名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190930

2019-09-30 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

作戦負けの気配ですが、どうにか耐えます。

A 55同歩  B 82飛  C 51角

 

第2問

銀取りの受け方です。

A 62歩  B 64歩  C 19馬

 

第3問

 

これで盛り返しました。

A 86香  B 33桂  C 33金

 

第4問

 

攻防の手です。

A 36馬  B 38角  C 33金

 

第5問

 

これでしのいでいるとは。

A 72金  B 82歩  C 52銀

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1362);三間飛車に玉頭位取り(西村一義)

2019-09-30 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190930

昭和44年7月、西村一義先生と第10期王位戦第1局です。西村先生はこの時27歳、名古屋出身です。

大山先生はまたも後手三間飛車です。

西村先生は玉頭位取りに。

ここまでは普通の展開ですが

大山先生は石田流ではなく34金型、かなり珍しい指し方です。

2筋の歩を交換して

65歩には25歩から65歩

55歩には62飛。これでは左右分裂で悪くなりそうですが。

西村先生は55歩を打って銀を下がらせ、65銀に

大山先生は銀をぶつけてさばきます。

西村先生の53銀は、63飛に54歩の意味ですが、76に空間があるので危なさそうです。

87銀も取れず、84飛とかわされてしまいました。後手から52歩もあるので忙しいです。

67金36歩63歩同銀85歩同飛88歩。無理矢理に銀を取りに行きました。

大山先生は角をさばいて桂取り。

西村先生は銀を取り切り、竜を追って

桂取りを受け

角を追います。角を取れば43角があるのですが、飛を渡すのも怖いところ。

37歩成には85歩93竜を決めてから17飛。角飛取り合いで43角72金34角成の時に39飛が王手馬取りになるとまずいのです。

27と同飛19角成。大駒を取り合わない展開ですが、先手から見て銀と桂香の交換、竜馬を作られているので駒損です。

玉の堅さだけが頼りで、香角で竜を取りに行きます。

後手玉も薄いので勝負にはなりました。

67飛には18馬、大山先生は馬を使って受けます。

64歩72銀52銀不成、西村先生は銀を使えたので互角に近いです。

34竜とすれば駒損はほぼ解消できます。逆転しているのかも。

その前に玉頭を継ぎ歩攻め、が甘かったようです。86香を打たれて、先手玉も危なくなってきました。

89香成を取れず(98角が王手銀取り)、大山先生の38角は攻防に利きそうです。

西村先生は角の利きが通る前に83金から清算して84歩(取れば87飛)93玉。

34竜は詰めろ。56角成は詰めろ逃れで竜取り。83金から馬を取って

65角を打てたので、西村先生が有利になったでしょう。

93玉84銀82玉87飛。きわどい手順ですが後手玉を捕まえた感触があります。

71玉に92角成がおかしかった(83銀不成か?)というか、52銀で難しいとは思わないでしょう。18馬の利きがあるので詰めろはかからないです。ここで95銀なら先手よしか。

89飛98香成だと飛を逃げるしかないです。

左右挟撃で先手玉が危なくなり

早逃げも

飛を攻められて困っています。

金金で飛を取られて、97飛が王手馬取り。

92飛成に95桂はなるほどですが、94竜。やはり18馬の利きがあり、後手玉に詰めろがかかりません。

ここまで。

 

西村先生の57手目53銀の飛取りというのが筋悪でかなり苦しくなったのですが、終盤では盛り返して逆転していると思います。大山先生の怪しい受け方に、決め手を逃しました。

