名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

SS1-13 角道オープン四間飛車(27)

2023-08-31 | 基本定跡の研究

昨日は居飛車穴熊への組み替えを見ましたが

玉頭位取りはどうでしょうか。46歩と75歩のバランスが悪い感じですが。評価値で見ても穴熊のほうが優っています。本には63銀47銀74歩同歩同銀

とするのが載っていて、駒組を進めると

後手のほうが玉頭位取りのような形になっています。先手の攻め筋としては

右桂を跳ねて、44銀24歩同歩23歩同飛32角

持ち歩を生かした攻めがあります。決まれば先手有利です。

後手としては先手に攻められる前に

(47金を見て)24歩と動きます。24同歩27歩同飛38角23歩成

飛の取り合いで後手良し、先攻した方が良くなるようです。

AIに聞くと

先手としては47金ではなくて68金右と固めなさいと。84歩に35歩同歩41角

62金寄32歩42銀38飛

以下も簡単ではないですが(36角67銀47角成35飛46馬38飛・・・) どこかで玉の堅さの違いが出そうです。評価値では+300を超えて先手有利。

戻って

ここは42飛が最善手で、23角成27歩48飛

評価値では+280、後手はどこかに角を打ちこんでくるのでしょうが、十分対応できるでしょう。飛角を交換しても構いません。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(26)

2023-08-30 | 基本定跡の研究

大石直嗣先生の「1冊ですべてわかる角交換四間飛車その狙いと対策」から、これまでの検討で抜けている変化を取り上げていきます。

普通の角交換四間飛車で

先手はとりあえず矢倉の形に組みました。後手は向い飛車を採用せず、玉を囲っていきます。

52金左に対しては46歩が利きます。というのは44歩47銀45歩同歩同飛に32角があるから。

こういう反撃がなくて、46歩42飛となるのは先手の作戦負けになる可能性が高いです。ということで戻って駒組が続き

先手は腰掛け銀から穴熊に組み替えます。

こりあえずここまでで駒組は完了で、本には45歩同歩同桂と攻めなさい、とあるのですが(形勢は難しい)。AIに聞いたところ、48飛15歩68金右

もう少し固めておくほうが良いと。後手からの攻め筋としては、16歩同歩35歩同歩16香同香36歩

という手段はあります。でも11香成37歩成18飛

あっさり指して先手有利です。評価値は+793、かなり勝ちやすそうですね。

ということで後手から動くわけにはいかず、

12香などと待って(有効な手が無い)45歩と仕掛けられます。45同歩は同桂44銀43歩から角を打ちこまれます。評価値では+500を超える、先手の好調な攻めが続くのです。後手としては26角47飛35歩

局面を複雑にする方が優りますが、44歩同銀43歩同飛32角

先に桂を取られます。最善は42歩のようですが、21角成36歩43馬同歩32飛

37歩成を同飛ではなくて46飛31歩34飛成。

飛1枚は角と交換で良いです。と金は作られているものの、穴熊には遠いです。評価値では+450ほどの先手有利。

他の変化でも取り上げましたが、後手としては何もしないと(角を交換していても)居飛車穴熊を相手にして分が悪い戦いになるようです。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(25)

2023-08-29 | 基本定跡の研究

今度は後手からの変化で

先手の25歩が早いから、33銀型を保留して向い飛車にすることはできます。ここから駒組を進めると

33銀型ではなくて、42銀~53銀として下段飛車にする形があります。ここからは片銀冠にする指し方です。先手としてはちょっと面白くないようですが、評価値は+195ですから、悪いことはありません。

この途中で56角を打つのがAIのおすすめで、34歩を取って2筋を攻める手を見ています。評価値では+266で先手有利までもう少し。なのでこの後手の指し方を恐れることはないです。

もっと戻って

先手は78玉とする前に77角を打ちなさいというのが本手です。後手としては33角しかなさそうですが、手損でも33角成同桂として、先ほどの

こういう筋違い角をねらいなさいというのがAIのおすすめです。

(あとはおまけの話です。)従来の指し方では、角を打ち合ったまま駒組を進めて

後手が穴熊にする実戦例もありました。さらに進むと

こんな形で、評価値では+166、先手が悪くはないです。

でも戻って

この辺りで角交換して

こういう図のほうが評価値は高いです。気になるのは14歩16歩69角ですが

48銀58角成68金引49馬67角

馬は消せるので大丈夫。銀は57から48に移動してしまうのですが

59から(様子を見て)68に引き付ける感じです。穴熊よりも銀冠のほうが堅いから先手が指しやすいでしょう。評価値では+201です。

後手としては穴熊にしないほうが良いですが

この図で評価値は+168です。でももう少し積極的な駒組をして

この図ならば評価値は+200くらい。

こういう持久戦でも良いのですが、先手としては後手に33桂型に組ませて56角を打ちたい、後手としては33桂を考えずに(昨日見たような)33銀型での向い飛車のほうが良い、という話です。

