込めるのですが自信なしです。でも24桂42金32銀52銀

41銀成同銀32銀52銀で千日手になるかもしれません。ならば79玉は悪い手とも言い切れないのですが。

 

 

△か× 48飛は

先ほどの飛車を成りこむ筋を放棄しているのですが、54歩44銀43歩25歩15銀同香の時に

17角を打たれないということはあります。44歩24歩同歩12歩同香24角33銀46角14歩

飛車が2筋にいないので15香をねらわれそうです。13歩同香25桂15歩33桂成同玉35歩45香

先手が悪いとも言いにくいのですが、48飛が好手には見えません。

 

 

○ 工夫としては45歩と合わせます。

45同歩同桂54歩44銀43歩24角同歩53銀打

こうなるのが理想です。

 

54歩の催促で

44銀43歩25歩15銀同香

この時に17角~44角成というのが消えています。

 

後手が25歩に33銀でも

33同銀成同桂24歩同歩同飛23歩34飛

持ち歩を使ったので横歩を取ってみました。(後手の55銀に35角を作った意味もあります。)これでまあまあ指せそうです。

 

 

○か△ 22歩の利かしも入るでしょう。

55銀を取られても桂香を取ればよいです。22同金44銀43歩25歩15銀

15同香に17角があるというのは同じです。55銀54歩15香55歩24歩同歩同角33桂

22金の形なので24角の王手がより厳しくなっています。桂を跳ねて頑張ってみましたが、33同角成同玉45桂

玉がどこに逃げても22飛成で優勢です。

 

あるいは35角で

両金取りというのもあります。

 

良いことばかりのようですが、25歩に同銀ととるのがちょっと面倒です。

25同飛44歩の時に歩切れなので25歩と合わせることができません。よって53銀成同金25飛33桂28飛

62銀や35歩はねらえるけれど、44金とされたらどうなるか。形勢互角としておきます。

 

 

× 実戦は25桂と跳ねました。

桂は攻め駒になったのですが飛車が攻め駒と呼べません。手の調子として(少し前ですが)24歩同銀25桂というのがおかしく感じます。つまり自然な手ではないのです。

54歩44銀43歩に13桂成

銀を取らせている間に端を攻めようとしたわけです。13同香14歩(ここでも25歩のほうが良い)同香同香44歩

攻め駒4枚ではあるのですが、銀桂と香の交換では駒損が大きすぎます。終盤ワンチャンスありましたが、後手Kさんの勝ちに終わりました。

 

☆ まとめ

 

実戦心理としては、失敗したと思ってもあきらめずに最善を探す方が良いです。大山先生が「助からないと思っても助かっている」と言っていましたね。

探すのは自然な手からです。ちょっと失敗しているところなので、銀取りに構わず25歩を打つという不自然にも思える手を見つけねばなりませんが、「助かっている」のです。

 

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大山将棋問題集20190528

2019-05-28 | 大山将棋研究

先手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

少し駒得ですから受けます。

A 76金  B 85銀  C 77銀

 

第2問

 

ここも受けます。

A 57歩  B 48銀  C 76桂

 

第3問

 

ちょっと余裕ができました。攻める時にも守り優先です。

A 73角  B 46桂  C 45角

 

第4問

 

69歩成に対応します。

A 78銀  B 64と  C 85角

 

第5問

 

どこから寄せますか?

A 26香  B 67桂  C 69香

 

第6問

 

ここからは詰将棋です。読み切れますか?

 

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大山将棋研究(1264);中飛車に急戦(加藤一二三)

2019-05-28 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190528

昭和42年1月、加藤一二三先生と第16期王将戦第2局です。

大山先生はまたも中飛車、中央の歩を交換する型です。

加藤先生の52飛というのも何局か見ました。

これまでは後手が中央の位を取り、互いの飛は8筋へ移動する展開でしたが、大山先生の75歩をみて(94歩で誘って)、加藤先生は銀を前に出ました。56歩には64銀がぴったりしています。

56の地点に歩を打てましたが、6段目だと位とは呼ばないです。価値が高すぎるので取り返されるでしょう。

 