若さの勢い、後年穴熊を指すことからうかがえる筋の悪さ=読みに頼る=腕力が見えます。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/07/28
手合割:平手  
先手:西村一義5段
後手:大山王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5六歩(57)
16 7二玉(62)
17 6八銀(79)
18 5四歩(53)
19 5七銀(48)
20 5三銀(42)
21 6六歩(67)
22 6四歩(63)
23 7五歩(76)
24 5二金(41)
25 6七銀(68)
26 8二玉(72)
27 7六銀(67)
28 7二銀(71)
29 8六歩(87)
30 4二角(33)
31 1六歩(17)
32 3五歩(34)
33 2六飛(28)
34 1四歩(13)
35 5八金(49)
36 4三金(52)
37 7七角(88)
38 3四金(43)
39 4六歩(47)
40 2四歩(23)
41 同 歩(25)
42 同 角(42)
43 6五歩(66)
44 2五歩打
45 2八飛(26)
46 6五歩(64)
47 5五歩(56)
48 6二飛(32)
49 5四歩(55)
50 同 銀(53)
51 5五歩打
52 6三銀(54)
53 6五銀(76)
54 6四銀(63)
55 同 銀(65)
56 同 飛(62)
57 5三銀打
58 8七銀打
59 7九玉(78)
60 8四飛(64)
61 6七金(58)
62 3六歩(35)
63 6三歩打
64 同 銀(72)
65 8五歩(86)
66 同 飛(84)
67 8八歩打
68 5六歩打
69 6八銀(57)
70 3七歩成(36)
71 同 桂(29)
72 4六角(24)
73 8七歩(88)
74 同 飛成(85)
75 7八金(69)
76 8四龍(87)
77 8五歩打
78 同 龍(84)
79 7六銀打
80 8四龍(85)
81 2七飛(28)
82 3六歩打
83 5六金(67)
84 3七歩成(36)
85 8五歩打
86 9三龍(84)
87 1七飛(27)
88 2七と(37)
89 同 飛(17)
90 1九角成(46)
91 9五歩(96)
92 同 歩(94)
93 9四歩打
94 同 龍(93)
95 9五香(99)
96 同 龍(94)
97 同 角(77)
98 同 香(91)
99 2二飛打
100 5二歩打
101 6七飛(27)
102 1八馬(19)
103 6四歩打
104 7二銀(63)
105 5二銀(53)
106 同 金(61)
107 同 飛成(22)
108 6一銀打
109 3二龍(52)
110 6二歩打
111 8四歩(85)
112 同 歩(83)
113 8五歩打
114 8六香打
115 8四歩(85)
116 8九香成(86)
117 6九玉(79)
118 3八角打
119 8三金打
120 同 銀(72)
121 同 歩成(84)
122 同 玉(82)
123 8四歩打
124 9三玉(83)
125 3四龍(32)
126 5六角成(38)
127 8三金打
128 同 馬(56)
129 同 歩成(84)
130 同 玉(93)
131 6五角打
132 9三玉(83)
133 8四銀打
134 8二玉(93)
135 8七飛(67)
136 7一玉(82)
137 9二角成(65)
138 5二銀(61)
139 8九飛(87)
140 9八香成(95)
141 8七飛(89)
142 6六桂打
143 6七銀(76)
144 4八金打
145 5九香打
146 4六桂打
147 3一龍(34)
148 4一香打
149 7九玉(69)
150 7八桂成(66)
151 同 玉(79)
152 9六金打
153 8五飛(87)
154 8七金打
155 同 飛(85)
156 同 金(96)
157 同 玉(78)
158 9七飛打
159 7八玉(87)
160 9二飛成(97)
161 9五桂打
162 9四龍(92)
163 8三銀(84)
164 9五龍(94)
165 8二金打
166 6一玉(71)
167 投了
まで166手で後手の勝ち

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第201回名南将棋大会(壱)速報

2019-09-29 | 名南将棋大会

今日は第201回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

38人参加で部屋の定員36を超えてしまいました。ロビーまで使ってなんとかこなせました。ご協力ありがとうございました。

A級優勝

磯谷祐維さん

B級優勝

伊藤康さん(ですが賞金ももらわずに帰られてしまいました。)

神谷拓摩さん

櫻井皓太さん

C級優勝

大西佑哉さん

D級優勝

杉浦悠斗さん

E級優勝

瀧本洋満さん

佐藤翼さん

F級優勝

森本直人さん

岩佐美帆子さん

岡田仁さん

優勝された皆さんおめでとうございます。

参加された皆様ありがとうございました。

 

過去12回の優勝記録です。

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋問題集20190920

2019-09-20 | 大山将棋研究

*お知らせ

6年ぶりにPCを買い換えます。しばらく作業に追われますので、ブログ記事を更新できないと思います。月末までくらいでしょうか?

 

 

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

84角ねらいですが。

A 83銀  B 73桂  C 54歩

 

第2問

 

振り飛車の感覚では?

