名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

棋譜並べの方法論

2017-03-01 | 将棋上達法則
棋譜並べの効率的な方法について
Nさんからコメントを何度かいただいて、あれこれ考えてみました。


☆ 盤駒を使って並べるか、パソコンで並べるか、頭の中で並べるか

この頃だとヴァーチャルリアリティ(VR)が(また)話題になっていますが、人間の大脳で認識する、ということなら、実際の体験と頭の中での体験というのは同じことだそうです。
つまり盤駒を使っても、パソコンソフトの上で並べても、あるいは頭の中だけで並べても、経験としては同じだと。

ただしリアルに盤駒を使うと、手を使うということがプラスになります。郷田先生はよい手は(自分の)手が知っているといい、何度も並べることで自然に右手が正しいところにいくのだ、ということなのでしょう。私はどちらの手でも将棋を指せるようにしていますが、もちろん右手と左手で指す手が違うということはありません。これは反復練習することで、小脳だけで、(大脳を経由しなくても)反射的に動かせるようになった、ということなのでしょう。
また、複数のプロの先生が、棋譜のデータベースをパソコンで見ていても、気になる棋譜は印刷して実際に並べるとも言います。

こういう話を聞くと判断が揺らぐのですが、脳科学的には盤駒でもパソコンでも同じです。
私自身、ここ何年も盤駒を取り出していなくて、もっぱらパソコンで並べています。というのは、入力再生の早さはパソコンが圧倒的に速いのです。打ち込むだけなら10分、再生は2,3分でもできます。盤の上下をひっくり返して再生する手間も一緒です。また、気になる変化を枝分かれで記録しておくこともできます。後で並べなおすのも簡単です。
盤駒を使っていたころは、並べるのに15分、なるべく棋譜を見ないでもう一回、上下ひっくり返してもう一回、とやっていると1時間半くらいはかかります。右手ばかり使っていると疲れるので、左ても使うようになり、左手でも指せるようになりました。変化を考えているともっと時間がかかります。毎日できる時間のレベルではありませんでした。

私はプロの棋譜を並べるかどうかを取捨選択する際に、頭の中で並べて判断しています。頭の中で9×9の盤面と持ち駒まできれいに並ぶとよいのですが、そのレベルには達していません。でもまあ部分だけでも動いているところは追えるのでまあいいいか、と気楽にやっています。少しは読みを鍛える効果があります。
この頃は眠る時にその日並べた棋譜を思い出しながら眠ります。つまり頭の中だけでも並べる効果は同じだとして活用しているわけです。
これはスポーツ選手も行うところのイメージ訓練です。

つまりどの方法でもよいから(どれでも効果があるから)自分の気に入った方法で続けるのが良いというのを結論にします。



☆ 並べる速さをどうするか

これはその人の将棋の能力が、読みを中心としているか、ひらめきを中心としているかに関係します。

読みを中心とするなら時間をかけて確認していくほうが良いです。自分の読む速さに合わせて盤駒を動かすか、ソフトを動かす(入力する、再生する)か、早くしなければいけない何ていうことはありません。自分の読みの速さに合わせて動かせばよいのです。

ひらめきを中心としているなら、速さを意識します。盤駒で並べているうちは限界がありますが、パソコンソフトで再生するならどんな速さでもできるので、たまには思い切って高速で再生してみるのも面白いです。
ひらめきの本質は検索能力ですから、速く再生することにも意味がありますし、大量にインプットすることにも効果があります。

お勧めは自分で心地よく思える速さです。目安として、次の日でもなんとなく覚えている位の回数を繰り返すとよいと思います。できれば24時間後に並べなおすと、記憶が定着します。(短期記憶が長期記憶になる。)



☆ 同じ棋譜を繰り返すか、新しいものを使うか

これも得意な能力によります。(鍛える方法を変えるほうが良いという意味で。)

読みを中心とするなら、形勢の差が少ないよい勝負のもの、質の高いものを選び、気になる変化を思いきり検討します。つまり「量より質」でよいです。昔検討した棋譜を、忘れたころに検討しなおす、というのも良さそうです。

ひらめきを中心としているなら、「質より量」です。へぼ将棋を何度も並べると悪い癖がつくかもしれませんが、まあプロの棋譜ならよいでしょう。ただし自分の好きな戦型があるなら、それを選んでいくつも並べてみることをお勧めします。こういう時にはこういう手を指すものだという感覚がわかってきやすいと思います。
解説がある棋譜を並べ、この手が良かった、悪かった、とあればそれを理解し、その悪い手のためにこういう流れになった、というのも意識してみると面白いです。ひらめきは正確さを大局観で補っておくとよいです。


