名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20170117今日の一手(その449): 理想形の意味

2017-01-17 | 今日の一手
20170117今日の一手

1月7日の名南将棋大会から、NさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答
少し前の局面から。

後手の攻撃の駒の配置が矢倉の理想形とされるものです。相居飛車(相振り飛車では左右逆ですが)では74銀73桂の形が好形です。(時々対抗型では好形ではないと書きますが。)さらに64角のにらみで先手の攻撃体制を阻んでいるわけですから、理想的なのです。
先手としては64角が安定しないように37銀の位置で46歩同歩同角と角交換を挑んでしまえば悪くなかった(後手玉が囲えていないので先手が指しやすい)のですが、本譜は角筋を避けて18飛の形ですから攻撃力が劣ります。
でも玉の堅さに差がありますから、35歩と合わせて戦おうとしたのはよい判断でした。とはいえ飛車が参加していないのですから、後手としては31玉34歩同銀24歩35歩

と頑張って指すのが正しかったのでしょう。

先手は24歩と行かないでゆっくり指すとこういう図になって

後手としては端を突き捨てて(あるいは95歩と詰めて)から86歩が習いのある攻撃手順です。86同歩にはもちろん85歩(7筋の歩を交換しているので持ち歩がある)、86同銀には85銀同銀同桂で97歩や77歩があるので攻め切れます。

というのは基本的な定跡書に書いてある知識です。私も子供のころに読みました。
問題図は最初の図から86歩同銀34歩同銀と進んだところ。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。玉の位置の差が大きいですね。
先手の攻め駒は36銀68角で2枚。
後手の攻め駒は64角85銀で2枚。82飛と73桂はまだ数えませんが、予備の攻め駒で2枚あります。

総合すればやや先手が指しやすいです。

☆ 大局観として
玉が薄いけれども攻撃力でカバーするということはあるのですが、後手の攻めはまだ強力ではありません。端が絡んでいないのでまだ怖くない攻めなのです。

方針としては、戦いが起こっているので
駒得を目指すのは危険です。後手の攻め駒を取ってしまうというのならありえます。

単純に玉を固めるというわけにはいかないです。この場合は相手の攻めに対応するという感じ。すでに玉の堅さは上回っているので、攻められすぎなければよいでしょう。

攻め駒を増やす、と言っても18飛や29桂はすぐに使えないので工夫が必要です。普通は後手が攻めてきて持ち駒が増えたら反撃に使うという感じです。


△ 85銀と取るのが普通の手で

85同桂に65歩73角35歩43銀53銀

ともたれておくか、

65歩に53角なら46歩

という感じか。
どちらも先手が悪いということはありません。どちらの変化でも77歩同桂同桂成同金右85桂

と玉を薄くされるので形勢は互角です。元が先手が指しやすそうでしたから少し損だとはいえるのですが。


○ 75銀とかわすのが基本的な定跡書に書いてある手で

75同角同歩76銀打58角

と受けておいて、後手が攻めを継続するのも難しい、と書いてあります。

でもこの場合は角を持てば71角がありますね。

42飛53角成67銀成同金76金78銀67金同銀76金78銀

金銀が入れ替わりましたが、千日手を回避してどうか。後手の攻めが重いし(切れにくいということでもありますが)、飛車を取って寄せ合いで勝ちになるのではないかと思います。
先手から見ていると嫌なところもあるのですが、ひっくり返してみたら後手としても自信はないでしょう。

角を切れないで53角なら46歩

が好調子です。75銀が威張っていて、先手が攻める番になります。


△ 少し怖いのですが65歩もあって

65同桂なら85銀同飛74銀

と駒得を目指すというか、後手の攻め駒を取ってしまおうというわけです。
77歩に飛車を取るのもありそうですが、77同桂同桂成同角

が金取りになるので先手が十分です。

後手が65歩を取れなくて53角なら46歩

が調子が良い、というのは前と同じです。ただし後手からいつでも86銀があるので単純ではありませんが、86銀同歩同角同角同飛87歩

で、飛車をどこに引いても角打ちがありますから、先手が指しやすいのは変わりありません。

ということは戻って46歩に同歩同角55歩同歩86銀同歩同角87歩59角成54歩か。

55銀同角同金53歩成86歩・・・攻め合いになると難しそうですね。


○ お勧めするのは35歩です。

今なら銀取りは逃げるでしょう。43銀に46歩33桂37桂

46歩を取ると45歩で金が死ぬのです。桂を跳ねて受ければ桂を足しておきます。こんなところに駒得をみせて攻める順がありました。
以下52銀と受けたら75銀53角45桂同桂同歩43金46角

で十分です。


△ 実戦は24歩でした。

少し当たりが弱いのですが、攻め筋が広がるので悪い手ではありません。後手は35歩とかも考えられましたが、86銀だったので同角

とぶつけてしまうのが好手。86同角同歩87歩同金で53角

と71角の筋を受けたのですが、これなら先手十分です。
実戦では少し進んで

後手が苦し紛れに銀取りに歩を打ったところ、取るかかわすかで優勢でしたが、銀を捨ててさらに金銀を渡して攻めてしまったため

頓死してしまいました。32の飛も37歩成の筋で働いていて、作ったような負けで残念でした。

☆ まとめ

後手の攻めは怖くないと気が付いたでしょうか。理想形と言われるものも、その意味を考えておいたほうが良いです。
85銀(86歩同歩85銀)あるいは85桂(86歩同歩85歩同歩同桂)と攻めることが可能
その後85桂や85銀と残ったほうを使える
桂を跳ねれば77歩がある
64角が先手の攻撃陣をけん制している
という利点があります。
先手から攻め筋がなければ、玉を囲ってから9筋の攻めを絡めつつ攻める、までがセットなのです。
問題図では後手から86銀同歩同角同角同飛87歩、と角銀の総交換に出る攻め筋が怖くないのですね。

強く受けるなら75銀で、この手があるので後手としては玉を囲ってから攻めないといけなかったのです。角を切って攻められないので、先手が有利になります。

85銀と取ってしまうと同桂で後手の攻め駒が3枚に増えます。それでも悪くはないのですが、後手の主張(玉を囲っていなくても攻められる)が通ることになるので、少し悔しいです。

65歩は強い手ですが、角をかわされたら難しそうです。先手玉が弱体化するということもあります。

右辺の攻撃陣を使っておく、角交換歓迎、というのが良さそうです。その時には実戦の24歩もありますが、35歩43銀46歩というのが好手順でした。
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20170115今日の一手(その448): 先に受けるほうが手堅い(4)

