名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20170220今日の一手(その466);受けの比較

2017-02-20 | 今日の一手
20170220今日の一手

2月5日の名南将棋大会から、HさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手に持ち歩がないので、この瞬間は駒得なのですが、歩がぶつかっているので後手に持ち歩ができそう。(これは先のことを考えているので大局観が混じっているのですが)損得なしと見ておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒桂1枚。
後手の攻め駒は24角と持ち駒桂で2枚。42飛と54銀も攻め駒として数えられそうなところで、4枚に近いです。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手玉のほうが堅いけれど、後手に攻められている、という局面です。攻め駒が少ないので当面は受けておいて、その後で攻め駒を増やそう、と考えるのが普通です。

駒得にしてしまえば条件が2つ(駒得と玉の堅さ)上回ると考えるのは危険で、後手の攻め駒が4枚になるかもしれませんから、駒得よりも玉の堅さ(安全度)を重視するほうが良いです。

寄せ合いに行く、というのがないわけではなくて、4筋を攻められているので駒が入手できる、ということを見越して攻めを考えるのもあります。これは後手玉が薄いから。元は穴熊でもパンツ(21桂)がないし、金銀が離れているのですから、手が付けば速いです。
受けきりが期待できない場合は、寄せあいを見せてけん制するというのも受けのテクニックです。「攻めるは守るなり」といいますね。


× 実戦は25歩でした。

かなり強気ですね。33角なら4筋の圧力が緩和されます。引いてくれるわけはなくて、角を切って攻めてこい、ということでしょう。でも25歩自体は守りが強化されるわけではない(後で26に駒を打たれるかも)ので危険です。
46歩同金(24歩は47歩成、57金は45桂、46同銀は同角同金57銀)同角同銀47歩同飛35桂

というのがうまい手でした。35同歩に36金48飛46金

金銀と角桂歩歩歩の交換で駒得ですが、先手玉が薄すぎます。29桂に47金78飛37金

また格好良く攻められて敗勢です。


○ 自然な受けは45同歩で

だれでもこれから考えますね。先ほどと同じ筋で攻められるのは怖いです。45同銀46歩に同銀

同金同角同銀35桂同歩36金

先ほどとの違いは、26歩(と25歩)の位置、54銀が先手の持ち駒、後手が1歩多い、ということです。
これで48飛46金では自信がありませんが、43歩同飛54角

がぴったりです。

後手は43歩に47金42歩成同金

のほうがましです。しかしこの瞬間は先手の角桂得ですから、強く55角68飛48歩88飛成31銀

と寄せ合いで勝ちです。

55角に44歩なら

44同角46金31飛21飛65歩

33銀打に同飛成以下食いついていけば楽勝。

つまり45同歩46歩に同銀は無理な攻め方でした。引いても仕方ないので56銀のほうでしょうか。

これも強引ですが、56同金64桂65銀56桂同銀57金

は食いつかれている感じです。

64桂には45金

(あるいは55金か)とかわして、76桂77角

遊んでいた76銀が手持ちになった(攻め駒になった)計算ですから悪くないです。後手は攻め駒が増えていない(76桂は攻め駒ともいえない)ので、先手玉が薄くなったとはいえ、十分指せるでしょう。


△ 45同歩がつぶれる、という場合は(大丈夫でしたが)38桂と足してみます。

これで46歩にはどれでも取れるようになったわけです。46同銀45歩37銀33角

ならば桂馬を手放してしまったのが不満ですが、まだこれから。

46歩には同桂もあって、43銀なら44歩から34桂ですから、45銀しかないです。38金32金65歩52金67銀

こちらのほうが良いかもしれません。
どちらも先手がやや不満なのですが、これから。


△ 桂を打つなら57桂もあって

46歩同金45歩47金

これで駒組みになり、38桂よりも57桂のほうが使いやすいです。


× 35歩は同角で

場合によっては有効な、「大駒は近づけて受けよ」の手筋。でも36銀や36金としても逃げてもらえないですし、歩を渡すデメリットのほうが多そうです。


× 53桂はあるのですが

駒得は味が悪いです。後手は41の金は取らせにくいのですが、51金右41桂成同金で桂馬を攻め駒に加えるか、31金61桂成46歩

と手番をもらって攻めることができます。
46同金45桂同金同銀

という図は、57角成、35歩、46歩から47金、57金、など後手から有力な攻め筋が多く受けきるのは困難です。働きの悪い成桂得ではつり合いが取れません。


○ 角を使う65歩は

飛車先を止める受けの意味もあります。やはり46歩同金45桂

と攻めてくるのでしょう。45同金同銀43歩同飛44歩

角筋を生かして反撃できます。47歩の時に43歩成48歩成

と飛車を取りあったところで、この と金を手抜いて33桂31金32と

詰めろの連続で攻められます。先手玉が広くて詰めろがかかりにくい形ですから、寄せ合いで十分指せます。


☆ まとめ
どの受けが良いか、という問題でしたが

普通の受けは45同歩同銀46歩。引いてももらえるわけはなく、46同銀か56銀か。できれば問題図のところで大丈夫かどうか考えておきたいのですが、もとの形勢判断で悪くなければ、自然な手で悪くない(次善手以上になる)ことが多いです。

実戦の25歩は気の強い受けでしたが、強襲されて危険です。後手の攻め駒が4枚に近い時はやめておきましょう。後手の攻め駒が少なければ強い勝ち方になりますが。

自然な手ではつぶされると思えば、38桂とか57桂とか(58桂は68角成ができるので却下)、持ち駒を投入する受けです。ややつまらないですが、ほかの手段がだめなときは考えます。

35歩同角と近づけると角が当たってくるという場合もあります。この場合は歩を渡す悪手。

65歩は46の地点を放棄するようですが、後に44歩で飛車先を止められます。この場合は穴熊をにらむのでかなり味が良いです。その後の読みに自信があれば最強の手段でした。

受けになっていないのは53桂で、4枚で攻められそうですからやめておきましょう。桂を渡すか、手番を渡すだけです。

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20170218今日の一手(その465); 本当は受けるほうが易しい

2017-02-18 | 今日の一手
20170218今日の一手

2月5日の名南将棋大会から、SさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀歩と飛桂の交換で、馬を作りあっています。持ち歩があるので歩はカウントせず、先手が大きく駒得しています。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は78飛と持ち駒飛桂桂で4枚。7,8筋には歩を打てるので、攻撃力は十分あります。
後手の攻め駒は46馬と持ち駒金銀で3枚。

総合すれば先手が少し良さそうです。

☆ 大局観として
駒得で攻め駒も多いですが、玉の堅さが劣っています。問題図では王手ですから、しっかり受けて寄せ合いに行ければ優勢になるはず。
でも飛桂桂の持ち駒は受けに適していません。合駒には使いたくない駒なのでどうやって受けるか、という問題です。後手の攻め駒は3枚なので受けが利くだろうと思うのですが、3,4筋に歩が打てるのが強みで、歩の拠点を作られると受けにくくなります。
受ける場合は手が限られているので読みやすいです。合駒を打つか移動合か玉を逃げるか。有力なのはそれぞれ1つ(合わせて3つ)なのですが、どれがいいでしょうか。少し読んでみましょう。


× 実戦は37金の移動合。


当然39銀で、38玉と逃げてしまったので、28金49玉37馬

金銀を使わせても金銀をぼろぼろ取られますから敗勢です。

39銀には同玉しかありません。

37馬には金がないですし、28銀と受ける一手。36歩とつながれます。

37銀同歩成では後手の攻め駒が4枚。大駒がなくても上から押しつぶす攻めなら逃げきれません。38歩で受けられない形は一目つぶれています。つまり49桂47金68飛打48歩