棋譜並べは万能の勉強方法で、たとえ詰め将棋が苦手でも、これなら楽しく続けられるのです。
盤駒を使わなくてもよい時代になってきました。棋譜も入手しやすいです。好きな方法で、好きな速さで、好きなだけやってみるとよいです。好き、楽しいというのがキーワードで、それはあなたの脳が、心地よく刺激を受けている証拠です。




コメント (1)
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則(20) ;修正あり

2017-01-09 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力について、訓練方法を考えましょう。

4 コントロール(形勢判断及び大局観)

です。

(以下、よりすっきりした定義、書き方に改めました。2017/1/9)

形勢判断は3つの要素があり
駒の損得
玉の堅さ(守備力)
攻め駒の枚数(攻撃力) ;4枚を目指します。
の3つをを比較します。

注意
1、歩得の場合、相手に持ち歩がない時だけ駒得に含めます。歩損の場合は自分に持ち歩がない時だけ駒損に含めます。
2、駒の損得は序盤では重視しますが、終盤になると重要度が下がります。
3、攻め駒としては歩は数えません。と金なら数えます。
敵陣(3段目までという意味ではなく、盛り上がっていればその位置まで)に利きのある(歩以外の)盤上の駒及び(歩以外の)持ち駒を攻め駒と定義します。ただし終盤になれば、特に対抗型の場合は、相手玉の囲いの範囲に利きのある駒及び持ち駒に限定します。
4、この3つを考えれば、「駒の働き」を別に考える必要はありません。玉の堅さに関係していれば守備に働いていますし、攻め駒に含まれれば攻撃に働いています。
5、形勢判断の要素に手番は入れません、これは大局観に含めるべきです。

終盤になると、手番がどちらにあるか、互いの玉が何手かけて詰めろになるかを考えて、攻撃力と守備力を総合比較します。互いに玉が何手すきかを比較するわけです。
互いに攻め駒が4枚以上あって寄せ合いの体制にはいったら、この方法で より正確に形勢判断できます。

形勢判断はスキル(技術)ですから、だれでも習得できます。けれど、どれくらい優勢か劣勢か、形勢互角をどの範囲までに考えるかという程度問題は見方が分かれます。だから難しいし、面白いのです。




そして、形勢判断が未来の局面を想定して行われるときは、大局観になります。

今は先手が悪そうだけど10手先はこうなるから互角、なんていうふうに形勢判断に大局観の要素を入れると混乱します。
形勢判断はあくまでその局面について行い、攻撃力が足りないから遊び駒を使って増やそうとか、守備力が足りないからもっと固めようとか、駒損だけどほかの要素でカバーしようとか、を考えるのが大局観です。何手か進めてまたそこで形勢判断をするのです。そして大局観を使って未来を自分の進めたい方向にもっていくのです。

はい、理屈がわかりましたね。よく覚えてください。

訓練方法としては、こういう解説をしてくれる自戦記、観戦記を読みます。定跡書も形勢判断をもとに結論を出しますね。これがインプット(情報の入力)です。

自分の実戦の中でも形勢判断をしてみます。こうなったらいいなあと大局観を考えます。アウトプット(情報の出力)です。
終わったら棋譜をつけておいて検証します。実戦の中で形勢判断を間違っていたとしたら、修正します。これを記録してまた修正をインプット(情報の入力)します。

ブログの今日の一手では、形勢判断や大局観の解説を詳しくやっているつもりです。ぜひ毎日読んで理解してください。自分で考えたこと(アウトプット)を解説を読んでチェックできるといいですね。
ここは間違っているんじゃないの? とコメントを書けばもっとしっかり身に付きますよ。

棋譜をつけることは実戦で将棋を指すというアウトプット(情報の出力)を検証するための重要な手段です。また、昔の自分を振り返って、今は強くなったんだなあと振り返ることができます。
明日は棋譜をつけることについてその方法などを書きます。
コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

読みの鍛え方

2016-08-07 | 将棋上達法則
昨日の名南将棋大会で、Mさんからの相談がありました。
終盤の秒読みで手が見えない
読むのが遅い
ということへの訓練法です。