2017-01-15 | 今日の一手
20170115今日の一手

1月7日の名南将棋大会から、NさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と金の交換で竜を作っていますからわずかに先手の駒得です。
玉の堅さも少し先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は32竜41角と持ち駒金で3枚。45桂も使えるかもしれません。
後手の攻め駒は55角と持ち駒銀で2枚。72飛は働きそうなので3枚に近いです。

総合すれば先手が有利です。

☆ 大局観として
3つの要素がどれもわずかですが優っています。ですからどれを主張するかということで方針を決めます。

駒得を主張するなら長期戦にすること。後手のねらいは77銀と打ち込むことですからこれに対応しておきます。21の桂を取って駒得を拡大しよう、と考えるのは後回しです。

玉の堅さを主張するなら自玉に手を入れます。これも77銀に対応することになりそうで、持ち駒の金を受けに使うのでしょう。

攻めを考えるならもう一枚攻め駒が必要ですから、45の桂が活躍できるような手順を考えます。42歩成から と金をつかうというのもありますし、21の桂を取ってというのもありますが、どちらも竜の働きが悪くなりそうなので寄せの速度負けにならないか注意が必要です。


△ 一番速いのは63角成と金をはがすのですが、これは問題図の少し前で32飛成の前にやるべきでした。

63角成同銀53桂成とできれば楽勝でした。つまり32飛成がぬるかったわけで、ちょっと後悔していました。

問題図で角を切ると

63同銀で竜と飛がぶつかりますから53桂成の余裕がないです。勢い72竜同銀左(右もある)52飛44角打

というのは大分紛れていると思います。66金61銀打32飛成66角同歩95歩同歩97歩同玉49飛

となれば形勢不明です。

飛車は交換しにくくて、62金と打つわけですが

これも63の銀を取れないので感触が悪く見送りました。99角成同玉44角66歩62角

となるなら53金がありますし、形勢が悪くはないですね。


× 42歩成は

自然な手ではありますが遅いです。77銀52と68銀成

で、68同金には88金97玉89金があって寄せられます。

仕方なく77銀の時に79金打

と受けて千日手コース。ただし後手は95歩同歩97歩もあるので、打開されて寄せられるかもしれません。


× 21竜も同様で77銀

の時に桂を持っているものの、66桂では65歩の余地もあり、74歩は取ってもらえず(取れば66桂の意味)68銀成で困ります。


× 筋は73歩ですが

最後の1歩ですからためらいます。金で取られてもわからないのですが、飛車先が止まるので銀で取りますね。73同銀72竜同銀

77銀と打ち込まれる脅威が減ったわけですが、歩切れで竜が消えたので駒損です。急いで攻めるべきで、63角成同銀53桂成72銀63金

4枚で攻めていますが、歩切れなので小技が利きません。83銀打などで千日手かも。どこかで44角打ちが詰めろになるので打開も怖いです。


△ 73歩が指しすぎということで、実戦では75歩と打ちました。

大駒は近づけて受けよということにはなるのですが、強い手ではないので自信はありませんでした。
95歩同歩97歩同桂77銀

と攻められて雲行きが怪しいです。ここで66歩が疑問手で、68銀成同金66角78金打77金79銀

というのでは良くて千日手です。
ただし実戦ではSさんが75飛のポカを指して、63角成で終わりました。
正しくは78金同銀引96歩

でしょう。後手は77に打ち込む前に96歩としてもよかったのですが、とにかくつぶれていました。

戻って、95歩の時に66金とすべきだったとすぐに気が付きました。

角を切って96歩には88玉でどうにかしのいでいます。

また、77銀と打ち込まれた時に66金でも

まだ受けがありそうです。


○ 問題図で66金と打てば

もっとわかりやすいですね。先に受けるほうが手堅いという好例です。
19角成なら玉の堅さがかなり違うので、21竜でも42歩成でもいいです。


○ 同じように56歩44角55金

でもよいです。とにかく角筋を止めてしまえば安心でした。


○ 他には気が付きにくい手ですが、52竜があり

63金と55角の両取りです。受けるなら54銀しかなくて、銀を使わせて77銀の打ち込みを防いだことになります。54銀に42歩成からゆっくり攻めるのでもよいのですが、95歩同歩97歩もあって、結局は66金が必要になりそうです。
急ぐなら53金と筋悪く打ち込みます。51歩に

どれを取るか悩みますが、62竜同飛(同金は54金)63角成同銀62金

とするのが後手は受けにくそうです。99角成同玉44角66歩62角53金

と進めばやはり受けにくいです。


○ まとめ

3つの要素で上回っていましたが、先に受けておく、66金と使ってしまうのがわかりやすそうです。自玉を固めて長期戦でも困りませんし、42歩成からゆっくり攻められます。

75歩95歩に66金とか、75歩95歩同歩97歩同桂77銀に66金とか、後から角筋を止めることになると苦労するわけです。
42歩成や21竜としてから77銀に受けようとしても良くて千日手です。
先に受けるほうが手堅いという原則が生きています。
(蛇足ですが、76歩と取り込まれる前に66金と打って19角成は先に駒損するので少しやりにくいです。)

攻めるなら63角成の筋で、この場合は63同銀に62金が感触が悪いです。飛車を成る前に切ればよかったですね(問題図の前なのでみなさんの知らないところですが)。ただし攻め駒になりそうな72飛を消せるので、受けにも役立っていることになり、悪い手ではありません。

52竜も銀を使わせて攻防なのですが見えませんよね。それでも95歩同歩97歩(97同桂に77歩成)があるので、53金から攻めるか、66金から42歩成かの選択です。
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20170113今日の一手(その447): 自玉が薄い時は強襲を警戒する

2017-01-13 | 今日の一手
20170113今日の一手

12月の東海リーグから、私の将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
序盤からみてみると

矢倉の早囲いに雀刺しで対応したのですが、22玉を見て選択すべきでした。(藤井矢倉を目指していたそうですから、そうならないのですが。)22銀で間に合わされて棒銀にこられると私の作戦負けです。相矢倉は何年ぶりかで指すのでボケていました。

仕方ないので右玉に。作戦負けの時には玉を移動してみると景色が変わります。
8筋の継ぎ歩攻めに59飛と回ってけん制します。86歩に83歩が利いたので形勢は互角に近くなりました。