これは受けなし。

飛車を38から打っても27馬

から37銀と打ち込まれてつぶれています。3枚の攻めでも後手に36歩が入ると受けに制約が多くなって負けるのです。


× 29玉と逃げると

37歩28金38銀

後手は持ち歩がまだ2枚あるのでがりがり削られて受けにくくなります。
39玉でも同じで、下に逃げて38銀が王手になる形は避けたいです。


○ とすれば18玉で

玉を逃げるならここが一番良さそう。36歩には47歩と打てます。57馬で

ここが悩ましいです。寄せ合いは37銀が嫌味でまだ早い。
よって49桂が手堅く見えるのですが67馬

から49馬は困りますし、桂を守れば飛車を取って攻められます。

36銀と歩を払うしかなさそう。

37歩同金48銀に27玉

として受けるのは良い勝負。後手の攻め駒はなかなか4枚になりません。

この途中で48銀に27金とかわすと、37歩

がうるさいのですが、攻めが遅くなったので寄せ合いにいけないか考えます。
82歩同玉(手抜きは81歩成同玉74歩同歩73歩と攻めていく)55馬

というのが見えますが、手堅く64金から38歩成で負け。

55馬ではなくて、74歩同歩86桂

がぴったりした攻めです。後手の38歩成~37と よりも速いでしょう。
73銀には85桂、64金には28金と一回受けて74桂か94桂か95歩を狙います。


× 17玉はひねった手ですが

19馬には49飛

というのが一応の狙い。
でも36歩47歩に19馬

があるし、考えない手ですよね。香を取られてはいけません。


× あとは合駒ですが、37桂は36歩で駒損して4枚目の攻め駒を与えますから受けが無くなっていきます。



○ 37飛は手堅い受けです。

元が駒得ですから飛車を打ってもいいでしょう。小駒で飛車を取られる筋(あれば45桂とか、45銀で36歩狙いには47歩64馬46桂で受ける)は大丈夫のようです。
37同馬同金49飛には38銀

69飛成49歩48歩25角59竜77馬

ととにかく受けてしまえばよくなります。長期戦なら駒得が生きますから。

後手の工夫は36歩を入れて

36同銀37馬同金49飛。これには55馬

として48銀38金37歩という筋を避けておきます。これは互角ですがまだ駒得ですし、と金を作る筋がなければ受けにも困りません。

なお37馬を同玉と取ると49飛


で、28玉には37歩同金48銀でつぶれ、47歩とかで46金を受けて入玉、というのはまだ上部開拓していないので時期尚早です。


☆ まとめ

受けるのは苦手だという方のほうが多いのでしょうが、受けの形が分かれば、受けるほうが深く読まなくても指せるものです。(私は読むのが苦手なので自分だけ攻めるというのが切れてしまうので嫌でした。攻め合いならどうにかなったのですが。)

有力なのは37金、18玉、37飛の3つだ、というのはすぐにわかると思います。(37に金か銀を打てれば一番ですがないものはない。)

37金が一番強い受けで、馬を逃げたり切ったりしてもらえば楽勝。でも39銀の手筋を何回か食らっていれば学習します。下に落とされると受けきれないことのほうが多くなります。玉を逃げられない(実戦では逃げて大丈夫だと錯覚した)ので39同玉37馬。78飛の横利きがあるものの、28銀と受けて36歩ではもうだめだな、となんとなくわかります。

次は37飛を考えます。馬以外の駒で飛車を取られることはない、と確認したら、37同馬同金か同玉か、相手にも手が多くなるので互角の変化だろうなあ、と判断します。

18玉を検討して、37歩28金は何とかなりそう、36歩に29桂ではだめそうだけど、46歩から馬を追って、と考えてこれも互角か。

ということで37飛か18玉の2択です。受けに自信があれば37飛以下受けるほうを選ぶし、寄せ合いにしたいなら飛車を温存してどこかで寄せ合いの筋を考える(問題図で82歩同玉74歩同歩86桂が見えていると心強い)のでしょう。少し進めて、その場その場で比較検討すればよいので、案外に考えやすいと思うのですが、いかがですか。


これを後手のほうから見てみると

この局面あたりから、(符号が逆ですが)77桂打76銀68飛

77銀不成同桂同角成64飛

64同金同馬

の問題図で指せる、まで読むのは大変でしょう。(実際にかなり駒損しているのでうまくいっているとは思えない。)合駒が悪くて73金に71銀が勝ち、なんて問題図の前からは読めません。
攻めると駒損になるのが普通なので、それでも大丈夫か、という読みの能力が重要になってきます。

これを回避するために、読みの不得意なタイプ(感覚に優れたタイプ)は攻めたいと思うなら定跡を勉強しておくべきだと思います。定跡そのままにならなくても、攻め方(攻めの手筋)がわかってくると応用が利くものです。うまくはまって形勢が有利になれば自然な指し手を心がければ勝ちやすくなるのです。
さあ定跡書を並べましょう。


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20170216今日の一手(その464); 寄せ合いか駒得か

2017-02-16 | 今日の一手
20170216今日の一手

2月5日の名南将棋大会から、MさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
少し前から

先手は平美濃(いわゆる飯島流引き角戦法)で、後手は穴熊で対抗しました。変則的(パラドックス)な戦法には正則的(オーソドックス)で対抗するのが一番良いと思っているのですが、パラドックスとパラドックスでした。この対抗は穴熊に囲うのに手数がかかる平美濃が悪くないと思います。(問題図でも41金が取り残されています。)
先手が飛車先を破って、後手は27歩から49角でいなそうとした図です。飛車を逃げるのもありそうですが、58角成の筋も嫌味なので飛車の取り合いで問題図。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず。馬と と金の作り合いです。損得なしと見ておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
(相手玉に向かっているものだけを数えて)先手の攻め駒は持ち駒飛角で2枚。
後手の攻め駒は45桂と持ち駒飛で2枚。

総合すれば先手が指しやすい局面です。

☆ 大局観として
22と と27馬のどちらが働くか。また、後手の45桂は先手の29桂よりもはるかに良いわけですが、41金は目標にされるので、メリットとデメリットどちらが大きいか。そういう比較です。
でもこう考えるのは難しいですね。

寄せ合いにするならば
駒の損得はあまり気にしない。駒得を狙わない。
当面は堅さで上回っているので寄せ合いなら分がありそう。
今は持ち駒飛角しかないけれど、もう2枚増やすにはどうするかを考えよう。

駒得を狙うなら
自玉が堅くなるような駒得はないか。つまり、相手の攻め駒を取る手、あるいは受けに適した駒を手に入れる手はないか。
相手の攻め筋を消しておくような手堅い手がないか。その後で駒をとれるようにしておけばよい。

このどちらかを考えます。

× 実戦は16角でした。

これは悪手とは言わないけれど、一手パスしている感じです。43角成もあるので、後手は16同馬同歩。馬が消えて駒得ではありますが、そこで27角と打つわけもなく、何か別の手を指しますね。56歩11と

と進みました。この局面は問題図と比べて香得で と金だけ残っています。だから駒得です。先手の攻め駒も3枚になりました。けれど後手番ですし、57歩成も見えています。2手かけた価値があるかどうか。後手も攻め駒が3枚に(27馬が手持ちの角に)なったので、先手が得をしたという感じがありません。
28飛に21飛同飛成同と28飛31と57歩成

後手が先に攻めることになりました。57同銀同桂成同金68銀58歩

58金引では同飛成で寄せられます。ここに歩を打つのは仕方ないのですが、57金の守備力が落ちました。
69銀不成同銀29飛成78銀打19竜

後手の19竜はぬるい手なのですが、歩切れでもあり、うまい攻めがなさそう。であれば41金は逃げるもので、ここで41と ならまだ難解だったのですが。手順省略でこの図

端を攻めて22飛と打ったら(31金もありそうですが)33銀と引かれて攻めが続きません。飛車を見切って攻めましたが届きませんでした。

先手としては1手パスで少し形勢がよかったのが難しくなった感じ。2つ前の図で(後手の19竜が疑問なので)41と と金を取るというのがよく、もう少しさかのぼって

28飛に31と ではなく22飛と合わせてしまえば と金を引き寄せる筋(22同飛成同と28飛23飛・・・)で駒損を防げました。

また、11と ではなくて21飛

とするほうが良いです。この先都合の良い順を書くと、52金11飛成28飛86香

角を打つ気にもならないので、72金と受けると61角62金左94歩

94同歩93歩同香72角成同金61竜71金(後手は受け駒角しかない)83香成

という寄せの筋が決まります。

後手はこの筋を食らわないように86香の前に57歩成

として難しいのですが、単に11と は寄せ合い負けになりそうですから、21飛52金は入れておくものだろうと思います。


○ 問題図で21飛

とするほうが(16角の一手パスをしていないので)よりよいです。52金に32とからと金が使えればよいですが今一つなので、11飛成28飛86香に51歩

と受けるのでしょう(72金はさっきやった61角の筋)。底歩を打たれるとかなり堅いのですが、56歩の攻め筋が無くなるので65角72金46歩

と桂を取りにいく手が駒得かつ守りの手になります。65角で29飛成も防いでいます。(打たないで29飛成に65角を狙うこともできます。)自然に桂香を得しているわけですから、後手玉が堅くなったとはいえ、悪い理屈はありません。桂を取ったら75桂の攻めがありますし、と金を寄せていくのもよいでしょう。


△ 11と もありまして

本来は遅い手です。でも21飛が両取りなので、28飛(あるいは49馬)以下21飛52金86香51歩65角72金46歩

と進めば2つ前の図とはあまり違いがないです。11の香を11飛成と取るか、11と と取るかの違いです。


○ 32とは軽い手で

52金には42と(馬金両取りの筋がある)62金左52と72金左21飛

金が逃げれば手順に追って飛車を打ち、61と で金を剥がせます。

後手は最初に32同金しかなさそうです。

51飛と内側から飛車を打ち込んで、49馬には53歩

で と金を作っての寄せを見ます。31飛同飛成同金41飛に52飛成

としてゆっくり指すか(後手の56歩が悩ましいので、先に59金引を入れておくべきかも)

最後52飛成ではなくて71飛成同飛62金

として寄せてしまうか。(52歩成は56飛があるので注意。)
離れ駒の41金や27馬を狙う鋭い寄せの筋がありました。


○ 46歩も駒得を狙っていますが

後手の攻め駒を減らす味の良い駒得です。45歩と取って銀に当たるので、1手で桂を取ることができる勘定です。28飛には65角52金21飛

45歩は焦って取る必要もなく、45歩同馬があるので少しゆっくり、角や飛を打ってから。前の変化に似ています。


○ 23飛は馬取りで

49馬に43飛成が両取り。でも42飛23竜56歩

は自陣飛車を打たせたとはいえ難しそうです。24角と打っておくのでしょうか。

49馬の時に59金引

が良さそうです。38馬なら後の56歩に58歩と受けることもできて、かなりの得。59同馬同銀は駒得で、45桂の目標が消えた感じ。と言って後手は23飛に28飛と使うと43飛成が両取り。駒得になる手があったのですね。私はこういうのが気がつかないです。


☆ まとめ

実戦の16角は一手パスです。中盤なら馬を消しておくのもよい手ですが、終盤の手ではありません。(ただし形勢は悪くなったわけではありません。)

11と と香を取るのは将来 と金が攻め駒にならないので本来は緩手。でも飛車打ちが両取りになるので、この場合はまあまあです。

21飛と打つのが一番自然に見えます。52金と守りに使われるのがしゃくなので、実戦では避けたのだと思うのですが、11飛成として攻め駒3枚。22と を使えば4枚です。穴熊を固められたら46歩から桂を取ることを考えれば楽に勝てます。このときは飛角桂香4枚で攻めるわけです。

32と が(うまくいくなら)指してみたい手で、22と を攻めに使いたいなあ、と思えばすぐに浮かぶでしょう。金を逃がすのですが、両取りの筋でどんどん追えます。32同金なら金が遊ぶので寄せられないかと考えて、51飛から53歩です。

46歩は、後手に56歩と垂らされる前に桂馬を取ってしまおうという手。11の香よりも45の桂馬が働いている(後手の攻め駒)のですから、価値が違います。45歩と取れば銀取りなのですから、1手で取れるようなもので、かなり味の良い駒得なのです。(「駒得は味が悪い」と何度か書きましたが、味の良い駒得なら積極的に指したいです。)穴熊攻略には桂香のほうが使いやすいということもあります。

23飛で両取りの筋なんて、私にはなかなか浮かばない手なのですが、49馬に59金引まで指せれば優勢になりそうです。


寄せ合いならば、21飛が自然な手(ただし受けられると長期戦で駒得も目指すことになる)、32と が好手。
駒得を狙うなら、16角は疑問手、11とは本来は疑問手、46歩は自然な手、23飛は好手。
でした。
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20170214今日の一手(その463); 筋の悪い手の組み合わせ

2017-02-14 | 今日の一手
20170214今日の一手

2月5日の名南将棋大会から、HさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は25銀55角で2枚。
後手の攻め駒は45桂と持ち駒銀で2枚。13角と33飛は今は働いていませんが36歩と突けば攻め駒になります。

総合すれば先手が指しやすい局面です。

☆ 大局観として
後手は32金が囲いから離れているので玉が薄いのですが、石田流から左桂を跳ねてどんどん攻めようとしたようです。先手は玉が堅いものの、攻め駒は少ない(29桂が攻めには働いていない)ので当面は受けるしかなさそう、なので交換した銀を25に打って守りを強化した、という図です。
普通の形は25に歩があるのでここには銀を打てないのですが、元は77飛戦法(本来は先手後手が逆)

だったのです。飛車先を交換して石田流のようになりました。後手Iさんは24飛とぶつける筋で25に歩を打たせるべきだったのでしょう。(後手は33飛の途中下車、24飛~34飛で3手かかり、先手は24歩の交換で手順に26飛と出来たので25歩と打った1手の損、あわせて先手の2手得ですが。)つまり問題図までは先手のAさんがうまく指していてかなりの作戦勝ちでした。

25銀と持ち駒を打つこと自体は損な手です。後手玉を寄せるのに役立つならばよいのですが、ここに打った以上はなにか代償がないといけません。(寄せになり、攻め駒を後手玉の囲いに利きのあるもの、で数えなおせばこの銀は入らない可能性が高い。)先手玉を固める駒にはならないのですから、駒得を目指す、というのがその目的です。どの駒を取りましょうか、という問題です。


× 77桂など待っていると、36歩同歩57桂成

と駒得(成桂ができた、あるいは金と交換できた)で攻められます。これがまずいのはすぐわかります。


× 66角と備えても、36歩同歩57銀

と打ち込まれるのは嫌ですね。これも駒損になりそう。


△ 46角なら

受けに利いています。36歩に13角成同香36銀

ならば歩切れの後手にたいした手がありません。先手の1歩得です。

おとなしい手ですが、15歩があるし、31角なら68角54歩46歩

という感じで桂馬を殺せそうです。


× 実戦は44角と1歩を取りました。

後手は当然36歩で、これに24歩

と頑張りました。37歩成なら飛車を取って攻められます。22角23歩成(飛車は取りにくい)同飛22角成同飛

と進んだ図は、歩得ではありますが、後手に持ち歩があります。駒得にもなっていなくて後手にさばかれたので大失敗。(後手は飛角銀桂が攻め駒、先手は持ち駒角くらいしか攻め駒といえない。)

途中23歩成では36歩

と取るほうが良いのでしょう。43飛なら22角成同金66角

とするくらい。とにかくこの筋に先手で角を据えてさばきを抑えるしかないです。


△ 14銀と歩を取る手は

対抗型ではまず見ない手なのですが、24角には25歩で角が死ぬのでどうにかなりそう。
22角25銀54歩44角36歩同歩

43金66角(すぐに飛車を取らないほうが良い)32飛22角成同飛

66角21飛64角35歩

という進行でしょうか。とにかく後手に歩を渡さないこと、飛車をさばかせないこと、を心がけ、桂馬を取り切れれば優勢です。先は長そうですが。

なお、14銀22角25銀13角は続ければ千日手ですが、1歩もらったのは得なので、他の変化を探すことになりそうです。


○ 最後は46歩。

Aさんが重い銀を打ったのは、この歩を突きたいのだろうと思ったのですが(なぜか44角でした)。
37桂成同桂36歩に同銀

と取れます。54歩44角46角には38歩

これは桂得です。38歩は悔しいですが、銀を引けたので少し我慢です。35銀と打たれるのは嫌ですが、同銀同角に74桂

で、取れば35角から王手飛車、92玉には33角成~82飛93玉81飛成で勝ち。

戻って、46歩37桂成同桂36銀は

36同銀同歩25桂

がぴったりです。

もっと戻って37桂成の筋は怖くないので、36歩を見てみます。

36同銀57銀に45歩

これで74桂の筋があります。つまり、58銀不成同金68金に74桂92玉95歩54歩94歩

と踏み込んで、銀を持っているので詰めろですから先手の勝ち。

後手はどこかで(36歩の前か、金を取る前か)54歩44角を入れて

迫るのですが、47銀がぴったり。58金同銀68角成69金

として、24馬(くらいしかない)に同飛同歩17角打

この角筋が止まらず、4枚の攻めで寄せられます。

なお、68金に25桂は

58金13桂成同香62銀・・・として勝ちそうですが筋が悪いです。


☆ まとめ

その前に、おまけの話。

問題図の前で

25銀33飛としたのは、ここで46歩は37桂成同桂36歩

が怖いからだろう、と思うのですが(そうではなくて、25銀33飛44角で1歩得でよし、とみていたのならかなり筋が悪い)ここで25銀も同じようなことになりそうです。
でもよく見れば74桂92玉95歩

で54歩にも94歩が詰めろなので先手の勝ち。

ということは46歩に54歩を入れて

66角に(36歩は同飛なので)37桂成同桂36歩25銀33飛34歩36銀46角47金

という進行が普通かもしれません。戦いの中でも25銀は入りそうなのですが、54歩に66角くらい(44角とできない)ではつまらない、そこまで読んで25銀33飛46歩を選んだ、とすればAさんはかなりの強豪、という話でまとまったのですが。
でも25銀を打たないで46歩はかなり怖いです。桂馬を入手して74桂の筋で寄せてしまおう、という強い手でした。


☆(今度こそ)まとめ
25銀と打ったのは、36歩や37桂成の筋に備えるためです。備えたのですから46歩と突いてみたい、というのが本筋です。
なお、これは形勢が良い(少なくとも指しやすい)から選択できることで、自玉が薄い場合、あるいは後手玉が堅い場合、あるいは後手に持ち歩がある場合なら考えないほうが良いです。後手は飛角銀桂で攻められる(石田流としては理想)のですから。

25銀というのは筋の悪い手でして、一つ筋の悪い手を指すと、次も筋の悪い方に進んでしまうというのは将棋の面白いところです。その筋悪の銀を生かすのは何か、という問題でした。

筋の良さそうな77桂や66角などは攻められて悪くなります。(25銀を打っていなければ36歩に同飛などもあり、戦えます。)

44角と歩を得して角を働かせるのは本来筋の良い手。でも次に飛(本譜は角交換になりましたが)を取ったら25銀が空振りになるので悪い組み合わせなのです。さばこうとするとさばかれてしまいます。

25銀から14銀なんてかなりの筋悪なのですが、結構有力です。

46歩は飛角の利きを止めてしまうので筋としてはよくないです。55角を追って36歩同歩46角とさばかれそう。あるいは37桂成同桂36歩という手筋を食らいます。
でも25銀を打ってあるので36歩は同銀と取ればまあまあですし、55角を追われた調子で44の歩を取って桂馬の支えが無くなります(36銀から45銀が可能)。だから25銀と46歩の組み合わせはあり得る手なのでした。
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20170212今日の一手(その462); 寄せ合いの基本

2017-02-12 | 今日の一手
20170212今日の一手

1月22日の名南将棋大会から、AさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
2つあげましたが、最初はこれです。

☆ 形勢判断をします。
銀と歩歩の交換で、竜を作りあい、先手は と金もあります。歩はカウントせず、と金が使えるわけでもないので先手の駒損です。とはいえ終盤の寄せ合いですから重視しません。(入玉も見た長期戦になるなら話は別です。)
玉の堅さは(相手の駒を考えないで)同程度か、後手のほうが銀1枚多いとみるか。
先手の攻め駒は32竜22金と持ち駒角桂で4枚。
後手の攻め駒は79竜と持ち駒角金香で4枚。互いに攻め駒は十分あります。

相互すれば後手がやや有利です。

何手で詰めろになるか数えたほうが正確で
後手玉は32竜~26歩で詰めろ。現状3手すきです。
先手玉は27歩成同金39角以下詰めろです。27歩成同玉も詰みです。1手すき。
今は先手番ですが、このままの寄せ合いは負け、というか詰まされますから先手不利です。

☆ 大局観として
大局観というか、寄せ合いの基本ですが
今は先手が不利で、2手の差があります。(不利というか敗勢というべきかも。)手番があるので
1手受けて2手すき以上にする、というのが(受けるとすれば、この場合は詰めろなので受けるしかなく)必要条件です。1手受けただけで3手すき以上にできれば少し改善し、4手すき以上にできれば逆転します。
また、1手受けて2手すき以上にして、かつ相手玉を2手すき以下にするというのも差が1手つまり、もう一回やれば逆転です。
当然ですが勝つまでの条件は厳しいですね。


× 32竜と銀を取ると後手玉は2手すき。でも

27歩成同金39角18玉28金

清算して25香から合駒を取って29竜の筋で詰みがあります。


△ 自然な受けは26歩です。

これで後手玉は2手すきになりました(次に32竜で詰めろ)。先手玉は詰まないので2手すき以上のはず。
27歩同金に39角では続かないので48角。

39角成18玉17香の筋で詰めろです。これに197玉の早逃げが好手で、29竜に32竜

後手玉が詰めろになりました。先手玉は19竜18桂39角成28角で

詰みはないです。後手玉は25銀に13玉で詰まなくなった(角を使わせたので)のですが、23金同銀25歩で詰みます。
とうまい受けを2回やったので先手の逆転勝ち。

でも後手がこの筋に気が付いたら27歩同金に41金

と受けに回れます。竜がいなくなれば後手玉が安全になります。32竜同金同金は仕方ないです。

持ち駒が増えて先手も受けやすくなったのですが、48飛38金49飛成39桂66角57銀77角成

とゆっくり攻められると駒損で不利です。持ち駒を使わせられたので寄せ合いになりません。

なお、最後の77角成と桂を取る手で、57同角成同香48銀で寄せに行くと、67角59竜34角

という逆転の筋があります。蛇足ですが。


× 実戦は39桂と受けたのですが、

27歩成同金48角

この桂取りが受かりません。17玉と早逃げの手筋も39角成28歩25香


あるいは39角成に28角合でも25桂26玉37桂成

という筋があり先手の負けです。(実戦で48角の後にどう終わったのか不明ですが)


○ 先手が勝てるのは57角です。

後手は(27歩成同金はいつでも入れられるとしても)この竜を取られると手掛かりが少なくなってしまいます。49竜くらいしかなく、32竜に27歩成同金26歩は詰めろ。(つまり49竜~27歩成同金26歩で詰めろなので、57角と打ったところで先手玉は1手すきから3手すきになった)
26同金25歩27金26香

までいうことを聞いていると負けのようなのですが

どこかで(前の図からでもよい)36桂

と打ってみると、36同歩45歩35香23金

という詰みがあります。

つまり57角は先手玉の1手すきを3手すきにして、後手玉の3手すきを2手すきにした逆転の好手だったというわけなのです。(問題図の前、後手は88の竜を79に潜ったのですが、89竜や99竜なら79歩を打って同竜に・・・とはいかず、41金で後手の勝ちだったか、とさかのぼります。)


一昨日はもう一問ありました。

後手が59の金を取ったところです。
☆ 形勢判断をします。
飛桂歩歩と角銀の交換で、馬竜 と金を作りあっています。駒の損得はほとんどありません。
玉の堅さは(相手の駒を考慮しないで)角や馬が利いている分だけ先手玉のほうが堅いです。
先手の攻め駒は62と と持ち駒金銀銀香で5枚。
後手の攻め駒は59竜と持ち駒金金金で4枚。

総合すれば先手がやや有利か。

何手で詰めろか数えてみると
後手玉は詰まず、72銀とか84歩とかで詰めろ。現状2手すきです。
先手玉は、詰めろですね。

先手番ですが、このままの寄せ合いは先手が負け、というか詰まされてしまいます。1手の差があり、後手が有利です。

☆ 大局観として
これも寄せ合いの基本です。
今は先手が不利です。手番があるので(受けるとすれば、今は受けるしかなくて)1手受けて2手すき以上にすることが必要条件。
1手受けて3手すき以上にすれば逆転です。(必要十分条件)
また、1手受けて自玉を2手すきにして、後手玉を1手すきにすることができればこれも必要十分で、逆転です。この場合は詰めろ逃れの詰めろといいますね。


× 実戦は72銀と打って詰めろをかけましたが

これが後手の狙っていたところ。85金同玉84歩

持ち駒の金を1枚節約できるので詰みがありました。Aさんのうっかり読み抜けです。


× 84の地点を受けるしかなさそうですが、75銀では68竜

87銀85玉84金同銀74金、という筋、75の駒が銀では死角を突かれます。


△ 75馬のほうが良いのですが、68竜に84歩

は詰めろです。でも86金同馬87銀同馬85金同玉84歩

というぴったりの詰み筋があり(68竜が詰めろだったということ)、残念ながら負け筋です。(実戦なら間違えてもらえるかもしれませんが)

また、75馬68竜に94歩は詰めろのがれの詰めろのようですが、84銀

と受けられるのが攻防(詰めろ逃れの詰めろ)で、これもうまくいきません。


○ 正解は86香

これは83香成以下の詰めろで、84の地点を受けています。詰めろ逃れの詰めろですね。なお85香でもよいです。
後手は金しかないので(金を渡せないので)受けがありません。飛金歩以外の駒を持っていればまだなにかあるのかもしれませんが。



☆ まとめ
終盤の問題が続きましたが、寄せ合いの基本がわかっていただけたでしょうか。
互いに攻め駒が4枚以上あって、王手のかかるような状態になれば寄せ合いです。
自玉敵玉が何手分(王手が入れば相手の応手も含めて1手分と数える)で詰めろになるかという計算からスタートします。これで形勢判断を兼ねます。

○手すきが同じ(あるいは上回っている)なら手番のある方が有利で、自分が有利であれば寄せのセオリーを意識しつつ、順番に考えていけばよいです。

自分が不利な場合は、1手かけて自玉を○+1手すき以上にするように受けることが(どこかで)必要になります。1手かけて自玉が○+2手すき以上にできれば、1手分形勢が近づく、あるいは逆転します。
あるいは攻防の手で、1手かけて自玉を○+1手すき以上にするように受け、かつ相手玉を○-1手すき以下にできれば、これも1手分形勢が近づく、あるいは逆転します。
ちゃんと言葉にするとややこしく見えますが、形勢逆転のためにはしっかり受けるか攻防の手を指すと覚えておけばよいでしょう。

今回は攻防の手が出てきたわけですが、多くの場合は飛び道具(飛角香、まれに桂も)が主役になります。
対抗型などの互いの玉頭が絡む場合は、その玉頭を制することで攻防になる場合もあります。
また、自玉が早逃げして、相手の攻め駒を手に入れたり、その逃げた玉が詰みに役立ったりという例もあります。これが飛び出すと終盤がさらにスリリングになるわけで、面白みが倍増しますね。

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20170210今日の一手(その461): 詰めろのかけ方

2017-02-10 | 今日の一手
20170210今日の一手

1月22日の名南将棋大会から、OさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

今日はもう一つ。同じテーマです。

AさんとOさん(再び登場)の対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛桂と角歩の交換で、歩はカウントせず、馬と成香を作りあっています。少し駒損ですが、終盤でこれくらいなら考慮しなくてよいです。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は41角31銀と持ち駒金香で4枚。52馬は予備です。
後手の攻め駒は48成香と持ち駒金銀桂で4枚。98飛44飛は予備です。どちらも十分な戦力があります。

総合すれば互角です。

終盤の寄せ合いでは何手で詰めろになるか数えたほうが正確です。
後手玉は22角成同銀32金で詰めろ。現状は2手すきです。
先手玉は39成香で詰めろ。現状は2手好きです。
どちらも2手すきで先手番ですから先手有利です。

☆ 大局観として
終盤の寄せ合いで大局観は必要ないですが、一応書いておくと
互いに戦力が十分あるのでどちらが先に寄せるかの勝負。
穴熊なので逃げ出して入玉にはなりにくい。
形勢有利なので、素直な寄せ合いでよさそう。
次に先手玉が詰めろになるので、王手か詰めろの連続で迫れれば勝ち。

この場合は有利なので必要ないのですが、自分が不利な場合は
詰めろが続かない場合は受けて3手すき(現状+1手すき)以上にする。4手すき(現状+2手すき)以上にできれば逆転する。
攻防の手があると逆転する。(自玉は+1手すき、敵玉は-1手すき)

という理屈を理解できれば終盤がわかるようになります。

先手有利なので素直に寄せていけばよく、意味がわかりやすい終盤だと思います。ただし詰めろを続けていくのは結構難しいです。


× 48同金は同飛行成

で、先手玉は詰めろ。受けなしです。香を手に入れましたが後手玉は詰み筋がありません。これは明確な負けです。筋としては香を補充できますが、持ち駒に香がありますし、質駒を取るのは考えなくてよい筋です。


× 実戦では53馬でした。

これは詰めろではありません。だから悪手です。当然の39成香(詰めろ)に22銀成同銀を入れて39銀。ここで28銀以下詰みがあったのですが、15桂(2重に詰めろ)28金37銀

これは37同金で28銀以下詰みだと思った錯覚だったそうですが、正しい手で詰めろ。37同桂に49飛成(詰めろ)29金打

28飛成同銀38金

以下も うまく王手や詰めろの連続で寄せられました。どこかで41飛もあるので後手に余裕があるのですが、15桂はともかく、駒を渡してもいいから詰めろをかけていけば勝ち、という穴熊(後手玉がゼット)らしい勝ち方でした。


× 53馬よりも45歩のほうがましですが

これも詰めろではありません。飛車の位置が変わると詰めろに関係してくるのですが。
39成香(詰めろ)同銀41飛に同馬が仕方なく、38金

これが詰めろです。38同銀と取ると28銀同玉39角37玉(39同玉は48金の筋)48角成

ぴったり詰んでいます。

28金と打っても

39金なら64角で粘れるかもしれません。でも28同金同銀同飛成同玉38金同玉46桂

以下詰みです。
44の飛がいなくても、後手の持ち駒が増えると39成香同銀の形で詰みがあるということなのです。(38金28金同金同銀以下は1枚節約できたということ)


× 私は見ていて22銀成だと思ったのですが

22同銀32金は詰めろ。でも31銀打

で詰めろが続きません。金が銀に替っていくと詰めろがかけにくいのです。22金同銀32金31銀打というのは千日手にならないで詰めろがかからなくなっていくのです。


○ 正しいのは32金打です。

22銀成同銀32金に比べると重い手なのですが、穴熊は玉の逃げるところがないので、重い手のほうが良いのです。これなら31銀打という手が出現しません。受ける余地を無くしているのですね。
詰めろですから受けるしかなく、32同金同角成22銀打

22同銀成同銀までは必然で、この次が難しいです。42銀(詰めろ)は31銀打などを消していますが33銀打


これは銀を剥がして打ってで千日手。

52の馬を使いたいので53馬は有力です。

39成香は22馬同玉44馬33金32金

以下は32同玉43銀同金22飛とやっていって詰みです。つまり53馬は詰めろ。

53馬の時に後手は受けないとならないのですが、33銀打は

44馬(21馬同玉41飛以下の詰めろ)同銀22馬同玉52飛32金43銀

これは金銀打換えの筋で寄りです。すなわち31金32銀成同金43金31銀32金同銀31銀

の形で詰みです。よって先手勝ち。

ですが53馬に31金というのが難しくて

駒得にできるのですが、後手玉に詰めろが続きません。33銀32金同成銀31銀

このあたりで詰めろが途切れます。33同馬同銀44馬から受けに回って・・・というのは難解。

いろいろ検討して、53馬ではなく22馬同玉と清算して43金

が正しいようです。これは31銀以下の詰めろ。31金に42銀と打って詰めろ。32金打31銀不成同金42銀

後手は金が無くなって受けが無くなります。

31銀42銀32金

と31の駒を銀ですませば千日手が期待できますが、32同金同玉41馬という筋で詰みます。31の駒は金で無いとだめなんです。

また、31金でなくて64角でも42銀

が39成桂なら32金同玉41馬

と同じような筋で詰みます。


☆ まとめ
問題図を見て、王手または詰めろを続けないといけないのだ、というところまでは自力でわかったでしょうか。
すると22銀成を考えるのですが、22同銀同銀32金に31銀打で、その後詰めろが続きません。31に駒を打たせると攻めにくいのです。

よって32金と重く打つのが好手です。ここまでは選択肢が少ないので(気が付けば)わかりやすかったと思います。その先を読み切れれば全国レベルの終盤力でしょう。

穴熊の場合、得に相穴熊ではこういう詰めろ、それに受けがある、いや受けがない、というのがぱっとわからないと指しこなせません。アマチュアは短い時間で判断しないとならない場合がほとんどですから、プロよりも条件が厳しいです。

訓練方法としては、こういう終盤の細かい変化をしっかり検討するのが一番です。その時にはわからなくても(読み切れなくても)、こういう形はこういう手が好手になりやすい、悪手になりやすい、というのを覚えていくのです。その正しそうな手で詰めろになっているかどうかを確認していくわけです。
経験値をためるなどと表現されますが(変な日本語ですね、経験を重ねるというのが本来ですが、RPGの影響でしょうか)、相穴熊では経験値は必須です。

検討するのは楽しいですが、私は不得意なので避けています。まだ穴熊ではない攻め合いで、攻防の手が出たりするほうが、読みよりも経験を生かしやすいのではないかと思うのです。
ベテランになると読みのミスも出てきやすく、若くて読みの得意なタイプが選ぶべき戦型なのだろうと思います。(先手Nさんは20代、後手Kさんは小学生でした。)

毎日大山先生の棋譜を並べて(記事にして)いますが、若いころには経験のない穴熊で、(まだ強い晩年ですが)読みは衰えてきているので、大山先生に穴熊は向いていないのになあ、と思って並べています。美濃囲いでも、かわす技術、固める技術があればこそ、とても堅く思えます。


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20170208今日の一手(その460): 穴熊ゆえの攻め

2017-02-08 | 今日の一手
20170208日の一手

1月22日の名南将棋大会から、一昨日の問題の終盤です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同じくらい。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚、49飛はすぐに働きそうではありますが。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
相穴熊の将棋は玉の堅さを重視します。また、攻め駒が4枚になることは少なくて3枚くらいで攻めているほうが多いかもしれません。互いに玉が堅いのに攻め駒が少ないのはおかしいのですが、飛角桂くらいで攻めても自玉を考えないでよいなら案外に手が続くものです。この裏で、一方的に攻められないようにしないといけません。
形勢は互角なのですが、45歩と63歩の拠点があり、攻め駒の使いやすさで先手のほうが上回っているので、実は先手が指しやすくて後手は指し方がまずいのではないか、という気がします。

玉を固めてよし、と言ってよいかどうか。だめなときは攻め駒を増やすことを考えます。


× 何か待っている手は、例えば36歩に66歩

が嫌な手で、96歩なら55歩同銀67歩成同金58角

という筋があります。これに対応できていないといけません。

なお、88角と打ちこむのは77角同角成同桂88角68金

で大丈夫。


× 65銀と歩を取っても66歩

の時に対応が難しいです。


△ 実戦は69飛と使って

78角に65飛89角成85飛82歩

大きく飛車をさばきました。ここでどうするか難しいところですが、実戦は71角で、83桂65飛99馬62歩成64香

85飛と逃げて悪くはないけれど優勢まではいかないという中終盤になりました。
飛車を逃げずに63と65飛53と

と踏み込んで、72飛43と同金26角成

ならば優勢でした。玉の堅さが違いすぎます。64歩からゆっくり攻めれば楽勝。

後手は83桂なんて指したらいけません。99馬と取って

桂香得を主張すべき。82飛成はやりにくいですから、82角成66馬83飛成94馬

というくらいで互角でした。


○ 問題図では一目77桂です。

先手だけ左桂を使えるのです。先逃げの64銀ならいろいろありますが51角

から62歩成で良いでしょう。

66歩なら

65桂64銀44歩同銀62歩成同飛71角

という筋で攻めることができます。41飛に44角成同金53銀

43金引42銀成同金引62飛

で両取り。これは駒得で攻められそうです。


× 71角は

72飛の時に53角成同金44銀

は派手に攻めているようですが、44同銀同歩42歩

では後続がないです。

72飛に44歩として

44同銀左同飛同銀62歩成と攻めるほうが良さそうですが

71飛同と88飛

71と は穴熊攻略に使えないので駒損で苦しくなりそうです。


△ 83角はないことはなくて

66歩には65角成です。88角に61角成99角成62歩成同銀72馬

これなら互角です。


☆ まとめ

玉を固めて待っていると66歩~55歩~67歩成と乱されます。角の打ち込みもあるので、この筋は案外に受けにくいです。

先手だけ左桂が使える、と気が付けば簡単です。後手は作戦失敗しているのです。穴熊の22銀を33に上がらされているのですし。

実戦の69飛は、盤面を広く見て飛車をさばくので良さそうな手なのですが、後手に桂香を拾われます。先手は82歩と我慢されて飛車の侵入がスマートにいかないので難しい形勢でした。ただし後手が83桂と打ってもらえば有利になるはずで(これは攻め駒にはならないし、しっかりした受けでもありません)、飛車を捨てて と金を使うのは穴熊の常套手段であったはずです。

71角から攻めるのは飛角だけですからさすがに攻め駒不足。

83角から65角成でよし、ならよかったのですが、これは88角から駒の取り合いになります。

左桂を使って飛角桂プラス63歩や45歩を使って攻めれば攻めは十分続きそう、これは穴熊だからです。飛車や角を切っても食いつけばよし、という展開になりやすいです。(56の銀を攻めに使えるかもしれませんが、どちらかといえば守りに使いたいです。)
穴熊とはいえ3枚の攻めは細いので、しっかり読んで攻めが続くことを確認できる人向けの戦法です。問題図ですでに後手が悪くなっている、その前の段階で気が付いて、先手なら問題図まで誘導できる、後手なら問題図を回避できる、そういう人でないと使いこなせません。
相穴熊(美濃囲いと左美濃でも同じこと)では少し差ができるとあっという間に形勢が離れていきますから、読むことが得意な人用の戦法で、当然私は手を出しません。

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20170206今日の一手(その459): 形勢判断から大局観へ

2017-02-06 | 今日の一手
20170206今日の一手

1月22日の名南将棋大会から、NさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは(72飛も入れれば確実に)後手のほうが堅いです。72飛を入れなくても少し後手のほうが堅いでしょう。
先手の攻め駒は24飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は72飛と持ち駒角で2枚。

総合すれば互角かやや後手もちです。

☆ 大局観として
先手玉が不安定なのですが、角交換で飛車をさばいて2筋を謝らせたところです。(15角とぶつける筋でした。)
駒得を目指すなら、飛車を成るか、33の桂を取るか、ということを考えます。
玉を固めるのもありそうで、68金右~88玉までできれば後手玉よりも堅いですよ、と主張できます。
攻め駒を増やすなら右桂や57銀を使う、というのが常套手段ですが、それは難しそう。であれば と金を作るか、33桂あるいは11香を取る、ということを目指すのでしょう。
どれもあり得ます。

後手からの手段は何があるか、というのがわかりにくいのですが、76の地点を攻めるのはよい手が見えないので、64角でけん制するほうでしょうか。33の桂馬がさばけるとか、飛車が転回して成り込むとか、そういうのが理想ですから、42飛とか、46歩同歩45歩とか、という攻め筋ができるかどうか。

当面は64角にどう対応するかを考えておいて、駒得か、玉を固めるか、攻め駒を増やすか、ということになります。この場合は駒得と攻め駒を増やすということが重なりそうです。


× 実戦は23歩でした。

これはもちろん取ってもらえなくて、22歩成~11と~21飛成、あるいは22歩成~32と~33と などを目指しています。そこまで4手か5手か かかって攻め駒が増えたり駒得になったりする手なのです。この間に後手にうまい反撃があると悪くなります。
64角に37角同角成同桂35歩

桂を跳ねさせられ、その頭を狙われました。これで後手も駒得や攻め駒が増えることになります。
22歩成36歩11と37歩成

これは と金の働きが違います。後手だけ と金が攻め駒になっている勘定です。以下は手順省略で

端を攻めて攻め駒を増やそうとしたのですが、直前に66歩が入っていて、77歩のたたきが厳しい手になりました。二人掛かりで寄せているようなものです。これでは明らかに後手の寄せのほうが速いです。

戻って、桂の頭を狙われるくらいなら64角に17香

とかわしておくほうが良さそうです。19角成22歩成28歩32と29歩成33と

これなら互角に戦えました。玉が薄いのは変わりませんが、と金の働きやすさが違うのでまあまあ。

17香の時に42飛

が嫌な手で、22歩成に46歩同歩同飛

で、取れば王手飛車。

22歩成を急がないで、88玉など王手飛車を避けても(42飛に88玉46歩同歩)46同角

という図は後手の飛車がさばけています。45同角同飛22歩成に69銀

とどんどん攻められて敗勢です。

ということは64角に22歩成19角成32と

しかなさそう。これで玉が薄い分だけ少し悪いけれど、戦えないことはない、という感じです。


○ 35歩のほうが筋が良くて

23歩~22歩成~32と~33と よりも35歩~34歩~33歩成 のほうが(22歩が残るので飛車が成りにくいけれど)早く桂馬を取れます。
64角17香19角成34歩

という図は、22歩が残っているために28歩と指せないから、先手の駒得になりそう。

35歩に(46歩同歩)42飛

というのがやはり怖い筋で、34歩には46飛(取ればやはり王手飛車)47歩36飛

という図は後手よしです。

42飛の時に51角が入ればよいのですが

かまわず46飛同銀同角

とさばいて45桂と使えるので後手が優勢です。

42飛には26飛

と我慢しなければいけません。(ここに引けるのも35歩の効果です。)45歩くらいしかないので、51角43飛を決めて、22飛成46歩48歩

ならば先手が指せそうです。


○ 68金右(あるいは88玉)と固めておけば

64角17香42飛88玉46歩同歩同角

という筋は怖くないです。46同銀同飛に22飛成

45桂と逃げたら28角49飛成82角成同金71銀

で一気に寄せの体制です。

飛車から行ってこういう図

でも先手が良いでしょう。どちらも玉の堅さがかなり違います。

後手のほうが薄いので強くは戦えません。42飛と回らないで、19角成88玉

という図が妥当なところ。先手玉が堅くなって、後手は馬ができた分だけ駒得、でも35歩や23歩にどう対応するか、というところです。46歩同銀45銀のような筋で、でも駒をもらうのは先手もありがたいわけで、互角以上に戦えます。


× 34飛でよければ話が早いのですが

64角17香19角成33飛成46歩同歩29馬

桂を取り合ってまあまあのはずですが、先手は と金で攻められず、振り飛車としては十分指せるのでしょう。形勢は互角に近いですが、後手のほうが堅いです。


△ 33桂を取るのは竜よりは馬のほうが良いので、44角と打ってみます。

32飛では23歩なので、51角23歩43銀

55角54銀44角43銀では千日手、打開は55角54銀28角で、46歩

同歩や同角は45桂があります。46同銀73角22歩成45銀

というのが少し不安な感じですが、55歩と角筋を止めて、これからの戦いです。


○ 51角もあって

受けるのは44角しかなく、34飛43銀

ここでは33角成が得で、34銀44馬

は34銀が取れそうな感じです。後手から28飛で桂馬をとれるので難しいのですが、先手も十分指せます。


× 31角は23角

で角が死にそうです。


☆ まとめ
いろいろな手があって、という局面は(そういうものを問題にしているわけですが)悩みます。まずは形勢判断、その3つの要素をもとに大局観を考える、というのが基本です。

問題図は「居飛車振り飛車の対抗型で銀の交換にならずに大駒をさばき合う急戦」に分類できて、大駒で桂香を拾ったり と金を作ったりして寄せに向かう流れです。この種類の将棋は駒の損得がものを言います。相手より先に大駒をさばく、打ち込む、桂香を拾う、と金を作る、などできればそれで有利になります。それが先に囲いの金銀をはがす、先に寄せの体制を作る、一手勝ちになる、という流れです。

この場合は 駒得になる=攻め駒が増える ということになりやすく、相手の桂香を拾う、あるいはと金を作る、というのが当面の目標になります。それで形勢判断の3つの要素の内、2つが向上します。

23歩~22歩成なら と金ができます。それは11と と香を取るよりも、32とから穴熊攻略に向かうほうがよいです。
であれば35歩~34歩~33と のほうが使いやすいので、(問題が生じなければ)23歩よりも優ります。
この問題の場合は64角に17香と逃げたい、すると19角成~28歩で桂馬を取られる、ならば22歩が残っていたほうが良い、という理屈もあって、23歩よりは35歩が優りました。

34飛~33飛成として桂を取って竜を作るというよりも44角(あるいは51角)から33角成のほうが効率が良いです。これに64角17香19角成の後で、33竜の形は29馬とされるけれど、33馬の形は29馬(あるいは28歩かも)がない、というのも同じような話です。
44角よりも51角の方が優るようで、これは変化を考えてみるしかないですね。

もう一つは玉を固めてしまおうという考え方で、68金右~88玉と2手かければ後手玉よりも堅くなります。後手は63金を守りにつければ堅くなりますが、62金引は22飛成が生じるし、73金は85桂に当たるし、ということで固めにくく、固め合いは先手に分があります。
玉が堅ければ、64角~42飛~46歩という荒いさばき(駒損になる)は怖くないです。ましてや22飛成が可能になるわけですから望むところ。
68金右64角17香19角成88玉で後手に手があるかどうか考えて、何とかなりそうなので十分指せる、という判断でした。
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20170204今日の一手(その458): 前に指した手を生かす

2017-02-04 | 今日の一手
20170204今日の一手

1月22日の名南将棋大会から、AさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

(直前の一手は不明です。先手26歩、後手24歩14角の状態で25歩同歩27歩38飛25角でしょうか。)
☆ 形勢判断をします。
後手の1歩得ですが、先手も持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは同程度。金銀4枚なので先手のほうが堅そうですが、76の歩がないのは弱み。横からの攻めなら美濃囲いのほうが堅いですし。
先手の攻め駒は38飛と持ち駒角で2枚。
後手の攻め駒は25角1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
実際は先後が逆で、後手(実際には先手)が筋違い角から四間飛車にして、向い飛車から逆襲した、と想像されます。
筋違い角の対抗策としては、この先手の囲い方がよく見られるのですが、最近の認識としては5筋の位を取らずに腰掛銀にする、それで2手早いので、できれば65の位を取るというのがよいらしいです。

こういう図から玉を囲います。


それはともかく問題図で、1歩損でしたが持ち歩ができました。先手の主張は角が手持ちであることです。25の角よりも持ち角(持っているだけでは仕方なくて、どこかに打って使うのでしょうけれど)のほうが働けば有利になります。
もう一つの主張は、55の位を取っていること。中央方面で位を生かして戦えるかどうか。前に指した手が生きれば形勢が良くなっていくものなのです。
後手のねらいは14角~28歩成がわかりやすいです。これに対応できるようにすることが当面の課題です。25の角が狭いので、うまくやったら取れないのかなあ?と考えこみそうな局面です。


× 実戦は17桂と跳ねて14角に25歩

と、28歩成の筋を受けました。これだと17の桂が自分からは働かなくなります。32角46歩14歩45歩15歩

先手は位を生かすべく、中央から動くのですが、後手は端を攻めて桂馬を取りに行きます。
44歩16歩45銀17歩成54歩28歩成58飛

ぴったり飛車が逃げて、よさそうにも見えるのですが。54歩同銀44銀

飛角銀3枚で手厚いところを攻めている感じです。以下は53歩51金左43歩25飛に63銀成同銀36角

と技をかけにいったのですが、45飛で大きな戦果はなく、飛車を取って銀を取り返して・・・と善戦したものの形勢はよくなりませんでした。


△ 25歩と打つつもりなら37桂14角25歩

のほうが桂馬を使えそうです。35歩54歩36歩31角37歩成同飛

くらいなら桂損でも暴れられそう。

後手としては54歩に42銀

が良さそうな手で、55角43金53歩成同銀45桂

54銀64角32飛33歩同桂同桂成同飛

は先手が少し苦しそうですが、桂馬はさばいたのでまだ戦えます。


○ 一番良さそうなのはすぐに54歩とする手。

54同歩なら31角24飛64角成

と馬を作れて、28歩成にも対応しています。これは先手有利。

54歩に14角なら

53歩成同金15歩28歩成

14歩38と31角52金引22角成同銀17桂

というのはまあまあでしょう。

54歩に42銀は

23歩同飛17桂

として、14角には15歩28歩成34飛

で先手有利。

また17桂に16角は36飛

で、どちらも角を取れそうです。


× 最後の変化のように23歩とたたいて

23同飛に16桂14角15歩といくと、28歩成

今度は34飛とできません。37飛に27と38飛38と

千日手にもならず、先手で飛車を成られて角を取れず、失敗です。

この変化、もう1歩あれば23歩同飛26歩で角が死ぬのですけど、残念。


△ 15歩で角の詰めろですが35歩

で角は死にません。54歩34角53歩成同金31角

ここで28歩成なら飛車を取り合って指せるのですが、52飛35飛63金

で56の銀に当たってきます。また、32飛で角が死ぬので注意が必要です。54歩同飛55歩51飛34飛31飛

これで飛車が逃げて、というのはほぼ互角、後手に良い手があれば有利、という感じです。後手の角が手持ちになったのでつまらない変化ではあります。

また、35歩に同飛は

34角54歩同歩31角26飛

というのが56の銀に当たります。34飛同銀64角成

は、74歩が良さそうな手になるのでまだ戦えそうです。これも互角でしょう。

× 26歩と打つと

14角15歩32角

26飛を防ぐために37角と打つのでは、悪いというほどでもないけれど、歩切れで1歩損、後手のほうが少し良いでしょう。



☆ まとめ

前に指した手が生きれば形勢が良くなっていく、逆に、形勢をよくするためには、前に指した手を生かす、というのは心がけたいことです。
この場合は5筋の位を取っているのですから、それを生かす。54歩と突くか、46歩~45歩とか、65歩とか(この場合は65歩は手抜かれます。突き捨てる余裕があればよかったのですが)そういう手が指せないか、と考えたいところなのです。
ですから一目54歩です。先のほうまで読めなくても、54歩同歩31角は良さそうだ、まで読めたら、後手が取れないわけですから突いたほうが得な手です。

他の候補は右桂を使うこと、攻め駒が増えますね。実戦の17桂はその後15歩と打つ感触が悪いです。

37桂と跳ねて、14角25歩35歩に54歩でどうか、これと単に54歩の比較になります。感じとしては25歩が歩切れで後手を引いているので、あるかもしれないけれど次善手です。

他には25の角を取る手で、15歩はどうか、23歩から17桂はどうか、と考えるのですが、残念ながら角はとれませんでした。でも15歩は結構やれそうです。
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20170202今日の一手(その457): 攻め駒をさばく

2017-02-02 | 今日の一手
20170202今日の一手

1月22日の名南将棋大会から、AさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さの評価は難しく、金銀2枚で薄くても穴熊のほうが遠いです。意見が分かれるところでしょう。
先手の攻め駒は79角1枚。
後手の攻め駒は86銀1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
問題図ではほぼ互角ですが、後手から77歩成が見えているので、数手後には先手が駒損となりそうです。ということはのんびりしていられません。穴熊なので7筋を攻められてもすぐにはひびかないので、攻めることで代償を得たいです。つまり攻め駒をさばく、というのがテーマです。
77の桂が逃げるというわけにはいかないので、59飛、79角、56銀を使うことでしょう。78金も使いたいのですが、そこまで余裕があるかどうか。幸い5,6筋で歩がぶつかっているし、持ち歩が2枚あります。歩の手筋も駆使して駒をさばきましょう。
「さばく」というのは便利な将棋用語ですが、定義は難しくて、こまの働きをよくする、あるいは対等に近い駒の交換をするということでしょうか。でも攻め駒を増やす、と定義すればすっきりします。59飛、79角、56銀あるいは78金を攻め駒にするわけです。


× 実戦は53歩成で

とりあえず強い手(当たりになる手)を指したくなるのですが、やや味消しです。53同金に83歩同飛84歩同飛57角

持ち歩が増えたので連打して角を使います。74飛に75歩73飛66角77歩成

角は攻め駒になりましたが、桂を取られてました。後手の73飛の位置が53金にひもを付けているので好位置です。以下は77同金同銀成同角88歩成55銀78と

飛角銀が働いてきて、78金が銀に替わった、という意味で健闘しているのですが、まださばき切れていません。(59飛77角の利きが通っていない。)少し先手が悪いのでしょう。この後はなかなか難しい終盤でしたが後手の一手勝ちに終わりました。


○ 角をさばくなら46角で

狙いは64角です。つまり77歩成に64角83飛53歩成同金84歩

となれば技あり。

後手としては先に83飛として

64角54歩53歩42金右

とかわすほうが良いでしょう。84歩同飛85歩74飛86角

77歩成同金88歩成

これくらいは進みそう。と金は作られましたが、桂銀の交換ですし、先手も十分に指せるでしょう。


△ 64歩と取るのもあって

これは77歩成に53歩成同金65銀

として飛銀を使おうという意味です。後手は金の取り合いは(角も取れますが63歩成もある)怖いので、


金取りを受けます。31角に46角で十分に見えるのですが、85飛

の味が良いです。74銀45飛56飛64金

86飛74金82飛成52歩47歩78と81竜

先手の金損ですが、飛角は使いやすいので良い勝負。


○ 47銀と引くのは、玉を固める手で飛車先が通ります。

54歩46角77歩成64角

桂は取られましたが飛角が攻め駒になりました。73歩56飛(これが受けにくい)78と86飛

以下は飛車交換に自陣飛車(82飛)でどちらが良いか、わかりません。でも振り飛車としては桂損で と金を作られたと言っても穴熊からは遠いですから不満はないでしょう。
銀を守りにつけ、飛角金をさばいた、という図です。


×棒銀の要領で55銀だと

77歩成53歩成同金64銀同銀同歩78と(先に47桂か)46角

と進めば、47桂には63歩成で勝負。

でも54歩と取られて

54同銀77歩成46角47桂

で穴熊を薄くされると勝てません。


× 他には67金と使う手ですが

77歩成66金42銀

があじのよいてです。55金54歩同金53歩55金67桂

は後手の86銀が遊んでいるとはいえ、先手の飛角金も遊んでいるようなものです。駒損で悪いのでしょう。




☆ まとめ
問題図で先手が悪い(駒損が避けられない)と悲観していると、実戦のように53歩成で敵陣を乱して、飛車先をたたいて止めて、何とかならないか、という感じで苦し紛れ、間違えてくれないかなあ、という手を選んでしまいそうです。まだ互角で、攻め駒をさばく(増やす)という方針で考えれば、十分指せます。

角をさばくなら(攻め駒にするなら)46角~64角の筋。後手の飛銀に当たりますし、53歩成もあるのでかなり働いている位置なのです。それで十分指せました。

飛車をさばくなら、56銀が移動しないといけません。
64歩~65銀は攻めに使えてよさそうなのですが、後手にも返し技があって難しいという結論です。2手使って飛車が働くので少し遅いです。

47銀は1手で飛車が使えます。ただし銀は守りに着くので、その先の展望がないと攻め駒不足になりますが、大きく飛角をさばく順がありました。

55銀は飛車先が重く、77歩成~47桂を食らうのでまずいでしょう。


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