加藤先生は74歩同歩54飛、軽く指して

歩を合わされたら

74歩を払っておきます。銀を追い返されても

右桂を使えるのは良い調子です。

角筋が止まったままですが、桂を跳ねて

歩を垂らし

桂を交換して54桂を打ち

銀交換から66銀。激しく攻め立てます。

桂損でもここに銀を打てるので

銀桂と角の二枚換えです。これは互角とされますが、二枚持っている方が駒得です。

大山先生は駒得ですから銀を打って守ります。

加藤先生は攻めをつなぎますが、攻め駒は3枚しかありません。

大山先生はなるべくおとなしく、自陣に駒を打って守っておきます。

冒険せず歩を謝り

87角に66金は怖いところですが、何とか受かっているようです。

なるべく攻防に駒を打っておけば悪い手にはなりません。

加藤先生は角を切ったのではっきり駒損です。78角成ねらいを

68飛で防がれては金を打つしかなく

金銀交換から馬を作りましたが、馬は安定していません。66から銀を打てば

飛との取り合いですが、77銀成とできなかった(66角があった)のも苦しく

86銀成~76成銀では2手かけて76桂を取ったことにしかなりません。

両取りで飛を打ち込めばまだまだですが

68歩ではなく63飛成91角成でも45角があるから後手が良くはなりません。

85角を打たれ

成銀と金を取り合い

と金を払いましたが、やはり91角成というのが地味でも痛い手です。わずかな駒損ですが攻め駒の数が違います。

大山先生は馬を引き付け

26香から寄せの構想です。

76角の利きを生かすために銀をぶつけます。

67歩には65歩を打って角金交換ですが

竜を追って

23香成から決めに出ました。

攻め駒は豊富ですから桂も捨てて

45馬から銀を出て25銀を打ち、後手は受けきれません。

34桂を取り

35桂から24銀打、これを逃げると詰みはありませんが

清算すると

即詰みでした。

 

加藤先生がうまく攻めているようでも、角筋が止まったままで桂を跳ねるのでは早すぎるのでしょう。大山先生が受けきり、きれいに決めました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/01/24
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:加藤一二三8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 5四歩(53)
5 5八飛(28)
6 6二銀(71)
7 5五歩(56)
8 同 歩(54)
9 同 角(88)
10 4二玉(51)
11 7七角(55)
12 3二玉(42)
13 6八銀(79)
14 3四歩(33)
15 6六歩(67)
16 4二銀(31)
17 4八玉(59)
18 5三銀(62)
19 6七銀(68)
20 5二飛(82)
21 3八玉(48)
22 5四銀(53)
23 8六歩(87)
24 9四歩(93)
25 7五歩(76)
26 5五銀(54)
27 4八銀(39)
28 5六歩打
29 7八金(69)
30 7四歩(73)
31 同 歩(75)
32 5四飛(52)
33 5七歩打
34 同 歩成(56)
35 同 銀(48)
36 7四飛(54)
37 5六歩打
38 4四銀(55)
39 6五歩(66)
40 7三桂(81)
41 6六銀(57)
42 8五歩(84)
43 同 歩(86)
44 同 桂(73)
45 6八角(77)
46 7六歩打
47 8六歩打
48 7七桂成(85)
49 同 桂(89)
50 同 歩成(76)
51 同 金(78)
52 5四桂打
53 5五銀(66)
54 同 銀(44)
55 同 歩(56)
56 6六銀打
57 同 銀(67)
58 同 桂(54)
59 同 金(77)
60 7七銀打
61 7五歩打
62 6八銀成(77)
63 同 飛(58)
64 8四飛(74)
65 7七銀打
66 5六歩打
67 同 金(66)
68 5四歩打
69 6六金(56)
70 5五歩(54)
71 4八銀打
72 5六歩(55)
73 5五歩打
74 7六歩打
75 同 金(66)
76 5五角(22)
77 5八歩打
78 8七角打
79 6六金(76)
80 4四角(55)
81 7六桂打
82 6六角(44)
83 同 飛(68)
84 5四飛(84)
85 6八飛(66)
86 7八金打
87 6七飛(68)
88 7七金(78)
89 同 飛(67)
90 6九角成(87)
91 7九金打
92 6六銀打
93 6九金(79)
94 7七銀(66)
95 7三角打
96 8六銀成(77)
97 6四歩(65)
98 7六成銀(86)
99 6三歩成(64)
100 6七飛打
101 5九金(69)
102 6八歩打
103 8五角打
104 6九歩成(68)
105 7六角(85)
106 5九と(69)
107 同 金(49)
108 6三飛成(67)
109 9一角成(73)
110 5七歩成(56)
111 同 銀(48)
112 5一飛(54)
113 4六馬(91)
114 5五金打
115 3六馬(46)
116 6四龍(63)
117 2六香打
118 1四歩(13)
119 4六銀(57)
120 6七歩打
121 6五歩打
122 同 金(55)
123 同 角(76)
124 同 龍(64)
125 6六歩打
126 7五龍(65)
127 7六歩打
128 8五龍(75)
129 8六歩打
130 7四龍(85)
131 2三香成(26)
132 同 玉(32)
133 3五桂打
134 同 歩(34)
135 4五馬(36)
136 3四桂打
137 3五銀(46)
138 3三銀(42)
139 2五銀打
140 2二香打
141 3四銀(35)
142 同 銀(33)
143 3五桂打
144 3三玉(23)
145 2四銀打
146 同 香(22)
147 3四銀(25)
148 同 龍(74)
149 同 馬(45)
150 同 玉(33)
151 4五銀打
152 同 玉(34)
153 4六飛打
154 投了
まで153手で先手の勝ち

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