直観で手を選ぶタイプ(私もそうです)は手が見えるのは速いのであまり悩まないです。でも詰む詰まないを読まなければいけないときは時間がかかるんですよね。
手が見えるようになるには、棋譜並べを速く大量に行うのが一番良い方法です。手の意味が解らなくても、棋譜並べをすれば頭の中には残っています。局面を前にして、前に似たようなことはなかったかな?と頭の中で(あいまい)検索しているのですね。この検索速度を速くするためには、(矛盾するようですが)インプットを増やしておけば、アウトプットの速度が上がるのです。もちろんアウトプットの訓練もしたほうが良いのですが、実戦を重ねていくことが訓練になります。

Mさんは読んで手を選ぶタイプなのです。だから手が見えないというのも、読むことが遅いというほうに集約されそうです。
Mさんは毎晩寝る前に詰将棋を解きながら眠る(解いて眠くなったら眠るということでしょう)そうです。その時に、詰将棋の局面を暗記して、眠りながらでも解いたらいいですよ、とアドバイスしました。
頭の中だけで解くと、角や桂の利きがわからなくなったり、持ち駒を間違えたりしますから、難易度が格段に上がります。その人の性格によって、簡単な問題からやってもよいですし、難しいものを時間をかけて考えてもよいでしょう。続けられる方法で試してみてください。

以前私は通勤電車の中で15手詰めくらいを解いていたことがあるのですが、すぐに解けるものもあるにはあっても、3日かけても解けないことが多かったです。それでも頭の中で駒を動かすのはとても良い訓練です。
もっとも私は解いた詰将棋の数よりも、実戦で詰ました方が多いという詰将棋の嫌いな人間ですから、長くは続きませんでした。長く続けているのは、棋譜を頭の中で並べることです。こちらのほうが盤面が広いですから難しくなります。でも筋をだいたい追いかけられたらよし、とするくらいでやります。棋譜集をトイレに持ち込んで、手をなぞり、面白そうなものはちゃんと並べて確認します。まあこの頃は盤駒を使わないでパソコンで並べるようになってしまいましたが。

頭の中で考える訓練をすれば、読みの力が上がります。私は昔よりも読みの力が向上しています。強くなったはずなのに、勝てないのはなぜでしょう?
まわりも強くなっているからでしょうね、だから勝ち負けなんて気にしないで、自分が強くなったことで楽しむのが一番です。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

今日の一手の読み方ヒント

2016-05-08 | 将棋上達法則
今日の一手は難しいですね、とNさんに言われました。確かに難しいところを扱っていると思います。私自身忘れたころに読み返してみて、正しそうな手を選べるかどうか怪しいです。

(このところ2日に1回ですが)朝6時に更新しています。
通勤前や通勤中に見ていただくことを想定しています。実際に大会の中で出現した局面(他で指した私の棋譜もあります)です。皆さんが実際に出くわしそうな局面なのです。

まずは形勢判断の方法を覚えること。これは簡単に習得できるスキル(技術)です。その方法は私なりに工夫しております。駒の損得、玉の堅さ、攻め駒の枚数、3つの項目だけです。簡単ではありますが、私は対局中には失念していることがあり、よいと思ったけれどしっかり形勢判断してみたら違った、ということが敗因であるということが多いのです。形勢判断を間違えると手の選択を誤ります。有利なとき互角のとき不利なときで考え方は変化するのです。

問題図を見て、自分で形勢を判断してみて、私の書いていることと一致しているか比べてみてください。見た感じよさそう、と思っても互角だったり不利だったりしませんか?
これが自分で指しているときに(悪い意味で)再現されないように、形勢判断の練習をするのです。

形勢判断に時間の要素を入れると大局観になります。この部分は不利だから、改善していくのか、ほかの要素でカバーしていくのか。有利なところを伸ばすべきか、ほどほどにすべきか、読んでいくうちに習得できるようになっていただきたいのです。

一般論で言えば、駒の損得は深追いしないほうが良いです。終盤になるほど玉の堅さを重視するほうが良いです。攻め駒は4枚に達するまでは増やさねばなりません。
これが局面や戦型で少し修正がいるのですが、それは経験を積んでわかることかもしれません。それを解りやすく伝えたいと思っています。

この手はこう指してこうなるから良い、悪い、というところは、図面をなるべく入れて解説しています。読みで手を選ぶ方は(疑いながら)読んでみてください。
でも級位者では難しく思うかもしれません。そのときはさっと読み流してもよいです。

最後に感覚的にこの手はこういう意味で指したい指したくない、というまとめを書いています。直観で手を選ぶ方はこれを理解していただきたいです。

上達法のところでも同じ意味のことを書いていますが、
読みの得意な方はしっかりと手の解説を読んでください。
感覚が得意な方は時間をかけずに、でも繰り返し読んでみてください。

ブログの左下のほうに検索窓があります。この中に例えば1年前の
20150508
と打って検索すれば1年前の記事が出てきます。1か月前でも半年前でもよいのですが、忘れたころの記事を読んで、復習できます。飛ばし読みの方は時間をかけないでよいですから、何度も読むのです。
これは棋譜並べと同じことで、読みの得意な方は時間をかけて変化を考えつつ棋譜を並べたほうが良いです。感覚が得意な方は時間をかけなくてもよいので何度も並べたほうが良いです。

(最近気が付いたのですが、私はエバーノートで日記を書いていて、同じ要領で1年前2年前3年前の日記を検索して、何を思っていたのか読み返すと自分の成長に気が付きますし、相変わらず同じ失敗をしているなあと反省します。)


ブログを読むなんて大した時間のかからないことでも、将棋が強くなるための習慣づくりになります。
毎日詰将棋を解く、なんていっても切り抜きが増えるだけだったり、毎日棋譜並べをするといっても実戦集がたまっていくだけだったりしませんか?

習慣化のコツは、小さく切り分けることです。毎日これならできるということだけにして、そこでやめます。
詰め将棋を(必至問題のほうを勧めますが)タイマーで1分だけ考えるなら1分です。解けても解けなくてもそこでやめます。毎朝1週間続けてみて、クリアして、2分にしたいと思えば2分でもいいですし、1分のままでも構いません。3週間続けば習慣になるそうです。
将棋の盤駒を引っ張り出しておいて、10手くらいなら2分でしょうか。1局20分並べるのは面倒に思っても、2分並べるだけならできませんか?
定跡書2ページ読むというのはどうでしょうか。
ブログ読むだけなら?

これを朝起きたら最初にやることの中に組み込んでしまえば必ずやります。寝る前の儀式にしてしまってもよいです。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則のまとめ(4)

2016-03-27 | 将棋上達法則
将棋に必要な能力、残りはスタミナとメンタルです。

スタミナ(体力)

脳が活動するためには酸素とブドウ糖が必要です。足りなくなれば考えられなくなります。酸素や栄養分は血液で運ばれますから、体調が関係します。健康についての状況は人それぞれですが、飲酒(脳の機能を低下させる)や喫煙(血流を悪くする)は対応しやすいでしょう。将棋を楽しむためならやめられますよね(冗談かつ本気です)。

でんぷんを消化していけば糖になり、ショ糖(砂糖)になり、ブドウ糖になります。消化吸収に問題のない方ならでんぷん質のものを食べます。ご飯でも麺類でもパンでもよいです。糖尿病予防のためには消化しにくいものがいいのですが、対局前や昼休みなら消化のいいもののほうがいいですね。昼食後に眠気がある場合は気をつけねばなりません。私のように消化能力に問題がある場合は血糖が急に上がらないように少しずつ砂糖を摂ります。(甘いものがいいからと脂肪分も含むお菓子は勧めません。また果物や代替甘味料ではブドウ糖が含まれません。)4局目になって疲れて集中力が切れると思うようなら、実はたいていの場合はブドウ糖が不足しています。昼食のでんぷんの消化が間に合っていないか、絶対量が足りていないのかもしれません。


メンタル(心理、精神力)

悪い感情のもとは恐怖心です。不安、嫉妬、怒り、などと形を変えて現れます。恐怖心にとらわれていると(技術的な)実力は十分に発揮できません。

対応策は感謝のマジックです。対局が終わったらありがとうございました、と言って終わりますね。対局に負けたとしても、なにがありがたかったですか?どんな小さなことでもいいですから、5個10個と上げてみましょう。
楽しいゲームができた、ありがとう。良い手が指せた、ありがとう。好きな戦法を指せた、ありがとう。新しい構想を試せた、ありがとう。良い手を教えてもらえた、ありがとう。悪い手がわかった、ありがとう。考える訓練になった、ありがとう。強くなった、ありがとう。エキサイティングな終盤だった、ありがとう。知識が広がった、ありがとう。自分の弱点がわかった、ありがとう。
これで負けた後でも良いイメージで次の対局に挑めます。後悔してもうやりたくないと思うこともなくなります。一日終わって楽しさが残れば成功です。

また、結果を目標にしないで、自分のできることだけを目標にして集中するということも大事です。勝敗は相手があることですし、(将棋は完全情報ゲームなので厳密にはありえないのですが)追いついたけれど不運にも勝ち筋がなかったということもあるでしょう。趣味のゲームですから、楽しむことを目標にするのが一番いいです。もっと上達すればもっと楽しくなります。(弱くなっても楽しいです。でもいくつになっても強くなれます。)


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則のまとめ(3)

2016-03-27 | 将棋上達法則
大分間が空きましたが、形勢判断の続きです。

駒の損得、玉の堅さ、攻め駒の枚数という判断基準で形勢判断ができるのですが、最終盤になるともっと正確な方法があります。何手で詰めろになるかを数えます。


2/10の今日の一手で使った問題図です。

後手玉は52銀不成~61銀不成で詰めろ。現状は3手すきで、52銀不成が2手すき、61銀不成で1手すきという数え方をします。(「すき」 は「透き」だと調べて初めて知りました。「隙」か「空き」だと思い込んでいました。)
一方先手玉は58と~69と で詰めろ。現状は3手すきで、58と が2手すき、69と が1手すきです。

互いに3手すきだったら手番のほうが優勢です。
先手が52銀不成で2手すきにしたときに、後手が逆転するには
①受けて手を延ばす、つまり2手すきを受けて4手すきにすること
②あるいは攻防の手を指して後手玉は3手すきで先手玉を2手すきにすること
が勝利条件です。猶予はもう一手あり、52銀不成58と61銀不成まですすめて、後手玉が1手すき、先手玉が2手すきの状態から
①受けて手を延ばす、つまり1手すきを受けて3手すきにすること
②あるいは攻防の手を指して後手玉は2手すきで先手玉を1手すきにすること
とするのもあります。

現実には
③受けて2手すきを3手すきにすることを繰り返す。そして①か②を実現する。
ということが多いかもしれません。

ほとんどの場合は早く気が付いたほうが対処しやすい、つまり52銀不成とされたところで考えるほうがよく、さらには問題図の57歩成の前に考えるほうがよいです。

つまり、互いに攻め駒が4枚になり寄せ合いになったら何手で自玉が詰めろになるか、何手で相手玉が詰めろになるかという計算をするのです。早く正確にできるほど終盤が強いということですね。
自分の棋譜やプロの棋譜(あるいはTVとかWebの中継とか)を並べてみて(あるいはじっくり考えながら見て)、互いの玉が何手で詰めろになるのか検討してみましょう。それが終盤力を向上させるもっとも有効な方法です。詰将棋だけでは強くなりません。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則のまとめ(2)

2015-12-31 | 将棋上達法則
将棋の上達法則のまとめ(2)

将棋に必要な能力として、コントロール、形勢判断があげられます。

形勢判断

①駒の損得 (注1)
*歩損は持ち歩がない時だけ考慮する。
*序盤では重視、終盤では軽視する。

②玉の堅さの比較
*攻められる方向で堅さは変わる。 (注2)

③攻め駒の枚数
*敵陣に利きのある駒(歩を除くが と金は数える)+持ち駒(歩を除く)を数える。
*居飛車振り飛車対抗型などでは敵陣を突破してから敵玉を攻略する場合も多く、その場合は敵玉の囲いに利きのある駒と持ち駒で数えなおす。
*4枚あるかどうか。4枚あれば十分。

3つの要素を考慮して総合判断します。(注3)


形勢判断を未来のことについて考えれば大局観になります。

<形勢の総合判断から>

自然な手とは、相手の駒を取る手、自分の駒を取らせない手、自分の駒の働きをよくする手、相手の駒の働きを悪くする手、です。
形勢がよければ自然な手がよく、少しずつ形勢がよくなってきます。
形勢が悪ければ自然な手は現状維持か少し悪化します。

不自然な手とは、相手の駒を取らない手、自分の駒を駒を捨てる手、自分の駒の働きを悪くする手、相手の駒を働かせる手、です。
ほとんどは疑問手悪手ですが、まれに好手や勝負手になると気があります。形勢が大きく動きます。
形勢がよい時にはほとんどの場合は考えないほうがよく、悪ければ考えてみます。(3番目にありそうな手を探すという感じでしょうか。)