A 65桂  B 52飛  C 54金

 

第3問

 

形勢が良いのでわかりやすい手を選びます。

A 37銀  B 56歩  C 36歩

 

ここからは先手番中原先生の手を考えます。

第4問

金取りですが。

A 58金  B 34角成  C 61角成

 

第4問

 

寄せ合い勝ちになっています。

A 44角  B 62と  C 62銀

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1361);三間飛車に中央位取り(中原誠)

2019-09-20 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190920

昭和44年7月、中原誠先生と第17回王座戦です。

大山先生の後手三間飛車です。

当時は定跡が整備されていませんが、後手三間飛車には急戦が成立するということになっています。

大山先生は53歩+22飛で受けるのですが、45歩同歩55歩と攻めるのでしたっけ。

中原先生は55歩~47銀~56銀という手順で中央位取りに。

急戦のほうの中央位取りですが、45同桂で攻めるのは無理気味です。銀で取り返して1歩持ち

66角で83銀を誘って攻めようかということでした。大山先生は83銀ではなく73桂。77桂には64歩同歩52飛から反撃です。

57銀でしたがやはり54歩から反撃をねらいます。

54同歩同銀35歩同歩24歩、これに同角と取ることが多いのが大山先生の特徴です。44角には42飛ですね。

53歩同金25桂というのはひねった手で、自然流中原先生でも形勢が思わしくないと気が付いた(楽観派で知られるのですが)のかなあ? 桂をさばいてまだまだくらいに思っていたのかもしれません。

55歩には同銀で銀交換し

飛を中央にもっていくのが良い味です。先の53歩同金というのはこういう変化で生きています。

中央をどうにか抑えますが

65桂に43銀しかないのでは先手不利です。

駒損でも中原先生は55桂を決め

ちょっともたれて指すのですが

角を取って

香を取った図では銀銀と角香の交換です。でも玉の堅さが違うので後手が指しやすいはず。

63香と打って同銀同桂成同金。後手玉は薄くなっても駒損です。攻め駒の数も違うので後手有利が広がります。

43角は もたれて指す戦術の続きですが、駒損でこれでは悪くなっています。大山先生は72銀を打てば無難で優勢に近いはず。銀を埋めずに45桂は、1本入ると楽観していたのかも。

中原先生は角を切って52銀

金も打ち込んで攻めが続きます。大山先生は72金を打てないので受けきりはなく

37歩成にも同飛が強い手です。

やむなく5筋を清算して飛を取りました。後手玉は裸なので一手違いにはなっているでしょう。

33飛~35飛成で後手玉は3手すきくらい。先手玉は

38飛58歩まではいいとして、大山先生の39飛成は2手すきでもない(次に詰めろがかからない)でしょう。54香とか65桂とかならば。

33竜(詰めろ)63桂44角。後手玉はまだ詰めろではないですが

85香に31竜は詰めろ。先手玉は

詰まないので大山先生の投了です。

 

振り飛車楽勝の将棋のはずですが、思わず強攻されて怪しくなりました。それでも寄せ合いは難しかったはずですが、明らかな一手負けコースに。中原先生相手にはおかしな将棋が多いのです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/07/22
手合割:平手  
先手:中原誠棋聖
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二飛(82)
7 2五歩(26)
8 3三角(22)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 9四歩(93)
15 5六歩(57)
16 7二銀(71)
17 5八金(49)
18 7一玉(62)
19 3六歩(37)
20 5二金(41)
21 4六歩(47)
22 8二玉(71)
23 3七桂(29)
24 2二飛(32)
25 5五歩(56)
26 4三銀(42)
27 4七銀(48)
28 6四歩(63)
29 5六銀(47)
30 6三金(52)
31 6八銀(79)
32 7四歩(73)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 4五歩(46)
36 同 歩(44)
37 同 銀(56)
38 4四歩打
39 5六銀(45)
40 1三香(11)
41 2六飛(28)
42 8四歩(83)
43 6六角(88)
44 7三桂(81)
45 5七銀(68)
46 5四歩(53)
47 同 歩(55)
48 同 銀(43)
49 3五歩(36)
50 同 歩(34)
51 2四歩(25)
52 同 角(33)
53 5三歩打
54 同 金(63)
55 2五桂(37)
56 5五歩打
57 同 銀(56)
58 同 銀(54)
59 同 角(66)
60 5二飛(22)
61 8八角(55)
62 6三金(53)
63 5四歩打
64 6五桂(73)
65 4三銀打
66 5七桂成(65)
67 同 金(58)
68 5一飛(52)
69 5五桂打
70 7三金(63)
71 3四銀成(43)
72 3六歩(35)
73 2四成銀(34)
74 同 歩(23)
75 1三桂(25)
76 3五銀打
77 2七飛(26)
78 1三桂(21)
79 6三香打
80 同 銀(72)
81 同 桂成(55)
82 同 金(73)
83 4三角打
84 4五桂打
85 6一角成(43)
86 同 飛(51)
87 5二銀打
88 6二飛(61)
89 5三金打
90 3七歩成(36)
91 同 飛(27)
92 5三金(63)
93 同 歩成(54)
94 5二飛(62)
95 同 と(53)
96 3七桂成(45)
97 3三飛打
98 7三金打
99 3五飛成(33)
100 3八飛打
101 5八歩打
102 3九飛成(38)
103 3三龍(35)
104 6三桂打
105 4四角(88)
106 8五香打
107 3一龍(33)
108 8七香成(85)
109 同 玉(78)
110 7五桂(63)
111 同 歩(76)
112 5四角打
113 7七玉(87)
114 7六銀打
115 6六玉(77)
116 投了
まで115手で先手の勝ち

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190920今日の一手(その925);玉は包むように寄せよ

2019-09-20 | 今日の一手

20190920今日の一手

7月6日の名南将棋大会から、私とNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

(枚数の)駒の損得はなく、成銀成香VS馬成銀成桂の作り合いで、後手のほうがわずかに得です。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は23成銀31成銀と持ち駒金桂で4枚。46角は入れるかどうか悩むところです。

後手の攻め駒は47成桂を入れたとして持ち駒金と合わせて2枚。

 

総合すれば先手有利です。

 

☆ 大局観として

先手の劣っているのは少し駒損と言うだけですが、角取りに成桂を引かれました。駒得にするのは難しそうですが、うまい手があれば優勢に近くなります。

後手玉が薄いので攻める手を探すほうが普通です。すぐに詰めろになる手があるのですが見えますか?ところが落とし穴もあり、先手の私は間違えてしまいました。

 

☆ 簡単なまとめ

55桂がぴったりの寄せでした。

63への脱出ルートを塞げば寄せやすいです。

 

 

× 実戦は16飛です。

12飛成以下の詰めろです。もちろん飛は馬で取られるのはわかっていますが、16同馬同歩46成桂

この図で後手玉が受けなしになるのだろうと勘違いしていたのです。今41角ではちょっと足らないので、32成銀51玉(52玉だと思っていた)42金同飛同成銀62玉43成銀39飛88玉86歩42飛63玉と進んで

この図でも悪いとは思っていなかったのですが、正解は49歩(これは見えていたのですが)で王手竜取り狙いです。しかしこの図の先手玉が詰まないと思っての44成銀に、87歩成同金78金同玉79金。尻金の筋に気が付かず、69角88玉87角成以下が詰まないと思っていました。勘違いが2つあり、私の負けです。

 

 

× 32成銀52玉を入れて16飛ならば

16同馬同歩46成桂は41角を打てるので先手の勝ち筋です。

しかし飛を取らずに46成桂12飛成63玉

これは駒得が大きく後手玉が安定しました。後手有利です。この筋では32成銀や32成香の王手はかけないほうが良さそうです。

 

 

○ 55桂も詰めろです。

対局中には全く気が付かず。55同銀同角52玉33角成

まだまだ長いですが先手の駒得になりました。優勢でしょう。

 

55桂を取らない後手の受けは難しいのですが、とりあえず52玉

41成香が良い手で、82飛63金

41玉43桂成で寄り筋です。

 

 

△か○ 32成銀52玉を決めて55桂でも詰めろです。

ただ55同銀同角63玉

というのは32成銀よりも33角成としているほうが先手の得です。やはり小駒主体の攻めではむやみに王手をかけない方が良いです。

 

 

△か○ 45歩も工夫で

45同銀55桂ならば55桂を銀で取られません。72金くらいでしょうか。

この図は16飛とか44歩とか、先手が勝ちやすい流れです。

 

後手としては45歩に46成桂

44歩45成桂41銀

54歩32成香53玉43歩成同玉33成銀53玉42成香63玉

小駒の攻めをかわしていくほうがまぎれやすいと思うのですが、先手として悪くはありません。

 

 

