一僧侶の日常の思いを語る
沙門の法話
心をつく
私はいいことばかり言う人はあまり信用していないのです。逆に自分にとって苦手だと思う人には何かしらヒントがあるのではないかと、そのように思っています。
人は知らず知らずにうちにイエスマンを自分のまわりにおきたがります。会社の社長がトップに上り詰めた後に孤独になるのはそのせいです。
誰も立ち場を考えて意見しなくなります。そうなると心をつく意見が届かなくなり、逆に人が離れていってしまうのです。
そばにいる人も、本当に意味で近い存在ではなくなってしまう。
物事には見方が幾通りもあります。二極で考えてもいいでしょう。
これが「正しい」という答えはないのです。しかし心をつく答えはやはり正しい答えだといえます。
私は今まで物事を判断するときにこの「心をつく」という基準できめてきました。
なんとなくだがこちらの方が正しいような気がする。その気持ちを利害関係ぬきに判断してきたのです。
私としては間違っていなかったと思っています。
ただすべてが正しいと言い切れないのがこの世の中です。
100対0はありえない。だからお互いで仕方ないと思いながら進むしかありません。
これからも心の声に耳をかたむけ生きようと思います。
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