その歩を成って、と金(これが取れない)を活用して形勢が良くなりました。

45歩を見せられて、つい55銀とやってしまって

問題図です。55銀はよい手ではありませんでした。65の桂を取れなくなったからです。

☆ 形勢判断をします。
と金と歩を得しています。後手に持ち歩があるので歩はカウントしませんが、と金は得をしています。
玉の堅さは後手のほうがかなり堅いです。
先手の攻め駒は73と55銀の2枚。
後手の攻め駒は65桂1枚。(微妙な位置ですが、77歩もあるし、57歩を支えているだけでも働いています。)
総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手玉よりも堅くできれば十分なのですが、困難です。(入玉できるような形にならない限り。)
駒得を目指すのは危険で、自玉を少しでも安定させる、あるいは後手の攻め駒(53角や84飛85銀を含めて)を抑え込むという指し方が良いでしょう。
後手のねらいとしては、45歩、75角、77歩あるいは76歩、86銀という手で、どれが厳しいのかを考えて、それに対応できる手を指したいです。

対局中は55銀を指して、後悔していました。66銀64飛の形で、74と とか54歩とか86歩とか、有力な手が多かったのです。65の桂を取る含みが無くなってしまいましたから、後手の飛車が少し自由になった感じです。


× 実戦では86歩として

86同銀85歩76金

飛車が逃げてもらえないかなあ、という甘い考えです。87銀不成はわかっていましたが、勝負手のつもりでした。でもここで飛車を逃げる人はいませんね。罠にもなっていませんでした。
87銀不成85金78銀成

飛銀交換でも85金が遊んでいて、57歩が残っているのですから先手不利です。味が悪いのに駒得を目指してはいけません。まだ攻め駒になっていなかった飛銀を呼びこんで失敗したら一気に形勢が悪化します。


× 74と は自然な手なのですが

74同銀同歩に45歩

が後手のねらいです。28銀とか26銀とか使うのではつまらないので(それでまだ難しそうなのですが)、26歩同角27玉(とこの筋は受けるつもりでした)46歩同銀左

これでぴったりだという気がするのですが、45歩同銀(桂では取れない)46歩同銀47歩39角17角成

と強襲されます。角で取れば48歩成、玉で取れば38香です。

途中で書いたように45歩に28銀で我慢すべきなのでしょうけれど、銀得だからと威張れる形ではありません。


× 66銀と戻しておく手は

もう一回64飛と戻ってもらえるわけもなく、2手損です。45歩に26歩同角27玉

46歩同銀47歩39角17角成

前に出た(74と同銀同歩の)変化よりも条件が悪いです。つぶれています。
(この筋に気が付いていなくて、感想戦ではまだ最善かと言っていたのですが。)


○ じっと26歩としておいて

45歩を受けておきます。この時には75角76歩58歩成

でつぶれていますね、と感想戦で言ったのですが、75角59と84角

これで案外に後手に攻め筋がありません。びっくりです。


○ 63と も45歩を避けた手で

75角に76歩

が怖すぎて切りすてましたが、58歩成以下が耐えているので先手有利です。86角には19飛という調子。


○ 19飛も45歩に備えています。

また、75角から58歩成の時に飛車に当たらないので安心です。


× 54歩は手順前後で(66銀64飛の形なら有効)

54同金同銀同飛

後手玉が少し薄くなりましたが、後手の攻め駒が増えてしまったのでかなり受けにくいです。


△ 56金は右玉らしい手です。

76銀74と86飛54歩42角64と

で調子が良さそうなのですが、77歩79金67銀不成65金78歩成

では少し苦しい展開です。もう少し工夫が必要です。(45歩の筋に備えているという意味はあるのですが)


△ 77桂も右玉らしい手ですが

(桂を交換すると45歩に26桂と対応できる意味がある)77同桂成同金左86銀76金左75銀

という感じでしょうか。85歩76銀同金58金

飛車を取り合って駒得ですが、うき駒が多いのですぐに取り返されて負けそうです。


☆ まとめ
後手からの攻め筋で注意すべきは45歩(~17角成)と75角(~58歩成)です。だから後手の53角(42から)は好手だと感じたのですが、本当に怖いのは45歩の方でした。だから門罪図の前の55銀は悪手とまではいかなかった(好手ではないけれど)のですが、疑問手を続けないというのは大切なことです。悪い手を指してしまった、と動揺して、もう一回本当に悪い手を指してしまいました。

ということで、45歩の筋に対応しておく26歩、あるいは63と、あるいは19飛が正解です。
75角の筋に対応しておく手、66銀あるいは書きませんでしたが64歩とか66金とか、では45歩の筋が怖いです。

相手の攻めを呼び込む86歩はかなり筋が悪く(誰が指したのでしたっけ?)、74とは駒得ながら後手の飛角が楽になるので危なさそうな手です。

56金とか77桂とかは本来は良さそうな手なのですが、自玉が薄いので(65桂57歩が存在していなければよさそう)この場合は危険です。

自玉が薄い時は強襲を警戒する必要があります。26歩など、じっと玉のまわりに手を入れて、左から攻めてきなさいというのが正しい感覚でした。75角から58歩成でつぶれていると諦めてしまったのが運の尽きでした。

本題とは関係ありませんが、スランプの時は自然な手が指せていないもので、自分から無理に動いて悪くしてしまうことが多い、と反省しております。
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20170111今日の一手(その446): 駒の損得評価

2017-01-11 | 今日の一手
20170111今日の一手

12月に太陽将棋研究会で指した将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
少し前から

角換わり早繰り銀に腰掛銀で対抗した将棋です。実際は私が後手番ですが、27歩で止まっていて96歩や36歩も突いてあるので先手の早繰り銀に後手腰掛銀みたいなものです。ただし96歩は先手の得で37歩は微妙なところです。
2015年の記事をもう一度読んでいただくとよいのですが、形が少し違います。
76歩64歩77歩成63歩成78と64角

この時に68銀と打たれる(78とを取られるのを防ぐ)変化でかなり大変なのですが、93歩の形ですから前の記事にあった93角と打たれる筋がないのが違いです。(68銀48玉93角で飛車取りを受ける変化)
対局中私がその研究を覚えていないのが問題なのですが、復習だと思ってこの変化に飛び込みました。これをやらないと後手がやや指しやすくなるということもあるので仕方ないのですが。
Mさんは68銀を打たないで92飛だったので、53角成

で一安心。41玉78飛で問題図です。

☆ 形勢判断をします。
金と歩2枚の交換ですが、と金と馬ができています。と金の位置が良いので駒損ではありません。損得なしと見ておきます。
玉の堅さは同程度(53馬や63との存在を考えると違いますが)
先手の攻め駒は53馬63と78飛持ち駒銀で4枚。ただし78飛はまだ後手玉には迫っていないので3枚とみるべきか。
後手の攻め駒は持ち駒角金銀で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
駒の損得なし としましたが、と金はいつか後手の金か銀と交換できるとして、馬ができている分だけ駒得、という見方をして、持久戦にしても良さそうです。後手からの攻めは持ち駒だけで66角くらい。その筋を防いでおくわけです。6,7筋に歩が利くので、後でと金を作れる可能性も高いです。