△ 46桂は歩で済むところを桂を使ったので、損な手のようですが

46成桂44桂

この桂を取らねばならないでしょう。44同歩46飛55角56飛同馬同歩

後手として受ける手段が乏しくなっていて、角も切って攻めるのがどうか。一手違いの寄せ合いです。

 

なお46桂に45銀ならば64角

56銀91角成は先手優勢です。

 

 

△ 36桂と打てば

45銀ならば55角で少し先手が良いとして

戻って36同香には同飛

46成桂には38飛で先手有利です。27馬34飛52玉13角成

大駒が使えたのでわかりやすくなった感じです。結構有力でした。

 

 

× 後はたいした手はありません。64角と捨てて

64同飛56桂62飛44桂同歩

これでは駒損がひどいです。

 

 

△か× 35角(香を取った)

35同銀55桂は

これは先手の攻めが結構厳しいのですが、

 

35同歩のほうは45歩55銀

55桂を打てないとどう攻めたものか。

 

 

△ 最後は88玉の早逃げ。

悪い手ではないことのほうが多いです(問題図の前に68玉を79玉と早逃げしたところでした)が、46成桂同飛37角16飛15歩56飛

駒損でも攻め駒が増えて攻めやすくなった、と言えるかどうか。形勢互角くらいです。

 

☆ まとめ

「玉は包むように寄せよ」というのですが、王手よりも左右挟撃や上から押さえつけるような攻め方が良いです。相手玉の守備力が小さい(玉を逃げ出しやすい)時や、自分の攻め駒が小駒だけ、というときにより有効です。

16飛は大駒の力で寄せるはずだったのですが、寄せられませんでした。

55桂のほうが良い手で、どちらも詰めろですが左右挟撃というか退路封鎖というか、包みながら寄せる感じができていました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋問題集20190919

2019-09-19 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

駒損で不利になったようですが。

A 36歩  B 33桂  C 33角

 

第2問

 

逆転されました。これが勝負手なのですが、読んでわかる手ではないです。

A 86桂  B 86銀  C 53銀

 

第3問

 

二枚換えで飛は取ったのですが、まだ悪いです。とりあえず

A 87飛  B 35角  C 79竜

 

第4問

 

この先手玉が詰むのだとわかっているのでしょうね。余詰めもありますが21手。

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1360);四間飛車に玉頭位取り(西村一義)

2019-09-19 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190919

昭和44年7月、西村一義先生と第8期十段戦です。

大山先生の四間飛車です。

西村先生は玉頭位取りです。

大山先生は54銀型で83銀。63金~72飛のねらいもあるのですが

見送って銀冠に組みました。

西村先生は68金上か88玉~78金とせずに36歩。

1歩持っているから角を追えば手になると見たのですね。

11角成が受からないので先手成功のようですが

歩切れで36歩を突きだされてみると大変です。39香33角同馬同桂というのは互角だけど仕掛けたほうはうれしくないです。

でも21馬37歩成同桂同飛成、桂の取り合いは玉の堅い後手有利です。

西村先生は8筋をねらいます。

大山先生は33角77桂を利かせ

36歩38歩も利かせて35桂。59桂を打たせればかなりの利かしです。

西村先生は手抜いて66桂。47桂成に

64歩~85歩で勝負です。

途中で54桂を入れて

銀交換から54馬。これは勝負になりました。53銀にどうするかが難しくて少し足りないように見えますが

大山先生は銀を取って86銀ですか? 44馬に76銀や76桂も詰めろではないから負けそうですし、83香成を決められるのも困ります。

西村先生は55桂。これは攻防ですが角を取れるところだから微妙です。大山先生はさらに85桂の勝負手。85同桂に77銀打から

68飛を取って79竜は詰めろ(66香から)です。

西村先生は66銀から手堅く受けます。

35角46歩52香の催促。西村先生としてはこれなら勝てそうに見えたでしょう。87馬~63歩成か45馬か

馬を切って63歩成はわかりやすい詰めろです。実は先手玉が詰んでしまうのですが、読めますか?

68竜同玉77銀成同銀79角

78玉88金69玉に68銀同銀78金というのがきれいな詰み筋です。

あとは難しくなくてここまで。

 

西村先生の仕掛けがうまくいかなくて(仕掛けるほうがリスクが高いものです)、大山先生有利の終盤でしたが、玉頭位取りというのは玉頭から攻めてしまえば勝負になるのです。西村先生は逆転に成功したのですが、大山先生の不思議な指し方にだまされました。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/07/17
手合割:平手  
先手:西村一義5段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 6八銀(79)
14 7二銀(71)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 7五歩(76)
18 7一玉(62)
19 5七銀(48)
20 5二金(41)
21 7七銀(68)
22 1四歩(13)
23 5八金(49)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 8四歩(83)
27 7六銀(77)
28 5四銀(43)
29 8六歩(87)
30 8三銀(72)
31 8五歩(86)
32 同 歩(84)
33 同 銀(76)
34 8四歩打
35 7六銀(85)
36 8二玉(71)
37 6七金(58)
38 7二金(61)
39 7七角(88)
40 6二金(52)
41 1六歩(17)
42 4五歩(44)
43 2五歩(26)
44 3三角(22)
45 3六歩(37)
46 3二飛(42)
47 3五歩(36)
48 同 歩(34)
49 3四歩打
50 5一角(33)
51 6五歩(66)
52 3四飛(32)
53 1一角成(77)
54 3六歩(35)
55 2一馬(11)
56 3七歩成(36)
57 同 桂(29)
58 同 飛成(34)
59 6八飛(28)
60 3九龍(37)
61 8八香打
62 3三角(51)
63 7七桂(89)
64 3六歩打
65 3八歩打
66 3五桂打
67 6六桂打
68 4七桂成(35)
69 6四歩(65)
70 1九龍(39)
71 3二馬(21)
72 4四角(33)
73 8五歩打
74 同 歩(84)
75 同 銀(76)
76 8四歩打
77 5四桂(66)
78 同 歩(53)
79 8四銀(85)
80 同 銀(83)
81 同 香(88)
82 8三歩打
83 5四馬(32)
84 5七成桂(47)
85 同 金(67)
86 8六銀打
87 5五桂打
88 8五桂打
89 同 桂(77)
90 7七銀打
91 6七玉(78)
92 6八銀成(77)
93 同 金(69)
94 7九龍(19)
95 6六銀打
96 8七飛打
97 7七銀打
98 3五角(44)
99 4六歩打
100 5二香打
101 7二馬(54)
102 同 金(62)
103 6三歩成(64)
104 6八龍(79)
105 同 玉(67)
106 7七銀成(86)
107 同 銀(66)
108 7九角打
109 7八玉(68)
110 8八金打
111 6九玉(78)
112 6八銀打
113 同 銀(77)
114 7八金(88)
115 同 玉(69)
116 8八飛成(87)
117 6七玉(78)
118 6八龍(88)
119 7六玉(67)
120 6五銀打
121 投了
まで120手で後手の勝ち

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋問題集20190918

2019-09-18 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

玉頭位取りの駒組はいくつか注意するところがあります。

A 54歩  B 34銀  C 85歩

 

第2問

8筋が危なさそうですが。

A 83歩  B 77歩成  C 88歩

 

第3問

 

手堅く指します。

A 66角  B 89歩成  C 34銀

 

第4問

 

平凡ですが受けにくい攻め方です。

A 78銀成  B 46桂  C 77角成

 

 

 

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1359);中飛車に玉頭位取り(升田幸三)

2019-09-18 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190918

昭和44年7月、升田幸三先生と第8期十段戦です。久しぶりの対戦なのは、升田先生に休場が多かったためでしょう。

序盤で端歩を付き合い、どちらが振るのかの様子見がありましたが、升田先生の中飛車になりました。

大山先生は玉頭位取りです。

ここで54歩を打つのが定跡です。35飛は13角や44銀右があるので構いません。

34銀を後回しにしているので43金が間に合って、先手の55歩が成立せず。

升田先生は端桂、89飛~86歩同歩同飛というねらいです。

89飛45歩を取らずに86歩。45同歩か同銀か、取っておいて構わないと思うのですが。

8筋の歩を取れても、76歩まで取り込まれては失敗です。

59角に77歩成同角72飛76歩。76同飛は67金で受けます。

46歩に68角。46角と取れれば先手まずまずですが

55歩~45銀で後手十分です。ここからは升田先生の指し手が難しくなっていきます。

75歩と突いて56銀76銀

47歩成から銀交換

ちょっと落ち着いて

55銀には金で56歩を払い

金銀交換から、互いに銀を打ちます。後手玉のほうが堅いのですが、升田先生も崩れないように指しています。

64角と使えれば先手が良くなりますが

89歩成同飛75飛とさばかれて

74飛がぴったりであまりうまくいきません。それでも初志貫徹で8筋の歩を延ばしていくのが升田先生らしい剛腕です。

大山先生は勢いよく攻めていくのですが、歩切れなのでちょっと無理をしています。

と金を作って結構難しいというのが升田先生の腕力です。

銀を打ちあって

飛を取り合い88飛。

82飛42金上58金はこれくらいですが、大山先生は36歩。36同歩は55角ですね。先の82飛が余計でしたか?でも79角とか24角(53歩ねらい)とか53歩同金寄24角とか、案外に先手よしかもしれません。

升田先生は56銀。55角を防いだという意味ならここで53歩とか47歩の我慢とか。予定としては45桂と跳ねるつもりではなかったかと想像するのですが、68飛成同金46角があります。

何かの勘違いがあって、64成銀では寄せ合いになっていません。37歩成同金46桂は結構厳しいです。59金78銀成は負けそう、46同金同歩44歩同角36桂で勝負できるか。

54歩だったので58桂成24角49成桂。38歩には48飛成か66角が厳しくて、ここで投了です。

 

大山先生は攻める時に歩切れを気にしないことがあり、本譜は好きなように攻めているようでも案外に難しいのです。厚みの将棋が苦手なのだろうと思います。

升田先生は八方破れのような形ですが、実はバランスが取れていました。指しにくい分だけずいぶん考えてしまったのかもしれません。疲労か時間切迫か、最終盤で勝負手を逃しています。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/07/05
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 1六歩(17)
4 1四歩(13)
5 9六歩(97)
6 8四歩(83)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 5四歩(53)
11 6七銀(68)
12 4二玉(51)
13 5八飛(28)
14 3二玉(42)
15 4八玉(59)
16 4二銀(31)
17 3八玉(48)
18 5三銀(62)
19 2八玉(38)
20 5二金(61)
21 3八銀(39)
22 3五歩(34)
23 5六歩(57)
24 3三銀(42)
25 5五歩(56)
26 同 歩(54)
27 同 飛(58)
28 5四歩打
29 5九飛(55)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 4四歩(43)
33 5六銀(67)
34 4三金(52)
35 4六歩(47)
36 2四歩(23)
37 5八金(69)
38 3四銀(33)
39 9七桂(89)
40 7四歩(73)
41 8九飛(59)
42 4五歩(44)
43 8六歩(87)
44 7五歩(74)
45 8五歩(86)
46 7六歩(75)
47 5九角(77)
48 7七歩成(76)
49 同 角(59)
50 7二飛(82)
51 7六歩打
52 4六歩(45)
53 6八角(77)
54 8八歩打
55 7九飛(89)
56 5五歩(54)
57 6七銀(56)
58 4五銀(34)
59 7五歩(76)
60 5六銀(45)
61 7六銀(67)
62 4七歩成(46)
63 同 銀(38)
64 同 銀成(56)
65 同 金(58)
66 4四銀(53)
67 3八金(49)
68 5六歩(55)
69 6七銀(76)
70 5五銀(44)
71 5六金(47)
72 同 銀(55)
73 同 銀(67)
74 3四銀打
75 6七銀打
76 6四歩(63)
77 4六角(68)
78 8九歩成(88)
79 同 飛(79)
80 7五飛(72)
81 7六歩打
82 7四飛(75)
83 8四歩(85)
84 4五歩打
85 6八角(46)
86 5五歩打
87 4七銀(56)
88 6五歩(64)
89 同 歩(66)
90 5六金打
91 同 銀(47)
92 同 歩(55)
93 8三歩成(84)
94 8八銀打
95 6三銀打
96 8九銀(88)
97 7四銀成(63)
98 8八飛打
99 8二飛打
100 4二金(41)
101 5八金打
102 3六歩(35)
103 5六銀(67)
104 3七歩成(36)
105 同 桂(29)
106 3六歩打
107 6四成銀(74)
108 3七歩成(36)
109 同 金(38)
110 4六桂打
111 5四歩打
112 5八桂成(46)
113 2四角(68)
114 4九成桂(58)
115 投了
まで114手で後手の勝ち

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする