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トンデモ判決:鳴門競艇の日雇い公務員の退職金支払いは担当者が知らなかったから賠償責任はない

2019-10-23 15:41:01 | 日記
平成29(行ヒ)423  鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求事件
令和元年10月17日  最高裁判所第一小法廷  判決  その他  高松高等裁判所

前に見た感じがするなとと思っていたましたが、やはり以前にやっていました。本ブログの「トンデモ判決:離職せん別金に充てるため共済会に対して補助金を出すのは適法」の関連裁判です。

 1 市の経営する競艇事業の予算に違法な内容が含まれていた場合において,市長が市に対し当該予算を調製したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例
2 市の経営する競艇事業の管理者が違法な補助金の交付を決定した場合において,当該管理者を補助すべき立場にある職員が市に対し上記の決定に関与したことを理由として不法行為に基づく損害賠償責任を負うとはいえないとされた事例


毎日新聞の報道です。
徳島県鳴門市がボートレース(競艇)事業運営のため周辺漁協に支払った「公有水面使用協力費」は違法な支出だとして、住民が市に対し、漁協に返還請求するよう求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は23日、住民勝訴の2審判決を破棄し、請求を棄却した。住民の逆転敗訴が確定した。

事実関係を見ていきます。

(1) 市は,鳴門市公営企業の設置等に関する条例(平成16年鳴門市条例第38号)により,モーターボート競走法に基づくモーターボート競走の開催及びこれに附帯する業務を行うため,競艇事業を設置し,同事業に地方公営企業法の規定の全部を適用している。
・・・。平成22年当時,Bは市長,Cは企業局長,Aは競艇事業担当の企業局次長(以下,単に「企業局次長」という。)の各職に在った。
(2) 臨時従事員の採用は,鳴門競艇臨時従事員就業規程(平成17年鳴門市企業管理規程第27号)に基づき,企業局長が,選考に合格して登録名簿に登録された採用候補者に対し,個々の就業日を指定した採用通知書により通知する日々雇用の形式により行われていた。臨時従事員の身分については,地方公務員法22条5項の臨時的任用による同法3条2項の一般職の地方公務員であると理解され,これを前提とする運用がされていた。


日雇いの公務員ですね。

(3) 市は,地方公営企業法38条4項の規定に基づき,企業職員の給与の種類及び基準を定めることを目的として,鳴門市企業職員の給与の種類及び基準に関する条例(昭和41年鳴門市条例第59号。以下「給与条例」という。)を制定している。・・・賃金規程上,臨時従事員の賃金の種類として,基本給,職務給,記録手当,時間外手当,調整手当,通勤手当及び特別手当が定められ,退職手当は定められていなかった。
にもかかわらず、餞別として払ってしまったわけです。

(5)ア 共済会は,懲戒による離職の場合を除き,離職又は死亡により登録名簿から抹消された会員又はその遺族に対し,離職時の基本賃金(日額賃金)に在籍年数及びこれを基準とする支給率を乗ずるなどして算出した離職せん別金を支給していた。
イ その額は,離職せん別金に係る計算式と連動した計算式により算出された金額の範囲内とされていた。

(6)ア 行政実例においては,臨時的任用により採用され常用の身分関係のない競艇事業等の従事員に対し,永年勤続に対する功績報償としての退職手当に相当する退職金を支給する義務はないとされている


だから前のブログではトンデモ判決と判断しました。

イ 平成18年3月の市議会の予算特別委員会総務分科会において,委員から離職せん別金補助金につき改善を求める発言がされた際,市企業局の担当者は,総務省から離職せん別金補助金は退職金ではないかと指摘され,その改善を指導されており,

この点はいかにも田舎の公務員の発想です。以前からやられているから、今更変えるまでもないと放置したわけです。

ウ 平成22年2月の市議会の産業建設委員会において,委員から離職せん別金の支給を問題視する発言がされたのに対し,当時の企業局次長(Aの前任者)は,離職せん別金は退職金ではないが,その支給について法的な根拠があるわけではなく,本件組合との団体交渉の結果によるものである旨を説明した。


喩え労使交渉の結果だとは言え、民間企業ではないのですからそのあたりは、しっかりしなければなりませんが、条例をいじらずにそのまま払ったのです。

イ 共済会の会長であるAは,平成22年6月30日,企業局長であるCに対し,離職せん別金補助金1億0457万3722円(本件補助金)の交付を申請し,Cは,同年7月7日,その交付を決定した。
ウ 本件補助金は,平成22年7月30日,専決権者である競艇企画管理課長の支出命令により,共済会に対して交付された。


これらについて最高裁は、
その交付は,地方自治法204条の2及び地方公営企業法38条4項の定める給与条例主義を潜脱するものであるといわざるを得ないから(前掲最高裁第二小法廷判決),本件予算は,共済会に対する離職せん別金補助金の支出という違法な内容を含むものであったということができる。しかしながら,上記支出が違法であるのは,臨時従事員に対して離職せん別金又は退職手当を支給する条例上の根拠がないこと等によるものであり,本件予算の項目や明細から上記支出が違法であることが明らかであったわけではなく,Bが,本件予算の調製に当たり,上記支出が違法であると現実に認識していたともうかがわれない。

おいおい、わざとでなければやっていいのかよ。40キロ規制のところを50キロで走っていたら速度制限違反で捕まりますよね。釈然としません。

結論
以上によれば,当時の市長であるBが,市に対し,共済会に対して離職せん別金補助金を支出する内容を含む本件予算を調製したことを理由として,不法行為に基づく損害賠償責任を負うということはできない。・・・
Aが共済会の会長であったのは,共済会規約が企業局次長の職に在る者を会長とする旨を定めていたからであるにすぎない上,Aが本件補助金の違法性を認識しながらあえてその交付申請をしたといった事情はうかがわれない。また,Aが本件交付決定の決裁に関与したためにCが本件補助金を交付するか否かについての判断を誤ったといった事情もうかがわれない。以上によれば,当時の企業局次長であるAが,市に対し,本件交付決定に関与したことを理由として,不法行為に基づく損害賠償責任を負うということはできない。


はぁ?市長の公印は市長がすべてチェックしているわけではないです。市長が1回もかかわっていない案件についても、市長の公印が押されることはあります。それは重々承知です。ですが、市長個人ではなく、市そのもののに対しての裁判ですよね。個人で賠償しろと言っているわけではないはずです。共済もトップもしかりです。

裁判官池上政幸の補足意見
1 市の競艇事業には,地方公営企業法の規定が適用され,その企業職員の給与 は,給料及び手当とし(同法38条1項),その給与の種類及び基準は,条例で定 めなければならない(同条4項)とされている。この規定に基づき,給与条例18 条は,企業職員のうち,非常勤職員について,常時勤務を要する職員の給与との権 衡を考慮し,予算の範囲内で給与を支給する旨を定めている。しかし,臨時従事員 は,個々の就業日として指定された一日を単位とする雇用の形式で採用された企業 職員であるから,その就労実態等にかかわらず給与条例15条の定める退職手当の 支給要件(勤務期間6月以上で退職した場合等)を満たすものではないとされてい る以上,常時勤務を要する職員の給与との権衡を考慮しても,臨時従事員に対し, 給与条例18条に基づき退職手当を支給することができるとはいい難い。
・・・
昭和 40年頃に締結され維持されてきた本件協約が効力を有しないと認識することが容 易であったとまではいい難く,現に,市の企業局は,そのような認識のないまま, 本件協約を継続してきたことがうかがわれる。



おいおい、やったもん勝ちですか?時効分は仕方ないとしても、過去にさかのぼって返還命令が筋ではないでしょうか。


2 本件協約に基づく離職せん別金の支給は数十年にわたって継続されており,市企 業局は,本件協約を前提として企業管理規程を整備するなどして,組織として離職 せん別金補助金の交付を繰り返してきたものであるところ,その間,離職せん別金 補助金は,事業年度ごとの競艇事業の特別会計上,事業の収入をもって充てられる 経費(管理費)である「従事員共済会補助金」として計上されており,市議会にお いても,予算の議決及び決算の認定を受けるなど所要の手続が履践されていたこと がうかがわれる。なお,市議会の委員会において,離職せん別金又は離職せん別金 補助金に関する質疑応答がされており,これらが離職せん別金補助金の適法性を確 認する契機となり得たことは確かであるが,上記委員会において,これらの支給が 給与条例主義に違反する旨が直接指摘されていたわけではない。


3 市企業局は,競艇事業が共済会に対して離職せん別金補助金を支給し,共済 会が臨時従事員に対して離職せん別金を支給するという形式を用いることによって,臨時従事員に対する離職せん別金を支給するための条例上の根拠の有無を確認 しないまま,安易に従前の取扱いを踏襲し,離職せん別金補助金を繰り返し交付し てきたといわざるを得ない。競艇事業の管理者であるCにおいても,本件交付決定 について,その適法性を確認すべき義務を怠った過失があることは否定し難い。



何ですかこれ????行政にやさしすぎませんか?

4 以上述べたところによれば,市企業局が長年にわたり組織として運用してき た離職せん別金補助金制度の誤りについて,本件交付決定当時に企業局長の地位に あったC個人に対して損害賠償責任を追及することには酷な面があるといわざるを 得ず,市議会によるこれまでの対応等に照らしても,今後,C個人の上記責任を追 及するに当たっては,相応の配慮が望まれるところである。

ふざけるな!と言いたくなってきますね。知らなかったで済まされないでしょう。何のための法律ですか。何のための監査制度ですか。こういうのを糺すためにこういう制度があるんじゃないですか。
この裁判を起こした人は、当時の自治体監査をした監査法人と監査委員会を訴えてください。さもなければ、エンコネで雇って退職金を払う公金横領が可能になりますのでとどめを刺してください。

第一小法廷
裁判長裁判官 深山卓也 トンデモ
裁判官 池上政幸 特にトンデモ
裁判官 小池 裕 トンデモ
裁判官 木澤克之 トンデモ
裁判官 山口 厚 トンデモ


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