<駒の損得から>

駒得なら長期戦を目指します。受けを考えます。逆に、受けているなら少しは駒得にしましょう。
駒損なら、駒を取り返すことを考えますが、その見込みが薄ければ短期決戦を考えます。

<玉の堅さの比較から>

自玉が堅い時は攻めを考えます。
自玉が薄い時は、守りを固めることを考えます。玉を移動して守備駒に近づけること、相手の攻め駒から離れることも重要なテクニックです。また、相手の攻め駒を減らすことも対応策の一つです。
同等なら、攻め合いで勝てるかを考えるのが基本です。少しでも自玉が堅いようにして攻め合いにします。攻め合いで負けそうなら守るか攻防の手を探します。

<攻め駒の数から>

相手の攻め駒が4枚なら、受けきれないので(状況で受けの手も入れますが)攻め合いにしないと勝てません。
自分の攻め駒が4枚なら、攻めます。
攻め駒が3枚以下なら、4枚にします。遊んでいる駒を持ってくるか、相手の駒と交換するか、相手の駒を取るか、と金を作ります。


形勢判断の大切さ、大局観は身近なもの、ということを理解して使いこなせるようになってください。中盤から終盤前半までを優位に進めることができます。


(注1)駒得になれば指し手の可能性が増えます。なので、よい手(というか悪くない手)の可能性も増えます。長期戦になるほどその効果が現われやすいです。ですから序盤で駒得できたら優勢になりやすく、終盤ではあまり考慮しなくてよくなります。終盤では玉の堅さと攻め駒の枚数でカバーできているともいえます。これ以外の予備兵力は考えなくても問題なくなります。
歩については例外ルールが増えてしまうのですが、枚数が多く、性能が悪く、2歩のルールがある、というのが原因です。歩損しても持ち歩の打てる場所の可能性は増加するのです。

(注2)玉の堅さは相対判断です。相手玉との堅さの比較ですが、攻められる方向というのは、相手戦力との相対比較という面もあります。

(注3)従来の形勢判断では、駒の損得、駒の働き、玉の堅さ、手番、など入れていたと思います。
駒の働きという概念はわかりにくいです。遊び駒の有無とかも。これは玉の堅さ、攻め駒の枚数でわかりやすくカバーできています。玉の堅さに関係しない駒、攻め駒のようでも敵陣に届いていない駒は遊んでいるわけです。
玉の堅さは相対評価にすべきで、相手より堅ければよいのです。また、弱点を攻められたら堅くないということも当然あるわけで、どこが弱点かというのも習熟したいですね。
手番は形勢判断に入れません。形勢判断はその局面について完結してできるわけで、自分の手番だから次にこう指して有利になる、などは未来の局面について考えているのです。話を複雑にしてはいけません。また、未来の局面の形勢について考えているのなら大局観の範疇です。
もちろん、終盤後半なら大局観よりは詰む詰まないの話とかで、手番がどちらかという話は大きいのですが、終盤後半では別の方法でより正確に形勢判断をします。これはまた次回。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則のまとめ(1)

2015-10-17 | 将棋上達法則
将棋の上達法則のまとめです。(注1)


パワー、スピード、テクニックの比較を表にまとめました。
将棋では、読み、直感、知識のどれかの能力を使って次の指し手を決めています。どれが得意かは個性があるでしょう。

パワー=読み
論理思考力なのですが、将棋は待ったができないですし、思考途中を記録できないので、すべて頭の中で考えなければいけません。この時は頭の中に将棋盤と駒のイメージを作っています。この脳内イメージを使っての論理思考です。
盤面(と駒)のイメージを作ること、それを使って考えることが訓練法です。詰め将棋や必至問題や次の一手や実戦、好きなものでよいです。考えましょう。(注2)
玉の堅い戦型で細い攻めをつなげるときには必須です。穴熊とか先手矢倉とかですね。
やや不利なときには時間をかけて読むしかありません。攻めるということは基本的に駒を損しますからやや不利なのです。読まなくてはいけません。
もちろん最終盤詰む詰まないは読みですね。

スピード=直観
脳内で盤面のイメージを検索する能力です。部分的で構わないので、記憶にある中で近いものを探してきます。
訓練方法は速く大量にインプットすること。棋譜並べですね。脳内の情報処理は速いのです。考えなくてもいいのですが、何度か繰り返したほうが定着するでしょう。棋譜に解説がついていれば、良い手とはこういう手、悪い手はこういう手、と意識しておくとよいです。良い手なのに並べていて違和感(思いつかない)があれば、何度か繰り返して自分の感覚を修正しておきます。
手の広い戦型で、相手は悩むあるいは間違うけれど、自分は正しい手が選べる、というのが目標です。
中盤から終盤の入り口くらいまでは、手が広いですから読みに頼ると間違いもあります。有利になれば自然な手が正解になります。こういう時には感覚の良さがものを言います。

テクニック=知識
論理思考の結果をまとめたもの。まとめれば言葉になりますからこの作業は「言語化」といいます。定跡や格言やセオリーです。
(将棋も科学的に解明しようとすれば、序盤から論理思考で手を考えて記録し有利不利を確定していくわけですね。昔はコピー将棋はつまらない、などと定跡研究する人を揶揄したものですが、こういう抵抗があるほうが科学の進化でいえば正しい道です。まだまだ論理思考だけで解明できなくて、直観の部分も大きいのですが、定跡は進化していくでしょう。)
定跡を勉強するなら定跡書を読むだけでなく並べるとよいです。論理的な解説をされる先生の本を勧めます。こういう理由でこう指すのだとわかれば身につきやすいでしょう。暗記ではなくなります。応用もしやすいです。
序盤は定跡を中心とした知識で手を決めることがほとんどでしょう。定跡研究をして時に修正していき、自分だけが詳しいとか、自分で研究した変化に誘い込めば有利になりますね。また、格言やセオリーでは中盤終盤の方針を決めることができます。

3つの組み合わせでいえば、序盤はテクニック(=知識)で、中盤はスピード(=直感)で終盤はパワー(=読み)でということになるのですが、なかなか3つとも鍛えていくのは大変です。
パワー型ならどんな時も読みを中心に据えていくほうが強化できます。不利になっても対応しやすいからです。
スピード型ならテクニックも身につけて有利な体制を作り、自然な手で勝てるようにするとよいと思います。
テクニック型なら中終盤をパワーで行くかスピードでいくか。向いている方を鍛えていきます。

あなたの得意な能力と得意な戦法が一致していますか?
一致しているならその能力を磨けばいいでしょう。
一致していないときは、足りない能力を磨くか、戦法を変えるか。これは長い目で見た戦略になります。
あなたの得意な戦法が両方混在している場合は、同じ系統のもので揃えたほうがいいでしょう。その組み合わせを考えるのも楽しいものです。




注1)名南将棋大会の最初に上達法則を説明しています。話が終わったところでまとめを上げていきます。ですからまとめの続きは来月末以降に。

注2)このころ盤面のイメージ訓練を始めました。ご参考までに。
将棋の9×9の盤面に初形の駒の配置をします。左下3×3に7枚あります。76歩と突いたら上の3×3の区域に1枚、この歩の利きをイメージします。
88角はいろいろ移動できます。77に移動して86は上の3×3で中の下。95は左の中、68は周りに何があった?
という具合です。私は読むのは苦手なので、こういうイメージをしていくと「?」という発見があります。すでにしっかりしたイメージがある人なら何を言っているの?という感じでしょうが、これが発見ばかりなのです。これをやりながら眠ります。
盤面や駒のイメージ、持ち駒も必要ですね。これがしっかりできて、9×9で移動した駒の位置を覚えていられて、戻すことも進めることも自在、そういう状態にできるのはいつのことでしょうか。
今までは部分的なイメージをつなげて記憶していて、どうにかつぎはぎで頭の中で棋譜再生もできたのですが、しっかりできるようになるまで先は長いです。

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則(36)

2015-06-05 | 将棋上達法則
将棋上達法、最後にとっておきの方法を紹介します。

少し前に一番素晴らしい訓練方法は、強い人に平手で形勢互角に近い局面にしてもらって、最後に勝たせてもらうのだと書きました。この環境を作るのは難しいのですが、実は将棋ソフトを利用することでこれに近い状況を作ることができます。
この機能、ソフトに標準装備しておいてくれるといいのですが、ソフト開発者は関心がないようです。売れると思うのですけど。(販売会社さん、特許を押さえて売り出せば大儲けですよ。)

