名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20190708

2019-07-08 | 大山将棋研究

先手番大野先生の手を考えます。

第1問

 

怖い手なのですが主張があります。

A 68飛  B 66金  C 66角

 

第2問

 

強い手が来ました。強く返します。

A 45同銀  B 22角成  C 55歩

 

第3問

 

ここはどれも有力ですが、一番速い寄せを目指しました。

A 63と  B 58飛  C 25銀

 

第4問

 

筋よく寄せます。

A 41角  B 22角  C 22桂成

 

第5問

 

粘りを許さず寄せてしまいましょう。

A 62竜  B 77香  C 65香 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1305);四間飛車に持久戦(大野源一)

2019-07-08 | 大山将棋研究

今日の棋譜20190708

昭和43年4月、大野源一先生と第16回王座戦です。

大野先生の四間飛車、57銀とするのが大野流です。

大山先生は急戦をねらいます。角頭を攻めるのでしょう。

大野先生は金で角頭を守り

中央を目指したので銀が向かい合い、角筋が止まったので駒組みに戻ります。

88飛で73桂を誘い

78飛は桂頭をねらった手です。大山先生から動くことになりました。

1歩交換して64銀と受けたかったのでしょう。大野先生は66歩を打たず66角。これは危ない形ですが75歩をねらっています。

大山先生が派手に動きました。銀を捨てて45同銀66角同金同飛は後手よしでしょう。

大野先生は角を換えて66角。44角には45銀66角同金同飛77角で先手よし。

大山先生は飛を切るしかなさそうで、銀を取り

角を打ち込みます。

61飛には32金(31銀を避けた)で66金にひもが付きましたが、57角は死なないです。

馬を作らせて銀を打つというのが振り飛車らしいですね。

7筋を攻めていきます。大山先生は35歩から

両取りで返します。「両取り逃げるべからず」の63と78角成52と、両方受ける58飛も先手有利に見えますが

大野先生は小さい方を逃げる25銀から24銀。これは馬を取っても飛銀を取られるので駒損です。

しかし34桂があるから後手玉は寄るでしょう。

大山先生は開き直って金を取りましたが、45桂44玉32竜でも先手勝ちそう。

大野先生は36桂35銀で退路封鎖、桂を捨てて34歩を打てば

金を取って

23角が厳しいです。44玉45歩同銀に

同角成。

47銀打で縛れば勝ちに見えますが、この王手は取るしかないです。

上に逃がしてしまいました。

52金が取れるのでまだ先手優勢です。角飛を打たれて怪しくなってきましたが

金2枚を打って

後手玉を下に追いつつ、駒得を図ります。(73と を竜で取らせないで63と を入れるほうが簡単だったか。)

清算して角桂歩4と金銀の交換です。ここから先は先手玉が堅いので、攻め駒の数だけ見ておけばよいです。

飛を打ち込めば71金

香を取れば83桂と抵抗されますが、攻め駒は4枚になっています。

桂銀を打たれて失敗のようですが

竜を切って42角は鋭いです。

76香を打てて、金を活用でき

後手玉を下に落としてしまえばもう一息。角を捨てますが

香を成れば寄っているはず。銀を引かれて

金を取り93金も決めてから73金。

清算して攻め駒3枚ですが後手玉は裸で1段玉です。飛もあるので簡単なはず。

底歩で粘られますが

桂を取れたので72銀も打てました。72同飛成同金同玉64桂は寄せきれるでしょう。

まだまだ抵抗されて難しくなったようですが

75歩同飛成に96桂、これは95角に83銀成から75竜ですね。

62角から73銀を打たれて(打たずに72金は84桂があります)まだ粘られそうですが、81角91玉71竜の詰めろは受けにくかったはずです。

81角を打たなかったので金を埋められました。

53角74竜はいいけれど、71角成81香は固めさせた感じです。

63銀成~73成銀で1手余裕ができて95歩が入っています。

62角成~73馬の間にも96歩(桂を取った)が入っていて

攻め駒が3枚になっているので強攻できません。銀を打たれたら竜を逃げるしかなく

とにかく粘られています。

ここでは31飛成71歩同金か、73金同角71竜が良いように見えます(歩が手に入るので)が

73金同角74銀は角が手に入るものの後手玉は薄くなりません。

96歩で1歩手に入れて

72歩~71歩成をねらいますが、55馬~44香で先手玉も少しずつ危なくなってきます。

金をはがされて44桂、先手玉も王手がかかるようになってきました。

72角82金は固めさせただけですが、54角成と受けたかったという手です。

馬交換から76角の両取りは受かるのですが

攻防の香を打った時に

銀を取って44歩が飛竜の両取り。

角竜を取り合って74香と攻めましたが、78飛を打たれたところでは逆転されているでしょう。

38角の合駒に39銀。強く寄せに来られました。

27銀は取れず、歩で受けましたが

28金から角を取られて

39角も入って

角を切られ香を取られたところで投了です。

 

224手の激闘で、160手くらいまでは大野先生の快勝というところなのですが、だんだんにもつれて190手あたりで逆転でしょうか。明快な決め手もあったはずですが、悪手というほどの手を指してはいないのですが。大野先生の残念譜です。決め手はなかったかと探すのも良いですし、大山先生の粘りを学んでおくのも良いでしょう。手数が長くても面白いです。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1968/04/11
手合割:平手  
先手:大野源一8段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 6八銀(79)
6 6二銀(71)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 5七銀(68)
10 4二玉(51)
11 6八飛(28)
12 3二玉(42)
13 4八玉(59)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 4二銀(31)
17 3九玉(48)
18 8五歩(84)
19 7七角(88)
20 7四歩(73)
21 2八玉(39)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 5三銀(42)
25 7八金(69)
26 4二金(41)
27 6七金(78)
28 6四歩(63)
29 5八飛(68)
30 9四歩(93)
31 4六銀(57)
32 4四銀(53)
33 3六歩(37)
34 5三銀(62)
35 2六歩(27)
36 6二飛(82)
37 8八飛(58)
38 7三桂(81)
39 7八飛(88)
40 6五歩(64)
41 同 歩(66)
42 同 飛(62)
43 6六角(77)
44 6一飛(65)
45 7五歩(76)
46 4五銀(44)
47 2二角成(66)
48 同 玉(32)
49 6六角打
50 同 飛(61)
51 同 金(67)
52 4六銀(45)
53 同 歩(47)
54 5七角打
55 6一飛打
56 3二金(42)
57 6七金(66)
58 4六角成(57)
59 3七銀打
60 2四馬(46)
61 7四歩(75)
62 3五歩(34)
63 7三歩成(74)
64 3六歩(35)
65 同 銀(37)
66 6九角打
67 2五銀(36)
68 7八角成(69)
69 2四銀(25)
70 同 歩(23)
71 3四桂打
72 3三玉(22)
73 2一飛成(61)
74 6七馬(78)
75 3六桂打
76 3五銀打
77 2二桂成(34)
78 同 金(32)
79 3四歩打
80 同 玉(33)
81 2二龍(21)
82 3六銀(35)
83 2三角打
84 4四玉(34)
85 4五歩打
86 同 銀(36)
87 同 角成(23)
88 同 玉(44)
89 4七銀打
90 3六桂打
91 同 銀(47)
92 5六玉(45)
93 5二龍(22)
94 6四角打
95 3七歩打
96 7九飛打
97 5八金打
98 8九馬(67)
99 5七金打
100 6五玉(56)
101 6七金(58)
102 7三飛成(79)
103 6六金(67)
104 7四玉(65)
105 6五桂打
106 6二龍(73)
107 5三桂成(65)
108 同 角(64)
109 6二龍(52)
110 同 角(53)
111 6一飛打
112 7一金打
113 1一飛成(61)
114 8三桂打
115 4一龍(11)
116 5一桂打
117 5二龍(41)
118 6三銀打
119 6二龍(52)
120 同 金(71)
121 4二角打
122 5二飛打
123 7六香打
124 8四玉(74)
125 7五金(66)
126 9三玉(84)
127 8四銀打
128 9二玉(93)
129 6四金(75)
130 4二飛(52)
131 7三香成(76)
132 7二銀(63)
133 6二成香(73)
134 同 飛(42)
135 9三金打
136 8一玉(92)
137 7三金(64)
138 同 銀(72)
139 同 銀成(84)
140 9三香(91)
141 6二成銀(73)
142 7九飛打
143 6一飛打
144 7一歩打
145 5一飛成(61)
146 8四角打
147 7二銀打
148 9二玉(81)
149 7一龍(51)
150 8二金打
151 7五歩打
152 同 飛成(79)
153 9六桂打
154 6二角(84)
155 同 龍(71)
156 7三銀打
157 6一龍(62)
158 9一金打
159 5三角打
160 7四龍(75)
161 7一角成(53)
162 8一香打
163 6三銀成(72)
164 9五歩(94)
165 7三成銀(63)
166 同 龍(74)
167 6二馬(71)
168 9六歩(95)
169 7三馬(62)
170 同 金(82)
171 6二銀打
172 7二銀打
173 5一龍(61)
174 9九馬(89)
175 3二飛打
176 8二角打
177 7三銀成(62)
178 同 銀(72)
179 7二金打
180 6二歩打
181 7三金(72)
182 同 角(82)
183 7四銀打
184 8二銀打
185 7三銀成(74)
186 同 銀(82)
187 9六歩(97)
188 5五馬(99)
189 7二歩打
190 4四香打
191 7一歩成(72)
192 4九香成(44)
193 同 銀(38)
194 4四桂打
195 7二角打
196 8二金打
197 5四角成(72)
198 同 馬(55)
199 同 龍(51)
200 7六角打
201 4五龍(54)
202 7四歩打
203 7九香打
204 3六桂(44)
205 同 歩(37)
206 4四歩(43)
207 7六香(79)
208 4五歩(44)
209 7四香(76)
210 7八飛打
211 3八角打
212 3九銀打
213 同 玉(28)
214 2七銀打
215 5八歩打
216 2八金打
217 4八玉(39)
218 3八銀成(27)
219 同 銀(49)
220 3九角打
221 4七玉(48)
222 5七角成(39)
223 同 玉(47)
224 7四飛成(78)
225 投了
まで224手で後手の勝ち

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190708今日の一手(その902);読みの量

2019-07-08 | 今日の一手

20190708今日の一手

 

5月2日の名南将棋大会から、TさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

角と金金の交換で竜馬を作り合っています。先手の駒得ですが終盤では重視しません。

玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただし後手玉は飛角の利きで守られていますから大差ではないです。

先手の攻め駒は44竜と持ち駒金金桂桂で5枚、十分です。

後手の攻め駒は75角85桂と持ち駒銀で3枚。72飛も使えそうです。

 

総合すれば先手有利です。

 

何手で詰めろかを見てみると、後手玉は34銀が詰めろで現状は2手すきです。

先手玉は77桂成が詰めろで現状は2手すきです。

先手番ですから寄せ合いは先手有利です。

 

☆ 大局観として

寄せ合い1手勝ちと見て攻めるか、一度受けて安全に指すか、という分かれ目です。

寄せ合いでは後手の飛角の利きがあるので間違えると危なくなります。

受けを考えると、後手の攻め駒は3枚か4枚なので、まだ受けがあるような無いような中間くらいです。

どちらにするか悩みますね。攻防の手があれば話は簡単ですが。

 

 

○ 攻めるというか寄せ合いとしては34銀

盤上で攻め駒ではなかった銀を使い、馬取りでもあるのですからこれしかないでしょう。33金と打てば簡単に詰みます。33歩の受けには馬を取るのではなく(77桂成で危ない)23銀成同玉15桂

という詰み筋までは読んでおきましょう。後手は銀歩しかないので、この図で33歩ではなく33銀だとしても詰むのはわかりますね。

 

銀を打つならば42銀とするのが一番抵抗力があるのですが

25銀77桂成34桂

32玉42桂成同飛24桂

ここからでもずいぶん長手数ですが後手玉は詰みます。でも後手の飛が7筋からずれると先手玉が詰まなくなっているので、あまり駒を渡さなければ詰まさなくても勝てます。

 

後手は34同馬とするしかないでしょう。

34同竜で詰めろが消えて、77桂成が怖いですが44角と打てば

攻防です。33金77角66角

33竜同角34桂32玉44歩

というのが進行例ですが、先手玉がまだ安全なので有利です。

 

後手が77桂成ではなく33銀

受けに回ったら難しそうですが23竜同玉41角

竜を捨てて王手銀取り、合駒は35桂を打てます。34玉45金43玉63角成

詰めろを続けていけば先手の勝ちでしょう。(難しい順ですが。)

 

 

× 実戦は78金引と受けました。

このほうが先手玉が堅く見えるので常識的な受けなのですが、77歩を打たれます。34銀と攻めると

後手玉は詰めろ。先手玉は78歩成同金97角成

どう応じても78飛成から簡単に詰まされます。つまりは78金77歩の交換は2手すきが1手すきになった(寄せ合いとしては)悪い手です。

 

実戦では88金と逃げて78銀

78同金左同歩成同金77歩

77歩ではなく97角成で詰んでいましたが、これでも後手の確実な勝ちです。

 

 

○ 76金と出るのがこういう場合の受けの手筋です。

桂で金取りに打たれたら(終盤では)上にかわすほうが筋なのです。ただここでは97角成同香76飛というのが気になるのですが77歩

飛角がいなくなれば後手玉は簡単に詰みますね。77同桂成とか46飛の余裕はありません。

 

後手は飛角を移動したり切ったりはしにくいです。64角くらいでしょうが73歩

歩を連打して受けるのはすぐに気が付くでしょう。

 

 

△か○ 76歩が普通の受け方でしょうか。

ちょっと駒損の取引ですが、77桂成同金33金41竜64角47歩

まだ駒得は保っています。

 

 

○か△ 78歩は違和感がありますが

77桂成同歩33金41竜64角47歩

角取りではなかったので必然とは言えませんが、76歩77金のかたちよりも、77歩68金の形のほうが先手玉が堅いです。

 

△ 受けとしては78金打とか

(あるいは88金とか89桂とか69桂とか歩以外の)持ち駒を打つ方が手堅いというのが原則です。反面では攻撃力が低下しますから、ここでは(前の変化でかまわないので)必要性は薄いです。

 

 

○ 73歩は手筋というか利かしです。

受けの手(72飛の利きを止めた)であり攻めの手(飛を取れば詰めろ)、攻防の手でした。

77桂成72歩成と進むと

後手玉は詰めろ、先手玉は詰みません(詰み筋も見えません)。

 

73同飛に34銀とすれば

飛の横利きがないので攻めやすいです。34同馬同竜33銀41角

詰めろをかける手段が多くなります。

 

後手が飛を横に逃げると、63銀にひもをつけて62飛が一番難しいですが

34銀同馬同竜33銀に同竜

先手玉が安全になった(駒を打って受ければよい)ので竜を切って攻めることができます。33同玉は51角、33同桂は34桂から寄せて行けばよいでしょう。

 

☆ まとめ

寄せ合いの34銀は結構面倒そうだと感じるのですが、多くの場合は攻めるほうが読みの深さ広さを要求されるからでしょう。

受けるほうが読みの深さは少しで済みます。代わりに少し広げて読むのですが、手としては78金引、76金、76歩あたり。思わしくなければ78歩や78金打や89桂も考えます。ピッタリした受けだと読めれば、それ以降は打ち切っても良いです。

深さは3手くらいでしょうか。78金引77歩で放置は怖いです。88金78銀ではつぶされそう、と打ち切ります。

76金(86金ではだめだとすぐにわかりますね)に後手の角がどこに移動するか、それが怖い手かどうかは全部確認します。

金を逃げない手は金を桂で取らせて取り返して、後手から怖い手があるかどうか。

 

ぴったりの手が見えると、読むのは簡単になってきます。73歩が攻防で、73同飛はかなりの利かしなのでそれから読み直しても良いでしょう。横に逃げさせたら先手玉の脅威が減ります。よって手抜きの77桂成で悪くなるかどうかだけ、とりあえずは読めばよいです。77同金でも悪くはないのですが、飛を取って勝ちでした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする