名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190720

2019-07-20 | 大山将棋研究

後手番大山先生の手を考えます。

第1問

 

形勢は思わしくないのですが、このままだと左辺の駒を取られるので動いていきます。

A 75角  B 26歩  C 36歩

 

第2問

 

攻めていくのはこの筋です。

A 46桂  B 26香  C 43歩

 

第3問

 

39飛を99飛で77の馬取り、88馬と返されたところです。継続手は?

A 69飛  B 64歩  C 62角成

 

第4問

 

寄せ切りましょう。

A 34歩  B 34桂  C 33竜

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大山将棋研究(1317);中飛車に左美濃(有吉道夫)

2019-07-20 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190720

昭和43年9月、有吉道夫先生と第9期王位戦第4局です。

大山先生の中飛車で

急戦模様なので金を左に上がりました。

ツノ銀ではなく57銀から67銀で受けます。こうなると有吉先生は何が何でも急戦ということはないです。

角筋を止め持久戦にして

23玉とするのは

左美濃に組み替えるためでした。

有吉先生の角の働きが悪いので、大山先生から動きだします。

端は破れませんが、部分的には96飛とするのが形です。7筋を守り、角が移動しやすくなりました。先手玉も堅いので作戦勝ちのようですが

3筋から動いていきました。これも部分的には手筋です。

金を繰り出して玉頭戦です。

玉頭戦としては銀を引いて桂を取りに行くというのでは厚みが足りません。

有吉先生は持ち歩が増えたので9筋から逆襲です。香交換したら

93香か92香で飛を取れますね。84香は62角も利いているので飛は取れそうです。ただ93香同飛成同桂26歩では面白くないと思ったか

35香のほうでした。これでも駒得です。

大山先生は桂を殺して駒損を解消しますが

有吉先生の角も働いてきました。

46歩が取れて

馬ができました。

大山先生は駒得を主張したいので桂取りは防いでおきます。

桂を逃げて

飛をかわすのですが、玉頭の厚みというか位で有吉先生が優位に立っています。

75歩が少し甘かったのでしょうか、玉頭に嫌味がつきました。

それでも馬を使い

角が逃げたので97桂を取れます。

大山先生は26桂を打ち(22玉というのは不思議な応手ですが)香を打ち、

駒得だけは主張しています。さて有吉先生は手番がきたので何か攻めたい(36桂とか45桂とか)のですが

42桂の先受けにも関わらず、ここに桂を打たれると難しいです。

とにかく3筋を攻められて

また桂を打たれて

歩切れでも34香はうるさいです。金を打って守りました。

大山先生は金を取って99飛が勝負手です。

角を成り捨てて

竜を作るだけでは大損なのですが、1歩手に入れて34歩が打てるのも大きいです。有吉先生は銀を逃げるのも心細いので

馬筋を通して受けるのですが、銀を取られては不利でしょう。

大山先生は竜を使います。

竜取りの受けに

34桂がありました。銀を打てば寄り筋です。この場合は2枚換えでも攻め駒は4枚あるのです。

飛を取れば駒得で、攻めは切れませんからここまで。

 

大山先生の作戦勝ちのようで、玉頭から動いたのが間違いでした。自分から動くのは難しいものです。有吉先生はもう少し良くなるところはいくつかあったと思うのですが、勝負手をくらい、受けに回っても自玉を安全にはできませんでした。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/09/03
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:有吉道夫8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 6六歩(67)
10 6二銀(71)
11 5八飛(28)
12 4二玉(51)
13 4八玉(59)
14 3二玉(42)
15 3八玉(48)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 4二銀(31)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 7八金(69)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 9四歩(93)
25 9六歩(97)
26 5三銀(62)
27 5七銀(68)
28 6四歩(63)
29 6七金(78)
30 4四歩(43)
31 9七香(99)
32 4三銀(42)
33 9八飛(58)
34 6三金(52)
35 4六歩(47)
36 4二銀(53)
37 3六歩(37)
38 2四歩(23)
39 4八銀(57)
40 2三玉(32)
41 2六歩(27)
42 3二銀(43)
43 3七銀(48)
44 4三銀(42)
45 5七金(67)
46 3三桂(21)
47 9五歩(96)
48 同 歩(94)
49 同 香(97)
50 9三歩打
51 4七金(57)
52 3一角(22)
53 6八角(77)
54 5三角(31)
55 9六飛(98)
56 6二角(53)
57 3五歩(36)
58 同 歩(34)
59 3六歩打
60 同 歩(35)
61 同 金(47)
62 3四歩打
63 2五歩(26)
64 同 桂(33)
65 4八銀(37)
66 9四歩(93)
67 同 香(95)
68 同 香(91)
69 同 飛(96)
70 9三歩打
71 9七飛(94)
72 3五香打
73 同 金(36)
74 同 歩(34)
75 2六歩打
76 3四銀(43)
77 2七銀(38)
78 6五歩(64)
79 7七角(68)
80 7三角(62)
81 2五歩(26)
82 同 歩(24)
83 3八金(49)
84 4六角(73)
85 3七銀(48)
86 7九角成(46)
87 6五歩(66)
88 5三金(63)
89 9九飛(97)
90 8六歩(85)
91 同 角(77)
92 4三金(53)
93 9七桂(89)
94 8八馬(79)
95 3九飛(99)
96 7五歩(74)
97 2四歩打
98 同 玉(23)
99 2六歩打
100 3三玉(24)
101 2五歩(26)
102 8七馬(88)
103 8三歩打
104 同 飛(82)
105 9五角(86)
106 9七馬(87)
107 2六桂打
108 2二玉(33)
109 8四香打
110 6三飛(83)
111 3四桂(26)
112 同 金(43)
113 8一香成(84)
114 4二桂打
115 4六桂打
116 3三金(34)
117 3四歩打
118 同 桂(42)
119 同 桂(46)
120 同 金(33)
121 4六桂打
122 3三金(34)
123 3四香打
124 4三金打
125 3三香成(34)
126 同 銀(32)
127 9九飛(39)
128 8八馬(97)
129 6二角成(95)
130 同 飛(63)
131 9三飛成(99)
132 6三歩打
133 3四歩打
134 4五歩(44)
135 3三歩成(34)
136 同 金(43)
137 7三龍(93)
138 3二飛(62)
139 6三龍(73)
140 5一桂打
141 3四桂(46)
142 同 金(33)
143 2三銀打
144 3一玉(22)
145 3二銀成(23)
146 同 金(41)
147 6一飛打
148 投了
まで147手で先手の勝ち

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20190720今日の一手(その908);拠点の歩

2019-07-20 | 今日の一手

20190720今日の一手

 

5月2日の名南将棋大会から、KさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手玉のほうが堅いですが、後手玉は深いので同等くらいに見ておきます。

先手の攻め駒は46飛と持ち駒銀で2枚。

後手の攻め駒は66角と57銀で2枚。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手に銀を打ちこまれたところです。清算すると先手の数利きが足りていないということはわかりますね。5筋をうまく受けられるかどうかという問題です。正しい手が見えれば易しい問題でしょう。

駒損になる受けはだめです。つまり金銀交換くらいは仕方ないかもしれませんが、後手に馬や と金を作らせないことです。それだけ気をつければ後手の攻め駒は2枚だけなので受けやすいはずです。

 

☆ 簡単なまとめ

56飛として歩を払うのが

正しい受けで、後手の攻めは無理でした。

 

これがうまくいかないという場合ならば67銀打

銀を埋めて受けましょう。

 

 

× 実戦は57同金でした。

57同歩成66飛を期待したのでしょうが、57同角成同角同歩成

と金が残ってしまうので大失敗です。それでも(手順省略)攻め合いに持ち込み難しくなったのですが

進めてみると

玉の堅さに差があり、両取りに飛を打ち込まれて先手劣勢です。

 

さて後手から見ると、57金に同角成でも良いのですが、77角成とすることもできます。

77同銀57歩成同角65桂

筋は悪いですが、先手玉を薄くして攻めることもできます。

 

 

○ 銀を取れないならば飛を移動するのが普通です。56飛とすれば

58銀成66飛69成銀同飛

金金と角銀歩の交換で駒得です。後手の歩切れが大きくて攻められにくいです。先手玉が薄くなったとはいえ攻め駒は4枚ですし、先手有利です。

 

58銀成に同飛とすると

39角成で少し駒損ですが53銀

飛を成れそうなので駒損は消えます。

 

あるいは53銀ではなく43歩12飛24歩

軽く攻めていくのもあります。形勢互角か少し先は先手有利になるか。

 

 

△か× 49飛とかわすと

58銀成同金57金59金45歩

この歩は取りにくく、58歩46歩57歩同歩成67歩77角成同玉47歩成

金角を取ってみましたが、と金を作られているだけで負けそうです。駒得だから有利、には程遠いです。

 

 

× 47飛だと中央に備えていますが

58銀不成同金39角成

馬を作られて駒損です。先手玉も薄くなっていますからまとめるのは難しいです。

 

 

× 67金とかわすと

46銀不成(成るほうがよいかも)66金57歩成

と金を作られるのは失敗です。

 

また77角成とされる方も

77同金46銀不成同角65桂

先手玉が薄くなるので不利です。

 

 

× 角取りならば67歩のほうが普通ですが

46銀不成66歩57歩成

これは と金が残らないだけましです。飛を打ち込まれてちょっと苦しいかなというくらい。

 

この場合は77角成のほうが嫌で

77同玉46銀不成同角65桂

87玉57歩成同金同桂成同角

77桂が盤上にあるかどうか位の差ですが、無い方が先手玉の薄さが目立ちます。

 

 

○か△ 67銀打は

駒を打つ方が手堅い原則通りです。つまり46銀不成66銀

57歩成が怖くないですね。37銀不成のほうは15角もありますし、54歩39飛65桂61桂75角

5筋をねらうのも先手よしです。

 

ここでも後手は77角成のほうが良さそうで

77同玉46銀不成同角65桂

87玉57歩成同金同桂成同角

飛金と角銀歩の交換は同等だとして、先手玉が薄くないというのが大きいです。(67銀が歩だと薄いです。)

 

 

△か× 後の手としては43歩

43同飛ならば56飛が金取りになるというわけですが、58銀不成同金43飛

56飛55金66飛同金では自信なし。67銀打39角成56飛53歩

金銀交換で馬を作られている損が残ります。32銀を打てるけれど後手の38馬も嫌味ですから後手有利でしょう。

 

途中58銀不成に42歩成とすると

69銀不成同銀57角成同角同歩成52と

先手はほぼ飛得なのですが、後手の攻め駒は4枚あって先手玉が薄いです。寄せ合いは1手負けになりそうな形です。

 

 

× 53歩も利かしですが

これも入りません。46銀不成52歩成同飛46角57歩成

飛と金銀の二枚換えでも と金を作られて後手の飛も働くのでは劣勢でしょう。

 

 

☆ まとめ

よく駒得は味が悪いと書きますが、56飛とするのは味の良い駒得です。拠点の歩を払えるのですから、そのあとの確認は必要ですが、喜んで取るものです。

57同金が自然だからと考え無しに取ってはいけません。相手のねらい通りというのは危ないです。と金を作られたらかなり勝ちにくいです。相手の駒の働きを良くさせるのは自然な手ではないのです。

47飛や49飛では逃げただけなので弱いです。

飛にはひもが付いているのですから、受けるならば67銀打、しっかり受けておくものです。

 

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