全体として先手が25歩を早く突くのは、後手が向い飛車に転じやすくなるので、得策ではないようです。

ここまでで「角道オープン四間飛車j容積ガイド」の確認を終わります。明日からはもう少しこれに載っていない形を調べてみます。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(24)

2023-08-28 | 基本定跡の研究

昨日の検討をもとにして

後手が向い飛車に転じたら36歩を突きなさいというのが安全策です。これでも24歩同歩同銀と「逆棒銀」で攻めてきたら77角

これは33角の受けしかないでしょう(44角は同角同歩43角、33桂には25歩)。33同角成同桂35歩

(12角には23歩があるので)35同歩23歩同飛34角

これで先手有利になります。

後手は2筋を攻めるわけにはいかなくて、

普通に高美濃から持久戦に移行します。先手は玉頭位取りにするのもないことはないですが、AIの好みを聞いてみると

珍しく穴熊を選択しました。実戦例もあるはずです。

9筋は受けて、銀を引いて固めます。

得に攻め筋はなく、隙を作らないように駒組を進めます。(私はこういうのが苦手なのですが。) この図の評価値は+151です。実戦例は53銀のようですが、AIに聞くと、31角が成立するから悪手だと言います。

32飛53角成同金24歩

角銀交換でも2筋を破れば先手有利です。

後手としては銀の繰り替えを保留して、銀冠に囲うくらいですが、互いに手を出しにくい状況が続きます。居飛車が悪くはないけれど、簡単に有利になる形でもないです。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(23)

2023-08-27 | 基本定跡の研究

最初のころに戻って

先手が早くに25歩を決めると、ちょっと話が変わります。後手は普通の四間飛車に戻すことはできず、62玉48銀72玉68玉88角成

角交換四間飛車になるのは当然でしょう。88同銀22銀78玉33銀58金右82玉46歩

似たような形の復習ですが、このタイミングならば44歩47銀45歩同歩同飛36角は先手良しです。72銀47銀22飛

後手は向い飛車に転じます。ここは分岐点なのですが、77銀24歩同歩同銀

先手が早くに25歩を突いていると、後手から「逆棒銀」で攻めることはできます。従来は36銀25歩56角・・・先手良しということになっていたのですが、AIに聞くと、36銀に32金

後手は25歩を打たない方が良いみたいです。33銀と引いて25歩を打たせる / 25歩を打たれて33銀と引く 形で、評価値は+74、先手はちょっと失敗して評価値を下げています。

AIの推奨は56角です。

後手に選択肢があって、32金34角33金23歩52飛

これは56角と引いて36銀~45銀と繰り出す感じで先手有利になるようです。わかりにくいですけど。

あるいはこの図から

39角38飛27歩

39飛28歩成49飛33銀36銀

と金を作って駒を取れますが、角損では後手不利です。

また戻って

33銀23歩52飛

この図の評価値は+105、先手が少し損をしている / 56角の働きが今一つだということでしょう。

ということでさらに戻って

ここで77銀24歩同歩同銀では面白くない、だから36歩を突いて2筋に備えようということになります。

 

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第244回名南将棋大会(弐)結果速報

2023-08-26 | 名南将棋大会

本日は第244回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

G級優勝

首藤大地さん

H級優勝

近藤悟さん

髙木弘志さん

松岡好美さん

原田一さん

I級優勝

大嶋典さん

J級優勝

大野清さん

船山松平さん

金田輝行さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

トーナメント表の画像です。遅刻や早退があって変則的です。奇数だったので私も入りましたが、優勝は譲りました。

過去12回分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

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SS1-13 角道オープン四間飛車(22)

2023-08-26 | 基本定跡の研究

3・4・3戦法の話がもう少しありまして

これまでは後手の35歩に対して25歩と飛先の歩を伸ばしていました。代わりに46歩を突くとどうでしょうか。32飛47銀34飛22角成同銀68銀32金

ここで25歩を突くこともできますが、66歩のほうが少し得です。評価値では+203と+223の違いです。25歩を突くと後手から仕掛けやすかったのですが、それを回避できるので先手が少し得をしているのでしょう。これまで見てきたように、後手の動きは無理だったのですが。

代償として

32飛ではなくて44歩と突かれそうです。47銀45歩同歩同飛

46歩を打つのでは作戦負けになりやすいです。AIに聞くと、48飛と受けるのが最善で、形勢を損ねたわけではないのですが、そのあとの指し手は難しいです。

なので先手は44歩に25歩

2筋に目を向けるほうが良く、45歩同歩同飛58金右

ここで分岐するのですが、32金24歩同歩同飛88角成同銀22銀

後手が23歩を打たずに2筋で反撃しようとすると、47銀33桂46歩42飛28飛23銀36歩同歩34歩

34同銀21飛成22角56角・・・という進行例は先手有利です。

後手としては無理に反撃しようとせずに、

46飛とひとつ浮いてけん制する方が良さそうです。実戦例は56歩32金24歩同歩同飛88角成同銀23歩28飛33桂・・・なのですが、AIに聞くと、66歩のほうが少し優っていて、32金24歩同歩同飛44飛

28飛82玉96歩94歩36歩

36同歩には33歩がぴったり。なので34飛35歩同飛37銀72銀47金34飛68銀23歩

あとは36銀とか46金とかで後手の飛を抑え込んでいく感じです。評価値では+198、先手が悪くはないのですが、わざわざ選ぶほどのこともなく、後手に升田式石田流に組まれても十分です。

つまりこの46歩ではなくて25歩を突く方が簡単だということですね。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(21)

2023-08-25 | 基本定跡の研究

3・4・3戦法から、升田式石田流の系統の最後は

33銀ではなくて33桂と跳ねる形です。ここでは38金が無難(56角~36歩同歩27金と攻めることができる)なのですが、96歩を突いて様子を見ると14角

というのが後手のねらいです。(角を打たないで31銀~42銀とするのは昨日の変化に合流します。) 58金右25角16歩44歩95歩24飛

のんびり指していると後手ペースになります。26角と手放せば評価値は-6の互角ではあるのですが。

対策としては(その前の96歩が甘いのですが)56角を打てばよくて

54飛には36歩と突いて戦います。44飛ならば45歩34飛38金

25角46銀24歩27金

強く迎え撃って先手有利、評価値は+341です。

升田式石田流の本を読むと出てくるねらい筋なのですが、居飛車側はよほど甘い手を指さなければ悪くなりません。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(20)

2023-08-24 | 基本定跡の研究

3・4・3戦法の続きで

44銀と出る形です。升田幸三先生もここにたどり着いていました。ねらいとしては55銀と出て、先手に56角を打たせない意味です。56歩を突かせて64に銀を引いていましたね。(それでも仕掛けに苦労していたのですが。) AIに聞くと、すぐに56角33飛66歩

筋違い角を打ってしまうのが簡明だと言います。気になるのは55銀67角84角ですが

ここは65歩もあるけれど、24歩同歩同飛23歩28飛66銀同銀同角

77桂44角58金上66銀

56角77銀成同金85桂88銀

77桂成同銀55金67角66金

66同銀同角77銀69銀88玉58銀不成同飛44角68金(埋めた)、

こんな進行です。後手からかなり攻められたものの、攻め駒は2枚だけ。先手玉が安定すれば25桂で駒得になるでしょう。評価値は+371の先手有利です。

戻って

55銀を無理だとすれば54歩24歩同歩同飛23歩28飛

55銀67角74歩には24歩

24同歩同飛23歩54飛で先手有利です。とすれば後手は74歩を突けず、55銀は64に引いて持久戦ですが

先手も玉を深く囲って金を寄せておきます。83銀に17桂が良い手のようで、72金24歩同歩同飛23歩34飛

飛交換は先手良しの形にしておいてぶつけます。この図は後手の43角がしぶとい(他は先手有利)のですが、それでも評価値は+247の先手良しです。人間の目で見ても指しやすさがわかります。

 

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SS1-13 角道オープン四間飛車(19)

2023-08-23 | 基本定跡の研究

3・4・3戦法(あるいは4・3戦法)の続きです。

24歩からの開戦は無理でしたから、42銀と引いて固めてみます。58金右44歩56角

やはりこの筋違い角が急所のようです。33飛24歩同歩同飛は先手良し。45歩同角44飛のほうが軽いですが、とりあえず66歩を突いておきます。

43銀67角54銀15歩64歩14歩

1筋攻めを絡めて先手から開戦することはできます。14同歩12歩同香24歩同飛同飛同歩12角成

この図の評価値は+210で先手ペース、でもちょっともったいない感じがします。

一度は88玉として角の可動域を広げておき、33金48飛74歩56銀42飛45銀

右銀をさばくほうが良さそうです。銀交換してもらえると攻め筋が広がるので、63銀引34銀44金24歩同歩28飛

後手の応手はこれ一つではないのですが、先手ペースで進みます。この図の評価値は+270で有利までもう少し。(先手玉がすそ空きなので飛のさばきあいではまずいですが、)一方的に先手の飛だけさばけそうです。

後手の別の指し方は

51銀と玉を固める手があります。アマチュア強豪の加藤光成さんが得意にしていて、先手を持った私はどう指して良いやらわからなかったのですが、AIに聞いてみましょう。

後手は左銀を71に引き付けて穴熊を目指します。左側は軽くさばこうというのですが。67角54飛56銀

やはり自陣角を打って、後手の飛をねらうのが良いと。91玉45銀64飛34銀

ここまで進めば評価値は+457の先手有利です。

後手としてはこういう順を避けるために左桂を跳ねることはできるのですが

67角44飛36歩同歩同飛

今度は桂頭をねらわれてしまいます。評価値は+520の先手有利。

3・4・3戦法のような升田式石田流の系統は、居飛車の筋違い自陣角が脅威になります。

 

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