攻めるなら78飛が成れればしっかり4枚で攻めることになります。馬取りですが金と交換できるならそんなに損でもありません。(トータルは角と と金の交換ではありますが。)つまり後手の受け方としては32の金を42に寄るよりも52歩のほうが手堅かったわけです。(馬が逃げてもらえれば後手玉がより安全になるということはあります。)
うまく攻めがつながれば、先手玉には手がついていませんから簡単に優勢になります。


△ 実戦は64馬と引いて悪くないとみたのですが

66角に53銀と攻めたのが疑問手。32玉42銀成同銀

後手の攻め駒が4枚になり、後手玉も少し安定してしまいました。ここで考えこんで、53と から銀を取っても自信なし。48玉も99角成が嫌。そこで77金57角成67金

として馬を引かせてから54歩か53と か、という悪魔の考えが受かんでしまいました。
その後で56馬同金67銀

「両取り見えない病」発症です。ムシの良い読みをしてはいけません。

53銀では48玉とすべきで

99角成62歩89馬76飛

これくらいなら悪くなかったのです。(実戦の77金でも48玉とすべき)


○ 持久戦を目指すなら75馬

が正しくて、飛車を使うのが遅れるものの、後手の66角を封じておけば怖いところがありません。


× 馬を捨てて攻めるにしても、いきなり42同馬は

42同銀52銀同金71飛成51歩

飛車は成っても攻め駒が3枚しかないので切れてしまいます。


○ 歩で攻める62歩が良い手です。

金を逃げるなら53金同と72金

くらいしかないのですが、43と42金に52金同金32銀51玉72飛成

で必至です。(ここまでやらなくて、52銀31玉43と とかでも質駒があるので寄りです。)


× 62銀とすると

62同金なら同馬32玉71飛成

となれば十分ですが

戻って53金として馬を取られ

53同と62金71飛成61歩

で、やはり攻め駒3枚なので失敗です。


× 52銀も

やりたい筋で、玉が逃げてもらえばよいのですが、52同金右71飛成51歩52と同飛

というのはやはり攻め駒3枚。これも失敗です。


× 83銀は筋が悪く

とは言っても63金92銀成63金81成銀

なら攻め駒4枚に見えます。ですが後手は66角など寄せ合いを目指さずに72歩

と受けておけば、78飛と81成銀の働きが悪く、後手よしです。


☆ まとめ
長期戦を目指すなら75馬が正しい手です。78飛の活用よりは66角を封じてしまうことが優先です。
64馬は中途半端ですが、後手の66角に48玉なら自然な流れで悪くはありません。99角成に62歩が急所です。

寄せを見るなら62歩が正しい手で、71飛成を見ています。
歩を打たずに銀を打つ手は、問題図の瞬間としては駒損(角金金VS馬と金)なので攻めが切れてしまいます。


駒の損得評価はわかりにくいところがあるのですが、厳密には問題図では先手が駒損なのです。
先手の戦力は(違うところだけを見ると)53馬63と、後手は42金持ち駒角金、の働きの違いだということになります。
将来63とが42の金と交換になったとしたら、馬と持ち駒角の働きの差がどうかということになり、長い目で見れば馬のほうが働いているということになりやすいです。
そういう背景を含めて、63の と金の位置が良いから金と交換して先手の駒損が消えそうだ、という話で済ませています。

これが駒落ちだと話が違いまして、例えば飛車落ちは先手が飛車1枚多いだけです。平手で飛車得になったら飛車2枚多いわけです。
ですから純粋な駒得は出入り2倍の価値があります。香損なら香2枚の戦力の差ができます。ですから駒損しないように指すというのは大切なことなのですが、損した瞬間というのは相手の形がゆがんだり(駒の働きが悪くなるということ)、手数をかけたり(手損したということで攻めの速度が鈍る)するわけですから、チャンスなのです。

問題図でも、厳密には先手の駒損でも、53馬63と78飛の働きが良い、ということでカバーできています。
また、62歩から馬を捨てて寄せに行くというのも駒損を越えていますね。とにかく攻め駒を4枚にして後手玉を寄せてしまえばよいわけです。
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20170109今日の一手(その445): 実戦心理

2017-01-09 | 今日の一手
20170109今日の一手

12月11日の名南将棋大会から、私とMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。持ち歩がないので後手が少し駒得です。
玉の堅さは比較が難しいのですが同程度としておきます。
先手の攻め駒は56飛と持ち駒角銀桂で4枚。数は十分です。
後手の攻め駒は86桂と持ち駒銀で2枚。潜在的には64角や81飛91香も攻め駒にできるかもしれません。

総合すれば互角か先手が指しやすいか。
ただ、実戦で私は嫌な筋を読んでいて、先手玉が薄いので悪いのだと思い込んでいました。

☆ 大局観として
攻め駒が4枚あるので後手玉を寄せる準備をすればよいのですが、56の飛車の働きが悪くて、54の歩に当たっているだけなので(54の地点を)攻める手段が難しいです。

後手からは97歩成同香98歩が詰めろ。97歩成同玉は78桂成ですし、97同桂は96歩。ですからこの筋をどうにかしなければ悪いのだと思っていました。後で気が付いたのですが、97歩成同香98歩には69金左(後で図面があります)でまだもつのです。後手の攻め駒が2枚しかないのでまだ怖くなかったのですね。

97歩成が怖くなければ、後手のねらいは19角成あるいは95香ということになります。それを避けるかもっと有効な手を探します。
先手が攻めるのは8,9筋です。歩がないので小技が利かないのですが、右玉の玉頭に近いのですから強引でも攻めが続けば十分指せます。


× 自然な手は86歩と桂を取る手ですが、86同歩で

後手の飛角が働いてきます。(だから最初の86桂を取らずに78の金を引いたのです。)
86同銀同角87歩64角(97銀とかも怖い)86銀85銀

となっても受けきれません。まあこれを選択する人はいないでしょう。


× すぐに逆襲するのは94桂です。

19角成82銀51飛81角

と迫るのですが、61玉91銀不成52玉

というのは難しいとはいえ、角銀桂の働きが悪くて後手が指しやすいのでしょう。


○ とすれば自然な指し手で96香

と歩を補充してみます。98歩69金左19角成94歩

これを(86歩がだめなので)最初に考えたわけです。でもかなり危なく見えてやめてしまいました。
99歩成同玉55馬93歩成56馬

飛車を取られて詰めろで、困ったようなのですが98歩と打ってみると案外持ちます。後手玉は94角の筋があるので、98歩に61玉56歩52玉92と

くらいか。まだまだ先手玉が安定したとはいえないのですが、飛車をいじめつつ入玉を目指します。これなら十分指せました。


× 実戦では97歩成を同玉と取れるようにしようと75歩

と突きだしたのですが、75同歩に96香くらい。Aさんは76歩同飛75銀

と玉頭から攻めてきました。対局中は最善とは思わなかったのですが、進行してみると案外に有力です。
56飛76歩同銀同銀同飛75銀56飛78歩

7筋の歩が切れたのでここに打たれてしまいました。腹をくくって69金左と指すのだったかもしれません。
78同金左同桂成同玉86歩同歩同銀

8筋を破られそうです。でも持ち駒が多いので84歩同飛85歩同桂(同飛には76銀)76桂

で指せるのかと思ったら87銀不成

やはり好手がありました。取れば97桂成です。69玉76銀成同飛75歩36飛76桂

と進めば敗勢です。実戦では後手に緩手が2つあり、逆転したかと思ったのですが後手玉が詰まずに負け。幸運はありませんでした。


○ 他には17香

あるいは18香でもよいのですが、香を逃げておく手がありました。
28角成なら96香98歩

というのが、99銀97玉の時に78桂成が王手にならないのでかなり甘いのです。つまり17香28角成は先手の得。

95香なら

92銀82飛に93角

という攻め方があります。(実戦では94角の方を考えていましたが、こちらのほうが良いです。)
次は84桂なので、92飛としても84桂83玉92桂成同玉71角成

は詰めろ金取りなので先手の勝ち。

怖いのは97歩成で

これが見えたので避けなければ負けると思ったのですが、(97同玉は78桂成、97同桂は96歩です。)
97同香98歩69金左

というのは、問題図で96香98歩69金左よりも、香を取られる変化がないだけ得なのです。97香と96香の位置の違いは関係なさそうです。


☆ まとめ
97香か96香の形で98歩69金左の形が何度か出てきましたが、その時の先手玉の安全度が問題でした。実戦心理では気持ちが悪くてとても選べないのですが、後手から見てみろと(画面をひっくり返して見てください)攻め駒が少ないので決まらないのです。
盤面をひっくり返してみるというスキルを見につけたらいいのかなあ?と思っているところです。補助的には形勢判断で、相手の攻め駒を数えてみることが重要で、攻め駒2枚なのに恐れてみたり、4枚あるのに受けに専念してみたり、ということでは形勢が悪くなります。

「実戦心理は難しい」で片付けずに、ではどうしたらよいだろう?と自問して、棋譜を検討したり訓練法を考えたりすべきなのです。自分に聞いて見ると、案外に答えが見つかるものです。

なお技術的には右玉の端を攻めるのが有効になることが多いので、端に手はないか、と考えてみるとよいです。
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20170107今日の一手(その444): 動けば動かれる

2017-01-07 | 今日の一手
20170107今日の一手

12月11日の名南将棋大会から、私とAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答
少し前はこの図で

ノーマル四間飛車から角交換で持久戦になったのでしょう。少しもったいないのですが、角を打って77の銀を取って飛車をさばく手筋です。56歩77角成同桂86飛で問題図。

☆ 形勢判断をします。
銀と角の交換で先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角2枚。
後手の攻め駒は86飛と持ち駒銀で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
駒得ですが持久戦というわけにもいきません。87飛成や89飛成が見えていますね。77桂か99香を取られるかもしれませんし、竜を作られたら駒得もかなり薄れます。87飛成から桂を取られるほうが飛車に当たるので痛そうです。77の桂は守りたいのですが、それにしても何か代償がないといけません。
86飛の位置はやや不安定なので、飛車取りに角を打って手を作れるか。あるいは角を打ち込んで馬を作り桂香を拾えるか。そういうことを考えるのでしょう。


× 88歩で収まればいいのですが

87歩と合わされるのもありますし、76飛66角75銀

と桂馬を狙われるのも嫌です。


× 97角で飛車取りにして

89飛成88飛同竜同角87飛89歩

と進むなら指せないこともないのですが

88飛の時に99竜

があるので駒損になってしまいます。


△ 実戦は64歩と突き捨てて

想定手順としては64同歩97角87飛成64角で同銀同角としたかったのだろうと思いますが、64角の時に77竜

があって失敗です。

よって87飛成の時に86角打

と粘ったのですが、75歩67飛88銀

で後手に駒損を回復され、竜で飛角を抑え込まれる展開になってしまいました。

戻って、97角ではうまくいかなかったので63角

として馬を作るほうが良さそうです。
87飛成67飛73桂74角成65桂

桂馬をさばかれるのはしゃくなのですが、あっさり65同桂67竜53桂成同金26桂

とするのは先手も十分指せるでしょう。

あとは変わった手ですが、65桂と捨てて

65同歩に64歩

取れば97角です。52銀72角51桂65飛62歩

と受けさせて、83歩73桂69飛87飛成81角成

と進めば駒損は回復できるので悪くはありません。

なお、最初の64歩に同銀なら

72角53金65桂52金83歩

と、これも馬を作る指し方があります。


○ 97角を狙うなら35歩

が強い手です。35同歩に34歩(同金に97角が狙い)25桂26歩

と桂を取りに行きます。87飛成が厄介ですが、66角86銀67飛78竜58角87銀不成57飛

としてどうにか受かります。角2枚を自陣に使いますが駒得が大きいので先手も指せます。

なお、この変化を選ぶなら、問題図の前で55角に56歩ではなくて37桂として

こういう図を目指せば簡単に桂馬が取れるので先手よしでした。

また、最初の35歩を手抜いて87飛成なら34歩同金67飛

でしょうか。まだ互角ですが、後手玉が乱れているので先手が少し指しやすくなるのだと思います。


△ 馬を作るなら72角が普通の手です。

64歩同歩を入れていると73桂から使われるので、突き捨てのない方が良い気がするのですが
87飛成の時が悩ましくて(角を2枚持っていないと66角とはやりにくい)、67飛に52銀83歩73桂

と桂を跳ねられます。81角成に75歩91馬76歩

馬で桂香を取るよりも、と金を作って桂を取られるほうが痛いのです。後手玉が堅すぎるのでこれは先手が少し苦しい変化です。


× 他には55歩ですが

取ってもらえるかどうかも微妙ながら、55同歩に66角54銀

というのもぱっとしません。

☆ まとめ
これも動けば動かれるの例で、居飛車が55角から銀を取って飛車をさばく、というのはその瞬間が怖いのです。左美濃からこの筋になるのは珍しい(居飛車が急戦の構えで振り飛車が65歩ポンというのは二昔前にあった)のですが、すんなり飛車が成ってしまえば居飛車が十分指せます。振り飛車がどこに代償を求めるかという問題でした。
問題図が勝負どころで、駒得なのでなにかありそうなのですが、思ったよりも難しそうです。

97角を見て35歩同歩34歩の筋が一番有力です。(これを見越して37桂と跳ねておいたのなら完璧。)
また、64歩同歩65桂同歩64歩というのは凝った手順ですが成立します。(継ぎ歩が間に合わないので非常手段という感じです。)

馬を作る構想も悪くないです。この場合は73桂と使われるので、72角よりは64歩同歩63角の方が良い(74角成とできる)ようです。
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20170105今日の一手(その443): 受けのテクニック

2017-01-05 | 今日の一手
20170105今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、YさんとDさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀桂と飛の交換で、と金を作っています。損得はほぼありません。
玉の堅さは同じくらいですが後手の美濃囲いのほうが一路深いです。
先手の攻め駒は(後手玉に向かっているものだけ数えて)持ち駒飛角2枚。
後手の攻め駒は49角56銀と持ち駒銀桂で4枚。45の桂も控えているので十分です。

総合すれば後手が有利です。

何手で詰めろになるかを見ておきます。
後手玉は22と~31飛~62金~61金で詰めろなので現状5手すきくらい。
先手玉は75桂~67銀不成88玉68銀不成~69銀不成で詰めろ、現状4手すきくらいです。
先手番とはいえこのままでは1手負けなので後手が有利です。
(まだ互いに詰めろまでの道のりが長いので参考まで)

☆ 大局観として
寄せ合いに行くには攻め駒が足りません。22の金を取って、31飛~62金という筋ですが、それでも後手玉は詰めろになりません。
ですから当面は受けて手を稼ぐことです。後手の攻め駒は4枚あるので受けきりは難しく、どこかで反撃を狙うしかありません。(入玉できれば別ですが。)後手の美濃囲いは金銀2枚なのでまだ悲観するところでもないでしょう。


△ 敵の打ちたいところに打て、は57歩です。

後手から57銀打ち(あるいは桂打ち)と打ち込まれるのを防いでいるわけです。
後手は66桂同歩67銀打

という筋は残っていて、67同金同角成57桂成79桂

でまだ難しい局面です。後手は66馬や68成桂では遅いので、68馬でしょうか。78銀と投入して、まだまだです。受けきれませんが、どこかで31飛から寄せ合いを考えます。

また、後手は57歩に37銀

というのもありそうです。56歩26銀成22と・・・と迂回路から寄せ合いです。
どちらも形勢は互角に近いです。


○ 59歩は受ける地点を変える手で

57銀打や57桂打を甘くしています。66桂同歩67銀打

の筋はありますが、これも58の金にひもをつけている(増やしている)わけで、59歩は働いています。
88玉58角成同歩68金

と迫られても後手の持ち駒が歩だけですから(68同金同銀成りに)31飛の攻め合いで先手有望です。

59歩には後手は75桂とすべきなのでしょう。

先ほどは57歩で銀取りだったのですが、59歩なら少しゆっくり攻めます。
22と67銀成88玉58角成同歩68銀

68同金同成銀21飛71金打

金を1枚使わせて、さらに53角62金打64角成から玉を上に逃げる感じでしょうか。62金打としなければ先手から62銀で寄せに行きます。まだ難しいのですが、先手を持ちたい気がします。


× 66角は駒を足す受けで66桂や75桂も消していますが65桂

と足されると、寄せ合いの時に戦力不足ですから少し悪いのでしょう。後手の攻め駒が多いので受けきりにはなりません。


△ 68金右はかわす受けで

58角成の筋や66桂の筋を受けています。
57銀打に58歩48銀成22と

銀を捨てて手を稼ぎました。うまい受けですが、31飛に71桂とか埋める駒を渡すので形勢は互角です。


× 実戦は59金左と

催促する受けでしたが、58角成同衾65桂66角57銀打

当然角を切って攻められます。59歩に66銀成同歩57桂右成同銀同桂成69飛67銀打

懸命に受けましたが、後手の攻め駒が減らないので受けきれなくなりました。
大駒が取れると攻めの速度は鈍るのですが、数が減らないと攻めは続きます。1手かけた59金左の価値が小さいので、得をしていないということなのでしょう。


△ 22と もあって

57銀打に59歩

と受けても、48銀成31飛57桂成48金67角成88玉68成桂

と進んで、後手玉が端から逃げだした時に67の馬が利いてきて捕まえにくい形なので後手が勝ちやすいです。
これは先に受けたほうが手堅いの裏で、後から受けるほうが難しい、ということなのです。

では22と は受けになっていないかと言えばそうでもなく、57銀打に59金打

で千日手に受けられる、という手でした。受けるための駒を入手したのです。本当に千日手になるかどうかは微妙なところではありますが。


△ 88玉の早逃げというのもあります。

67銀成には59金右

で効果がわかります。

戻って57銀打59金右38角成57銀同桂成

という感じでしょうか。これから寄せ合いで、先手玉に詰めろがかかりにくくなった(遠くなった)ので互角の形勢です。


☆ まとめ
今回は受けのテクニックがいろいろ出てきました。

57歩は敵の打ちたいところに打ての手筋。

59歩は受けの場所をずらす手筋。

68金右は狙われている駒をかわす手筋。その後で58歩と受けるスペースも作っています。

66角は足し算で受ける手筋。

59金左は催促する手筋。

22と は受けの駒を入手する手

88玉は玉の早逃げの手筋でした。


こういうテクニックはうまく(網羅して)分類できるとよいのですが、これ以外にもありそうです。どれが一番良いかは局面によって変わるのでしょう。59歩を一応の正解としますが、いろいろ覚えて使い分けられれば一人前です。


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20170103今日の一手(その442): 先に受けるほうが手堅い(3)

2017-01-03 | 今日の一手
20170103今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、TさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金香と銀桂歩歩の交換(後手に持ち歩がないので歩もカウントします)で竜と馬を作りあっています。少しだけ先手の駒得ですが、終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は81竜と持ち駒銀銀桂で4枚。ただし81竜の利きをブロックされたところです。
後手の攻め駒は99馬と持ち駒金で2枚。これに62飛や49銀が加わるかどうか。

総合すれば互角です。

終盤の寄せ合いは何手で詰めろになるかを計算したほうが正確です。
後手玉は、64桂~52桂成~62成桂~61竜 くらいは必要で、現状は5手すきくらい。
先手玉は58銀成で詰めろ。65飛も詰めろになるかもしれません。現状は2手すきです。
ですから後手が有利です。