手の読める人なら、中終盤で難しい局面をソフトを使って検討します。自分の指した棋譜をつかうのが一番ですが、プロの棋譜でもいいです。中盤で自分の思いつかない手を指摘してくれることも多いです。終盤の一手争いを自分で読んで、正しいかどうかソフトの意見を聞くのです。

私は実戦より感想戦のほうが好きで、時間があるのなら相手をしてもらっていろいろな変化を考えるのですが、勉強になったなあという充実感があります。対局相手と検討できる時間は限られるので、ソフト相手に感想戦の続きをやるのです。私は手が読めない、詰将棋の苦手なタイプなのですが、昔より読めるようになりました。終盤力が上がっている気がします。上達していると思えるので、棋譜をつけて検討して、という作業はとても楽しいのです。もちろん敗戦がつらいときも(よく)ありますが、少し間をおいて落ち着いてからやります。

手の読めない人は、定跡手順を並べてからそのあとを自分とソフトで指し継ぎます。コンピュータは強すぎますから、勝てるレベルでやることです。そして、勝った負けたを喜ぶのではなく、最初から並べ直して(ソフトなら簡単ですね)、内容を検討します。これで中終盤読めないにしても、正しそうな手を選ぶことができるようになっていきます。
時間をかけて対局してくださいね。ソフトとやるとつい早指しになってしまうので(ソフトが早指しなのでつられます)、時間制限を設けずに、30分は使って指しましょう。負けて熱くなってもう一番、という繰り返しは全く意味がない(これは長年のだめな経験)です。負けてもちゃんと振り返って検討しましょう。メンタルの訓練にもいいかもしれません。
ソフトとの対局でも、どこで形勢に差が出たのか、その手はなぜだめなのか、あるいは好手なのか、理論的に説明できるようになるといいです。大局観が磨かれます。この部分はソフトの形勢の指標数値を信用しないで、自分で確かめるほうがいいです。必要に応じて変化を指してみて、数手先のソフトの意見を聞くと前と違うじゃないか、ということもよくあるのです。


これでひとまずこの上達法則の話はおしまいです。読んでくださってありがとうございました。
長くなったので、しばらくしたらまとめを作るかもしれません。インターネットを使わない人のためにもまとめたら印刷して配布したいです。

なにか皆さんの知りたいことがあればリクエストをください。私のできることなら極力応えたいと思っています。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

将棋の上達法則(35)

2015-06-04 | 将棋上達法則
さて、実戦をして、棋譜をつけて、あなたの次の課題は何でしょう。これは自分に聞くのです。

どうやったらもっと強くなれるだろう?

知らない定跡に持ち込まれるとどうしたらいいかわからなくて困った。というなら、対策となる新しい定跡本を探して並べてみます。今はいろいろな定跡を書いた書籍があります。しっくりくる戦法なら使ってみます。めったにそう指されることはない戦法だとわかったら、概略だけ読んでおけばいいのかもしれません。

定跡の知識が増えていけば、序盤の数手からこのパターンはこういう戦法をする、という戦略が立てられるようになります。自分だけこの定跡に詳しくて、すくなくとも中盤までは有利に進められる、そういうものをいくつか持っていれば心理的にも優位に立てますね。


定跡まではいいけれど、そのあとがわからない、いいはずなのに負ける。というのが課題なら、棋譜並べをしましょう。米長の将棋も覚えたら、ほかのテキストを手に入れます。将棋世界や週刊将棋あるいはネット中継や新聞の将棋欄なら、最新の棋譜が手に入ります。最新ならいいというわけでもなくて、流行がありますから、少し古いもののほうがあなたの目的にはピッタリかもしれません。将棋年鑑なら少し古いものが古本屋で手に入るかもしれません。書籍になった実戦集もあります。気に入った棋士のものが出ているといいのですが。
棋譜を覚えるまで並べてみます。この局面はこういう手がいい、というのが思い浮かぶようになります。正しい手が1手わかるなら読まなくてもいいのです。

指したい手が正しいかどうか判断するために、手の読める人なら先の展開を考えます。手は読めなくても情報検索の得意なあなたは正しそうな手が自然にわかります。知識が蓄積されていけばどんどん強くなります。正しい手をインプットするために棋譜並べをするのです。
そして形勢判断が正しくできるようになれば間違いが少なくなります。




将棋の上達法則、連載が長くなりました。明日はとっておきの訓練方法を書いてひとまず終わりにしますね。


コメント
この記事をはてなブックマークに追加