☆ 大局観として
先手玉はすぐに詰めろがかかります。だから受けるほうが良いのですが、まだ後手の攻め駒が4枚には足りませんから受けることはできそうです。こういう時は先に受けて追うほうが手堅いというのが一般則です。受けて2手すきを3手すき以上(にするのが必要条件で、できれば4手すき以上に)する手を考えます。
1手ずつ進めて4手すきと1手すきになってから受けるほうが難しいものなのです。


△ 目に映るのは64桂です。

前に書いた52桂成以下の攻めの意味だけではなくて、65飛を防いでいるので守りの意味もあります。
58銀成は詰めろで、受けるのは69銀くらい。

この時は後手の攻め駒は3枚なので、まだ受けが利くのです。ただし64桂が質駒になっておるということは忘れずに。
69銀成同玉89馬(52金が逃げると77桂)52桂成65飛

89の桂を取られてしまったので受けきりは難しくなったので金を取って寄せあい、飛車を出られて、受けがあるかどうか。
でも素直に66歩で同飛同角同香に31銀

で後手玉が詰みます。

後手は66歩を取れなくて55飛(詰めろ)に57歩

49銀には48金で後手の詰めろが続かず、後手玉は61竜が詰めろなので、これは先手の勝ちのようです。


× 実戦は41銀でしたが

これは詰めろでも何でもないので、後手は手抜いてもよいです。42金右32銀成同金64桂

と進んだのですが、後手に銀を渡してしまいました。64桂が金取りにもなっていないので、先ほどの変化よりはかなり損です。
58銀打88金69金78玉58銀成

と進んで、後手玉はまだまだ詰めろがかからないので、後手は攻めるだけでよく、手数はかかりましたが後手の勝ちです。

途中88金には64飛同歩66桂

とすれば簡単に寄っていましたが。(78銀に69金同銀同銀成同玉88馬で受け無し)


○ 先に58銀成を防ぐほうが手堅いです。59歩

とすれば有力な攻め筋は65飛くらいしかありません。66歩として

とにかく6筋をしっかり守ってしまえばよいです。後手の飛車筋がそれたら61竜で勝てるでしょう。


○ 同様な意味で67銀

でもよいですし(後手が歩切れなので66歩などの工作が利かない)


○ 67銀打でも

よいわけです。また寄せ合いの前段階に戻ったようですが、先手が少しだけ駒得でしたし、91香も拾えるので困りません。


○ もっと良さそうなのは88銀で

馬を消せます。でも98馬に87銀打は58銀成

が詰めろで、馬を取る余裕がなく、(69桂同成銀同玉89馬)失敗。

98馬に87銀と立って

99馬に88銀と打ちます。

これなら58銀成に99銀で逃げ道ができます。


☆ まとめ
寄せ合いになったら何手で詰めろになるか、と数えることが有効だとわかっていただけたでしょうか。
後手の61香が好手で、6筋に壁を作ると後手玉がかなり遠くなり(詰めろがかかりにくくなった)、65飛の時に発射台にもなっています。

後手玉に詰めろがかかりにくいなら受けるしかないのだと判断できます。受けに目が行けば、59歩とか67銀(打)とかは簡単でしょう。少し考えれば88銀も見えるでしょう。

64桂と打つのは攻防なのですが、58銀成が詰めろなので、その先に自信がないときはやらないほうが良いです。先にうけるほうが手堅いものなのです。





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20170101今日の一手(その441): 駒得を生かすには

2017-01-01 | 今日の一手
明けましておめでとうございます。お正月からブログを読んでいただいてありがとうございます。

昨年正月に毎日更新することを目標にしておりましたが、無事完走通過です。
今年も毎日更新できるよう頑張ります。



20170101今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、TさんとDさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と角の交換で先手の駒得です。
玉の堅さは72飛を含めれば後手玉のほうが堅いです。
先手の攻め駒は57角と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は72飛と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば互角です。駒得を重視するかどうかで判断が分かれるところです。

☆ 大局観として
普通なら右桂が角と交換出来たのですから先手有利と言いたいのですが、後手の穴熊が堅いというよりは遠いので、寄せあいで1手勝ちを目指すと怪しくなります。(一方的に攻めて勝ちなら話が早いのですが。)
先手が性能の良い駒が多い(角角と桂桂の戦力比較になる)ので有力な手が多くなりますが、後手は性能の悪い駒でゆっくり攻めても間に合うかもしれません。

つまり守りを固めるあるいは後手の攻め駒の活用を阻止してしまえば、駒得の時は長期戦で有利になるという一般則が当てはまります。
後手の33桂が45に跳ねるのを防ぐ、あるいは72の飛をこれ以上活用させない(76の地点をしっかり守る)というのが本筋になります。


× 自然な手は35角ですが66桂がありますね。

金桂交換で、トータル金と角の交換になると穴熊を固めやすくなりますから、駒得はほぼ消えたようなものです。まだ互角に近いとはいえ、好んでこの局面は選ばないでしょう。


△ 実戦は44角でした。

これなら66の地点に利きが増えるので攻防になりそうなのですが、45桂46角64桂65銀37銀

両取りの筋があって、駒得が小さくなりました。それでも形勢は互角に近かったのですが、手順省略でこういう図

48銀と打って角を消せば先手が指せたと思うのですが、67銀が当然のようでも悪くて、86飛同歩76歩同銀75歩

と食いつかれて受けるのが難しくなりました。どこかで手抜いて寄せ合いに行って悪くもないようで、でも穴熊が勝ちやすいものなのです。

戻って44角45桂には79角

と両取りにならない位置に引いて我慢するのでしょう。実戦の46角として悪くないように見えるので仕方ない気もします。(35角行には34歩から35銀がある。)


△ 攻めるなら64歩(64同歩に63角)とか見えますが45桂

の時に角をどこに逃げるか悩みます。75角に52金63歩成同金64歩

で調子が良いようですが、75飛同銀64金同銀37角

というのは66桂も残っていますし、乱打戦になると危なさそうです。


× 94歩と端を攻めるのは

94同歩93歩同香85桂77歩

と反撃がきついので、今指したい手ではありません。


△ 46歩として45桂を防ぐ手は55歩

が嫌な感じです。けれど67金56歩66角74桂33角成86桂同歩

銀と「馬」桂の交換で、これは2枚換えなのですから後手の戦力が減ったことを意味します。
75歩同歩76歩が嫌なところで、85桂75飛66銀77銀

が受けきれるかどうか。87玉とかわして先手が残しているとは思います。受け間違えると負けですが、3枚の攻めですから受けに自信があれば、という手順です。
こういう展開は26の飛車が遊んでいるので、少し感触が悪いところです。


○ 67銀と打ってしまうのがわかりやすそうです。

これで66桂や76飛を防いでいます。45桂には35角

として53角成を狙います。後手が無理に攻めるなら、75歩同銀同飛同歩76歩同銀66桂

88玉58桂成同金66金ですが、44角打

という反撃筋があります。


○ 67金と守ってもよく

今度は75歩の攻め筋はありません。45桂35角52金に44角

から33角成や36飛~31飛成を狙います。68金直も指しておきたい手です。



☆ まとめ
駒得を生かすには、もっと駒得を目指すのではありません。相手の戦力を奪うような駒得ならよいのですが、それはかなり有利なときです。
少し駒得したら自玉に手を入れるくらいの心構えが良いでしょう。

問題図で攻めるなら、64歩が一番よいのだと思いますが、6筋の歩が切れてしまうと攻められやすくなりますし、危険な感じです。実戦なら64歩同歩63角でよし、と思ってしまうかもしれませんが、穴熊なら手抜きがあるかもしれないので慎重に。

それよりは67銀と投入するか、67金と上がっておくか、を勧めます。長期戦になれば有利になりやすいのです。

46歩も有力ながら、角と飛の利きを止めることになるのであまり筋はよくないです。


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20161230今日の一手(その440): 相手の力を利用する

2016-12-30 | 今日の一手
20161230今日の一手

12月4日の名南将棋大会から、NさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。42角と53銀も加えると後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は58飛1枚。
後手の攻め駒は73桂1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は四間飛車で66銀の形から中飛車にして、後手は右桂を跳ねたところです。後手のねらいは64歩同歩同銀で、その時に58の飛車が成れないという意味なのでしょう、変わった囲い方をしています。
58飛とまわったのですから、中央で戦いを起こすというのが先手のねらいです。でも66の銀が動くと65桂がカウンターになります。だからどう動くべきか、というより動くべきか待つべきかという選択肢です。

55銀と進撃してうまくいくかどうか。その時には77角58飛37桂と連携して4枚攻めないと駄目でしょう。このとき後手玉が22ではなくて21であること、65桂で反撃されること、さらには84飛の横利きも考えねばなりません。92香はともかく、後手に遊び駒がないですね。

待っていたらどうか。後手は64歩か75歩か86歩か、歩を突き捨てたり交換したりで84飛73桂53銀42角を使ってきます。今度は先手がカウンターの手段を考える番で、飛車成りとか5筋に歩をたらすとか、65桂に77桂とぶつけるとか、を考えるわけです。この時には後手の53銀や42角が動きだしますから、後手の囲いは金銀3枚で先手の美濃囲いと同等の堅さになります。ですから攻めさせるほうが無難な選択だと考えます。


△ 実戦は45歩と突いて

右桂も攻めに使おうとしました。45同歩に55銀75歩

飛車の横利きで44歩を防がれてしまいました。それでも44歩はあって、44同銀右同銀同銀52飛成

というのは65桂はあっても先手が有利でしょう。

実戦では44歩を見送って75同歩65桂59角44銀左

で決戦です。勢いで54同銀同飛同飛同銀35歩

銀交換飛車交換で終盤戦です。43銀34歩同銀35歩同銀34歩36歩

と進み、33歩成37歩成同銀33角52飛36歩

後手は35の銀も攻め駒に使えそうで4枚の攻め、また後手玉が21で安定しているので、寄せ合いは後手勝ちです。終わってみると左桂が遊んだままというのも気になりますね。この後、後手の65桂は活躍できました。

さて、後手の75歩と飛車の横利きを通したのは(実は)受けになっていなかったはずなので、65桂と跳ねるくらいです。

66角57歩68飛83飛44歩54銀

くらいの進行でこれからの戦い方次第です。後手の65桂(と89桂の違い)も大きいですが、44歩も拠点になるので良い勝負でしょう。


△ 45歩を突かないで55銀と出ると

65桂には66角57歩68飛83飛77桂

という展開で1局です。45歩同歩としていないので桂交換しやすいです。(後手の46桂がない)

あるいは55銀に54歩とおとなしく打って

66銀64歩同歩同銀には63歩

というのがうまいカウンターです。82飛は利かされですし、86歩に同角

があるのが悩みの種。

といって突き捨てなければ75歩62歩成76歩59角65銀48角

後手の攻撃もさほどの威力はなく、と金も大きいです。


△ 68飛なら65の歩を守れますが

直前に58飛としたところなので2手損です。でも形勢は互角というか実は先手が少し指しやすいです。65桂だけ防いでしまえば何とでもなります。


○ 59角は65桂の当たりを避けた手で

75歩のねらい(同歩には同銀か78飛)があります。後手の手が難しくて、54銀右77桂55歩同銀同銀同飛

なら後手は歩切れです。

戻って77桂に86歩同歩同飛には55歩

76飛にはあわてず56飛で銀を取れそうです。

54銀左なら

銀は死にませんが、56金55歩同金同銀同飛

というのも後手は歩切れで困っています。

もう一回戻って64歩は

64同歩同銀63歩

もう利かされでも82飛しかなくて、75歩65銀74歩同銀75歩63銀64歩同銀74歩

飛車が素通しなので桂頭をいじれば手になっています。


○ 59飛は攻守含みの待機策で

後の65桂~57歩の当たりを避けています。64歩同歩同銀には55銀

とぶつけて指せます。(63歩でもよいのですが)

59飛には86歩同歩88歩

と攻める筋が生じるのですが、97桂95歩同歩同香85桂

でさばけます。

また、86歩には同角

という指し方でも十分です。


○ まとめ

攻めるなら実戦の45歩同歩55銀という筋です。44歩と打つ筋を作れば攻撃手段が広がります。ただし後手に65桂からの反撃があるので難しい中盤です。

黙って55銀では銀を追い返されますが、歩を打たせたなら悪い取引でもありません。後手は42角の筋が通っていないので銀を繰り出してゆっくり(手厚く)攻めるしかないのでカウンターを狙います。
54歩を打たなければ65桂からの戦い。このときは77桂とぶつけてさばく筋を忘れずに。

65桂の筋を避けるあるいは緩和する59角や59飛が(昔の)振り飛車らしい手で、59角は75歩をみせて攻めさせる感じです。59飛は1手待って45歩同歩55銀の含みです。
どちらも振り飛車が十分指せると思います。

このごろは攻める振り飛車が流行りますが、自分から攻めるよりも相手の手に乗ってカウンターを決めるほうが破壊力が高いです。(なんだか明日のジョーを思い出しますが。クロスカウンター!)
少し力をためて待ち、動かないと攻めますよ、と催促する感じです。相手は反撃をわかっていても攻めるしかないというのが理想なのです。
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